『Aaaaaaッ!!!』
『クゥエアァァァァ!!!』
『グルゥゥ……!!』
砕竜は目の前の外敵を叩き潰せないことに苛立っていた。
黒い甲殻を纏った人間はイーオスみたいにちょこまかと動き、こちらの攻撃で致命傷になるのは防御や回避で凌ぎ、チクチクと真っ直ぐな一本爪で攻撃してくる。体格は自分よりも遥かに小さい黒狼鳥もその人間と連携して嘴や尻尾、そして豪火球のブレスで攻め立てていく。
砕竜は別に目の前の人間と鳥竜種を侮っているわけではない。彼がいた元の世界でも目の前の人間と同じように自身と張り合える人間はいたし、そういった人間を捻じ伏せてきた。
黒狼鳥の方もそうだ。奴らは自身の傷や相手の状況をお構いなく、目についた相手と戦い始める鳥竜だと砕竜は認識している。実際に縄張り争いで何度か戦うこともあった。
種族の違う二体がこうして自分に攻め立ててくることなんて珍しくもない。今までもモンスターとの縄張り争い中に人間が乱入し、人間を潰そうとしている時に他のモンスターが乱入してくることなんて普通にあったのだ。
甲殻の人間も黒狼鳥も見た目は今まで目にし、戦ってきた奴らと変わらない。
ならどうしてこんなに苦戦しているのか? それは相手が今までの奴らとは違うことに砕竜はそう感じ取った。
甲殻の人間の方は動きが読めない。知性のある動きではなく、荒々しい獣の如く本能に身を任せたかのような動きだ。少なくとも今まで見てきた
かと言って人間らしくないかと思えば違う。所々に人間特有の
黒狼鳥もそうだ。今まで相対した個体とはまるで違う動きをする。
奴らは自身の命なぞ顧みずただひたすらに熾烈な攻撃をしてくる狂った種族だ。狡猾で戦闘能力もその好戦ぶりに見合うくらいに高いが、その分何してくるのか分かりやすく単純な相手でもあった。
だが目の前の個体はそんな奴らとは全く違う。好戦的で狡猾なのは同じだが、ただ闇雲に考え無しで攻撃してくるわけではない。こちらがカウンターを喰らわせようとすれば即座に回避行動をとり、隙を見せれば毒針のついた尻尾で叩きつけ毒に侵そうとしてくる。戦い方自体は黒狼鳥の動きそのものだが、今までの個体と比べてどこか慎重で、人間らしい理性の持った動きをしてくる。
何よりもこの黒狼鳥の異端さを証明するのは、甲殻の人間と連携をとっているということだ。風の噂で人間とモンスターが共に生きる話を聞いたことがあるが、まさか目の前の相手がそのような行動をとるとは思っても居なかった。特に気性が荒く同族でも容赦無く殺し合いをする黒狼鳥が異種族である人間と共に戦うなぞ有り得ないからだ。
「お二人共、援護します!」
厄介さと言えばあの人間の幼体もそうだ。何もない空間から炎と氷の塊を生み出しぶつけてくるが、威力はそこまで脅威ではない。練度が低く相手にならないと思ったが、効かぬ攻撃をしつこく繰り返して地味にうっとうしくあった。なので叩き潰そうとすればそいつは人間にしては妙に素早い速度で動いて攻撃を避け、その隙を甲殻の人間と黒狼鳥が逃さず攻撃を仕掛けられた。
構えばこちらの隙になり、相手にするだけ無駄だと分かれば幼体を無視して甲殻の人間と黒狼鳥に攻めかかる。するとそいつは二体に対し何か呟けば、突如二体の攻撃の威力と動きのキレが良くなっていった。まるで彩鳥の妙技のような真似をする。
狙えば隙作りの囮役、無視すれば味方の支援に徹する。矮小で直接的な効果は無くとも、居座られるだけで目障りな相手だ。
お互い致命的な一撃を与えられてはいないが、戦いが長引くにつれてジリ貧になるのはこちらの方だ。数の差がこうも響くとは身一つで今まで生き抜いてきた砕竜には思いもしなかった。
「──深海の舞を見せましょう」
戦いが長引くとさらに厄介なことに、新たな敵がやって来た。そいつは身の丈ほどある刀身をぶん回す人間のメスだった。だがその一撃は、今まで戦った同じ得物を持つ人間とは比にならないほど強力なものだった。
奴が乱入する際に幼体の方は離れたようだが、単純に実力が自身と同等、あるいはそれ以上の相手が三体になったことは依然としてこちらが不利なことに変わりない。それに先程の幼体が戻ってくれば尚更だ。
──認めるしかない。目の前の相手の実力を。この見知らぬ地で相対したあのデカブツは弱くは無かったが、あの程度なら今まで戦った相手と比べればごまんといた。
だが彼らは違う、文字通り命を懸けて挑まねば憐れな獲物になるのはこちらなのだから。それは今まで多くの敵を屠り生き抜いた強者としてのプライドが許さなかった。
ならばこそ、あの溶岩に囲まれた故郷で得た粘菌の力を呼び起こそう。あれは強力だが自身の負担も大きく、そもそも大抵の相手はその力を使わずとも倒せるので使わずにいたがこうなっては仕方あるまい。
それに奴らを葬るには力足らずになることは無いだろう。
──さぁ、本物の強者は誰かを、教えてやろう。
753:アカフラの狂フューラー
もうだめだ…おしまいだぁ…。奴は伝説の臨界ブラキだ。勝てるわけがない!(岩盤野菜王子並感)
754:アダマントのモリンフェン
ていうか何で臨界ブラキなんだよ!さっきまで普通個体だったはずだったろ!?
