チュンチュン
月日が流れ…1ヶ月過ぎた…のだが…
「あれ?おかしいな」
小さいままだ。
1ヶ月1日目である。
コンコンとドアをノックする音が聞こえる。
恐る恐るドアを開けようとしているのは…
「せ、先輩?」
一色は俺を見るなり…頭にはてなマークを付けている。気がした。
「多分今日戻る…」
俺が小さくなったのは上旬だった…だから今日戻ってもおかしくない…
「そ、そうですよね!今日…って先輩なんか少し大きくなってません?」
「は?どこが」
俺は素早く見た…でも違う、違って良かった。それよりも胴体が少し大きくなってる気がする。これは戻るかもしれん…
「とりあえず着替えるか…」
「じゃあ私はちょっと朝食の準備を手伝ってきますね!」
「おう」
どうやら、珍しく4人で食おうって事か…ん?待てよ…なんで一色がいるんだ?てか今何時だ…
AM9時半 土
この時間帯なら来てもおかしくないが、問題なのは小町と親だ。小町はまだいいとして、親がいるのは大問題なんだが…
俺はゆっくりと階段を降りた。
「あっお兄ちゃんおはよ!」
「こ、小町、親父達は?」
「仕事行ったよ?」
良かったァァ!!!多分バレてない。
「ヒッキーのお母さんとお父さん優しい人だったね!」
「そうね…//」
「「うぅ、あの八幡がなぁ泣」って言ってましたね!あれは正直面白かったです!」
あっこれ俺死んだ?バレた?
「小さくなったのはバレてないよ、良かったね!」
「まだマシか」
でも親にまで俺は孤独扱いされてたのかよ…小町がいるだろ。俺は小町がいるから…戸塚もいるから…
「とりあえず朝食食べよっか!お兄ちゃん!」
「えっあっあぁ」
「あっおはよう!ヒッキー!」
「比企谷君、もう少し早く起きてしいのだけれど…」
「おはようございます!先輩!」
「おう、おはよう…これでも早い方なんだけどね…」
親にバレず…何とかなったな。まぁうん…多分な…
「朝から豪勢だな」
雪ノ下と一色が2人で作った朝食は美味そうだった。
どうやら由比ヶ浜は米を炊いたたけだったようだ…
「「「頂きます」」」
美味すぎて朝なのに食ってしまう。てか小さくなってから食欲旺盛になったんだよな。
「先輩最近よく食べますよね〜」
「確かに〜!」
と言っても、言うほど変わらなくね?腹はよく減るけど…
「以前より食べるようになったと思うわよ」
「そうかぁ?」
やっぱり子供の姿だからなのかもしれんな…不便すぎるぞ…誰だ。若返りたいって言った奴…あっ平塚先生にも飲ませてあげて…雪ノ下さん。
「しかし…お兄ちゃん随分可愛くなっちゃって…」
「小町…俺は死ぬのか?」
小町に可愛いって言われるの初めてかもしれん…お兄ちゃんは嬉しいぞ。弟になっちゃったけど…
「お米ちゃん…」
「小町ちゃん…」
「小町さん」
3人は威圧的な眼差しで小町を見る。やめてあげて!俺の大事な妹!可愛い妹!
「やだなぁ〜小町がお兄ちゃんに恋するわけないじゃないですか!」
ちょっと待て、兄妹だからって言っていい事と悪い事があるぞ。流石に傷つくぞ。泣くぞ。
「飽く迄弟ができたみたいだなぁみたいな事しか考えてませんって!3人の恋は邪魔しませんよ!」
「「「…!!!///」」」
3人とも顔が赤くなり下を向く。顔に出やすいのな…お前ら…
「まぁ〜弟みたいで可愛いとは思いますよね〜」
「それは分かります…後輩の私が言うのだから!」ドヤ
由比ヶ浜と雪ノ下は一色の発言に反応し…
「私達も同じだと思うのだけれど…」
「あたし達同級生だし!」
まぁ…同級生からしてみたらそうなるかもだけど、年下の方が力は上なんだよなこれが…
「年下…いやなんでもない」
つい口に出しかけてしまった。危ねぇ…
「ヒッキー?」ニコニコ
「比企谷君?」ニコニコ
「すみませんでした」
怖いよぅ…この2人怖いよぅ…あっ…良い事思いついた。
正直やりたくないが…気になってきた。今までいつも通りに接してきたが、もし本当に弟属性を発動させればどうなるか…
タイミングを…タイミングが大事だ。頑張れ俺。あんな黒歴史よりマシだろ?
