現在進行形 通常色
「エコー会話など」
「その他の人々」
『無線機越しの会話』や『看板表記』など
この小説特有のルールを作ってしまって申し訳(;'∀')
2話目「この辺りの人々~」で素敵なイラストを頂きました!いつも協力してくれてる絵師さんに足向けて寝れないw(*'ω'*)
「
瞳を閉じた時・・・鏡をのぞき込んだ時。輸送機の揺れに身を任せた時。
ふとした瞬間に脳裏に蘇る記憶の断片。
「我々の目的は云わば、合衆国特殊作戦群の露払いだ。」
見覚えのない天井。何も覚えていない私に対し医師は「一時的なものだ。時期に記憶は回復する」と告げた。
「つまり・・・敵勢力圏に一小隊だけで侵入し、後にやってくる正規軍の為に綺麗にゴミ掃除をしておけと?我々はいつからボランティア団体になったのですか?」
灼熱の太陽。舗装されていない砂と土の大地。
特殊部隊の突入はSHDの
「流石に自殺行為なのでは・・・」
「文句なら上層部に言え。訓練は実戦の様に、実戦は訓練の様に。
記憶の中の私達は進んでいく。
コンタクトレンズ型のディスプレイに表示された敵影を、壁越しに射殺する。
決められた陣形、フォーメーションなんてものはない。各人が状況に応じた最適な行動を行い、その上で必要なら連携を行い圧倒的な速度で周囲一帯を
足音もなく、部隊内での指示すら必要としない。
サプレッサーを装着した銃で脅威を排除しながら迅速に進む様は、対峙した者からすると悪夢そのものだろう。
「状況を報告しろ。」
「ケベック。制圧完了」
「リマ。制圧完了」
「・・・エコー。状況報告しろ。・・・エコー!応答しろ。」
・・・人は産まれるてすぐに、愛情と
ならば、自身の名前すらも思い出せない私は
自身の歩んだ道のりには数多もの屍。泣きじゃくる少年、そして横たわる少年の
(拾うな・・・)
床に転がる父親の形見となった銃。それに手を伸ばす少年に対してエコーは願った。
自身の経験、そして感情から人格が形成されるのだとしたら・・・なにも思い出せない今の私は、本当に
「拾うな!!」
・・・故に、私は思い出さなければならない・・
・・・・そして私は引き金を引く。
SEPTEMBER19 18:20(day1
エントランスプラザ
フードコートを抜けアルフレスカプラザへ、そしてフランクにとっては始まりの場所であるエントランスプラザへと。入り口入ってすぐにシャッターが下ろされており3人の行く手を阻んでいた。
「博士とは俺が交渉するし、このシャッターも俺が解除する。あんた達はお願いだから何もしないでくれ!」
・・・酷い言われようである。
「まぁ、気持ちもわからない事もないですがね・・」
方やパパラッチ、方や民間市民。
「かと言って、悠長に時間をかけるのは得策とは思えませんよ?」
レンガで整地された路面、ヨーロッパ調の建物が立ち並ぶアルフレスカプラザ。露店になっており、空には沈みかけの太陽。
エコーはエントランスプラザと隣接するアルフレスカプラザを隔てるガラス戸の様子を見ながら客観的な意見を述べた。
3人が通過した直後に施錠した扉にはぎっしりと感染者が張り付いており、ガラスを叩く音、錠が当たりガチャ付く音が鳴り響いている。
「今まで割れてなかったんだ。大丈夫だろう…?」
「状況は変わりますよ・・・。このエリアに隠れる
数が増えれば、それだけ負荷がかかる。
強化ガラスとはいえ心もとない。
「それに視界が悪くなった状況では突発的な戦闘が起こる可能性が増します。」
室内の照明がガラス戸に反射し3人の姿を映している。
(もうすぐ日が暮れる・・・)
時間を持て余したエコーはハンドガンの弾倉を抜き装弾数を確認、再び挿入する。
(ポケットから取り出すたびに増えて行けばいいのに・・)
フル装填の弾倉3本、銃に装填している弾倉に4発。新しい弾倉に取り換え、万全な状態を保ちたいところではあるが3本しかない弾倉でタクティカルリロードを行えば使いかけの弾倉が何個も出来上がってしまう。
「・・・・私が開けましょうか?」
「大丈夫だ。問題ない」
半ば痺れを切らし始めたエコーに対して平常運転のブラット。
「・・・際ですか。」
制御盤の操作を終え、開錠されたシャッターが天井へと収納される。目的の人物を発見して駆け寄っていくブラット。そして
「博士。貴方の協力が必要なのです。」
「脱出手段が確保できるまでわしはここを動かん!!」
店舗に立て籠もる老人の説得を試みているようだ。
「このゲートを開けてください。ここは危険です。「得体のしれないお前たちと居るより、ここが一番安全なのだ!」」
「帰ってくれ「あ~バナービー博士!」帰れ!」
「で。どうなったんだ?爺さんを捕まえないのか?」
「保護を申し出たんだが、確実な脱出手段がないと協力してくれないそうだ」
(難儀な事ね)
離れた位置で待機しているエコーにも事の顛末が聞こえてくる。
(でも、アウトブレイクが発生しているかもしれないこの状況で協力を拒むという意味・・それがどういう事を意味しているのかこの人達は理解しているのだろうか?)
