そんなわけでプロローグからの1話目です。
目標を決めてから多分数時間…俺はなんとか立って歩けるようになっていた。感覚的には四つん這いでハイハイしている感じだ。立とうとしてすっ転ぶを数回、立ててから歩こうとして脚がもつれてこけること数回…これは本当に出現位置を誰もいない所に指定したのは英断だったと確信しつつ、俺は練習を続けていた。
取り敢えず動けることにはなったのだから次はどうしようかと考える…走る練習もしたいが、ここは洞窟…走ってこけて勢い余って壁に衝突からの崩落コンボを決められたら目も当てられないため自重する。そこでまず自分の増設した他の部位に目を向けることにする。
まずは眼、今開けてる両眼とは他に設定ではあと二つこの身体には付いている。自分の頭頂部に意識を向け、いつもの眼を開く感覚で開くようにしてみる。
ーー開いた…両眼で見ていた景色が更に広がる、上部分にあった光る鉱石が見えることから頭頂部側の開眼は出来ただろう。次は後頭部の眼を開くように意識してみるが
「グルゥ!?グゥゥゥゥ…」
開いたがこれは…すっごく気持ち悪い、映る景色も頭頂部の眼のように繋がっているのではなく、景色の途中で全く違う景色が映り込み、酷く酔う。
これは時間をかけて慣れていかないとダメだな…
今すぐ慣れるのはキツイと考え後頭部の眼を閉じる。頭頂部は映る景色が広がっただけでそこまで負担が来ないのでこのまま開いておくことにする。
次は口、これはどうなったんだろうと考え、取り敢えず増やした所を開いてから考えようと自分の胸の部分に意識を向ける。
ガパァと自分の胸が横に裂け、口が縦に開く。
うわぁ…自分で考えて取り付けたとはいえ、これは結構…いや、考えないでおこう。胸の口に力を入れるとガチガチと口が開閉する、動きに問題はない…かな?一つ目は問題なしと考え、二つ目の箇所である背面に意識を向けるのと同時に後頭部の眼を開き、自分の背面をみる。
今度は縦に裂け、口が横に開く、裂けた範囲はかなり広く肩辺りから腰の部分まで裂けている。恐らくここが1番大きい口だろう。これ使い道あるのかな?上からの奇襲に奇襲返し出来ると前向きに考えよう、うん…
最後は四肢の部分、その前に後頭部の眼を閉じてからそれぞれの太もも辺りに意識を向ける。首を曲げて四肢を確認すると縦に裂けそれぞれ一つずつ口が開いていた。
ーー取り敢えず口も問題なし…本来の箇所にある口以外は牙とか無いけど後々考えよう、次は待ちに待った能力だな!!
ワクワクしながら自分の前脚辺りを鉱石で覆おうと意識を向けて、固まる…
ーー能力ってどうやって使うんだ?発動方法なんて分からないんだけど?
取り敢えずどこでもいいから能力を使おうと四苦八苦するが発動する兆しが見えず、徐々に焦りが募る。
ーーこれどうしよう?なんか野生のパワァ(笑)みたいなもので何とかならない?無理?そっかぁ!
自分の疑問に自分で回答するという行為を行いながらも力んだり、逆に脱力したりするがやはり発動しない。
ーーぬぅおおおお!!発動しねぇ!!そもそも発動条件も知らないのに急に使えっていわれても使える訳ないかぁ…後回しにして腹も空いてきたし鉱石食ってもう寝よう…
能力のことは一旦諦め、壁に生えている鉱石の方に向かう。恐らく食えると思うがもしも食うのがダメなら強制的に『ワクワク!お外でサバイバル!ポロリ(命)もあるよ!』の開催が決定される。能力は使えず全方位(後ろは短時間でデバフあり)の視界と意外な所にある口、後は強靭な肉体(操作に難あり)で外に飛び出して、生存競争に参加する羽目になるのだ。フラグの臭いがぷんぷんするぜぇ〜!具体的には外に出て探索中に大型モンスターと出会う可能性がなぁ!
