八幡が小学生に!?   作:もみ〜じ

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お気に入り50ありがとうございます!

今までの小説は打ち切りだったりで途中で諦めてしまいましたが、これはお気に入りなので完結させたいです!

不束者ですが、暖かい目で読了してくれると嬉しいです。


7話

朝の7時に目が覚める。今日も学校があると思うと、行きたくない気持ちがいっぱいです。

 

「せぇんぱい!おはようございます!」

「おう」

 

既に朝食は出来上がっていた。

 

「すげぇな…なんかありがとう」

「いや〜それほどでもぉ〜、今日は雪乃先輩の日なので…今のうちに先輩養分を吸収しとかなきゃ!」ギュー

 

朝から抱きしめられる俺は…寝起きだからか、抵抗できなかった。

 

「め、飯冷めちまうぞ」

「むぅ…しょうがないですねぇ〜」

 

一色は自分の椅子に座り、互いに手を合わせて合掌する。

 

「「頂きます」」

 

一色の飯は相変わらず美味かった。

それに、俺のために作ってくれてるって考えるだけで照れる。

 

身支度を済ませ、俺と一色は学校へ向かう。勿論、手は繋がっている。

 

「先輩…今日も可愛いなぁ〜」

「やめろ、照れるだろ」

「もうそこが可愛いんですよ〜!今なら口説いてもフラれないと思いますよ〜?」ニヤニヤ

 

今回のは本気だ。まじでいつものあざとい後輩はもうとっくにいなくなっていた。

 

「まだ…な」

「待ってますからね!」

 

「待ってますからね!」この言葉の重さを今になって感じている。受け入れると言っても、やはり苦しくなるのは確定事項だ。ソースは俺。

 

……………………

 

雪ノ下家

 

朝の4時。

 

「こことここは大丈夫…」

 

今日は比企谷君が、私の家にやって来る。泊まりで…

 

「…///」

 

そのため、掃除は徹底的にする。いつもの倍はする。比企谷君の好きな文庫本もいくつかテーブルの上に置いておく。これで準備は完璧。

 

「私も、あの2人には負けたくないですもの…負けることが許されない…」

 

ただ、最終的に私達3人の中から選択するのは比企谷君本人。どんな答えだろうと、受け入れる。すなわち負けを認めるって事、初めての敗北。せめて悔いのないように…

 

「比企谷君…私は正直者じゃなかった、私は…いえ、私達は自己犠牲を負いながらも助けてくれた貴方に惚れた」

 

捻くれて、目が腐っていて、いつも屁理屈ばっかりで、自己犠牲ばかりの貴方に…

 

私は惚れた。

 

………………

 

学校に早めに着き、俺はいつも身を潜めている奉仕部の部室に入る。時間も早いということで一色も一緒だ。

 

「少しでも一緒にいたいので…」

「そっそうか」

 

そして暫く俺に抱きついたまま、沈黙の時間が続く。そうしてる間に朝のHRの時間が迫ってきた。

 

「そろそろ行きますね」

「おう、昨日はありがとな」

「いえいえ!私も楽しかったです!では!」

 

一色はそう言い、部室を後にした。

 

「平塚先生は出席にはしてくれるらしいから自由時間だと思ってウキウキだったんだが、読書もなんか集中できないな」

 

やはり、まだ答えは決まらない。結局2人が傷付くのは確定。フッたら3人が傷付く。昔の俺ならやりかねないが…あいつらの本気を見ちまったからな…

 

考えれば考えるほど…難しい。

 

放課後になり、ドアをノックする音が聞こえた。

 

「いいぞ」

「こんにちは」

 

雪ノ下は少し緊張しながら部室に入る。

 

「緊張するの珍しいな…」

「当たり前でしょ…は、初めて、好きな人を自分の家に泊まらせるのだから…」

「そ、そうだよな」

 

改めて、「好き」って言われると恥ずいな。

 

「そろそろ行くか」

「えぇ、そうね」

 

少しテレテレしてるテレのん可愛い。いかんいかん。理性よ…耐えろ。

 

「少し行きたいところがあるのだけれど…付き合ってくれるかしら?」

「行きたいところ?」

「えぇ…」

 

本郷三丁目。千葉からまぁまぁ離れた所にある。上野から歩いて15分〜20分ちょい。

 

「本郷なんて始めて来たわ」

「そうね…私も来るのは始めてかしら」

「方向音痴にはなるなよ…」

「なっ…コホン、私は方向音痴じゃないわよ」

「じゃあ上野は何処だ?」

「あっ…えっと」

 

雪ノ下可愛いすぎだろ!

