11話です、どうぞ!
少し腹を満たしてから数時間。徐々に木などが見えるようになってきて更に少し走ると森にたどり着いた。
ーーまた森かぁ……探索してみて良さげならここにするか。
流石にそろそろ決めたいなと思いつつ森の中に入る。辺りを見渡しながら歩いていると小動物や草食竜などを発見できた。
草食竜などがいるということは少なくともここは定住して生きていける程度の水や食料があるということ。後は寝床と主食かなぁと考えつつも歩を止めない。
歩くこと暫く、木々の密集地帯を抜けて川を見つけた。覗き込んでみると透き通っており意外と水深は深そうだ。魚も泳いでおり行き先を目で辿ってみるとその先には湖がある。
ーー水の心配は無さそうかな?まだ寝床や鉱石は見つけれてないけど向こうの方に小山もあるし期待値高いな。
水の場所は覚えたので小山を目指して歩いていく。群れで歩く草食竜達とすれ違いながらも進み、小山の麓にまでたどり着いた。
周囲を回るように歩いていくとちょうど良さげな洞穴を見つけたので中に入ってみる。辺りを見渡し、生物が住んでいる形跡などは無かったのでここを仮の寝床にする。
洞穴から外へと出てすぐ近くの地面を爪で引っ掻き跡を残す。
ーーマーキングってこんな感じでいいのかな?やったことないから分からないんだけど多分これでいいってことにしておこう。もし帰ってきた時に何か居ついてたら追い出したらいいや。ヨシ!
寝床の確保は出来たので主食探しと周囲の探索に戻る。川にまで戻ってきて水分補給をしてから今度は湖方面に行ってみる。
ーーこうやって湖とか見るのは初めてだけどこれは広い方なのかな?
少し遠くから湖を見てみるが前世では湖なんてテレビ越しでしか見たことがないので大きいのかがいまいちよく分からない。
ーーどうせなら少し休憩するかぁ。思えば走ってばっかだったし……
念の為、擬態形態に移行してから地面に座る。小休憩なので関節部などの硬化は無しだ。
ボーとしながら少しの休憩をする。天気は良く、ついウトウトしてしまう。
ーーうーん、少し寝るか?周りは草食竜が少数いるだけだし、大型が出ても近付いてくる前に流石に気付けるだろ。気づけるかな?
攻撃されるまで眠りこけてる自分を簡単に想像でき、寝るか迷うが数時間も走っていた疲労感は確かにあり、それが眠気となってやって来る。
ーー駄目だ、やっぱり少しだけ寝よう。攻撃が来ても鎧が守ってくれるだろ多分。
さぁ寝るぞと体勢を変えている最中にふと湖近くにいるアプトノスに視線が向く。正しくはその少し先の湖に。
ーー?何か湖が波立ってないか?けどテレビで見た湖もそんな感じだったと思うし気のせいか?
急に発生した異変に意識を向ける。波立ちは徐々に激しくなりながら水を飲んでいるアプトノスに近づいており、アプトノスは水を飲むために下を向いていて気づく様子はない。
やがて波立ちから魚の姿に似ている竜が現れ、水を飲んでいたアプトノスの首に噛みつきそのまま湖の中に引き摺り込もうとする。
アプトノスも噛みつかれたら流石に気づき、引き摺り込まれるのを耐えるために脚に力を込めて耐えようとしていたが大型の力には敵わずそのまま湖に引き摺り込まれた。
暫く尻尾が見えていたが水深が深いところまで行ったのか何も見えなくなった。
ーーいるじゃん大型!!あっぶねぇ!寝るところだった!
先程の光景を目にし眠気が吹き飛んだ。命を張って大型の存在を教えてくれたアプトノス君には感謝を……完全にとばっちりだと思うけど。あ、出てきた。
湖に沈んでいた筈のアプトノスが姿を現す。しかし動きは明らかに溺れているような感じで呼吸をするのも精一杯のようだ。
それも何かに引き摺り込まれる様な動きで湖に再び沈み今度こそ姿を現すことは無かった。最初辺りにみたアプトノスって食われる決まりでもあるのかな?
