過酷な世界で生き抜くために   作:フドル

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今回ちょっと長くなりました。

12話です、どうぞ!


12話

 目を覚まし、ある程度身体をほぐしてから行動を開始する。持ち込んだ味の薄い鉱石を食べてから寝床となった洞穴を出て湖に向かう。

 

 ーー今日は後回しにしていた所の捜索だな。その前にもう少し何か食べようか。

 

 自分の主食となる鉱石だけでは空腹が少しマシになる程度でとても今日一日動き回れるとはいえない。

 なら沢山持ち込めば良いんじゃない?と思ったこともあったが運ぶために往復するのも嫌だし何より味が薄いから大量に食べると飽きる。

 

 ーー鉱石よりアプトノスの方が美味いっていうのが大量に運ぶ気力を無くす要因にもなってるんだけどね。お、見えてきた。

 

 湖が見えてきたので思考を切り替える。辺りを見渡し、適当なアプトノスに狙いを定め鉱石弾を生成、発射する。

 仕留めたアプトノスを食べながら脚の部分だけ引きちぎり、それを湖にぶん投げる。

 脚が落ちた所を暫く眺めているが特に反応が無いのでそのまま湖に向かい水を補給する。

 

 ーー脚を落としてから数分でガノトトスが今日は川か湖かが分かる様になったのは発見だったなぁ。

 

 数日前にアプトノスを食べている最中にクシャミをしてしまい、湖に口の中を色々ぶち撒けてしまった時にいつまで経ってもガノトトスが現れないことから気づいたことだ。

 最初は血や肉片程度じゃ反応しないんだなと考えていたが、次の日にそれならと湖付近のアプトノスを鉱石弾で仕留めた時は飛び散った肉片に反応したのかすぐに姿を現しアプトノスを横取りしていった。

 それから色々試してみた所、川にいる時は湖に何かあっても反応が鈍いというのが分かったので今の確認方法をとり、反応があれば川で、なければ湖で水を補給することにした。

 

 ーーよし、補給も完了したし、捜索に行きますか!

 

 水の飲むために屈んでいた身体を持ち上げ森へと向かう。森の中に入り、暫くすると岩があり、その下には小さな穴がある。

 

 ーーまずは一つ目、明らかにいる感じには見えないけど一応確認。

 

 尻尾に槌の形をした鉱石を生成する。そしてそれを横振りで思いっきり岩に振り抜いた。

 邪魔な岩が砕けたので穴を掘り返していくが途中で止める。穴の中から蟻の様な姿をした虫がワラワラと姿を現す。

 

 ーーオルタロスの巣だったかぁ。オルタロスって美味しいのかな?いや、そんなことより次に行こう。

 

 一瞬、オルタロスの味に興味が向きかけたが気にしていたらキリがないと身体に纏わりついてきたオルタロスを地面に転がるなどして潰していく。全匹潰したのを確認してから次へと進む。

 次は壁の下の方にある穴だ、大きさも少し大きく小型適度なら通れるぐらいにはある。それを前脚を振り下ろし穴を砕いて進む。暫く進むと少し広めの空間へと出た。

 

 ーーこれはアイルーとかの巣?家?だったっけ?けど住民は居ないみたいだな

 

 広めの空間には土で出来た独特な形状の家が数件建っていた。周りを見渡してみてもアイルー達の姿が見えないし隠れている気配も無いのでここにはいないと判断する。

 

 ーー何もいないなら特に居座る意味も無いかなぁ。次に行くか

 

 無理矢理砕きながら入ったせいで塞がってしまった入り口を再び砕きながら外に出る。

 

 ーーこれはもう小型肉食いないんじゃないか?けど環境的にはいてもおかしくないんだけどな?

 

 疑問を持ちながらも進み、最後の穴へと到着した。穴はさっきのものよりか少し小さく、小型が入るには少し無理があると思う。

 

 ーーいるとは思えないけどここまで来たら最後までいってしまおう。

 

 さっきと同じ方法で穴を砕き掘り進める、ある程度進んでも全然先が見えないのでもしかして途中で道が曲がったりしていて、それに気付かず直進しているのでは?と疑問に思ったがそれは杞憂だった様で広い空間に出た。

 

 ーーさっきと同じアイルー達の巣か……それに今度は住民もいると。

 

 突如現れたこちらに対し向こうは騒然としている様だ。暫く様子を見ていると奥の方より一匹のアイルーを連れて老猫のアイルーが現れた。

 

 ーー多分この老猫アイルーが村長的な感じか?

