「ああああああっ!やってしまいましたわ!」
私───櫻子・
「せっかくやり直すために百合ヶ丘に来ましたのに、これでは前いた
「あの・・・一人で盛り上がってる所申し訳ないけど、いきなり割って入ってきて何?私に喧嘩売ってる?」
「けど、以前から気になってはいたのですわ・・・わたくしと同じく孤独な方が御台場にいらっしゃると」
「おーい・・・」
「これは自分を変えるチャンスですわ!ここは是非とも勝って明日香さんとお友達に・・・」
「ねえちょっと!!」
私の目の前にはさきほど明日香さんとお話していた京夏様とおっしゃるリリィが仁王立ちしていた。
「エリザベスさん・・・だっけ?さっきから何?人の話も聞かずに無視して独り言とかどういうことなの?それとも・・・あなたも私と手合わせする?」
「ご冗談を。なぜわたくしが上級生であるあなたと手合わせする道理がありまして?」
「あなた・・・言ってることとやってることが矛盾してるんだけど・・・」
京夏様とおっしゃるリリィは頭を抱えている。
「まあいいわ・・・ちょうどメンバー探してたし、今日のところはあなたたちの判定人やってあげるけど、この勝負にあなたが負けたら私のレギオンに入ってもらうわ。それでいい?」
「わかりましたわ京夏様。ま、わたくし手合わせには自信がありまますから、負けるはずなどないですわ」
「まったく何なのあの子!いきなり手合わせとか・・・」
寮に戻ってってきた私たちは自分のCHARMケースを手に持ちながら
「明日香ちゃん落ち着いて・・・」
「だってそう思わない?私たち初対面なのよ?なのにあの態度・・・あーもうあったまくるー!」
この余る怒りを手合わせにぶつけないと。
「この機会だから円ちゃんもちゃんと見ておいてね?リリィ同士で戦うときのルールとかもあるから」
「そうなの?」
「本来リリィ同士でCHARMを向け合うことは
文句を言いつつもしっかり向き合おうとしてる私もどうかと思うが、円がいる手前あそこで断ったらダメだと感じてしまったのだ。
「例外もあって今日みたいに訓練扱いになる場合もあるわ。あんまり気が進まないけどね」
「ははは・・・」
リリィとはいえ、(私含め)年端も行かない子ばかりだ。血の気の多い子がいてもおかしくはない。けど、さっきの様子はちょっとおかしく感じた。
さて、中庭に戻り、京夏様の案内で中庭から訓練棟へと移動してきた。
「ここが・・・」
御台場と違い、非常に小ざっぱりとした印象を受ける。必要最低限の設備、といった感じだ。
「最新設備とかあるのかと思ってました」
「他所から来た人はそう思うかもね。百合ヶ丘はノインヴェルト戦術に注力してるから」
「ノイン・・・って何?」
円が小声で耳打ちする。
「ノインヴェルト戦術っていうのは九人一組でマギをパスで回して最終的にヒュージにぶつけるやり方。百合ヶ丘はノインヴェルトのエキスパートの集まりみたいなところだから」
同じく小声で説明する。
「寮に戻ったと見せかけて怖気づいて逃げたかと思いましたわ。さ、CHARMを出しなさい」
言うなり櫻子さんはCHARMを私に向ける。
グランギニョルのユニーク機か。どうやら結構なお嬢様らしい。
「へぇ・・・ブラダマンテ。グランギニョルのCHRM持ってる子は百合ヶ丘でもほとんど見かけないわ」
京夏様も物珍しそうにCHARMを見ている。
「グラン・・・って?」
「CHARMを作ってるメーカーのひとつ。百合ヶ丘だとユグドラシルのCHARM使ってるリリィが多いって聞きますけど、そうですよね京夏様?」
「ええそうね。私のダインスレイフ・カービンもね」
CHARMケースから自分のを取り出す。
ユグドラシル社製タングズニル。対ヒュージ戦では接近戦には有利とされている。
ここ百合ヶ丘ではグングニルを使うリリィが多いようだ。
「じゃ、始めましょうか
あえての名前呼び。こちらも挑発に負けていられない。