ーー湖はガノトトスの縄張りかぁ。水分補給は湖じゃなくて川でしろってことだね。けどガノトトスって美味しいらしいんだよなぁ。
ゲームで散々見たテキストの一文を思い出し食欲が湧き上がる。その食欲を一旦鎮めるためにガノトトスから逃げてきていたアプトノスの一頭に狙いを定め鉱石弾を発射する。鉱石弾はアプトノスの頭を綺麗に撃ち抜き絶命させる。
仕留めたアプトノスを食べ切ると食欲は落ち着いたので探索を再開する。
暫く探索していると漸く鉱石塊が剥き出しになっているところを見つけた。喜びながら顔口で鉱石を噛み砕き咀嚼するが、自分の顔が咀嚼する度に真顔に戻るのがわかる。
ーー何というか、うん。味が薄いというか……石っぽいというか……
転生してから何日かは知らないがほぼ毎日鉱石を食べていると鉱石ごとに味が違うのがわかって来る。味覚があるのは顔口限定だが質がいいものほど味が良いというか美味しいのだ。
流石にゲームの時のアイコンだと鉱石の種類は分からないが、鉄の塊っぽい物より青色の鉱石の方が美味しく感じたことからレアリティが高い方が美味しく感じるのかも知れない。因みに自分で生成した鉱石は無味だ。
ーーいや、まだこの鉱石塊だけ味が薄いという可能性がある。希望を捨てちゃいけない。
再び探索に戻り、所々で見つけた鉱石塊を食べてみるがどれもこれも味が薄くとても美味しいとはいえない。
ーーグゥ……まさかの主食がこんなに薄味とは……ここら一帯は鉱石の質が悪いのか。
一瞬またここも候補にいれて移動するか?と考えたが今のところ問題は味の薄さだけなので考えを撤回する。
それでも自分の主食ということもありつい溜息が漏れてしまう。
ーー少しショックだけど今までが良かったんだと思おう。はぁ……
気分はしわくちゃピカ◯ュウだ。トボトボと歩きながら探索を進めていき、少しすると奥の方で何か青いものが見えた。
距離を詰めていくと向こうもこちらに気付いたのか前脚で持っていた蜂の巣からハチミツを舐めながらもこちらを見つめて来る。
ーーアオアシラかぁ。今は戦う気が起きないからそのまま大人しくハチミツを舐めておいてね……
今は主食の味の薄さにショックを受けてる最中なのでそのまま通り過ぎようとするが向こうにその気は無いらしく、蜂の巣をおき、こちらの前に立ち塞がる様に移動する。
ーーやるんだ……いっそ鎧を脱いで逃すか?確かジンオウガから逃げてたよな?
対処法を考えているとアオアシラが雄叫びを上げてこちらに突進して来る。よくよく考えると向こうから喧嘩を売ってきたのにこちらが鎧を脱いでまた生成するためにエネルギーを使ってやる道理もないのでそのまま迎え撃つ。
向こうの突進に合わせ、右前脚を振り下ろす。振り下ろしはアオアシラの背中にあたり地面に叩きつける。
次に左前脚を横から振り切る。アオアシラは地面を転がりながら木に激突し木を折りながらもそこで止まり、フラフラしながらも立ち上がる。
ーー次はどんな手で来るかなぁ……って、ん?
今の動きでこちらよりは弱いと分かったので次はどう動くかと観察していたが起き上がったアオアシラの様子がおかしい。
こちらに身体を向けてはいるがチラチラと後ろを見ており少しずつ後退している。
もしやと思い尻尾に鉱石塊を生成し、槌の様にしてから身体を横に向け吼えると同時に槌状になった尻尾を地面に叩きつける。
「グルゥオオオオオオ!!」
「!!??」
この威嚇が効いたのか反転し逃走、そのまま森の中へと消えていった。
ーーおぉ、初めて逃げていったなぁ。獲物横取りレウスは目的が違うみたいだったから除外したけど、リアルだと死ぬまでお互い殺し合うと思ってたよ……
まだ大型とは二回しかまともに戦っていないけど二度あることは三度あるともいうし次の大型戦で大体わかるかなぁ……
どうせ殺し合うんだろうなぁと薄らと予感できてるのが悲しい。けどアオアシラぐらいだと逃げるのが分かっただけ良しとしよう。
落ちていた蜂の巣を顔口に放り込み探索を再開する。やっぱりハチミツ美味しい。
また暫く歩いていると森を抜けた。そこから草原が続いているが徐々に草が少なくなっていき、やがて草一本生えていない地になりその先には薄らと山が見え頂上からは白煙が見える。
ーーこの感じだとこの先は火山か?良質な鉱石に興味はあるけどこの身体は暑さに耐性あるか分からないし行くにはリスクが高いかな?それにまだ探索が終わってないからもし行くとしてもここの地形を把握してある程度時間が経ってからだな。
自分の考えを纏めてから反転し森に戻る。探索頑張るかぁ……
あれから数日かけて色々探索し、得た情報をまとめていく。
ーーえーと、この森……どちらかと言うと森丘に近いかな?けどゲームでみたエリアと似ているところは全然ないから多分違うかな?それで森から少ししたところに大きな川があって、その先には湖がある。そこからもう少し先に自分の寝床になってる小山がある感じかな?
湖はガノトトスの縄張りになっていて、不用意に近づくと襲いかかってくると……川付近もたまに移動して来るから油断は禁物だな。
森の中は特に危険な大型はいないけど時々獲物を探しに近くに生息してるリオレイアが飛んで来る可能性があると。多分森のすぐ近くにある高地に巣があるな。それだとリオレウスもいるか?気を付けないとね。
アオアシラは特に気にしなくていいかな?川であった時も自分に何もしないで獲った魚食ってただけだし。食い意地張ってるだけか?
取り敢えず気になった項目はこの程度か?
寝床で自分が得た情報で気になった項目を纏めながら持ってきていた鉱石塊を食べる。味薄い……
ーー他にも気になることがあったら追加していこう。そういえば小型の肉食竜がいなかったな?偶然会ってなかっただけかな?数カ所行ってないところもある筈だし気が向いたらそこにも行ってみるか。
少し入りづらいけど壁砕きながら入ればいけるだろ!明日も頑張って生きて行こう!お休みなさい!!