八幡が小学生に!?   作:もみ〜じ

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8話

結局、読書に集中すること無く、放課後になった。

だが由比ヶ浜が来ることは無かった。

 

「遅いな…」

 

そう呟いていると、

 

コンコン

 

ノックが聞こえる。

 

「どぞ」

「失礼するぞ」

 

平塚先生が部室に入ってきた。

 

「比企谷、お前は今あの3人の家に行き来してるようだな?」

「そうですね…親にバレるわけにはいかないんで」

「そうか、由比ヶ浜待ちか?」

「そうです」

「由比ヶ浜なら今日風邪で欠席してるぞ」

 

え、じゃあ俺今日何処で寝ればいいんだ?

 

「一応伝えといたからな、あとは君たちで決めてくれ」

「まぁそのつもりなんで」

 

そう言うと平塚先生はドアを閉めた。

 

由比ヶ浜に一応メールするか…

 

[お前、大丈夫か?]

 

とりあえず送った。多分寝てるだろうから、暫く待つか…まだ下校時刻には時間あるし…

 

 

暫くすると、メッセージが帰ってきた。

 

[ごめん…ヒッキー…風邪引いちゃったみたい]

[今から行くから待ってろ]

[でも移しちゃったら悪いよ…]

[気にすんな]

 

つーわけで由比ヶ浜の家に行くか…

 

ピーンポーン

 

ガチャ

 

「ヒッキー…来てくれてありがとう…ゴホッゴホッ」

「とりあえず寝てろ」

「うん、ありがとう」

「色々漁っていいか?」

「うん、いいよ」

 

由比ヶ浜は自室に戻っていった。

 

「さて、用意するか」

 

冷えタオルや着替えなどを自室に持っていく。

 

「邪魔するぞ、冷えタオル交換するからな」

「ごめんね…」

「気にすんな、昨日何やってたんだよ」

「ちょっとお風呂入ってからエアコンがついた部屋でゴロゴロしちゃったからかな…えへへ」

 

そりゃぁ風邪引くわな…まぁその気持ちは分かる。最近暑くなってきたからな。

 

「それに、薄着だったから」

「流石に寒いだろそれは…」

「ほんとね…」

 

まぁ、そうだよな。体温調節って結構難しいからな。エアコン消したら暑いし、つけたら寒いし…ほんと人間の体ってのはよく分からん構造してるわ。

 

「腹減ってるか?」

「ううん、大丈夫…今日お出かけしたかったなぁ…ほっぺにちゅーもしたかったし…//」

「お前ら、さては連絡取り合ってたな?」

「バレちゃったか〜w」

 

全く、どんだけ俺の事好きなんだよ。材木座が聞いたら俺殺されるぞ。あっ遊戯部の奴らにも殺されるかもしれん。

 

「全く…とりあえず寝てろ」

「ひっきぃ…傍にいてほしい…」ギュッ

「わ、わーったよ」ポリポリ

 

暫く時間が経ち、由比ヶ浜はぐっすりと眠っている。

時刻を見ると、もう夕方だった。

 

「んぅ…ヒッキー?」

「おっ起きたか、どうだ?」

「だいぶ、良くなってきた気がするよ」

「それは良かった」

 

由比ヶ浜は目を擦りながら、俺の目を見てお礼を言う。

 

「今日ありがとね…ヒッキー」

「まぁ、なんだ、前のお礼だ…俺に看病してくれたしな」

「すごいよね、先週はヒッキーで今日はあたしって」

 

ほんとだ。神は何を考えているんだ…八幡わからん。

 

「ヒッキー」

「ん?」

 

「「好きだよ」」

 

「…!?」

「いろはちゃんやゆきのんも言ってたかもしれないけど…私だってサブレを助けてくれた時から好きだったもん…」

「あれが出会ったきっかけだしな」

 

由比ヶ浜は軽く首を横に振る。

 

「出会った…じゃないの、私が会いに来たの…その時は本当に好きかどうかわからなかったけどね」

「…!」

 

軽くドキッとしてしまった。由比ヶ浜はずっと前から俺に恋心を抱いていた。それに俺は気付くことは出来なかった。こんな俺を好きになる奴なんていないと思っていたからだ。

 

