ここまで長文ですが、割りと気にしてないです
あっ、今回は結城友奈は勇者部所属からのお話です
「うーん………」
「どうしたんですか、部長? 」
昼休み。新聞部部室で記事作りをしていたのだが、部長がずっとうーんうーんとうねっていた。
「それがなー。今回から空いた新聞のスペースに、何の内容を入れるか悩んどるんや」
「あー、前回で終了したコーナーの部分っすね」
「そうそう。2人共、なんかいいアイディアあらへん? 」
「うーん……」
「うーん……」
パッと思いつかず、副部長と一緒にうねりあげる。
何かないか。変わった記事は自分が担当しているし、出来るだけオードソックスの方がいいだろう。四コマ漫画は前回(ネタ切れの為)終了したし、かと言って他にやれる事は………。
「中々思いつかへんなぁ。猫の手でも借りたいもんや」
「猫の手………はっ! 」
その時、奏に電流が走る。舞い降りてきたぞアイディア!
「部長、副部長!思いつきましたよ、新コーナーっ! 」
その内容を伝えると、二つ返事でOKしてくれた。奏はすぐさま行動に移し、部室から飛び出して目的の場所へと向かう。
「地獄からの使者っ!!秋月 奏っ!!いっちゃんいるっ!? 」
1年生の教室だろうとお構い無しに扉を全力で開け、勇者部唯一の1年生、犬吠埼 樹の元に現れる。
「奏さん、目立ちますから止めて下さい………見てるこっちが恥ずかしいですよ〜……」
「姉妹揃って同じ反応だねー。いや、それはいいんだよ。それより、確かいっちゃんは占いが得意だったよね? 」
「は、はい。得意ですけど、もしかして何か占って欲しいんですか? 」
「YESYESYES!勇者部に依頼という事で、新聞部の記事で占いコーナーを設けたいんだ。どういう方向性にするかは決めてないけど、そこら辺も含めて話し合いたいんだけど、どう? 」
「えっと、わ、分かりました。でも、一応お姉ちゃんにも伝えた方がいいかと」
「風先輩にもだね。分かったよ。では、サラダバー! 」
1年の教室から3年の教室へ向かい、前口上を述べながら扉を全力で開ける。
「ボクの名前は秋月 奏。ボクの宇宙じゃ1933年、職業は探偵、好物はミルクセーキ。あと悪い奴らをぶん殴ること!刺激を求めてマッチを擦っては指先を焦がそうとする! 」
「なんで風も吹いてないのにコートがはためいてんのよ………」
「ボクがいる所に風は吹く───その風は、雨の匂いがする。というのは冗談として、道中に美術部から専用のコートを借りてきたので」
美術部特性コートに仕込まれたスイッチを切り、畳みながら風先輩の席に向かう。
「それで、また同行許可でも貰いにきたの? 」
「いえいえ。今回は依頼ですよ。いっちゃんには既に話したんですけど、カクカクシカジカ四角いムーヴで……」
「へー、奏にしてはまともね。いいわよ。でも、今週は他の依頼もあるし、来週でいい? 」
「はい、全然大丈夫です!ありがとうございます! 」
「いいって事よ。それじゃ、そっちの部長さんともの予定を話し合っておくから」
「はーい!ではよろしくお願いします! 」
そうして時間は飛んで翌週。水曜日に予定が組まれたのだが、どうやら勇者部は今週めちゃくちゃ依頼があって忙しいらしい。
ユウちゃん達は楽しそうにしてたけど、リンちゃんは「風の調整ミスのせいね」とボヤいていた。
そのためバラバラで各依頼に当たっているらしく、新聞部には話してた通りいっちゃんが来た。
「それじゃ事前に話してた通り、恋愛関係の占いでいこかー」
「いっちゃんって何の占いが得意なの? 」
「色々やってますが、1番はタロットですね」
「そんじゃ、タロット占いのコーナーっすかね」
「じゃあ、題名は仮で『樹ちゃんの恋愛タロットコーナー』で進めますかー」
黒板に話した事を書き込んでいき、話が一区切りついた気がする。…………まだツッコミいれないのかな?そう思いながら、部長を一瞥する。
「それじゃ樹ちゃん。恋愛タロットのコーナーよろしくねー」
「はいっ」
「………で、なんで呼んでない風やんがいるんかね?可愛いから写真撮っていい? 」
「んーーー? 」
ようやく触れられたが、いっちゃんだけが来る予定───だったのだが、何故か風先輩がいっちゃんの頭に顔をちょこんと乗せていた。
「恋愛コーナーといえば犬吠埼風のことよ」
「とのことで……」
「ちょっと何言ってるか分かんないっすね」
どや顔で言った言葉の影に、恋愛マスターの文字が見えた気がした。
「コーナー名は『女子力王のぱーふぇくと恋愛講座』でどうかしら? 」
「女子力王のぱーふぇくと恋愛講座、と」
「いや黒板に書かなくてええからな、かなやん」
更なるどや顔で言われて面白かったので、思わず追加しちゃったんですよ部長。
「いっそ『犬吠埼姉妹のぱーふぇくと恋愛コーナー』はどうかしら? 」
「わ、私も!? 」
「いやほんと」
「犬吠埼姉妹のぱーふぇくと恋愛コーナー、と」
「書かなくていいっすよ、秋月」
グダグダになってきた会議だが、結果はいっちゃんによる『恋愛タロットコーナー』で決定した。終始風先輩が「あたしは? 」と言ってきたが、部長がお引取り願った。
しかし、しばらく時が経ったあと、番外的に『恋愛マスターからの一言』がコーナーに侵食してきたのであった。