「先輩をいじめないであげてくださいよぉ〜!」
「そうですよ!私達より年上だからって」
「何を〜!」
「聞き捨てならないわね…」
「「「…」」」ゴゴゴゴ
今だ!
「お姉ちゃん達怖いよぅ」
完璧だ。死ぬかと思ったもうやりたくない。声音も高くなってるし丁度いいだろう。
「「「…!!!???」」」
どうだ!どうだ!勇気を振り絞った渾身の一撃!
「…?」
「か、可愛いですぅ…///」
「可愛い…///」
「可愛いわ…///」
「お兄ちゃんそれは反則…///」
自分で言っといてなんだが…めちゃくちゃ恥ずいな…///
正直言わなきゃ良かったが…小さくなる機会なんて滅多にこないからな…やって正解かもしれんな。知らんけど…はぁ
「も、もう1回言ってください!///」
「お兄ちゃん!」
「お願い!ヒッキー!」
「ひ、比企谷君…///」
「やだ」
俺はもう言わない。言わないもん。俺はもう言わない…何故なら弟は今日でおしまい!はいおしまい!早く戻してくれ…頼むって…
ピロン
「ん?」
雪ノ下さんからメールが来てた…まさか薬の効果1年とか言わないよな?頼みますよ?
[比企谷君やっはろ〜、伝え忘れてたんだけどさ、薬の効果1年なんだよね…]
[はぁ?ちょっと待ってくだs…]
[うっそだよ〜、今日の21時だよ!何でだろうね!]
やはり俺はこの人が苦手だ。まじで死ぬかと思った。
[知りませんよそんなの…分かりました]
[じゃ…頑張ってね]
「…」
俺はその一言で救われた気がした。よく分からないが…そんな気はした。
「でさー!」
「ズルいです!」
「比企谷君も…」
あの3人のうち1人に…
「決断する時がきたって事だな」
俺は覚悟を決めた…だが流石に全員いる時に告白するってのはあれだしな…そういうのは徹底的に計画していかないといけない。
雪ノ下さんは21時って言っていたな…まだ時間はある。
「なんか暇だな」
とりあえず…何とか時間を稼ぐ事を考えよう。
「そうですね〜今日は土曜日なのでなんなら私とどこが遊びに行きますか?」ニヤニヤ
「は、反論は出来ないわね…」
「ぐぬぬ!!」
「小町は話がついていけてないです…」
「え、まぁそこは任せるわ…」
まぁ…なんだかんだあって…普通にゲームしたり公園で遊んだりすることにした。公園って…俺子供じゃねぇぞ。子供でした。ごめんなさい。
「なんか…今のお兄ちゃんが公園で遊んでるとか…可愛すぎませんかね」
「ヒッキーいつもヒッキーしてますからね〜」
「ふふふ…ヒッキー…ヒッキーしてる…ふふ」
「ゆきのんが笑ってる!」
俺は子供…無邪気な子供。滑り台楽しいな。割とマジで…久しぶりに滑ると昔を思い出す。それはまだ俺が小学4年生の頃…
………………
「お兄ちゃん…怖いよぅ」ウルウル
「安心しろ、お兄ちゃんが一緒に滑るからな」
「手、離しちゃダメだよ!」
「あぁ!」
「すごい!お兄ちゃん!私滑れた!」
「よしよし!凄いぞ!」ナデナデ
「えへへ!」
………………
そんな過去もあったなぁとしみじみ思う。感動してます。お兄ちゃん嬉しいぞ。でもちょっと悲しい…もう一緒に滑ってくれないのか…
「…」ススゥ
1人で滑る滑り台…滑りまくった人生を変えたい。なんでだろう…少し寒くなってきたぞ。
「あっそういえば…お兄ちゃん!」トテトテ
可愛い小町が俺の所に走ってきた。どうしたんだろうと思い、立ち上がる。
「久しぶり滑ろう!今度は私が後ろね!」
おぉ…雪ノ下さん!ありがとう!俺は救われた。
だが雪ノ下達の反応は少しムッとしていた。
「久しぶり…に」
「むぅ…」
「ヒッキー」シュン
雪ノ下達をお構い無しに小町は俺の手を引っ張る。
ちょっもニヤけた面を見た雪ノ下達は、「し、シスコンめ…」
と呟いていた。何?俺が悪いの?ごめんね!?