「ジェシーが本部への直通回線を持っている、まずはそれで応援を要請してからだな。」
(既に通信妨害で外部との連絡は取れない。)
話ながらこちらに向かってくる2人に笑顔を向けるエコー。
状況が悪化しているのを知っていても迂闊に口に出すことはしない。DHSのブラットがフランクに情報を出し惜しみするように、エコーにとっても知る筈のない情報を出すわけにはいかない。勿論、扉の開錠についても同様だ。その気になれば電子ロックの開錠など1分もかからない。
「話はまとまりました?」
だが、それを口にすることはない。
「付き合わせて悪かったな。今からフランクがセーフルームに案内するから付いてきてくれ。フランク、この子を頼めるか?」
「・・・
「少し寄りたい場所がある。先に行くぞ。」
18:59(day1
アルフレスカプラザ
ショッピングモール、中庭に設置された時計台から19:00を知らせる鍾が鳴る。
既に傾いた太陽は地平線の先に沈み、残り火の様な薄暗さがあたりを支配していた。
当たり前のように日は上り、当たり前のように日は沈む。この町の惨劇の中でも当たり前のようにルーティンする自然の景色。
しかし、エントランスプラザからこのエリアに侵入した瞬間、周囲の雰囲気にエコーは違和感を感じ取っていた。
(何かがおかしい・・・)
そう、
日没と共に視界が悪くなるのは当たり前のことだ。
ブラットとフランクが無力化した感染者の死体も、最後に見届けた場所に横たわったまま。再び起き上がるなんて事にはなっていない。
周囲の感染者は私達を襲おうと近づいてくる・・・これも見慣れた光景。
(ならば、この胸騒ぎは?)
何かが違う。何かがおかしい。
そう、エコーの直感が警鐘を鳴らしていた。
先行するフランクの背後から襲いかかろうとする感染者の膝を、
まるで喉の奥に刺さった小骨の様な違和感。答えが出かかってるのにたどり着けないむず痒さ。
転倒する感染者を横目にエコーの疑念は晴れないままだ。
フランクのジャケットの中から声が響く。
『聞こえるかフランク。今いるエリアがアルフレスカプラザだ。』
『おい、無視するなよフランク。聞こえてるんだろ?』
「後にしろ!」
うっとうしそうに無線機を取り出し応答するフランク。
心なしか感染者の数が増えている。一々無線機で雑談まがいの会話をする余裕などない。
無線機を左手に、右手にはスポーツ店で拝借した木製バット。
本来、両手で扱う筈の
そして、強引に推定体重80kgオーバーの鍛え抜かれた
真っ当な精神状態の人間では到底行えない判断。そして、この現状での最適解。
彼の後ろ姿を眺めながら感嘆した。
『あ~。取り込み中すまなかった。そのまま聞いてくれ。』
『そのエリア、奥の宝石店に女性が立て籠もってる。周囲にはゾンビが居るがあんたなら大丈夫だろう?』
『監視カメラで様子を見る限り、嘆いてる様にも見えるが・・・錯乱してるかもしれない、様子を見に行ってくれ。』
無線の内容を理解するや否かフランクの姿がゾンビの群れの上空を舞う。
「フランク!?」
接近したゾンビ、その肩を踏み台に更に跳躍。十分な高度を得たフランクはゾンビの
(うんうん、何言ってるか分からない?残念だが私にも何が起こったのかわからない)
というか!私も一般市民って言わなかったっけ?なんで見捨てられてるの!?「お前なら感染者の群れが居ても大丈夫」って思われたの??
