17話です、連続投稿なので先に16話からどうぞ〜
「畜生、落ちた先が湖なんてついてないぞ……、嫌がってるのに無理矢理撃ち出しやがって。」
緊急クエストだからと問答無用で撃ち出した受付嬢に思わず文句が口に出るがそんなことをしても水浸しになったこの状態が改善される訳ではないので思考を切り替えて今回のクエストを受注するまでの経緯を思い返した。
いつものようにクエストの達成報告をギルドに伝えた時にいつも世話になっている受付嬢からの発言が始まりだった。
「あ、ガルドギアルさん。今回のクエストでランクが上がりますね、おめでとうございます。」
そう受付嬢が言うと周りの空気がざわつき始めた。それもそうだろう。何故なら今のランクから上がるとなると俺のランクはG級になるのだから。
「これでガルドギアルさんも人外の仲間入りになるのですね、といってもG級相当のクエストを達成しないと上がらないんですがね。」
周りには当然のことだという顔をしていたが内心は浮ついていた心がその発言で一気に落ちた。それを気配から察したのか受付嬢が説明を始める。
「まぁ、一種の試金石ってことですよ、上位のクエストでも難易度はかなり高低がありますからね。低いものだけを数重ねてG級に上がっても、すぐに死ぬ人が一時期増えたことがありまして。それから上位からG級に上がる際にはG級相当のクエストを達成して貰うようにしてるんですよ。」
その説明にそれもそうかと納得する。ギルドだってハンターを殺したい訳ではないのでその対応は当たり前だろう。
「という訳で、今回はこれでお終いです。G級相当のクエストが来た場合は連絡をさせて頂きますので、準備だけは済ませておいてください。」
「俺はいつでも大丈夫だが……そうだな、そうさせて貰うよ。俺の今の位置付けはどうなるんだ?クエストはいつも通りに受けていいのか?」
昇格待機状態なら無闇にクエストに出ない方がいいのだろうか?そんな思いで受付嬢に質問をする。
「大体の人は万全を期すためにクエストには出ないで休息に当てるのですが……。そうですね、クエストは受けて頂いて構いません。その間にG級相当のクエストが来た場合は緊急でない限りこちらで保留しておきますのでご安心ください。」
クエストには大まかに分けて二種類ある。通常と緊急だ。通常クエストは主に危険ではあるけれど人間の生活圏にはあまり出現せず、しかし行商などの道に出てくる可能性があるため安全のために狩ってほしい。というものが多い。たまにどっかの王族がぶっ飛んだ依頼を出してくることもあるがそれもここの管轄だ。
もう一つの緊急は文字通り緊急性が高いクエストだ。人の生活圏に頻繁に出現し、人や村を襲うなどのこのままだと被害が拡大する場合や壊滅の恐れがあり、速やかな討伐を求められるものがここにあたる。
緊急クエストの討伐対象は経験を積んでいる個体も多くかなり手強いのでギルドも人を選んで依頼するらしい。その基準は分からないが多分実力ともう一つ別の基準で判断されていそうだ。
他にも常時討伐対象というのがある。大型モンスターには生息している環境で何らかの役割を持っている場合があるため、発見した際には調査を行い、討伐に問題がないかを確認してから討伐、またはクエストとして貼り出すのだが、この常時討伐対象というのは、狩場に乱入または発見をした場合、ギルドの許可を取らなくても討伐しても良い個体のことを指す。
主な対象はイビルジョーやバゼルギウスなどの周りの生態系を破壊する可能性が高い種族が指定されている。
長々と語ったが要するに今は特に何もすることがないということだな。ならアイテムの整理でもするか。
そう思考してギルドから出ようとするが届いた依頼を読んでいた受付嬢から声をかけられる。
「ガルドギアルさん、確かいつでも大丈夫と言ってましたよね?」
「あぁ、言ったな。クエストがあったのか?」
「はい、たった今、クエストが発生しました。難易度はG級相当、更に緊急に分類されます。いいですか?」
「分かった受けよう。場所は何処だ?」