 

 こちらに向かい何やら言っているがこちらからするとニャーニャーとしか聞こえない。

 

 「ンゴニャア、ンニャア」

 

 「村長、どうですか?」

 

 「駄目みたいニャ、初めて見るから見た目から牙竜種に通じる言語で話しかけても反応しないニャ」

 

 「こう見えて飛竜種なのでは?」

 

 「試してみるかニャ」

 

 ニャーニャー言っていた老猫アイルーが横のアイルーと何かを話したあとに今度はンニャーンニャーと少し話し方を変えてきた。何か意味があるのか?

 

 ーーそれにしてもアイルーか……うーん、どうしようか?

 

 こちらに何かを話しかけて来るアイルーを無視して思考を巡らせる。このまま無視して出て行っても良いがアイルーは人間社会にかなり浸透している獣人種だった筈、つまりここで何もせず立ち去ったとしても自分の姿を他の群れに話し、それが噂話として広がり最終的にギルドにまで届いたら困る、すっごく困る。

 

 ーーそれにこの老猫アイルー、さっきから数回話し方を変えてこちらに何かを話しかけているけどもしかしてコイツ、竜達に話をすることが出来るんじゃないか?

 

 未だにニャゴニャゴ言っている老猫アイルーに視線を向ける、こちらを向いたことで今の話し方だと思ったのかそのままこちらに話しかけて来る

 

 ーーここでコイツらを見つけれたのは幸運だった。先にコイツらに見つかって何処かに話されたら後手に回る所だった。自分が生きることの方が大切だから何もしてないコイツらには悪いけど死んでもらう。じゃあ、潰すか。

 

 また固まったこちらに痺れを切らしたのか離れたところからこちらの様子を見ていたアイルーの一匹がこちらに近づき、先端に竜の爪を取り付けたピッケルみたいな武器でこちらの前脚を叩く。

 

 ーー丁度よく近づいてきてくれたね。んじゃあ、死ね。

 

 こちらを見上げニャーニャー叫んでいる勇敢なのか無謀なのか分からないアイルー目掛け前脚を振り下ろす。

 突然の攻撃にアイルーは反応出来なかったのか地面のシミになる。

 暫しの静寂、向こうは何が起こったのか理解に時間が掛かっている様だ。そのうちに前脚を振り下ろした体勢から元の体勢に戻す。

 前脚を退かしたことで見える様になったアイルーだったものを見て事態を把握したのか場は騒然となる。数匹のアイルーが自分より小さなアイルーを連れて逃げ出し、それ以外は武器を持ちこちらを威嚇する。

 

 「ま、待つニャみんな!」

 

 「ここは危険です村長!早く逃げますよ!」

 

 老猫アイルーが何かを叫んでいたが隣にいたアイルーが抱えながら逃げていく。それらを見ながら逃げたアイルー達の数を覚えておく。

 

 ーー残ったコイツらは群れを逃がす為の囮か?死ぬ可能性があるのによく出来るよ、自分なら絶対逃げるのにね。その覚悟に敬意を表して、痛みも感じずに殺す。出来るか知らないけど。

 

 鉱玉に力を込め活性化させる。更に鎧に意識を向け全体的にゴツく大きくする。アイルー達はこちらの変化に驚いた顔をしていたが覚悟が決まっていたのか直ぐに顔を引き締めてコチラに走り寄って来る。

 それに向かって前脚を横に振り抜くがアイルーは当たる直前で後ろにジャンプし、手に持っていた武器をこちらに投げつけて来る。

 飛んできた武器を無視してアイルーに視線を向けるとこちらの攻撃を回避しきれなかったのか腹から血を流している。

 これ以上の戦闘続行は不可能だと思ったのか周りに何かを叫んだ後、地面に潜ったがこちらは逃がす気はない。

 地面に向かって全力で前脚を振り下ろし、地面を破壊する。まだ浅いところにいたのか潜っていたアイルーは割れた地面から姿を現した。

 地上に引き摺り出され、戸惑うアイルーに駆け寄る。アイルーはこちらに気付き逃げようとしたが脚が何かに挟まったのか動くことが出来ないようだ。

 顔口で動けないアイルーの頭部目掛け噛み付く、最後まで目を大きく開いていたアイルーの頭部は簡単に噛みちぎれた。

 咀嚼はせずに噛みちぎった頭部を飲み込み、他のアイルー達に目を向ける。アイルー達の反応は逃げられないことを悟ったのか大半が恐怖に染まっていたが数匹のアイルーは覚悟を決めた表情のままだ。

