言い訳するなら、ちまちま書き溜めしたり、リアルと別作業に時間割いてしまって投稿出来ませんでした。
多分、またしばらく投稿期間が空くと思いますが、頑張っていきたいと思います
ユウちゃん達が退院する前日。退院祝いで何かやろうと模索していますが、連日の猛暑で苦しんでいる少女は誰でしょう?そう、ボクです。ガッデムホット。ゴッドホット。
「うっわ、今週も暑いじゃん………」
週間予報を見て更に億劫になり、物置部屋へ向かう足取りが重くなる。
行く理由としては、祝いといっても特になんもアイディアが思い付かず、物置部屋に行けば何か閃くんじゃないかなと思ったからだ。
ただ、あの部屋は冷房などが行き届いていない為、少し居るだけで汗だくになる。換気と扇風機だけじゃ限界があるのですよ。
「ちょっと行ってくるわ。○の錬金術師、最後の錬成にな! 」
自分を鼓舞するために両手を合わせ、物置の扉を開ける。中からは閉じこもった熱気が流れ込み、その先の地獄を無理やり体感させてくる。ファッキンホット。
あまりの暑さに逃げたくなるが、中へと入り物色する。
「あれでもない、これでもない…………あ!これいいじゃん! 」
数分で汗だくになりながらも、ある物を見つける。これで明日やる事は決まったと思い手に取ると、高温で手が火傷しそうになった。
「アツゥイ!!」被弾ボイス
─────
「さあ!ご唱和ください我の名を!ウル○ラマン、ゼーット!」
翌日の昼休み。教室で皆とご飯を食べ終えた時に、ある物を机の上に取り出す。
「かなちゃん。それってかき氷機? 」
「そう、かき氷機だよ。みんなの退院祝いに何かしようかなーと考えた結果、この地獄みたいな暑さから閃いたの。かき氷パーティしようと! 」
「通りでクーラーボックスを持って登校してきた訳ね。また何か企んでるんじゃないかと思ってたけど」
「そうよ、そのまさかよ!東郷さんはまだ入院中だから、東郷さんが戻ってきたらまたやるよ! 」
クーラーボックスを開けると、中には大量の氷とシロップが入っている。早朝に先生に頼み、家庭科室の冷凍庫で冷やして貰っていたのだ。
カップと氷をセットし、ゴリゴリ削って第1陣のかき氷を作り上げる。
「お好みで練乳もあるよ。はいどうぞー」
「わーい!ありがとうー! 」
「いらないって言っても押し付けてくるだろうし、頂くわ」
「モチのロン!さあ、溶ける前に食べよー! 」
苺のシロップをかけて、3人はかき氷を口に運ぶ。冷たさと甘みが口に広がり、暑さで火照っていた体が冷やされていく。
「つめたーい!シャリシャリしてて美味しいねー!」
「ん……? 」
ユウちゃんの発言に違和感を感じ、食べる手が止まる。普段なら「あまーい!」と言ってる筈だが、なんというか………いつもと違う感想を口にしている。
いっちゃんの声や風先輩の左目の事もあり、やっぱり何かあるんじゃないかと聞こうとした瞬間、激しい頭痛に襲われる。
「頭が………痛い……! 」
「一気に食べるから頭が痛くなんのよ。落ち着いて食べれば問題無………いたっ! 」
「アッハッハッハッハッ!リンちゃんも頭痛くなってるー!