「あのね…ヒッキー」

 

由比ヶ浜は真面目な顔をして…真剣な眼差しで俺に言う。

 

「あたし達は、ヒッキーがどんな答えを言ってくれるのか…考えてるてるの…3人ともフるのか…1人選ぶのか…ヒッキーは3人ともフるのも1人だけ選ぶのも躊躇ってる状態だと思う」

 

俺の思っていたことを当ててきた由比ヶ浜。俺の事を知らなければ分からなかっただろうその考察。

あの2人も同じ事を考えていたのだろうか…

 

「でもあたし達は受け入れるつもりなの…それだけは信じてほしいな、悩んでるのはヒッキーだけじゃなくてあたし達も同じなのは知ってほしいってか…もう分かってるよね、あはは」

 

今の由比ヶ浜の瞳は少し悲しそうで、不安で泣きそうな表情をしていた。

 

「俺は…」

 

[[俺は…本物が欲しい]]

 

今でも正直黒歴史なあの台詞。今でも思い出しただけで死にたくなる。だが、遂に本物を手に入れなければならない場面に遭遇したのだ。

 

コンセンサスしてくれる人はいない。俺のリリカルな感情を…あの3人のうち1人に言う。

 

だが、覚悟は出来た。

 

「1人に告白する事にする」

「そっか…頑張ってね!私達はいつまでも待ってるから!」

 

その言葉に俺はグッときた。生まれて初めての感情と言ってもいい。

 

「ちと、マッ缶買ってくるな」

「気をつけてね?」

「まだ夕方だから大丈夫だろ…」

 

外に出る。外は少し肌寒いくらいの気温で…火照った体には丁度いい気温だった。

 

「比企谷君〜!」

 

ふと後ろから声をかけられる。

 

「なんすか、急に来て」

「ひゃっはろ〜♪どうだい?ハーレム生活は」

「ま、まぁ良いっすね」

 

雪ノ下さんは相変わらずだった。

 

「真面目な話…薬を盛ったのは謝るけど、ちゃんと答え出すんだよ?」

 

雪ノ下さんは分かっていた。俺はあの3人に告白するつもりはなかったっと…俺が告るとか多分いじめ起きると思ったからだ。

 

美人で成績優秀でハイスペ雪ノ下。

可愛くてあざとい生徒会長一色。

誰にでも優しく接し、天然な由比ヶ浜。

 

3人とも…学校内の有名人だ。知らんけど…

 

でも俺は告白すると決めている。俺はあの時の台詞を実現すると決めたのだ。

 

「俺、覚悟できたんで…こんな体だからこそ、変われた自分がいるんで」

「よ!いい心意気だ!少年!なら私が言うことはもうないかな…じゃあね」(本当は私も好きだったんだけどね…譲ってあげる)

 

雪ノ下さんは俺に背を向け歩いていった。雪ノ下さんも何かを隠している気がした。俺に対する気持ちを…まさかな、勘違いだな。俺キモイ。

 

家に帰り、由比ヶ浜にポカリをあげて、由比ヶ浜はポカリをごくごくと飲む。結構寝てたから喉が乾いていたのだろう。

 

「ぷはぁ〜生き返る〜!ありがと!」

「おう良かったな、とりあえず風呂入ってきたらどうだ?汗かいただろ?」

「うん!そうする!」

 

すると、由比ヶ浜は立ち上がり、俺の目の前で服を脱ぐ。

 

「は?お前なんでここで脱いでんだ!?」

「え〜、だってあの2人は見せてないでしょ?」

 

まぁ確かにそうだけど…いやだからって、

 

「あ、あたしだって恥ずかしいんだから…///」

 

由比ヶ浜は赤面しながら言う。じゃあ脱ぐな。俺が死ぬって。

 

「じゃあ入ってくるね!」

「え、あっおう」

 

見る俺だって結構恥ずいんだがな…

 

暫くして、由比ヶ浜は風呂から出てきた。

 

「さっぱりした〜!」

「おう」

「そういえばヒッキー、ご飯どうする?」

「どうするか…なんかあるか?」

「あるけど」

 