 

 「お前らニャ!この足止め隊に志望した動機を思い出すニャ!家族、群れを守るためニャろ!?少しでも時間を稼ぐニャ!その分自分達の家族が生き残れる可能性が上がるニャ!コイツの目的は分からないけど、わざわざここまで来たことから、少なくとも自分達の群れが危ないことは分かるニャ!!」

 

 「でもどうやって時間を稼ぐニャ?攻撃なんて効いてる様には見えないけどニャ?」

 

 「村にあるものは何でも使うニャ!この緊急事態、村長も許してくれるニャ!許してくれなくてもボクが責任を取るから安心して使うニャ!分かったら行動ニャ!」

 

 アイルーの一匹が叫ぶと恐怖に染まっていたアイルー達も元の覚悟を決めた顔に戻り、家に入っていった。一度恐怖に染まっていたことから逃げるのかと思い攻撃しようとしたが目の前にアイルー達が立ち塞がったことからそちらの対処に移る。

 前脚の振り下ろしで再びシミにしようとするが当たると死ぬと理解しているのか動作に移るとすぐに回避行動を取るため当たらない。

 ならばと鉱石弾を生成し発射するとこちらは初見だったのか対処出来ずに一匹のアイルーの頭部を撃ち抜き、絶命させる。

 それを見て止まっているのは危険と判断し、こちらの周りを走り回り狙いを定めさせない様に行動しだした。

 

 ーーむ、厄介だな。大咆哮で仕留めたいけどこんな所じゃ使えないし、尻尾で薙ぎ払うか。

 

 尻尾の先端から真ん中辺りまで鉱石を薄く圧縮していくが家の中に入っていたアイルー達が出て来たので一旦中断し、様子を見る。

 

 ーー縄、ノコギリ、ピッケル、盾、それと後ろに置いてあるのは爆弾か。縄は何かついてるな、何だあれ?

 

 それぞれの道具を走りながら手に取りアイルー達が反撃の機会を窺っているがさせるつもりは無い。

 隠すつもりは無いので胸口に鉱石砲を生成、狙いは盾持ちアイルー、胸口を開き盾持ちアイルーに狙いを定める。

 少し驚愕していたが直ぐに盾を持ち直し耐える構えを取る。他のアイルーも後ろに隠れてくれたらそのまま撃ち抜くと考えていたが隠れる気配が無かったので一度胸口を閉じ、鉱石砲に自壊能力を付与、再び胸口を開き撃ち出す直前に向きを変更、アイルー達が一番密集している所に発射する。

 胸口がこちらに向いた時点で回避行動に入りかけていたが飛んできた鉱石砲が自壊し、散弾となって飛んできたのをみた体格の大きなアイルーは他の逃げようとしたアイルーを掴み自身が壁となり庇った。

 散弾が通り過ぎた後はサボテンみたいになったアイルーと無事なアイルーが数匹。

 

 ーー庇ったところ申し訳ないが追撃の準備は出来ている。

 

 サボテンみたいになったアイルーが倒れると同時に顔口から自壊能力を付与した鉱石槍を発射、庇われたアイルー達もサボテンみたいになり絶命した。

 その結果を見てると背中に違和感、後頭部の眼で見てみると背中の突起部分に縄がかかっておりアイルーが腕に付けた装置で縄を巻き取りこちらに飛び移ろうとしていた。

 

 ーー他のモンスターの背中は安置が多いかもしれないけど自分相手にそれは悪手だな。

 

 ある程度こちらに近づいて来たところで背中の突起を自壊させる。縄がかかっていた部分が無くなったことでアイルーが落下を始める。その先はこちらの背中、ならやることは決まっている。

 ガパァと背口を開く、アイルーはそれを見て恐怖に染まったがすぐに表情を戻し、何かを叫ぶ

 

 「みんな!背中にも口があるニャ!気をつk

 

 背口に全身が入ったので背口を閉じ、中にいるアイルーを噛み砕き、絶命させる。これで残り数匹。そろそろ逃げたアイルー達も追いたいので次で決めたい。

 途中で中断した尻尾の鉱石生成を再開させる。薄く長く圧縮生成し、巣の半分に届くかどうかの長さで止める。少し後ろに下がり壁に尻尾を突き刺してみるが問題なく突き刺さり、横に振っても壁を斬り裂きながら動くことから問題は無し。