「フラーーーンク?」
目の前には30体以上の感染者。
(弾が一瞬でなくなってしまう・・)
この町に来た当初に無力化した2体ですら時間がかかったのに
私には彼の様に感染者もろとも吹き飛ばせる筋力は持ち合わせていない。
「おい!大丈夫か?」
「グレース!グレース!!私の赤ちゃんを返して!」
「子供とはぐれたのか!?俺が探し出してやるから・・・まずは、あんたを安全なところに。」
・・・
フランクと同じように飛び越える?7割成功したとして残りの3割を
じりじりと狭まる包囲網に合わせて後退するエコー。
(エージェントご自慢のセンサーもこの状況じゃガラクタね・・)
先程から
そして、
ーーーー頭上からガラスの割れる音がしたーーー
感じたのは強い衝撃。
力の奔流に抗うこともできずにそのままうつ伏せの状態で地面へと押し倒された。
その後は・・・半ば反射的に防御行動を行った。
状況など把握できていない。背中に感じる気配に応えるように体を捻じり肘を相手に打ち付ける。
店舗の2階の窓が割れている・・・そんな情報は今必要な事ではない。
「フランク!!」
感染者に馬乗りにされている。噛みつかれまいと感染者の首元を片手で締め上げるが筋力は相手が上だ、効果など時間稼ぎ程度しかない。
徐々に狭まる距離。
感染者の顔がよく見える・・・
目は真っ赤に充血し、息遣いも昼間の無気力な呻き声ではなく寧ろ、獰猛な獣を連想させるような・・そんな低い声だった。
(せめて・・武器になるようなものを)
ガラス片でもフォークでもレンガでもなんでもいい。押し倒された状態、手で探せる範囲を文字通り手探りで探す。
キスが出来そうな距離。荒い息が顔にかかる。
「・・・エコー。制圧完了。」
きっと私は数秒もしないうちに死ぬことになる。
だから、例えこれが走馬灯なのだとしても納得してしまうだろう。
「・・・・大丈夫か?」
「・・・
「・・・・・」
「グレースは!私の赤ちゃんは!!目の前で奴らに喰われたのよ!!」
「・・・エージェントの交戦規定は各人で判断する。それがどういう意味なのか、理解しろ。」
「味方を犠牲にし、敵を殺し守るべき民をも殺し・・・私達に一体何が残るというのですかッ!」
指先金属の感触が伝う。
私はそれを引き寄せて逆手で握りしめる。
「引き金を引かなければ相手は助かる。その代わりお前は死ぬ事になる。そして、義務を果たさなかったゆえにほかの仲間も死ぬ事になる。」
「話し合いで済むのならそれが一番いい。だが、我々が駆り出された時点ですでに手遅れなんだ。」
「俺なら迷わず引き金を引く・・・どうせ誰か死ぬんだ。相手を殺す・・・そっちの方がよっぽどいい。」
首筋に歯を突き立てようとする感染者の頭部に掴み取った
バックパックから転がり出た筒。TECトーチと呼ばれる
燃焼物質から生成された摂氏2200℃の高温の炎の刃は簡単に感染者の頭部を溶断し周囲に肉の焦げる匂いを漂わせた。
(返り血はない・・当たり前ね、焼き切ったから。)
取り落としたP90を拾い上げゆっくり立ち上がる。
燃焼の終わったトーチのカートリッジには残り火。ロックを解除しカートリッジを捨て本体をポーチへとしまう。
薄暗い路面にチロチロと火を残しながら転がっていくカートリッジ。
(興奮状態では本来のパフォーマンスは生み出せない・・)
瞳を閉じて深呼吸。
一見無防備な状態だが感染者に組みつかれるまでに数秒余裕がある。
(彼らは暴徒?)
(彼らは守るべき市民?)