755:ロドスのあんこくポケモン
確か臨界ブラキの条件って強力で特殊な粘菌と共生することだっけか?でもここにはそんな粘菌なんてないはずだ
756:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
考えられる線としては既に臨界状態の素質を持ち合わせていたってことかもね。だけどどうして今まで通常個体だったのかという話になるけど……
757:移動都市アダマント
単純に力を温存してたって話じゃないかな~?あんだけ強い力は体力の消耗が激しいだろうし~
758:ラテラーノの聖霊王
もしくは臨界状態はブラキにとっても初の試みだったかもしれないな。よく見たら少し藍色の部分が体表に残ってるし、今まで特殊な細菌の力をフルに使ったことは無かったんじゃない?
759:アカフラのライガー0
そうだとしたら、あのブラキは臨界状態にならずとも今までの敵を捻じ伏せて来た強者って言える可能性があるぞ
760:ロドスのあんこくポケモン
理由はどうあれ、バサスロニキとガルルガネキにはぐりん、そして加勢に来たスカジによる猛攻がかえって奴を強化しちまったってことか…。これ下手したらはぐりん達戦犯にならないか?
761:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
いや、放っておいてもポンペイを屠るあの獰猛性から火山で暴れ回って、噴火の原因の代わりになり得たかもしれない…
762:ラテラーノの聖霊王
しかもブラキディオスって確か特定のテリトリーを持たず、ティガレックスみたいに各地を転々とする獣竜種だったはず。下手すると火山から出てシエスタに攻め込んでくるなんて最悪な事態が起こり得た可能性もあるんじゃないか?
763:アカフラの狂フューラー
そうなると、どの道ブラキを狩猟しないといけないのか
764:アダマントのモリンフェン
にしても不味くないか?臨界状態になってから肉弾戦や粘菌の爆発がさっきよりも強烈になってるぞ!
765:移動都市アダマント
というかこのままここで戦闘するのは不味いかもね~。戦闘の影響で火山が噴火するかもしれないし、下手したら岩盤が崩れて生き埋めになりかねないよ~?
766:ロドスのあんこくポケモン
バサスロニキ達がブラキを抑えようとしてるけど、爆破が激しすぎて迂闊に近寄れないし消耗が激しくなる一方だ。このままではジリ貧になるぞ
767:転生新人はぐりん#Liveナウ
ロドスの人達と一緒にバサスロさん達の加勢したいのですが、爆破が激しすぎて戦場に近寄れません。自分だけでしたら耐性の関係で無理矢理いけますが…
768:ラテラーノの聖霊王
はぐりんの得意魔法が炎や熱、爆破系だからなぁ。攻撃魔法で援護して誤射して壁に当たったら援護どころか噴火を助長させ兼ねないし、バフは既にかかっているからなぁ…
769:アカフラのライガー0
あと地の利的にブラキ側が有利だ。バサスロやスカジはともかく、洞窟はガルルガネキの強みである空中での強襲が出来ないのはキツイ
770:アダマントのモリンフェン
広さはそれなりにあるから飛べはするけど、高く飛べないから飛んだ所でブラキの飛び掛かりに捕まるだけだしな
771:アカフラの狂フューラー
………なぁ、一つ良いか?
772:ロドスのあんこくポケモン
どうした?
773:アカフラの狂フューラー
さっきからバロムニキの応答がないんだが、どうしたんだ?
774:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
あ、本当だ
775:アカフラのライガー0
おい性霊王ニキ近くにいるんだろ、バロムニキは何してんだよ?
776:ラテラーノの聖霊王
ちょっと聖を性に変えんな、卑猥に見えるだろ!
――バロムなら俺の隣で念じていて全く微動だにしてないんだけど
777:移動都市アダマント
え、バロムニキ一体何してんの~?