 アイルー達に意識を向けると盾持ちを前にし後ろに全匹固まっている。

 ならこれで仕留める。前脚を思い切り踏み込み反転、勢いに任せて尻尾を振り抜く、瞬間的に接近し、盾を斬り裂きながら迫る尻尾にアイルーの二匹が反応し、地面に伏せるがそれ以外は盾が何とかすると思ったのか反応出来なかったのかは知らないが全匹の首が飛んだ。

 振り切った尻尾はその勢いのまま壁を大きく斬り裂きそこで止まる。

 生き残ったアイルーは周りの状況に少し目を閉じていたが直ぐに開け、お互いに何かを話し合った後に小樽爆弾を腰に巻きつけ始めた。

 

 ーー自爆か?その程度なら多分効かないと思うからこのまま行くぞ。

 

 大樽爆弾を担いでいるアイルー達に走り寄るが少し奥から爆発音がしたのでそちらに視線を向けると大樽爆弾が曲線を描きながらこちらへ飛んできていた。

 

 ーーまだ生き残りがいるのか?けど残ったやつの数は数えてたぞ!?逃げたやつが戻ってきた?可能性はあるけど逃げたのは恐らく非戦闘員だぞ!?村長の護衛の可能性もあるけど村長を残してこっちに来る訳がわからん!とにかく迎撃!

 

 まだこの世界の大樽爆弾の威力は知らないため鉱石弾で迎撃する。命中した大樽爆弾は爆発が想像より小さい代わりに大量の煙を噴き出した。

 

 ーーそんな爆弾見たことないんだけど!?リアル限定か!それとあの二匹はどこ行った!?

 

 煙幕のせいで二匹のアイルーを見失ってしまう。もしかして逃げたのか?と勘繰っていると下からニャーと声がした。

 

 「恐らくこれでもお前には効かないと思うけどニャ、足止め隊隊長としての最後の足掻きをくらってもらうニャ」

 

 「最後の策も完成してるニャ、どうせ死ぬなら最後に嫌がらせしてやるニャ」

 

 自分の下にいるのは理解したので押し潰そうとしたが下からの爆風に少したたらを踏む。爆風が収まり下を見るとアイルーの爆死体がある。自爆したようだが自分の鎧にヒビなどは無かった。

 

 ーーこれで全匹かな?すぐに逃げたアイルー達も追いかけないとね

 

 外に出ようと崩落した入り口に向かい歩いていると遠くから爆発音、警戒体勢をとり、周りを見渡すが特に何もない、一応確認のために爆発音がしたところに向かおうとするが今度は少し違うところで爆発音がする。

 

 ーー何だ?仮に生き残りがいたとしても何がしたいんだ?

 

 相手の行動を理解出来ずに考えている間にも爆発音はどんどん激しくなっている。そのどれもが遠くからで位置的には多分巣の端。

 

 ーー何で端の方ばっかりで爆発音がするんだ?他の入り口でも崩落させて塞いでるのか?ん?崩落?

 

 自分で言った崩落の言葉にハッとして遠くの壁を見る。壁にはヒビが入っておりそれは爆発音と共に徐々に大きく天井にまで伸びていく。

 

 ーーあいつらまさか!?いつの間に点火したんだ!?それ以前にいつの間に爆弾を置いた!!?いや、その前に対処を!

 

 アイルーの決死の置き土産に驚き急いで出ようとするが恐らく間に合わない。なので自分の鎧を圧縮し、その上から更に鉱石を纏って巨大な岩の様な姿になる。

 そんなことをしている間にも爆発音は更に増えていき壁からも恐らく埋め込まれていた爆弾が起爆しヒビを大きくしていく。

 

 ーー壁に埋め込んでいるのは前からって流石に分かるけど本当にいつ巣の端に爆弾を置いたんだよ、自分が入ってきた所からも爆発音が聞こえてくるから前もって置いてた線は無いだろ!

 

 爆発音は止んだが代わりに石などが落ちてくる。周りも少し振動しており崩落寸前だ。

 

 ーー今出来る対処はこれぐらい!他にもいい手があるかもしれないけどこれしか思いつかん!耐えてくれよぉ!!

 

 振動が大きくなり崩落が始まった。




過去のシンオウ地方に旅立つので次は少し更新遅れるかも
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