瞳をあける。
街頭の光が横の店舗のガラス戸に反射して鏡の様にエコーの姿を映していた。
----鏡よ鏡。私はだぁれ?-----
馬鹿げた感傷が脳裏をよぎる。
返答はない。当たり前のことだ。
「私の名前はエコー・・・SHDのエージェント・・」
・・・私はまだ、
最前列の感染者の頭部をP90で吹き飛ばす。
生きる屍から本当の死体となった
そして、既に風穴の空いた頭部にP90の銃口をねじ込みそのまま他の感染者の頭部を射抜いていく。
幸いなことにSHDエージェントが使用する装備にもライオットシールドと呼ばれる盾がある。その為、エコーにとっても
P90のボルトがオープンし全弾撃ち尽くした事を撃ち手に知らせる。
即座にP90を手放し、グロックを引き抜く。
盾の代用と使用していた
かつてフランクがバットで実践したように・・・
感染者の群れの中に自ら飛び込んでいくような行為。既に全方位、取り囲まれ腕を突き出して銃を構えることも出来やしない。
ならば腕を突き出さなければいいじゃない!と言わんばかりに半身になり胸の前で、両手で銃を保持し固定する。
・・・もしも、胸の前に抱いたものがクマのぬいぐるみならばエコーの幼い容姿と相まって、とても可愛らしく周囲の目に映った事であろう。
だが、現実は違う。その手に持つものは銃。
数多もの戦闘データから近距離戦闘に特化した構えとして考案されたC・A・Rシステムには可愛らしさなど微塵も存在しない。
至近距離、狙いをつける必要もない。独特な構えは銃の感動を完全に制御し、
薬室に1発だけ残し、素早く弾倉を交換。
感染者の手を
全員相手にしていたら弾がいくらあっても足りない。自身の周囲、進行方向だけ障害を排除する。
いくら相手が多くても懐に飛び込んでしまえば、数の多さが仇となり攻撃を受ける方向を限定できる。
結局、選べる手段など残されていないのだ。
「家族を食った奴らの仲間になりたいのか?来い!俺はあんたを死なせない!」
フランクの必死の説得が聞こえる。
離れて数分しか経っていないにも関わらず、随分と長く感じた。
「説得は終わりましたか?」
「ああ。今からあんたを迎えに行こうかと・・・怪我したのか?「返り血よ」」
「そうか…囲まれる前に移動しよう。」
SEPTEMBER19 19:25(day1
フードコート
「なぁ……さっきは…その、すまなかった。」
「大丈夫、気にしなくていい。」
「怒ってるのか?」
「………」
私は怒っているの?
何に対して?
切迫した状況下で
あの時、私でない他の生存者だったならば……きっとこの場に立っては居ないと断言できる。
だが、それを私が彼を責める理由になるかと問われればそれは違うと言える。
その責は本来、エージェントである私が背負うものだった筈。
私と彼では歩んできた
彼は彼なりに最善を尽くしている。例えその結果が実を結ばなかったとしても、私にそれを責める権利などないのだ。
(ああ……そういう事か……)
私は、突き進む彼の能力を見て勝手に期待した。
そして、私の予想に反する行動を見て
(おかげさまで目が醒めた……)
SHDエージェントとは何なのかと。
『フランク、聞こえるか?中庭で車を乗り回してる奴等が居る。何かを追い回してるようにも見えるが……注意してくれ。』
「先に行くぞ!」
無線を聞くや否や駆け出すフランク。
(ほらね…やっぱり変わらない)
ため息を漏らすエコー。同時に羨ましくも思う。
リリースボタンを押し込み空になった弾倉を捨て、最後の弾倉を叩き込む。残り17発。
SEPTEMBER19 19:30(day1
中庭
エコーが中庭に辿り着いた時には既にフランクの姿は無かった。
代わりに先ほどまでフランクが背負っていた女性が入り口付近に佇んでいる。
中庭中央では先程の無線の連絡の通り、何かを追い回すように孤を描く車のヘッドライト。
そして、転々と宙を舞う感染者の
