秋月 奏は勇者でない   作:結城 颯

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久々に感想が来て驚きましたが………ごめんなさい。こういう時、どんな顔すればいいか、わからないの


4.海岸掃除

「それじゃあ樹ちゃん!掃除と飼い主探し、頑張っていこー!」

 

「はいっ、頑張りましょう友奈さん! 」

 

 海岸に来た友奈と樹は、ゴミ袋片手に砂浜に立つ。比較的綺麗だが、よく見ればチラホラと遠くまでゴミがあるのが確認出来る。

 

「二手に別れてやった方がいいですかね? 」

 

「結構広いし、2人で一気にやってくのもありじゃない? 」

 

「2人と言えば、奏さんも来ると聞いたのですが、姿が見えませんね」

 

「かなちゃん、なんか準備してから向かうって連絡があったよ。場所は伝えたからあとで来ると思う」

 

「準備って、また何か企んでそうですね………」

 

「フハハハハハハっ!! 」

 

 苦笑いを浮かべていると、声高らかな笑い声と、チリンチリンとベルの音が聞こえてくる。その方角へと視線を向けると、デカい荷物を背負った自転車が、猛スピードで近づいてきていた。

 

「もう大丈夫っ!!何故って? 」

 

 ブレーキターンの動作で自転車は止まり、スタンドをかけると同時に搭乗者が飛び降りる。

 

「ボクが来たっ!!! 」

 

 砂浜に拳を打ち付けるように着地し、奏は大地に立つ。

 

「おおー!かなちゃんかっこいいー! 」

 

「相変わらず派手ですね、奏さん………」

 

「ありがとう2人共!そしてお待たせっ!秋月 奏、ここに見参っ! 」

 

 ビシッと決めたあと、奏は自転車を砂浜まで移動させ、リュックから長さバラバラの鉄の棒を取り出していく。

 

「どうするんですか、それ? 」

 

「よくぞ聞いてくれたいっちゃん!これと自転車(ハヤテ号)を組み合わせる事で、潮干狩りに使われる熊手(くまで)という役割を果たすようになるんだよ」

 

「果たすようになるとどうなるの? 」

 

「知らんのか。メンテが始まる」

 

 また詫び石ですか………といっちゃんは呆れた表情を浮かべている。風先輩と反応が似てるため、姉妹だなーと関心する。

 

「冗談は置いといて、これで砂浜を走っていくと、熊手にゴミだけが引っかかり、楽に集められるという算段だよ」

 

「かなちゃん、あったまいいー! 」

 

「発想もそうですが、よく用意出来ましたね」

 

「ハヤテ号は改造しまくってるから、色々アタッチメントを付けれるようしてあるんだ。熊手もその1つだよ。まあ、おかげで登校には使えないけどっ! 」

 

 散々走った苦い思い出を振り返るが、自業自得でもあるためそっと記憶に蓋をした。そうこうしている内に組み立て終わり、ハヤテ号熊手装備が出来上がる。

 

「行くよハヤテ号!さぁ、立ち塞がってみろ!我が戦車は星のように、容赦なくゴミ達を轢き潰す! 」

 

 口笛を吹き、ハヤテ号に乗る。そして前口上を述べながらペダルへと足をかけようとした瞬間、いっちゃんがあっ!と声を上げた。

 

「どうしたの樹ちゃん? 」

 

「いえあの………今気づいたんですけど、それってゴミだけじゃなくて、例えば砂の中にいる生き物や産卵した卵まで巻き込んじゃうんじゃないかな、と……」

 

「「あっ」」

 

 2人して間抜けな声を出し、顔を合わせる。沈黙が流れる中、奏はそっとハヤテ号から降りる。

 

「今ボクがすべき事が分かった………ちょっと人理焼却してくる」

 

「そんなコンビニ感覚でいかないでください! 」

 

 姉譲りのツッコミにより、奏は大人しくゴミ袋を持ってみんなで掃除を始めた。記事のため活動風景の様子の写真も忘れず撮り、ハヤテ号には子猫の飼い主探しの文と写真が貼られた看板を立てたのであった。

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