778:ラテラーノの聖霊王
なんか臨界ブラキを見てからずっとこうなんだけど。とりあえず日頃の恨みを晴らすために腹パンしよ♡
779:ロドスのあんこくポケモン
>>778
いや待て?
780:アカフラの狂フューラー
ここぞとばかりに上機嫌で逆襲しようとして草
781:ラテラーノの聖霊王
良いだろお前(ラテラーノで俺は)聖人の身だぞ。
では早速――、えいえい、怒っtハクオウッ!!?
782:アダマントのモリンフェン
反撃されてんじゃねーかwww
783:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
即落ち二コマかな?
784:転生新人はぐりん#Liveナウ
えぇ…(困惑)
785:カズデルの悪魔神
このバカ聖霊王が…
すまない、少し連絡を取ってて反応出来なかった
786:アカフラのライガー0
バロムニキ、連絡って?
787:カズデルの悪魔神
ああ、この状況をどうにか出来そうな助っ人に連絡していた。すぐ来るはずだ
788:ヴィクトリア火山のボルシャック
うむ、バロムよ。ここであってるな?
789:カズデルの悪魔神
来たか、忙しい所を悪いな。来てくれて助かった
790:ヴィクトリア火山のボルシャック
気にするな、ちょいと面倒なことになっているのだろう?どこまで力になれるかは分からんがな
791:ロドスのあんこくポケモン
ファッ!?もしかしてボルシャックニキ?ボルシャックニキじゃないですか!?
792:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
おや、久しぶりだねボルシャック
793:移動都市アダマント
おひさ~
794:アダマントのモリンフェン
デュエマ勢三人目の古参メンバーじゃねぇか!?
795:アカフラのライガー0
え?もしかしてこの人がボルシャックニキ?
796:アカフラの狂フューラー
普段忙しくてスレに来ることは殆ど無いって噂の?俺も実際会ったの初めてなんだが
797:転生新人はぐりん#Liveナウ
えっと……この方は一体?
798:ヴィクトリア火山のボルシャック
ふむ、初めて会う者も何人かいるから自己紹介しておこう。我が名はボルシャック。普段はヴィクトリアにある火山の都市を統治しているだけの人外転生者だ。
それでバロムから事情を聴いているが、そこのはぐれメタル転生者がいる火山の状況が思わしくないのだな。すまないが少し周りを見渡してくれないか?
799:転生新人はぐりん#Liveナウ
あ、はい。――これでどうでしょうか?
800:ヴィクトリア火山のボルシャック
ふむ……。確かに
801:アカフラのライガー0
ってことは噴火不可避じゃないですかヤダー!
802:ロドスのあんこくポケモン
いや待て、このままだと言ったぞ。ってことはもしかして…?
803:ヴィクトリア火山のボルシャック
うむ、時間の猶予は余り無いが対処をすれば噴火を阻止することは可能だ
804:アカフラの狂フューラー
これマジ?
805:アダマントのモリンフェン
けど対処っていったい何をすりゃいいんだ?バロムニキ達がやってたみたいに溶岩を塞き止めるとか?
806:ヴィクトリア火山のボルシャック
そんな無駄に力のかかる脳筋の方法なわけないだろう。とは言え、これは得意な属性に関係するものだからな。はぐれメタルが炎や熱系統を得意としているのが分かったおかげで提案できるのだ
807:転生新人はぐりん#Liveナウ
得意な属性?一体どのような方法で?
808:ヴィクトリア火山のボルシャック
やることは単純なことよ。この火山の龍脈をコントロール……少しだけ力の流れをずらしてやればいいのだ。
809:アカフラのライガー0
りゅうみゃく?何それ美味しいの?
810:移動都市アダマント
あ~龍脈か~。それならどうにかなるかもね~
811:アカフラの狂フューラー
え、どゆこと?
812:カズデルの悪魔神
龍脈というのは地中に流れる気のルート、要は大地のエネルギーの流れだ。そしてボルシャックが提案してることを雑に言えば火山に流れるマグマエネルギーを操作して流れを変えると言うことだ
813:移動都市アダマント
エネルギーの操作ならぶっちゃけマグマを塞き止めるよりかは何十倍も労力が少なく済むんだよね~
814:アカフラの狂フューラー
ん?じゃあバロムニキも火山止める時それでやればよかったんじゃ?