ーー頼むよぉ!この身体の雑食パワーを今こそ見せつけるのだぁ!
この身体の可能性を信じつつ、目の前の鉱石を噛み砕く。暫く咀嚼してから飲み込む…これを何回か繰り返し、空腹がマシになった辺りで一旦やめて伏せる。
ーーこれで異常が出たらこれは食えない、逆にまた空腹感が来たら鉱石を消化して食えるってことでいいかな?異常が出てもここはモンハンワールド、多分時間経過で何とかなるだろ…鉱石系だから裂傷あたりかな?伏せてたら治るだろ多分、ヨシ!
あってるかわからない判断基準と異常が出たら行う行動を適当に考え、後はこの身体の性能に期待して眠ることにする。身体を横にして眠ろうとするがなかなか眠れず、ドス古龍骨格の寝方はこうだっけ?と寝方を変更するとすぐに眠気がしてきて、意識を落とした。
ーーおはようございます!って誰に言ってんだ俺…
目が覚めて最初に感じたのは空腹…身体を起こし、ぎこちない歩き方で暫く歩いて回り身体に異常が出ていないことから問題はなしと判断して朝食の鉱石を頂く事にする…
鉱石を食べてる時にふと他の口に食わせたらどうなるんだろうと思いつき、試してみる事にする。先ずは胸の口を開き鉱石に喰らいつく。
ーーうーん、何か入ってる感じはするけど味はしないかなぁ…感触もそんなになし、後は飲み込めるのかな?
胸の口に入れていた鉱石を飲み込んでみる。鉱石はするりと奥に入っていき、腹が少し膨れた感覚がする。背面の口や前脚の口にも本来ある所の口で鉱石をへし折り、放り込んでみるが結果は同じ。後脚はどう頑張っても届かないために断念するが多分他と同じだろう。
ーー口はどこの部位も胃には通じてるみたいかな?呼吸とかはどうなんだろう?
本来の口を閉じて胸の口で呼吸を試みると意外と出来た、なんなら背面の口で息を吐き、胸の口で延々と吸うことも出来るし、他の口達で一気に息を吸うことも出来る、恐らく7つも口があるからそれに準じた肺になってるんだろうなぁ。俺の身体どうなってんだろ?
ーーこんなに肺活量とかも凄いなら大咆哮とかの技も出来るかも?試したいけどここで試すと崩落間違いなしだし外に出てからかな?後は能力を発動出来ればほぼほぼ追加したのは確認出来るんだけどなぁ…
あれからも何回か試しているが一向に発動しない能力にため息が出る、他のモンスター達は火炎袋などの器官があり、恐らく自分にもそれに類似する器官があるはずだと思うのだが身体に意識を向けても口がガチガチするだけで能力はダンマリだ。
ーー器官さえ見つけてしまえば後は眼と口の時みたいに上手くいくと思うんだけど見つからないんだよなぁ…仕方ない、身体をもっと動かせるように練習しながら探していくかぁ。
あれからかなりの時間が過ぎたと思う。洞窟内の鉱石を半分以上食い尽くしながらも身体の動きはかなり軽快に動くようになってきた。歩くのは完璧に出来るようになったし走ることも出来る様になった。眼も後ろの景色にだいぶ慣れ、口はもっと素早く開閉することが出来ないか練習中。あと練習中に気付いたんだがこの身体はどうやら膂力が結構あるらしく、四肢踏みで遊んでたらかなりの振動が洞窟を襲った。転生してから最初の危機が自分の遊びで洞窟崩落で生き埋めの可能性とか笑えないよ…
さて、能力についてだがここまで経ってるのに未だに発動しない。もう無いこと前提で動いたほうがいいんじゃないかと最近は思い始めている。しかしそれでいくとどっかの自然調和の役目を負う古龍さんとキャラが被ってしまう。儘ならないものだなぁ…と考えつつ今日も身体を動かしていく。
ーーそういえばこの身体って鉱石が食えるんだから岩とかもいけるのかな?舐めてみた感じ砂っぽくて食いたくは無いけど胸の口とかは食感は薄らとしか感じないし案外いけるんじゃないか?よし!善は急げだ!早速食ってみよう、もし行けるなら食費の軽減になるかもしれないし…
更に半分になった鉱石群に目を向けつつ、近場の岩に食らいつく、暫く咀嚼し飲み込もうとするが喉奥?辺りに違和感を感じた。
ーー何だこの感覚?喉奥…なのかな?胸の口だから胸奥か?いつもならすぐ飲み込めるんだけどやっぱり岩はダメなのか?取り敢えず吐き出そう。
引っかかっている所辺りに力を込めて吐き出す、吐き出して地面に転がった岩を見てみるがそこには鉱石が…ん?鉱石?