 

「と、とにかく、私は方向音痴じゃないわ…」

「はいはい」

 

ツンデレからツンを抜くと、ここまで変化するんだな…デレのん…うん、いい響きだ。

 

「と、東大か」

 

雪ノ下が行きたい場所は、東京大学の本郷キャンパスのようだ。

 

「一応、第一志望だから…建物の位置を把握しておこうと思って」

「なるほどな…いい所だな」

 

過去に戻ったみたいだ。歴史ある建造物を見ると、「俺、もしかして、前世で見たことある?」って思えて楽しい。

 

「そっか、雪ノ下は東大文系志望だったっけ」

「そうね、今のところは第一志望よ」

「流石雪ノ下だな」

「そ、そんな事はないわ…」

 

東大か…考えた事ないな。私文志望で、将来の夢専業主婦の俺にとっては天と地ほどの差がある。

 

そして、敷地内を探索する。

 

「チラッ チラッ」テヲフリフリ

「(しょうがないな)」ギュー

「…!!」カァ

 

可愛い。いかんいかん…耐えるんだ。

 

「雪ノ下は学部…いや科類だっけ、どこ行くんだ?」

「そうね…文科一類かしら」

「つーことは法学部か、雪ノ下らしいな」

「そうかしら?」

「雪ノ下なら弁護士とかになれると思うぞ」

「あ、ありがとう…//」

 

敷地内を探索して、休憩しての繰り返しで…久しぶりの散歩だったな。たまになこういうのも悪くない。普段家が俺の夢の国だったからな。

 

そして時間が経ち、いつの間にか夕方になっていた。

俺達は千葉に帰る。浮気してごめん。愛してるぞ千葉。

 

「今日は連れ回してごめんなさい」

「気にすんな」

「昨日の夕飯は何がいいかしら」

「カレーだな、気分的に」

「分かったわ、少し待っててちょうだい」

「手伝うぞ」

「大丈夫だから座っててちょうだい」

「お、おう」

 

俺はソファに腰を掛ける。

 

「少し時間がかかるから、テーブルに置いてある文庫本を読んで待っててくれるかしら」

「おう、サンキュー」

 

ソファで、テーブルの上に置かれてた文庫本を読んでいたら、カレーの匂いが俺の胃袋を号泣させる。

 

暫くすると「出来たわよ」っと声が聞こえる。

 

「おぉ!」

 

そのカレーは普通のカレーとは違った。

カレーの上にハンバーグが置いてあった。しかもすげぇ綺麗に置かれている。

 

「より、凝ったものにしたのだけれど」

「これは…やべぇな 美味そうすぎる」

「ありがとう…///」

 

雪ノ下も席に着き、「頂きます」の合図で、俺のスプーンが動き出す。

 

「パク」モグモグ

「ど、どうかしら?」

 

ハンバーグとカレーがフィットしている。しかもハンバーグはジューシーでカレーはピリ辛。

 

「うめぇ」

「それは良かったわ…//」

 

これは癖になる味だった。

俺のスプーンは止まらない。

 

「ごっそうさん、皿洗うからくれ」

「え?あ、ありがとう…でも貴方、椅子必要でしょう?」

「あっあぁそうだったな…やっぱこの体不便だな」

 

雪ノ下の手伝いもあり、何とか皿洗いができた。せめて中学生くらいにしてほしかったな。

 

「その、お風呂はどうするのかしら?」

「あ〜じゃあ先に入るか、シャワーだけだし」

「一緒に入る?」

「ブフォォ!!!」

 

な、何を言ってるんですかね…この人は、

 

「そ、そのまだあの2人と一緒に入ってないでしょう?私が初めて…の…その…///」

「1回落ち着け」

「私は落ち着いているわよ」

 

1回落ち着け、俺の理性。

 

「安心して頂戴、ちゃんと水着を着るわよ」

「あっ、まぁそれなら…まだ良いか」

「じゃあ着替えてくるわね」

「あ、あぁ」

 

でも待てよ…俺はどうするんだ?