「ねえ!貴女!助けて!彼の身が危険なの!!」
「………状況は?」
「女性を追い回す囚人服を来た3人組に車で追い回されている女性を助ける為に彼が一人で・・・」
「………そう。どうして・・・人はタガが外れると揃いも揃って性欲に走るのかしら?」
車のエンジン音。叫び声。そして笑い声が雄弁に語っている。
「まぁ、そっちの方が私としてもやりやすいけど。」
SEPTEMBER19 19:30(day1
中庭 sideフランク
倒れこんだ瞬間、頭上を通過する金属バット。
「ハッズレーーww」
「下手くそがwあと一回で交代な!」
運転手、助手席のバット男、銃座・・・車に乗った3人組に弄ばれている。
追い回されていた女性と合流し、手をつないで逃げ回る。
圧倒的な戦力差、フランクがこの状況で生きているのは単に3人組が遊んでるからに過ぎない。
その気になれば一瞬でハチの巣になることぐらい理解はしていた。
息も絶え絶え走り回る最中、無線が鳴った。
『ハロー?生きてる?』
「見ての通りだよ!糞ったれ!」
『元気そうで何より。ところで、先程助けた女性が入り口に放置されていたけど離れてる間、襲われるとか考えなかったわけ?』
クスクスと笑い声が聞こえた気がした。
『ああ。心配しなくても大丈夫よ?そちらの3馬鹿が周囲の感染者で射的をやったみたいね?動いてるものは今のところないわ。』
「一体何が言いたいんだ!?」
余裕なんて一切ない。声を荒げる程の体力も気力も無かったが、叫ばずにはいられなかった。
『ブローニングM2重機関銃。
「しるかよ!あいつ等に聞け!当たらなきゃいいんだよ!」
「この暗闇の中、銃口から弾道を予測する?多分ですがアレには親切に曳光弾は装填されていないと思いますよ?銃声を聞いてから回避行動をとる?音が届くころには貴方はひき肉ですね。」
「笑うなら好きなだけ笑え!余裕があるなら手を貸してくれてもいいんだぞ?」
お前に出来るならなと言葉に含ませる。売り言葉に買い言葉ってやつだ。
背後から突っ込んでくる車から逃れるように女性を突き飛ばす。
突き放した反動さえも利用して互いに弾かれるように車の軌道からその身を外す。
『彼女は女性です。すぐには殺されない。言ってる意味わかりますか?』
「お前こそ自分の言ってる事を理解してるのか!」
『見捨てるという意味ではなく単に銃座から降りた頃合いで強襲を仕掛ければよかったんです。』
最も、貴方が馬鹿正直に正面から行く前でしたらね・・・と無線の先の少女は続ける。
「今ので良くわかった。あんたは笑いものにして助ける気なんて『池の近くの木が見えますか?』」
『車が近くを通過するように誘導してください。木の密集地帯でないので警戒はしないはずです。』
「…ありがとう。」
『今夜は月が綺麗ですね。』
だが、後のない切迫した状況では何故か頼もしいと感じてしまった。
SEPTEMBER19 19:40(day1
中庭 side囚人
「お前わざと外してるだろ!」
「一発で仕留めちゃ面白みが薄れるだろ?」
「なぁ、そろそろ撃たせてくれよ~」
屋根の無い軍用車。夜風が気持ちい。
疾走する軍用車の助手席でバットを持った男は笑う。
淀んだ空気の漂う刑務所から自由の国へ。
銃も食料も女でさえ対価を払わずに手に入る本物の自由に男は満足をしていた。
「運転を代われ!俺の番だ!」
「お前、刑務所での借りを忘れたのか?」
こう言葉にすればコイツは口を閉ざす。
糞は糞なりに通すべき義があると思い込んでる時代遅れの産物を小馬鹿にした顔で笑い飛ばす。
外の世界ではそれなりに名前の通ったゴロツキだったと本人が誇らしげに語るが、俺にとっては可愛い犬っころだ。
「撃たせてくれよ?いいだろ?1発だけ1っ発だけで良いから!!」
「ああ分かったよ!女は撃つなよ!男だけだ。」
「ありがとうアニキーー!!愛してるぜ!!」
女と手を繋いで走る男を不憫に思った。
「まぁ、どうでも良いけどな!!