これについては俺のせいですね。にやけたのは俺ですしね…そうです。千葉県の兄妹はみんなシスコン・ブラコンの集まりですよ。
「さ!滑ろ!」
「え?あっうん」
うん…嬉しいがめちゃくちゃ恥ずいな…
ススゥ…
「どうですか…久しぶりに妹と滑った感想は…」ムス
ムスっとしながら俺に感想を聞いてくる一色。
可愛いかよちくしょう。
「恥ずかったな…でもなんか悪い気はしねぇわ」
「相変わらず捻デレだね…ヒッキー」
「ほんとですよ…そろそろ素直になってもいいと思うんですけどね〜」
「それが比企谷君なのだから仕方ないことよ…」
雪ノ下には言われたくないんだがな…
あとドヤ顔するな…可愛すぎだろうがよ。
「俺は素直だぜ」
やべぇ滑り台楽しすぎる。
「写真撮っとこ…」
「同感ね」
「そうですね…」
「あ、あたしも…」
なんかカメラ音が聞こえる気がするのは気のせいか?
公園の後、ららぽに行くことにした。
「公園の後にららぽ…」
「いいだろ別に…ららぽは千葉の代表格だ…」
「えぇ…」
4人とも俺を見てヒッキーしてて…俺悲しい。
ごめん。なんか死にたくなってきた。千葉と死ねるなら…それでいいや…最近の俺はおかしい、まじで、助けて戸塚。
「ヒッキー!映画!面白そうなのやってる!」
「ほんとね…あれはパンさんの次に面白そうな映画だわ」
ほう、あれは確か小説にもあったな…え?映画化されてるのか?初耳なんですけど…知ってた。
「そういえばそれ、先輩の部屋にあった小説のやつですよね?」
「おぉ、お前読んでたのか」
「気になっていたので!」
まさか一色が、マニアック向けの小説を読んでいたのは…
「え〜!なにそれ気になるじゃん!」
「今度私にも貸してちょうだい」
「おう、いいぞ」
なんか…悪い気はしないな…ポリポリ
「まだ16時か」
「そういえば21時でしたっけ?」
「あぁ」
時間経ったと思ったのに…意外と進んでなかったな。
さて、これからどうするか…
告白場所をどうするかを決めた方がいいな…どうするか…
「ヒッキー?そんな難しそうな顔してどうしたの?」
「ん?あぁいやなんでもない…」
「変な先輩ですね〜」
告るとは言ったが…やはり今日告るって言うのは気が引ける。俺だから1週間も2週間も悩み続けるだろうとともわれてそうだからな。
ってか…こいつらはどう思ってるんだろうか…
………………
先輩…今日はやけに大人しい。いつもだけど…
少し怪しいですね…今も難しい顔をして悩んでいましたし…もしかして告白の練習をしてるんじゃ…いやいや、先輩の事だから…でも、もしかしたらっていうのを考えると、ドキドキして胸が熱くなってきますね。
先輩…待ってますよ!
………………
………………
ヒッキー、なんで難しそうな顔してるんだろ。悩み事かな、も、もももしかして、告白の準備とか!?はないか〜。
ヒッキーだもんねぇ〜もしかしてあたしから言った方が良いかなぁ…だめだめ!あたし、待つって決めたんだから!
