レッドリスト   作:ハレル家

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 遅れてしまい、誠に申し訳ありません……!!

 年越しする前に投稿する予定がブランクとリアルの実家事情で遅れてしまい、もう一度申し訳ありません!!




始血:とある男性の提案

 朱い月が、空に浮かぶ。

 

 人と吸血鬼。

 相反する二つの存在が次の時代に生き残るべく争いを繰り広げていた。

 人を喰らい、強大な力で時に支配を、時に搾取を、時に殺戮を行った種族――吸血鬼に対し、人は抗う術を作り出して抵抗する。

 それは言葉通り、血を血で洗う争いだった。

 

 そして、長い年月と月日が流れ、一部の吸血鬼が人と共生する事を選び始めた時代。

 

 一つの学園が吸血鬼と人間を未来ある吸血鬼と戦う職業――ハンターの卵を選別するべく、一つの部屋にて集まっていた。

 

「さて、今回のハンターの卵達を審査するとしよう」

 

 忍者のような服装の男性、今時の若者のような服装をした少年、中世のフランスを彷彿させる白いドレスを着た女性、黒スーツのスカーフェイスな男性の四人が円卓を思わせる円形の机に座っており、彼らの目の前には大量の書類が山のように積み上げられていた。

 

「書類審査とはいえ、合否を付けるのは心苦しいわ……みんな、ハンターになりたくて頑張っているもの」

「仕方ないさマリー……無駄な命を落とさない為でもあるのだから」

 

 白いドレスを着た女性――マリーは目の前に積まれた入学志願者が書かれた紙に物憂げな表情を浮かべ、スカーフェイスの男性はマリーの言葉を肯定しながら一枚一枚丁寧に採用と不採用を分けていく。

 

「なぁなぁ、それより四季彩の爺さんはどうしたんだよ?」

 

 四人の中で若いであろう少年が一つの空席に視線を向ける。大量の書類が山積みされており、それを仕分ける人物がまだ来ていない事がわかる。

 

「四季彩殿にはしっかり伝えたハズなのだが……なにか聞かされていないだろうか?」

「恐らく、師範はいつもの修行だと思います」

 

 忍者のような男性が答えると、スカーフェイスの男性が勢い良くテーブルに頭をうつ伏せに落とした。勢い余ってテーブルに激突するが、クモの巣状のヒビが出来ている事から勢いの強さがわかるだろう。

 

「……うぅ……やはり私が全体の総指揮になる事を内心は反対していたのだろうか……私はあったかいを押したら、つめたい飲み物が出る自販機……」

「鉄血殿、師範はそういう事をやりたがらないでしょう。自己嫌悪に陥らなくてもいいですよ」

 

 さめざめと泣きながら弱音を吐いて自己嫌悪に陥るスカーフェイスの男性――鉄血と呼ばれた男性が忍者のような男性に慰められる。

 

「しっかし、今回はあの血統がハンター希望とはなぁ……」

 

 少年が一枚の書類を手に取る。書類には吸血鬼の情報が書かれているが、そこに記載された情報は普通の情報ではなかった。

 

「何も吸血鬼が全て味方という訳ではない。人間との共生に賛同する吸血鬼もいるのだ……その代表が七人の吸血鬼だ」

 

 鉄血と呼ばれた男性の声にマリーと少年、忍者のような男性は沈黙する。その瞳には沈痛な想いが宿っていた。

 

「でも、不安だわ。人と吸血鬼が手を取り合う事はステキだけど、それを良く思わない子だっているわ」

「確かに……最近だとダンピールの誘拐や無害な吸血鬼に対しての風当たりが強くなっている……」

 

 マリーの意見に忍者のような男性が賛同すると同時に鉄血と呼ばれた男性の机に積まれていた書類の一番上の一枚がマリーの所へ宙を舞ながら飛んでいった。

 

「あら? この子、奇妙だわ?」

 

 飛んできた書類を受け止めたマリーだったが、書類に書いてある一部に奇妙な点を見つけた。

 

「どうしたマリー?」

「何が奇妙ですか?」

「ほら、この子……」

 

 マリーの言葉に少年と忍者のような男性がマリーの手にある書類を確認する。そして、その書類の奇妙な点を見つけると、マリーと同じ反応を見せた。

 

「……本当だ。他のと混じって来ちまったのか」

「すぐに連絡を入れて――」

「いや、間違いではないよ」

 

 少年と忍者のような男性が事務に対応を申請しようとして、鉄血と呼ばれた男性が止める。

 

「鉄血殿、それはどういう意味で……」

「そのままの意味だよ。彼は入学希望者だ」

「……いやいや、酷い冗談だぜ。流石にこれはねぇよ」

「……申し訳ないけど、私もよ」

 

 忍者のような男性が訪ねると鉄血と呼ばれた男性が答える。しかし、答えに納得がいかない少年とマリーが反対する。

 

「気持ちはわからなくもないさ……私もあの映像を見なければ反対してた……だが、私は彼をこの学園に招き入れたいと思う」

「とはいえなぁ……」

 

 珍しく自信に満ちた様子に困惑する少年。他の二人も同じように困惑する様子を見せ、鉄血と呼ばれた男性が微笑んで三人に提案を持ちかけた。

 

「そこでだ。一つ提案がある」

 

 その提案に他の三人は渋々納得し、作業に戻った。

 後に、この提案が騒動を引き起こすスイッチになるとは男性も他の三人も思わなかった。






 おくれて、ごめんねっ!!
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