月で死んだと思ったら異世界に召喚された 作:鮭のKan2me
「・・・戻ったか。準備はできているだろうな?」
「あぁ、言われた通りコードキャストでの援護はする。あとは任せた。」
「いいだろう。では行くぞ、マスター。」
戦場へと繋がる扉を潜る魔術師とルーラー。舞台は均一というわけではなく、毎回違った場所が用意される。今回は海岸であり、海原には一つの船が浮かんでいる。
(・・・あの船は、ライダーの宝具だろうな。クリストファー・コロンブス。知名度は高いが、ルーラーの敵じゃないな。)
「ハッハァー!待ってたぜキャスター。お前さんの情報集めるのには苦労したぜ・・・。まだ真名もわかってねぇんだからお手上げだ。」
「抜かせ下郎。情報が集まったとて、お前如きに遅れをとるハズもないだろう。」
ルーラーが海上に浮かぶ船へと向かう。ルーラーには湖の妖精としての逸話があるため、水上の戦闘に支障は出ない。様々な魔術を行使し、あっという間に船が落とされる。しかし残骸と化して海に沈む中、あるものだけが勢いよくルーラーに襲いかかる。
「『
どうやらライダーの宝具は船ではなく、錨だったようだ。恐らくあの船はこの海岸にどこかにあったもので、フェイクとして利用したのだろう。だがルーラーは全てお見通しだったのか、その宝具を難なく避け、弾き、ライダーの策を無とした。その錨の攻撃と共にサーベル片手に突撃するライダーに向かって手に持った槍を突き刺そうと構え—。
「コフッ・・・?」
血が出た。どこかを負傷したわけでもないし、そもそもライダーはルーラーによって完全に押され、こちらに攻撃を出す余裕もない。
ならこの吐血は、この場にいない第三者の仕業で—。
「やったな相棒!言ったろ?上手い話には乗るべきだってなぁ!」
「ま、まさかこんなアッサリ行くとはな。『はぐれもの』ってのは大したことなかったみたいだな。」
原因はすぐにわかった、毒だ。恐らくライダーのマスターが得意とする煙を使った魔術を応用したものだろう。無臭で目にもつかない、これほどまでに気づきにくくできたとは。・・・あぁ、なるほど。だから海に出たのか。
内臓が爛れ落ちるのがわかる。もう身体を支える気力どころか、何かを認識することすらできてないのかもしれない。殆ど感覚でしかわからなかったが、ルーラーがライダーとそのマスターを宝具を持って潰したのがオレの最期に見た光景だったのだろう。
—声が聞こえる。何を喋っているのかはわからない。だが声がすることだけは確かにわかった。その声に従うまま導かれる。その過程でオレではないものも組み込まれているのがわかる。一体どうなるのか、どうなっているのか、どうなってしまうのか。それが理解できたのは、サーヴァントとして成立した時であった。
次回からブリテン異聞帯でのサーヴァント生活となります。型月にわかのためここが違うとか、こうなるはずがないとか色々出てくると思いますがご都合主義として流して暖かい目で見守ってくれれば・・・。感想・批判などはいつでも受け付けているのでお気軽に。