「
そして撃鉄は落とされる
ーーー池の付近を通った瞬間『ドン』と振動と音が鳴ったーーー
不思議な事ではない。
中庭に居る
その残骸を引いて車が跳ねるのはここ1時間の間に何度も経験したことだ。
不思議なのは発砲大好き人間が数発の銃撃で満足しているという事だ。
生温かい液体が頬に付いたのはそんなことを呑気に思ってるときだった。
「うわ!コイツ興奮して漏らしやがった!!」
「まじかよ!?最低な糞野郎だな!」
笑いながら運転席の男と共に後部座席、銃座を見るとそこには
首を押さえる男。両手からは大量の血が流れだしており無事とは思えない。
視線を上げると長髪を夜風に靡かせた、幼く見える少女が重機関銃を運転席に向けて笑っていた。
「今晩は。それでは、御機嫌よう。」
「「へ?」」
至近距離での銃声。
ソレは爆発の様だった・・・
連続で放たれる一方的な暴虐。
周囲に内容物をぶちまけるだけには留まらず、ハンドルを、メーターを、防弾のボンネットに内包されたエンジンすらも貫いて。
先程まで笑いあっていた
ハンドルを保持していた腕が崩れ落ち、白煙を出しながらスピンする車。
遠心力で投げ出されてすぐ、男は立ち上がり、なりふり構わず走り出す。
「
少女の透き通った声が響く。決して叫んでいるわけではない。
「
ただ、己に言い聞かせるかのように呟く声。
決して逃しはしないという意思表明。そして呪いの言葉の様に男は感じた。
「
・・・・世界が回転した。
SEPTEMBER19 19:37(day1
中庭
「無事か?仲間が何とかしてくれたみたいだ。」
「おい、あんた・・・あああ!」
フランクの声。ショッピングモールと中庭の外灯、そして月明りだけの静かな夜。
照らし出されたシルエット。
「また・・・また、俺は間違ってしまったのかッ!」
・・・・・呻き声が聞こえた。先程、私が撃った少年。殺し損ねてしまった民兵。
エコーは銃座から離れ、足を押さえのた打ち回る囚人へと歩み寄る。
私は銃口を向けながら少年へ歩み寄る。
「助けてくれ!足が!足が!!」
グロックをホルスターから引き抜き男の頭部へと狙いをつける。
「撃っちゃダメ!」
これから行う凶行を咎めるかのように立ちはだかる女性。
「・・・足を捻挫していたと把握していますが、ここまで自力で歩いてきたのですか・・・私には貴女の言うことが理解できませんが?」
「撃っちゃダメ!人が人を裁くなんて間違っている!!」
「撃だな”い”でぐれ”ーー!なんでもする!命だけは!」
「・・・・。」
「私には貴女の言っている意味が分かりません。貴方を駆り立てるのは正義?それとも行き場を失った母性?」
「貴方!「今の言葉、フランクが
半分になった彼女を顎でさしエコーは続ける。
「……彼を生かしたとしてどうするつもりですか?貴方が面倒見ます?限りある食料を分け与えます?いつ、脱走するか・・・他の生存者を引き込み、裏切らせて内部から破壊させかねない不穏分子をセーフルームに連れ込もうというのですか?それとも手当てして野放しにする?」
「人は自由に生きることが許されています。自由に生き、自由に死ぬ。好きなように生きればいい。だけど・・・自由に生きた過程で生まれた対価、その結末からは何人たりとも逃げることは許されない!」
「彼には選ぶ事が出来た。刑務所に入る前。脱獄し自由になった瞬間。だが、彼は選択した。その対価を
これ以上、偽善者と話し合う気にはなれなかった。
エコーは反論する女性を突き飛ばし囚人へ銃を向ける。
友の死に、怒り、悲しみ、敵を殺し喜び、笑う。殺し殺されの繰り返し
私は英雄ではない。私の死も、この少年の死も歴史に名を刻むどころか存在すらも無き者にされてしまう事だろう。
ならば!せめて
「貴方の名前は何ですか?」
「貴方の名前は何ですか?」
「糞ったれ!」
「死にたくない!」
既に焦点の合わない目。懸命にしかし、憎々しげに私を睨もうとする少年を、静かに瞳に焼き付ける
涙が浮かぶ目。必死に懇願する男の姿を、静かに瞳に焼き付ける
―――そして、私は引き金を引いた―――