815:カズデルの悪魔神
ボルシャックが言ってただろう?これには属性の相性に関係すると
816:ヴィクトリア火山のボルシャック
属性の相性というのは中々に厄介でな。仮に今回のマグマエネルギーの操作で我が10の力でやるとしても、呪文が得意なバロムですら100や1000の力でやらないと同等の効果が得られないほど非効率なのだ。
817:移動都市アダマント
それにさっき塞き止めるよりかは楽と言ったけど~、こんなデカい火山の操作なんて自身の体内の魔力操作に比べれば、結構大変なことには変わりないんだよね~
818:アカフラのライガー0
はぇ~魔法のことはさっぱりだが、大変なことだけは分かった
819:カズデルの悪魔神
幸いはぐりんの属性相性は問題無いし、まだ経験は浅いが魔法の才と実力を考えれば操作とまではいかずとも、マグマの流れを少しずらすのは出来るだろう。
820:ロドスのあんこくポケモン
なぁ、それならバロムニキがはぐりんにエネルギー操作を教えればいいんじゃないのか?
821:カズデルの悪魔神
属性毎にエネルギーの癖があってな、基礎的なことは既に教えてはあるが炎や熱に関してはボルシャックの方が上手で適任だ。
822:ヴィクトリア火山のボルシャック
だがそれをはぐれメタルの魔法体系に落とし込むのは我には出来んのでな。そこは呪文に長けてるバロムに任せると言うわけだ。てなわけだ、はぐれメタルよ。よろしく頼むぞ
823:転生新人はぐりん#Liveナウ
は、はい!こちらこそよろしくお願いします!
824:カズデルの悪魔神
喜ぶのはまだ早いぞ。まだ問題が残っている
825:廃棄移動都市のロイヤルナイツα
あ、ブラキディオスのことか
826:ロドスのあんこくポケモン
そーだよあいつが暴れてたら噴火が早まっちまうじゃねーか
827:アカフラの狂フューラー
バサスロニキ達がどうにか抑えてるけどこのままだと不味いって!せめて戦いの場を変えられればいいんだけど…
828:転生新人はぐりん#Liveナウ
――あの、それでしたら一つ考えてる方法があります
829:アカフラのライガー0
え?はぐりんそれマジ?
830:転生新人はぐりん#Liveナウ
はい。ただ上手くいくのかどうかと、ロドスの人に確認することが一つありますが……上手くいけば戦いの場を変えられるかもしれません
831:アダマントのモリンフェン
え、そんな呪文ドラクエにあったか?思い当たらんのだが?
832:カズデルの悪魔神
場所を変える……?fateの固有結界みたいなものはドラクエで聞いたことないが?
………いや待て、今はぐりん達がいるのは火山内部。あの呪文なら実質場所を変えることは出来るか…?
833:ロドスのあんこくポケモン
バロムニキ何なのか分かったの?
834:移動都市アダマント
あ、僕もわかった~。確かにある点が上手くいくかは分からないけど、上手くいけば外でブラキと戦えるね~
835:アカフラのライガー0
魔法系の奴らの理解が速すぎる。一体何の呪文か教えてくれ!
836:カズデルの悪魔神
ああ、おそらくはぐりんがやろうとしてるのは――
スレ民(まともなメンバー)紹介
ヴィクトリア火山のボルシャック
ボルシャック・ドラゴンとして転生した転生者。バロムらと同様のテラで遥か昔に転生し、ヴィクトリア辺境にある火山に都市を築いて統治している。火山都市では主にサルゴンから移民してきたヴイ―ヴルや現地のリーベリが中心として暮らしている。火山での天災は主に噴火や地震だが、彼が龍脈の操作で火山を安定させているためそれらの天災はほぼ起きることは無く、仮に天災が起きたとしても被害はありえないほど最小限に留まっている。
そのためか、彼の都市は結果的にイェラグに次いで天災の危機が少なく、暑いことを除けば暮らしやすい。また、火山という危険な場所での生活と彼の政治手腕のお陰で、ヴィクトリアでは珍しく感染者の差別意識が薄い都市だという。
平穏を好み、基本的にヴィクトリアの政治に不干渉かつ独立的な立場を貫くため多忙な日々を送っている。
だが強大で純粋な竜種である彼の力を得ようと、あるいは邪魔者として抹殺しようと昔からヴィクトリア中の貴族や王族に狙われていた。そのため貴族や王族は立場上交流をする以上仕方ないとは言え、とても毛嫌いしている。過去に彼の逆鱗を触れる真似をしでかした愚か者のせいでヴィクトリアが滅亡する危機になりかけた。
また、統治者である一方で著名な火山学者で活動している。かつてリターニアにある火山の調査に赴いた際、とあるキャリプニーの学者夫婦を助けたこともあったとか。
今回の掲示板まとめ
・臨界ブラキにスレ民混乱
・バロムニキ助っ人連れてくる
・はぐりん秘策考え中
大陸版の情報でアークナイツとカプコンのコラボでまさかモンハンだとはこのリハクの目をもってしても…(以下略)
ワンチャンあると思ってたけど大方バイオかな~思ってたらまさかの情報に宇宙アイルーになってた。アイルーは良いぞ。