ここで場所を聞いておかないと狩猟地が火山や雪山だと流石に準備が必要だからな。
「場所は火の国に近い火山近くの森林地帯です。なのでクーラードリンクなどは必要無いですね。他に何かありますか?」
「いや、特に無いな。ドリンクが必要無いならいつでも行ける。」
「分かりました。G級で更に緊急に分類されているので移動手段はこちらで既に準備しております。クエストの詳細は移動しながら話します。こちらへどうぞ。」
「あ、あの!少しいいですか?」
受付嬢の説明に従い移動をしようとした時に後ろから若いハンターに声をかけられた。
「何だ?出来るだけ手短にな。」
受付嬢に視線を向けると待つ体勢を取ったので立ち止まりそのまま要件を聞く。
「ありがとうございます!火山近くの森林にいくと聞いたんですが少しお願いがあります。お礼も払いますので聞いてくれないでしょうか?」
声から必死さが感じられて思わず振り返る。そこで若いハンターの容姿を確認した。
男性、防具はタマミツネ、武器は片手剣を持ったハンターで足元には同じタマミツネ装備のアイルーがいる。恐らくこのハンターのオトモなのだろう。青年の顔を見ると酷いクマが出来ており、かなり疲れてるように見える。
「それで?お願いとは何だ?」
「僕のモンニャン隊が帰還日を過ぎても帰って来ないんです。目的地は故郷と聞いていて他には寄り道もしないって言っていたので心配で……」
「それなら迎えにいってはどうだ?何か出来ない理由があるのか?」
青年の装備から実力はあるように見えるのでそこらのモンスターに負けることはないだろうから迎えに行くことは可能なはずだ。
「実は……火山近くの森林地帯とは聞いていたんですが正確な場所が分からなくて、何箇所かは既に探したのですがどれも違っていました。なのでお願いです。狩猟ついででいいので彼らを探して貰えませんか?」
そういって頭を下げる青年ハンター、声からしても心底アイルー達を心配しているのが分かる。狩猟のついででいいのであれば受けてもいいか。
「分かった、受けよう。しかしあくまでも狩猟のついでだ。見つからなかったとしても文句は言わないでくれよ?」
「ありがとうございます!文句なんて言う訳ないですよ!ジルク……僕のモンニャン隊の隊長です。その子が言うには故郷の近くには大きな湖があるらしいです。お願いします。」
再び頭を下げた青年ハンターを背にして受付嬢の元に歩く。聞くことは聞いたのでこれ以上、話すことはないだろう。
向こうもそう思ったのか頭を下げたままこちらを呼び止めようとしない。
「すまない、待たせたか?」
「いえ、大丈夫です。あのハンターの様子を見る限り、そのアイルー達はもう……いえ、やめておきましょう」
受付嬢が気の毒そうに言葉を発する。あの青年ハンターの目のクマを見るに寝らずに探し回っているのだろう。過ぎた期日は分からないがあそこまで酷いとかなり過ぎているのだろう。
青年ハンターに迎えにいったらどうだなんて言わなかったほうがよかったかもしれないなと少し後悔しながら歩いていると気持ちを切り替えたのだろう受付嬢が話し出した。
「それでは今回の詳細を話しますがいいですか?」
「あぁ、構わない。頼んだ」
「では、今回のクエストの討伐対象はリオレイアです。街までつなぐ街道で商人やハンターを襲撃しており現時点でかなりの被害が出ています。
また、殺されたハンターのうち数人が上位ハンター、それもかなりの実力者だったことからG級相当の実力があるとギルドは判断しました。
更に獲物を食べずに巣へと持ち帰っていることから雛がいる可能性が高いと思われます。人間を餌と認識しているはずなのでこれも討伐して下さい。質問はありますか?」
「狩猟エリアから逃げた場合の追撃は?」
「許可されています。これ以上実力をつける前に討伐せよとのことです。」
「了解だ。なら乱入の心配は無いんだな?」
「無い……と言いたいところなんですがガノトトスの目撃情報があります。水辺には近づかないでください。……後はこれもある意味本題ですね」