………………
………………
比企谷君、何を考えてるのかしら…メッセージでやり取りした内容の事かもしれないわね。
私も待たなければいけないわ。
比企谷君には色々迷惑をかけてしまったわ。罵詈雑言も吐いてしまった…恥ずかしかったとはいえ、情けないわ…
………………
やはり…お台場か?でも遠いな…夜も遅いしな…どうするか…
「先輩〜!また考え事ですかぁ?」
「そうだよ!ごみぃちゃん。可愛い彼女達連れて、考え事とは小町は見過ごせませんよ?」
「へいへい…んじゃどこ行きますかねー」
本屋
「本屋ですか〜」
「落ち着くぜ」
「同感ね」
「小町も料理の雑誌買っとこ〜」
「あっ!サブレみたい!」
由比ヶ浜…君は天然なのか馬鹿なのかどっちなんだい?俺には分からんぞ。
まぁ…天然なんだろうな…ポリポリ
「先輩が言ってた映画のやつですよね?」
「あぁそれだ」
「新刊出てたんですか!?」
「出てるぞ」
映画の内容って…どこまで進んでいるんですかね…へカーテルとクルーが探していた愛犬を見つけて大喜びするシーンとかあるのかな?結構感動するぞ?少年少女が泥まみれになりながらも、雨の中でも、大好きな愛犬を探すんだからな…物語自体は結構子供でも分かりやすいから、家族連れとかが多いのだろうか…
「むぅ、ヒッキー!あたしにもおすすめの本教えて!」
「いや、お前は絵本からじゃないか?」
「あたしを何歳だと思ってるし!」
「比企谷君…貴方はどの文庫本を読むのかしら?」
「ライトノベルとかその辺だが…」
「成程ね…」
もう今の俺には分かってしまうんだよな…ほんとモテ男は大変だな。葉山も結構頑張ってるんだな…
べ、別に嫌だとかじゃないんだからね!勘違いしないでよね!っていうツンデレの代表的なセリフを自分で言うとか頭おかしいよな。
こいつらとこうして出かけるのが楽しくなってきた。
珍しいよな。引きこもってる俺が外に出るのが楽しいってな。俺も不思議だ。
20時
俺もあと少しで元に戻るんだな。
「では!」
「またね〜!ヒッキー!楽しかったよ!」
「また」
「おう世話になったな、気を付けて帰れよ」
「お気を付けて〜!」
それぞれ岐路に立ち、俺達も自宅へと歩む。
少し早めに家に着き、ぶかぶかの私服に着替える。
「小町はもう気づいてるからね〜」
「だろうな」
小町は壁に寄りかかり、ニヤニヤしながら言う。
「頑張るんだよ?逃げたら小町絶縁だからね!」
「え?酷くね?まぁ覚悟はできてるんだけどな」
「その調子だよ!お兄ちゃん!」
小町は公園まで着いてきてくれた。
理由は「こんなぶかぶかの私服着てるお兄ちゃんが歩いてたら不審者に誘拐されるでしょ?」ってな…
お前も誘拐されるぞ。可愛いから…
こう言ってるが、今すげぇ緊張してる…正直帰りたい。でも帰れないんだよな。絶縁されるから帰れないってのもあるけど…違うんだよ。俺の求めたていた「「本物」」がすぐそこまで近づいている気がしたんだ。
俺は公園に、中高浜公園に着く。
本当はお台場とかにしたかったがやはり時間的に無理だろうなと思ったからである。今日しか言えない気がしたんだ。許せ。
「じゃあ、小町は帰るから…んっと20時50分…そろそろ連絡したら?」
「あぁ、」
「頑張ってね!!」
「おう」
少し緊張をほぐすためにベンチに座る。
「ふぅ…」
緊張してるのは俺だけじゃない。
あいつらも俺以上に緊張しているはずだ。俺だけが挫けちゃ駄目なんだ。逃げるな、比企谷八幡。
「あぁぁぁ!!!くそぉぉ!!!それでも緊張するんだよぉぉ!!(小声)」
それでも緊張はする。手が震えるほどにな…
「ん?」
俺の体に変化が…身長が戻るのか…
「うわ、たっけ」
身長や声音が戻り、第一声が、「うわ、たっけ」である。
「反応薄くないですかね」
自分でも思った。てか自分で言ったんだ。
だが、正直今はそんなのを気にしてる場合ではない。
気にするべきだけども…連絡しなきゃだ。
俺は少し慌ててスマホを取り出す…
「ふぅ…」
俺は少し…深呼吸をして電話をかける。この少しの深呼吸が長く感じたのは初めてだ。
プルルルル
「…」ゴクリ
この呼び出し音の音を聴く度に、俺の心臓の鼓動は早くなる。
俺は…本物を手に入れなければならない。
「も、もしもし?俺だが…今中高浜公園にいるんだが、じ、時間大丈夫か?」
続
誤字脱字などありましたら、返信よろしくお願いします。
次回から…「○○編」という形で書かせていただきます。頑張ります