ーーあれ?鉱石?岩を食ったはずなんだけど何で鉱石を吐き出したんだ?岩の中に鉱石が入ってたのか?
疑問に思いつつもその鉱石を口に入れて飲みこむ、今度は喉奥に引っかかることなく胃に収まった。
ーー岩の中に鉱石があるならまだ食糧はあるのかもしれない、周りの岩を食って確かめてみるか
周りにある岩を口に入れて咀嚼して飲みこむとやはり感じる違和感、吐き出すとやっぱり鉱石が転がっていた。
ーーおぉ!やっぱり鉱石が詰まってる!胸奥で感じる違和感は岩になんかしてるのかな?溶かしてたりしてるのなら丸呑みでも大丈夫か?
食糧が増えたことを喜びつつ岩を胸口に入れてそのまま飲みこむ、暫く違和感を感じた後に吐き出すとそこには岩の形そのまんまの鉱石があった。
ーー形とかそのままの鉱石が出てるから岩みたい見えてるだけで実質ほぼ鉱石みたいなものなのかな?
鉱石を観察しつつあまりにも口に入れる前の形にそっくりなのでどうやってそんな表面だけ岩になってるのだろうかと疑問に思う…それならまだ岩そのものを鉱石にしていると言われたほうが納得がいく…
待って、岩を鉱石にする?
ーーもしかして奥の方で鉱石に変換してる?お、落ち着け先ずは確信が先だ…
少し震えながらまた近くにある岩を胸口に入れて飲み込み、違和感を感じたと同時にすぐに吐き出す。出てきた岩を見ると岩の角辺りが鉱石化していた。
ーーやっぱり…岩の中に鉱石があるんじゃなくて岩が鉱石になってたんだ。なら違和感を感じる所辺りにあるものがそれを行うってことか?
ものは試しと違和感を感じた所辺りに力を込めつつ背口から空気を含み胸口から吐き出す。すると胸口から出たのはただの息ではなくキラキラとした物質を含む息だったが、こっちはそれどころでは無い
ーーよっしゃあ!!能力の手がかりだぁ!!やっと見つけたぁ!!
やっとだ!やっと見つけたんだ!喜びでジャンプしまくり辺りが振動で揺れ、頭に石が落ちてきたあたりで冷静になる。恐る恐る上を見て、崩落の心配がないことにホッと息を吐く。
ーー手がかりさえ見つけたら後は使い方を学ぶだけだ!感覚的には恐らく胸口の喉辺りにある。あとは他にもその感覚がある場所を確かめるだけだ!
食糧が少なくなっているがこの能力があればある程度なら増やせるし、やっと見つけた手がかりだ。俺はワクワクしながら能力の発動方法の確認作業を開始した。
場所もわからないのにそう簡単に能力が使えるわけないよなぁと考え少し能力発覚を遅らせてみました。けどこんな気づき方ってあるのかなと悩んでしまう筆者です。
読んでいただきありがとうございました!