水辺には近づかないと脳内の注意事項に書き込んでる間に受付嬢がまた話し出した。
「これはあくまでもサブクエストです、聞いていきますか?」
「あぁ、頼む。どんなのだ?」
「ガルドギアルさんはここから南東のギルドが管轄する森林地帯の大火災を知っていますか?」
知っている。かなり広大な森林が丸ごと一つ燃え尽きた大火災のことだろう。ギルドも消火に尽力したが力及ばず全て焼失した火災だ。それと数日前にその森林近くのクエストに赴いていたハンター三名が失踪していた筈だ。
「あの大火災の原因を探っていたギルドの調査隊があるものを見つけたんです。その見つけたものが問題でして……」
受付嬢が言い淀むと言うことはかなり問題のものだろうと少し身構える
「一つは変質した鱗、これはリオレウスのもので火災もリオレウスが起こしたものとギルドは判断しています。問題はもう一つの見つかった足跡です。」
「足跡?それがどんな問題になるんだ?」
「どの生物とも一致しません。今ギルドが過去の文献を漁っていますが恐らく新種だと思われます。」
それは……確かに問題だろう。ギルドが把握していない生物が存在しているということになる。それがどんな生態でどんな行動をするかも分からない。もしイビルジョーなどの周囲の生態系を破壊する生物ならかなり不味い状況だろう。
「ギルドはこの生物の追跡を行いましたが痕跡が不自然なほど少なく、更に数週間前の雨で痕跡が完全に消えてしまい追跡を断念しました。しかしこの追跡中に分かったことと問題が見つかっています。
一つはその生物の移動ルートから恐らく森林地帯を好んで生息地にしていること。これは調査が進んだといってもいいです。問題は追跡中に判明した……というかまだ不確定な情報ですがこちらが確定してしまった方が大問題です。」
受付嬢が困ったような声と表情をする。まるで当たってほしく無いというような雰囲気だ。
「ここ数ヶ月前の大嵐、それによる損害で村に派遣される筈の救援隊とそれについていった有志の人がなんの痕跡もなく失踪……消失した事件。知ってますか?」
「それは知らないな。しかしそれとその新種が何の関係があるんだ?」
「カチ合うんです。その救援隊が問題なく進んでいると仮定した移動ルートと新種が移動していると仮定したルートが……」
「それは……確かにカチ合ったと仮定すれば新種はこちらに攻撃してくることが判明したな」
「違うんです。攻撃してくるならまだマシなんです。問題は何もかも消失した所です。分かりませんか?」
そう受付嬢に問いかけられて考え込む。消失ってことは救援隊を仕留めた後に竜車ごと全て持ち運んだのか?それなら何か痕跡が残る筈、なら他には何が?考え込んでも答えが出ないので諦めて受付嬢の方へ向く。
「分からないみたいですね、私だって気付きたくなかったですよ。だってこの予想が当たっていたのなら新種はイビルジョー以上に悪辣な捕食者になります。」
その言葉に思わず息を呑む。あのイビルジョーを超えるとはどういうことだ?
「救援隊の物資が丸ごと無くなったんですよ?中に入ってるはずの食料は兎も角、武器などのイビルジョーでさえ食べないものがいっぱいあったんです。それがぜーんぶですよ?なんならそれらを運んでいた竜車も食べていることになるんですよ?どれだけヤバイか分かるでしょう?」
そこまで言われるとその新種のヤバさを理解してしまう。要するに何でも食べれるということだろう。これにイビルジョー並みの食欲が備わっているのなら見つけ次第すぐに討伐しなければならない。
「ならサブクエストはその新種に関わるものなんだな?」
「はい、調査隊が最後の痕跡からの移動ルートと新種の好む生息地から新種が通過、または滞在している可能性があるのがガルドギアルさん、あなたが行くことになる狩猟エリア内の森林地帯になります。」
「ってことは、その新種の痕跡を探せばいいんだな?」
「その認識で問題ありません。仮に新種を発見した場合、交戦はせずに観察に留めてください。」
受付嬢の発言にこちらの腕が信用されてない気がして少しムッとしてしまう。
