秋月 奏は勇者でない   作:結城 颯

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 アニメ本編に突入しましたが、やる事は普段と変わらないです。次の話どうしようかなー


8.美術部は奇人変人である

 放課後。勇者部は昨日の事についてミーティングがある為、奏は何処に行こうかなとさまよっていた。

 

「ん? 」

 

 美術部の部室が目に入り、足を止める。入口の外観がいつもと違く、部屋の中が暗いからだ。好奇心で扉まで行くと、近くの机の上に同意書が置かれていた。

 

 内容は、簡潔に言えば何があっても自己責任で、こちらは責任を負えないというものだ。いったい何をやっているんだ美術部はと呆れながらも、同意書に嬉々として記入する。

 

「我が名は秋月 奏っ!2年3組より同意書に記入しこの地へ来たっ!そなたたちは美術部に住むと聞く、奇人変人かっ!? 」

 

 いつもの様に扉を勢いよく開けると、思った通り中は薄暗く、ホラー要素満載。完全にお化け屋敷と化していた。

 

「よくあるクラスの出し物みたいな感じかな?とりあえず進んでみよ」

 

 そう思って前に踏み出した瞬間、地面に足が沈み、バランスを崩す。一瞬落ちていく感覚になり、肝が冷える。足元を確認すると、どうやら床にスポンジを敷いていたらしい。

 

 前の方もよく見ると同じく仕掛けがあり、気をつけて進まないと行けないようだ。抜け出してまた1歩前に進むと、今度は顔面にヌルっとした物がぶつかり、うひゃっと声を上げる。

 

「今度は上から濡れたスポンジ………だと……!?見事な視線誘導(ミスディレクション)なり……」

 

 どうやら、頭上と足元に注意しながら進まなければならない。また前に足を踏み出すと、今度は左右から手が飛び出し、驚きのあまり尻もちをつく。

 

「これ、風先輩だったらガチ泣きするやつだよ………」

 

 そしてことごとく引っ掛かっている奏に、美術部員はさぞ喜んでいるだろう。既に帰りたい気持ちが芽生えてきている。

 

 突き当たりまで進むと、目の前の扉に入るか、曲がって進むかの道に別れた。ただ、扉にはリタイア用と記されており、途中棄権が出来るようだ。

 

「進むなら今度ユウちゃん達を連れてからにしようかな。うんそうしよう。1人より2人、2人より3人。オールフォーワン、ワンフォーオール」

 

 理由をでっち上げたところで、奏はリタイア用の扉を開けた。開けた先は、死屍累々の屍に囲まれながら、笑顔を浮かべている美術部部長が居た。

 

 安心しきった瞬間に地獄に落とされたようなもので、流石の奏も、恐怖のあまり全力で叫んだのだった。

 

 のちに、奏を保護した美術部部長はこう語った。

 恐怖というものには鮮度があります。怯えれば怯えるほどに、感情とは死んでいくものなのです。

 真の意味での恐怖とは、静的な状態ではなく変化の動態。希望から絶望へと切り替わる、その瞬間のことを言う。如何でしたか?瑞々しく新鮮な恐怖の味は………と。

 

 奏は答えた。エク○カリバーで焼き払いたくなったと。かの邪智暴虐の王を除かなければならぬと。

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