 

 

何とか、見られずに済んで良かった。流石に下を洗うのは、雪ノ下はオーバーヒートしちまうからな。何とかなった。

 

「今日は疲れたし、そろそろ寝るか」

「そうね…久しぶりに遠出したから疲れたわ」

 

電気を消し、ベッドに入る。

 

てか、俺一色もそうだけど、一緒に寝るの躊躇してないな…何故だ?

 

「比企谷君」ギュッ

「うお!?ど、どうした?」

「私も一色さんみたいにき、キスしてもいいかしら?」

 

一色の奴…自慢したな…

 

「ま、まぁ一色にもされたし…頬になら良いぞ」

「そ、そう…じゃあする…わね…///」

 

雪ノ下の心臓の鼓動が激しくなっている。そして頬に柔らかい感触が…

 

「ど、どうだったかしら…その、初めてだから」

 

ちょっと、初めてとか言うんじゃないよ…意味深になっちゃうでしょ!

 

「やわ…柔らかいな…///」

 

こっちまで緊張してくるじゃねぇか…

 

「では…お、おやすみなさい」

「おう」

 

俺は今日寝れるんですかね…否、緊張して寝れないかもしれん。寝落ちするのを待つしかないのな。

 

翌朝、雪ノ下もあまり寝れてないのか…少し目を擦り欠伸をする。目の前に俺がいる事を忘れていたかのように、俺を見てすぐ照れている。

 

「そ、その…良く眠れなかったから…」カァ

「まぁな…俺も寝れなかったわ」

 

この間、数秒の沈黙が長く感じた。

 

「か、顔洗ってくるわね」

「おう」

 

雪ノ下は少し慌てながら洗面所に向かう。

そして俺は、昨日キスされた頬を撫でるように触る。

 

「一色のもそうだが…感触って残るもんなんだな」

 

………………

メッセージのグループにて

 

「できたわ」

「雪乃先輩も出来ましたか〜!」

「私だってヒッキーにき、キスするもん!」

「私はその上に行ったわ」

「なっ!」

「何をしたの!?ゆきのん!?」

 

一色さんと由比ヶ浜さんは、お互い声を上げ、私に問う。

 

「い、一緒にお風呂に入ったのよ…///」

「な、ズルいです!」

「私はまだチャンスがある!」

「由比ヶ浜さん、ちゃんと水着は着るのよ?」

「勿論!あっでもヒッキー大丈夫かな…」

 

ズキ…この一言で私は察した。私にはなくて由比ヶ浜さんにはあるもの…

 

「そろそろ切るわね」

 

そうして電話を切った。

 

「むぅ…」ペタペタ

 

唯一、姉さんの尊敬できるところよ。いつも誘惑して…許さないわ。

 

………………

 

互いに、準備が終わり学校へ向かう。

 

「比企谷君…手、いいかしら?」

「お、おう…いいぞ」

 

雪ノ下と手を繋ぐ…前の俺だったら考えもしなかったな。

 

「…」チラ

「〜♪」ニコニコ

 

まぁ、雪ノ下達が、そうしたいのなら俺は受け入れるしかない…な、もう3人の気持ちには気づいているわけだしな。

 

「(小さくなる前の俺なら、有り得なかったな…)」

 

傍から見たら、姉と弟である。小町と戸塚とも手を繋ぎたい。最近戸塚とも会えてないしな。部活が忙しいらしく…

 

学校に到着し、雪ノ下は俺を奉仕部に連れて…

 

「ま…また…」チュ

「お、おう…///」

 

身長差があるから、俺の目の前で屈んだ雪ノ下は…綺麗なお姉さんって感じだった。

 

俺はまた読書に集中出来ない時間を過ごす。

 




誤字脱字などありましたら、ご指摘お願いします。

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