「結構腕に自信はあるんだが、ダメか?」
「ダメです。何をしてくるか分からない相手にこちらの有能なハンターさんを出す訳にはいきません。」
これは……もしかしなくてもこちらを心配してくれているのか?それが分かった途端ニヤニヤが止まらなくなる。
「何をニヤけてるんですか!!心配してるわけでは無いんですよ!!ほら!目的地に着きましたから話はお終いです!」
こちらがニヤけてるのが気付いたのだろう。受付嬢が顔を赤くして抗議してくる。そのまま目的地に着いたのかドアを開けて逃げるように中に入っていった。
彼女にも可愛いところがあるんだなと未だにニヤける顔をしながら中に入り、そこにある物に絶句する。
大砲だ。何処からどう見ても大きな大砲である。周りを見てもその大砲以外何もなく、途端に嫌な予感が湧いてくる。その間に落ち着いたのだろう。澄まし顔をしながら受付嬢が説明を始める。
「G級……それも緊急とくればハンターが辿り着くまでに発生する被害はかなりの物になります。そこで!我がギルドは迅速にハンターさんを狩猟地に送り込む装置を開発しました。それがこれになります。」
受付嬢が大砲に指を指す。嫌な予感は的中したようだ。
「まさかこれで撃ち出すとか言わないよな?」
「撃ち出します。それ以外何があるんですか?」
お前は何を言っているんだ?という顔をしながら受付嬢は答えてくる。それを言いたいのはこちらである。
「一応聞くけどこれってちゃんと狩猟地に着くんだよな?着かないとか無いよな?「走ってください」……え?」
「ですから走ってください。大丈夫です。どれだけ離れていてもあなた達なら一時間も走れば到着する所までは飛びます。」
受付嬢の言葉に手が震えてくる。嫌な予感が既に止まらないが一番気になることを聞くことにした。
「ところで天井の屋根の無い部分はいいんだがその周りの屋根って何でこんなに変な穴があるんだ?そんなデザインなのか?」
「それは過去にハンターさんを送り出す時に射角を間違えん゛っん゛……いえ、そういうデザインですね。」
こいつ今明らかに間違えたって言おうとしたぞ!流石にそんな物に撃ち出されると死ぬ未来が見えるので踵を返して部屋から出ようとする。
「うーん、何で皆さん初見だと逃げようとするんですかね?というわけでいつも通りお願いします。」
受付嬢が指を鳴らすと俺たちが入ってきたドアから屈強な男たちが現れてこちらの四肢を掴み持ち上げられる。抵抗するが四人がかりで掴まれるとどうしようもない。
「安心してください。仮に天井にぶつかっても秘薬があります。」
「安心できるかぁ!何処に安心できる要素がある!?」
「因みに同じ人で連続でミスした回数は三回です。」
「今言う必要あったのかそれ!?絶対ないよな!?」
無駄だと分かっていながら必死に抵抗を続けるがそのまま運ばれて大砲に装填される。出ようとするが内部はツルツルしており自力では出れそうにない。そんな時に受付嬢が砲口から何かを入れてくる。
「支給用秘薬です。到着したら使ってください。」
「やっぱり怪我前提じゃないか!頼む、出してくれ!」
「高所からの着地術は訓練所で吐くほどやっているはずです。ではいってらっしゃいませ、ご武運を。」
「確かにやったけど!ただの着地と撃ち出されての着地は全然違うしご武運をってどっち!?狩猟?それとも着地ぃぃぃぃいいい!!!」
出来るハンターという皮を引っ剥がしてツッコんでいたが重厚な音がすると同時に身体に圧を感じ、あっという間に上空を飛んでいた。下を見ると受付嬢が紐を引っ張っている姿が見えたのであれで射出したのだろう。
そんな姿もすぐに見えなくなり景色はぐんぐんと変わっていく。確かに速いわぁと考えているうちにあっという間に目的地が見えてきた。
(このまま上手く着地をって岩!)
上手いこと着地をしようと着地地点を見るとそこにあったのは地面ではなく大きな岩であった。更に自分がこのまま突っ込めば岩の尖っている部分に刺さるおまけ付きである。
(うぉぉぉおお!!なんとか回避ぃぃいい!!)