」
「なんでかき氷って、食べると頭痛くなるんだろうね? 」
「理由としては、喉にある三叉神経が刺激されて、脳が冷たさを痛みと勘違いして頭痛を起こす。
あとは急に冷えるから、一時的に血流量を増やして体を温めようするから、頭につながる血管が膨張して頭痛を起こす。主にこの2つが原因らしいよ」
「ほへー。かなちゃん詳しいね」
「アンタが頭良さそうな発言していると違和感を感じるわね……」
「一応成績上位ですから!ちなみに、対策としてはゆっくり食べる事らしいけど、リンちゃんが証明したように、ゆっくり食べても痛くなる時は痛くなるよ」
「役に立たないわね……」
「まあまあ。それよりも、次もあるよ次もー」
「いただきまーす! 」
「2人共食べるの早っ!?そんなんだから頭が痛くなるのよ! 」
「まあまあ。第2陣のお上がりよ!」
「秋月ちゃーん。良かったら私達も貰ってもいい?」
「俺も俺もー」
こちらの様子を遠目で見ていたクラスメイトが声をかけてくると、1人。また1人と集まってくる。みんなも暑さにやられているのか、冷たいものが恋しいのだろう。
「よろしい!では『かき氷屋アキヅキ』開店と致しましょう!並ぶがよい皆の衆! 」
そうして、昼休みはひたすらかき氷を作っては皆に配っていった。「また秋月が何かやってるぞ」という話を聞きつけた他のクラスの人も来た。先生も注意をしつつも、ちゃっかりかき氷を食べていく事もあった。
氷の在庫も勇者部の分を残して使い切り、かき氷屋アキヅキは閉店となった。けど、東郷さんが戻ってきたら時にまたやる。今度は小豆や抹茶とか、トッピング系でもバリエーションを増やしていこうと決心したのだった。
「って、違う違う。頭痛で聞きそびれだけど、聞きたい事があったんだった。ユウちゃんユウちゃん」
家庭科室の冷凍庫に氷を入れたタイミングで思い出し、声をかける。
「なに?どうしたの?」
「やっぱり体調とか、その………身体のどこか、まだ悪かったりしてない? 」
「大丈夫だよ!私はいつでも元気いっぱいだよ! 」
「でも、かき氷食べてた時になんか………いつもと様子が変だったし………それに、いっちゃんや風先輩の事もあるから………」
「かなちゃんも鋭いなぁ。でも、2人と違って私は大した事ないよ。ちょっと味が分かんないぐらいだから」
何事も無いように言われた事に、血の気が引き、ひゅっと口から息が漏れる。味が分からないって、それじゃあさっきのは………。
良かれと思ってやった事が裏目に出る、と言うが、今それを痛感している。
「えっと………その、ごめんユウちゃん。余計な事しちゃって……」
自責の念で潰されそうになり、俯きながら謝る。
「ううん、気にしないで。私達のためにしてくれたんだから、嬉しいよ!それに、ヒンヤリしたおかげで涼しくなったしね! 」
「でも───」
続きの言葉を言う前に、ユウちゃんに抱き寄せられる。そして優しい声色で、そっと語りかけてくる。
「いつも心配してくれてありがとうね。確かに大変な事になったけど、私は勇者だから。だから大丈夫だよ」
そう言って離れると、今度は両肩に手を乗せ、顔と顔が向き合う。
「それに、かなちゃんには『おかえり』って言って貰えてる気がするんだ。今日みたいに、楽しい事を用意して待ってくれているんだって。だから、頑張れるんだよ」
「ユウちゃん………」
昔から変わらない、太陽のような笑顔。その笑顔に、温かさに、何度も救われてきた。だからこそ───
「相変わらず、ユウちゃんは優しいなぁ……」
目の前に居ても聞こえない程、小さくそう呟く。
「え?何か言った? 」
「ううん、なんでもない。ありがとうね、ユウちゃん」
だからこそ────。
「?そっか。じゃあ、そろそろ戻ろっか!あっ、まだ気にしてるんだったら、次は食感が楽しいやつがいいかなー。何かある? 」
「そうだねー。ポップロックキャンディとかかな?口の中に入れるとパチパチするんだよね」
「おおー!アレってそういう名前だったんだね。それは楽しみかも」
「任せて!東郷さんが戻ってきた時に、またやろっか! 」
だからこそ───無理しないでほしい。幸せでいてほしいんだ。大事な、大切な、友達だから。