ということで!今回はプレイヤーがやるであろう、
生存者を置き去りからの「ふぉろーみー(ついてこい)」と
ゾンビ大群を指定して「GO!(逝け!)」を生存者視点から見た回ですw
咬まれればアウトの状況で自身と生存者を無傷で生還させるって超ハードモードだと思います(笑
この世界における人物及び兵器解説~
P90・・・PDW。貫通力良し、ストッピングパワー良し、総弾数良し、コンパクトという良いとこどりの武器。・・・・の筈だがP90に関しては言う程コンパクトでもない(笑)。操作性も従来の物と違うため扱い切るには訓練が必要と理由で不遇な銃にナッタヨウデ・・・本作ではカリートが乱射したせいでエコーが手に入れる時には総弾数が既に少ない状態。
グロック・・エコーが持ち込んだハンドガン。命中精度や信頼性はすこぶる高いけど銃の価格は高いもよう。17発のマガジンを4本持ち込んだけど今回で大半を使用。
TECトーチ・・・特殊部隊などが突入の際に使用する鍵を焼き切るアレ! それの携帯版!見た目はライトセイバーの柄。トリガーを引くと柄のノズルから高熱の炎が噴出される。ガスマスクと一緒に使用してみたい一品!(暗黒卿
M2重機関銃・・・対物ライフルの威力は結構有名かと思いますが・・・この銃、同じ弾薬使用してます!相手は死ぬ。
曳光弾・・・トレーサー。対空砲の弾道観測や 航空機同士での威嚇(領空侵犯時の警告射撃)などで使われている。逆に通常弾は目視なんて出来ないんじゃないかな?
C・A・Rシステム・・・近距離特化の銃技。相手に銃を奪われない、安定した射撃、その他諸々(忘れた)を実現するために生み出された技術。距離に応じて複数ある構えを移行していく姿は映える!
バリスティックシールド・・SHDエージェントが使用する携帯型盾。軽量コンパクト、折り畳み可能な上に対物ライフルの銃弾まで耐えてしまう(現実に存在したら)チート兵器
今回の任務ではエコーは持ち合わせていないが、当然訓練は行っているので代用できるものがあれば遠慮なく使用しようとする。
パルス・・・SHDエージェントが使用するアクティブソナーの様なもの。範囲内の脅威を検出し、各エージェントのレーダー及びモニターに表示する。遮蔽物越しの壁抜きなど平然と行ってくる。
感染者、囚人、テロリスト、少年兵・・・吾輩はMOBである。名前はまだない(今後も‥
フランク・・原作主人公 人外染みた能力を発揮し始めてる(LVUPしたのかな?)過去のトラウマから出来る限り生存者を救出しようと奮闘する一方、無鉄砲な一面も
エコー・・・記憶喪失のSHDエージェント 時折フラッシュバックする記憶に翻弄している
特殊訓練を受けているので強いが、プロレスの様な投げ合いや殴り合いは筋力差がある為避けている節がある。フランクの行動に振り回されたせいでピンチになった。中庭での皮肉は彼女なりの忠告
ケベック・・・回想で登場 青年、エコーと同じ部隊。面倒見がいい
リマ・・・回想で登場 少女 エコーと同じ部隊。癒し枠だが任務中は冷淡
チャーリー・・回想で登場 少年にしてチームリーダー 飴と鞭の鞭役
ブラット・・DHSエージェント 政府の機関だがSHDが更に秘匿された機関の為その存在すら把握していない。エコーの事は不気味と思っている程度。
宝石店の女・・錯乱していた。本作では平和主義の聖人に。エコーと意見の相違が生じた
中庭で追い回されていた女・・彼氏?を3馬鹿に殺された後逃げ回っていたところをフランクに救出されたが・・・・・最後の最後で50口径が着弾して胴体が生き別れした
SHD・・・国が滅びてしまった後に再建の為に設立された組織。今は非公式だがのちに正式に政府の傘下に入る手筈を整えている。秩序が崩壊した世界、エージェントは自身で判断して引き金を引く事を求められている。想定される敵性は暴徒、離反した軍や警察、他国から侵略する正規兵。数名で立ち向かえるように世に知られていない最新鋭の装備を使用するが・・・扱える優秀な兵士がいなかった為養殖する方向に舵を切った