流石に岩に突き刺さるなんてごめん被るので全力で身体を捻り着地地点を逸らそうとする。何とか刺さるのは回避できたがそのお陰で上手く着地は出来ずに地面に叩きつけられる。肺から空気が無理矢理吐き出されるが勢いは止まらずそのまま湖へと突っ込んだ。
「改めて思い返すと酷いなこれ、湖にガノトトスがいなくて本当によかったよ。それに青年ハンターから詳細を聞いといた方がよかったな。」
右手に掴んでいる防具に目を移す。湖から出る前に底で沈んでいたのを見つけたものだ。アイルー装備の胴体部分だが青年ハンターのアイルーなのかは分からない。しかし大きな湖と言っていたので間違い無いだろう。
「中身は……酷いな、焼かれてるってことはリオレイアか?」
故郷に向かっている時にリオレイアに遭遇、戦闘するが負けたってことか?仲間の亡骸がないことから食われたか?持っていきたいところだが今から狩猟に向かうのにこれは邪魔になりかねないので分かりやすいところに置いておく。
「さて、リオレイアは何処にいるのだろうか」
上を向き空を飛んでいる飛行船に手を振る。彼らにも連絡が入っているはずなのでこちらの目的も分かるはず。
暫く手を振っていると飛行船から光が点滅する。内容は『討伐対象は高台の巣にいる』か。リオレイアで間違い無いだろう。飛行船に向かってお礼のモーションをしてから高台を目指して走り出した。
高台に到着したのでそのまま高台を登り、巣に入る。中にはギルドの予想通りに雛がおり、その前には雛を守るようにリオレイアがこちらを睨んでいた。
「お前達には悪いがここで死んでもらう。」
愛剣の二振りを引き抜き、構える。こちらが戦う体勢に入ったのを見てリオレイアが咆哮を上げる。
「さて、G級の実力。しっかり見させてもらうぞ!」
こちらへと撃ち出された火球を躱しつつリオレイアに飛びかかった。
「グゥゥゥ」
弱々しい唸り声を上げてリオレイアが倒れる。何とか立とうとしていたがそのまま絶命した。
「ふぅ、強敵だった。これがG級の実力か……」
アイテムポーチの回復薬は半分にまで減っており、秘薬に関しては全滅。初戦としてはまずまずだろう。
「次はこいつらか」
身体を雛へと向けて歩き寄る。雛達は近づいてくるこちらを見て親に助けを求めるが親が立ち上がることは無い。
「すまないが、お前達を生かしておくわけにはいかないんだ。」
せめてもの情けで一息で首を刈り取っていく。一匹仕留めていくごとに雛達の声が大きくなり何処かに逃げようとするが淡々と処理していく。
やがて静かになった巣から出て空へと依頼完了の意味を込めた銃弾を腰に下げてある特殊な銃に込めて空へと撃ち出す。今回は飛行船が来ているのでこれでしばらくすると回収班が来てくれるはずだ。
後は帰るだけなのだがどうせならサブクエストもやっと行こうと思い立ち辺りを歩き回るが陥没したような場所があっただけでそれ以外には気になる痕跡が何も無い。前の大雨で消されたかそれともここには寄っていないかのどちらかだろう。もうアイルーの防具を回収して帰ろうかと考えてた時にそれを見つけた。
「これは……アイルーの剣か?」
見つけたそれは刀身だけのアイルーの武器であった。見た目から恐らくジンオウガから作った物だろう。
「この刀身、切断されたのか?しかしリオレイアにそんなことが出来るわけがない。」
ここまでの自分が考えていたリオレイアに出会って全滅の考えをこの武器の破壊跡が否定する。もしかして例の新種か?と考えてみたがわからん。
「こういうのは他の奴が考えてくれるか。さて、帰るか。」
新種の痕跡も見つかる気配が無いので帰ることにした。青年ハンターにも確認を取らないといけないからな。
湖まで戻り防具をポーチに入れようとしたがここで問題が起きた。
「むぅ……入らん。」
防具が大きくて中に入らない。持ったまま帰ろうかと考えたが使う武器の都合上、出来れば両手を開けておきたい。
何とか入らないか試行錯誤してみたが入る気配がないので中のアイテムを捨てることにした。
「彼からお礼は払うって聞いてるし、これは捨ててもいいか。」
ポーチからそこそこ大きな鉱石塊を取り出す。これは金策として前のクエストの時に掘り出した物だ。戻ってから売ろうとしたがその前にこのクエストが来たので売れなかったのだ。
地面へと鉱石塊を捨て、代わりにアイルーの防具を入れる。動きに支障がないことを確認した後、ギルドに向かって歩き出した。
「取り敢えず帰ったら青年ハンターに確認してもらって、その後に受付嬢をしばく。」
ーー………!!この鉱石美味しい!!
救援隊は溢れる救護心から切り詰めるところは切り詰めて村へと進んでいました。けれど途中のトラブルで止まってしまい腹ペコ竜に見つかって喰われてしまいました。切り詰めすぎて竜車の点検を怠ったからです。あーあ。
まぁ点検を怠らずに予定通りに進んでも見つかってたから結果は同じなんだけど