「望む所でしてよ。わたくしが勝ったら言うことを何でも聞いていただきますわ」
「手合わせだって」
「今年の新入生こわーい・・・」
気がつけば周囲には上級生と思われるリリィ達がにわかに集まり始めていた。
・・・誰のせいでこんな目立つことになったんだか。
とはいえ昨日の一柳さんの件に比べたら大したことはないかもしれないが。
「ルールは私の一存で決めさせてもらうわ。二人ともそれでいい?」
お互い無言で頷く。
「時間は・・・今日は関係からいいか・・・無制限、レアスキルはなし。で、ここは室内だから訓練弾及びシューティングモードの使用も禁止。あと分かってると思うけどヒュージの警報鳴ったら問答無用でこの手合わせはなかったことになるからね」
「さあかかってきなさい明日香さん!この勝負すぐ終わらせますわ」
「その自信はどこから来てるか知らないけど、私が勝ったら私の言うことを聞いてもらうわ」
自身のCHARMにマギを込める。マギの保有量は個人差が出てくるため、レアスキルは原則使用禁止だ。手合わせのルールは判定人の裁量だが、たいてい京夏様が言った範囲で納まることが多い。
「はじめ!」
さて、どう攻めるか。実のところ接近戦向きCHARMを使っている私だが、実際対リリィ接近戦はあまり得意ではない。
少しずつ間合いを詰めていく。
「はあっ!」
先に向こうから来た。
キンッ!
CHARM同士が重なる独自の音が響き渡り、受け手に重くのしかかる。
「くっ・・・」
早い。私は受けるので手一杯だ。
口先だけなのかと思ったがどうやらそんなことはないらしい。御台場にいたとき、ルド女こと、ルドビコ女学院にやたらと手合わせをしたがる子がいたのをふと思い出す。
すかさず攻撃しようと懐に入ろうとするも間合いを取られてしまう。
「さすがは明日香ちゃん御台場女学校出身ね。エリザベスさんもなかなか・・・」
京夏樣は関心しているが、こちらは必死だ。
「はっ!」
櫻子さんは容赦なく攻めてくる、が、
(確かに早いし、自信あるのも納得行く・・・けど・・・)
「・・・」
すっかり受け手に甘んじてしまっている私。
「明日香さん、最初の勢いはどうしましたの?これじゃあいつまで経ってもわたくしの独擅場でしてよ?」
見る限り、何かを急ぎ焦っているようにも見える。
「明日香ちゃん圧されちゃってる・・・大丈夫かな・・・」
このままでは円ちゃんに申し訳が立たない気がしてきた。
「確かにあなたの言う通り実力はあるみたいね。けど、あなたには足りないものがひとつだけあるわ」
「何を根拠にそんなことおっしゃいますの?そういうことは・・・わたくしに勝ってから言うことですわ!」
そのときだ。
「あっ・・・」
足を捻って一瞬態勢を崩す。
(あのときと同じだ・・・)
実を言うと一度手合わせで負傷したたことがある。その相手があの船田
『あなた・・・実力はあるのに対リリィはてんでダメなのね。実力は認めますわ。けど、このままではいずれ対ヒュージでもやられる未来しか見えませんわね。そんなお荷物なリリィは御台場には必要ありませんわ』
(なんでこんなときにあのときの事思い出すんだ私・・・)
このままでは私の負けになってしまう。が、
「き、京夏様!?」
突然目の前に現れた見ていたはずの京夏様。
「エリザベスさんストップ!」
「ちょ・・・どういうことですの!?」
「危険と判断したのでこの手合わせは無効。二人とも納得出来ないだろうけどいい?」
まさかとは思うけど・・・京夏様のレアスキルって・・・。
「はい・・・」
「え、ええ・・・」
京夏様はなぜ危険と判断したのだろう?
ちょいちょい船田姉妹の名前が出てきてますが別に船田姉妹が好きなわけではありません()
実は純の態度は愛情の裏返しだったり?
これを書いてる段階でアプリに船田姉妹が実装されて「ええっ!?」っていう・・・実はファンタズムの持ち主だった?←