秋月 奏は勇者でない   作:結城 颯

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 閲覧ありがとうございます。作者の息抜きと混沌の作品へようこそです。
 小説仲間みんながゆゆゆを書いてたのですが、私だけ書いてなかったのです。理由は原作キャラが上手く書けない……となっていたのですが、なんか出来たので投稿します

ではではどうぞ


1.秋月 奏、始動ですっ!★

 雲ひとつない澄んだ青空に、照り返す太陽の輝き。まだ肌寒さを感じる気温だが、朝から快晴であるため気分がいい。何も無ければ、このまま3度寝に突入してもいいぐらいだ。

 

 そんな事を思いながら、少女は通学路を全力で走っていた。

 

「お布団君め!ボクから全然離れないどころか、二度寝までさせるなんて────万死に値するっ!」

 

 悪態を付きながらも、自己紹介は欠かしてはいけないって何処かのばっちゃんが言ってた気がする。

 オッスおら秋月(あきづき) (かなで)!どこにでもいる14歳の中学2年生っ!絶賛予鈴が鳴るのが先か、ボクが教室に辿り着くのが先か、というデッドヒートを繰り広げている哀・戦士さ!

 

「さ、さす、がは……瞬足、の足を……も、持つ者……」

 

 水から打ち上げられたかの様に、肩だけでなく全身で酸素を求め呼吸していた。目眩や平衡感覚が酷いが、デッドヒートは無事勝利を収めたのだった。

 

「かなちゃん、おはよー!……って、大丈夫? 」

 

「お、おっはよーユウちゃん……だ、だいふょーふだいふょーふ。オエッ………ごめん、やっぱ無理」

 

 苦しさの余り、椅子に座る事すら辛い。世界がグワングワンしてろくに見えないし、頭もキーンと鳴ってきてるし。絶対顔色も青ざめてる。もうやだぁ………お家帰るぅ。

 

「また寝坊したのね。だから早く寝なさいって注意してるのに」

 

「と、とーぎょーさん……これには……ウップ。ふきゃい……理由が、あるので、す……」

 

「1度深呼吸をして落ち着いたら?呂律が回ってなくて何を言ってるのか分からないわ」

 

 言われた通り、深呼吸して酸素を大量に肺に取り込み、一気に吐き出した。呼吸を整えるのは大事ってばっちゃんも言ってたけど、滅茶苦茶楽になる。

 

「東郷さん、これには深い訳があるんだ。学生としてやるべき事をやっていたら、いつの間にか時計の針は3時を指していたんだ。これには走れメ〇スもビックリ」

 

「急に元気になった!? 」

 

「それで、そのやるべき事とは? 」

 

「ポケ〇ンです」

 

「天誅っ! 」

 

 どこから用意したのか、ハリセンが脳天を突き抜ける。小気味よい音が鳴り響くが、クラスメイトはいつもの事かとスルー。

 

「電子機器で遊んで夜更かしはいけません。女の子なんだから、肌にも健康にも悪いわよ」

 

「だってポッチャ〇マがいい感じに強くなってきたんだもん!バッジもゲット出来て波に乗ってきたんだもん!やめられない止まらない、かっぱえ〇せんだよ! 」

 

「この子ったら………1から精神を鍛え直す必要があるわね」

 

 最後に小さく呟いた言葉はしっかりと耳に届き、今度は恐怖で顔色を悪くする。

 

「そ、それだけはっ!反省しておりますので、お許しくださいませ!東郷さんどうか、どうかお慈悲をー!」

 

 過去に受けた経験(トラウマ)が蘇り、パワハラ会議に呼ばれた哀れな人物の如く懇願する。

 

「まあまあ東郷さん。かなちゃんも反省してるんだし、いいんじゃないかな? 」

 

「むぅ………友奈ちゃんがそう言うならいいけど、次は無いわよ? 」

 

 天使からの助け舟により、お咎め無しですんだ。ありがとう友奈ちゃん。今度うどん奢るね。

 

「ありがとう、気をつけるよ。でもね東郷さん、ボクだってポケ〇ンだけで寝坊しそうになった訳じゃないんだ」

 

「というと? 」

 

「お昼寝してたら夜眠れなくなっちゃった」

 

「自分から墓穴を掘りに行った!? 」

 

「天誅っ! 」

 

 再び教室に鳴り響いたハリセンの音は、チャイムの音と共に掻き消えていったのだった。

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