そういや結構前に小町に作り方教えてもらった飯があるから、それ作るか…

 

「台所借りるぞ」

「え?うん」

 

その教えてもらった料理とは…「「野菜炒め」」

 

「お兄ちゃんは、どうせ一人暮らしとかしたらケチって食わないかサイゼ行くと思うから…サイゼより安く済むであろう料理教えてあげる」

「は?サイゼを馬鹿にするんじゃない…偉大なるサイゼ様を」

「いいから来て…」

「はいはい」

 

小町シェフのおかげで野菜炒めをマスターした俺は、素早い手捌きで作る。

 

「ヒッキー料理できたんだ」

 

由比ヶ浜は少し驚いた顔で言う。その後「むぅ」と言いながら、ソファに座る。

 

「何か手伝う事ある?」ムゥ

 

少し悔しそうにそう言う由比ヶ浜に、俺は…

 

「任せろ…俺の飯の方が美味い…専業主婦志望舐めんな」

「む!ひどい!ヒッキーのばか!あほ!ぼっち!」

 

めちゃくちゃ言われるですけど…八幡泣くよ…

 

「今はぼっちじゃねぇよ」

「…!」

「お前らがいるからな…//」ポリポリ

 

今の俺は1人じゃない…流石に分かる。ぼっちを名乗れなくなってしまったのかもしれん。

 

「でもね…ヒッキー」

「なんだ…」

「その言葉嬉しいんだけどさ、椅子の上に乗りながら言うと…ちょっとカッコつけてる可愛い男の子みたいになってるよ」

「うるせぇ」

 

由比ヶ浜に言われるとは…少しばかり悔しく思ってしまうのは…俺だけか?

 

「由比ヶ浜、食えるか?」

「うん!お腹ぺこぺこだよ!」

 

皿に盛り付け、できたのが…

 

「八幡特製、小町監守のもと、野菜炒めです」

「何言ってるのヒッキー…」

 

由比ヶ浜が若干ヒッキーしてるけど、慣れてるからダメージはない。

問題は味だ。

 

「「頂きます」」

 

由比ヶ浜が箸で1口食べる。

 

「おいしぃ!」

「そらよかったわ」

 

雪ノ下達がどれだけ凄いのか、改めて実感した。そして努力する由比ヶ浜にも…

 

「お前も頑張ってるんだな」

「んー?」

「いや、料理な」

「そりゃぁ…ヒッキーには美味しいの食べて欲しいし…///」

 

3人とも俺のために頑張っている。それを聞くと、胸がザワつく。それなのに俺は3人の努力を知らずにここまで来た。これが…

 

「「本物が欲しい」」

 

なのかもしれんな。

 

食後、皿を洗い、やる事が無くなったので寝ることにした。

 

「ヒッキー、おいで?」

「いや、布団敷くから」

「あたしと一緒に寝たくないの?」ウルウル

「ぐっ、わかったよ」

 

こいつも最近一色みたいになってきたな。

 

「えへへ〜」ギュー

「くっ…」(ち、ちちぃが!)

 

比企谷八幡。今日も寝れる気がしない。そろそろ熟睡したい。

 

………………

 

数分前…

 

「体調は大丈夫?由比ヶ浜さん」

「うん!ヒッキーが看病してくれたから!」

「「な!」」

「羨ましいです…私も風邪引きましょう!」

「わ、私も…」

「あとね!ヒッキーがご飯作ってくれた!」

「いいなぁ…私も食べたいです!」

「そうね…私も食べてみたいわ」

 

あたしは思う。ヒッキーは誰よりも優しく、誰よりもあたし達を見てくれる。そんなヒッキー…いや、八幡に惚れたんだ。最初は八幡の事知らなかった。でも好き。だけど今は違う…本物の「好き」の意味を知ったあたしは…彼の事が頭から離れられない。

 

彼の「「本物が欲しい」」ってこの事なのかな…誰かを好きになる事が本物だとしたら…あたし達も手に入れちゃったかな…

 

「本当に好きになっちゃったのかな…」

 

そう呟きながらあたしは…彼の事を考え続けていた。

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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