長い長い船旅を終え、孤島に設立されたデュエリスト育成学校デュエル・アカデミアに到着した。
デュエル・アカデミアには3つの所属がある、決闘王が持っていた3枚の神のカードにちなんだ、オシリスレッド、ラーイエロー、オベリスクブルーとなっており、女子はオベリスクブルーに所属することが義務付けられている。
寮に届けられた荷物を確認した後、歓迎会があったが私はバックれた。
「……」
人の大勢集まる所は、かなり苦手だったのだ。
だから、私は抜け出し、埠頭で海を眺める。
「月が綺麗だな」
「今日は肌寒いですね」
ふっと背後から声をかけられ、私はそう答えた。
「初対面の人に、そのセリフは無いですよ……カイザー亮、いえ、丸藤先輩」
声をかけ出来たのは、このデュエル・アカデミアのエース。カイザーの異名を持つ、丸藤 亮先輩だった。
「それもそうだな。俺とデュエルしないか?」
「先輩の方から誘って来るとは……、いいですよ」
そう言って、アカデミアから支給されたデュエルディスクを装着し、あの日使う筈だったデッキをセットする。
「「決闘ッ!!」」
デッキかカードを5枚引き、デュエルが始まる。
「私のターン、ドロー」
先行は私からであり、初手札を確認する。
「私は魔法カード《アラメシアの儀》を発動」
《アラメシアの儀》
通常魔法
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できず、このカードを発動するターン、自分は特殊召喚されたモンスター以外のフィールドのモンスターの効果を発動できない。
①:自分フィールドに「勇者トークン」が存在しない場合に発動できる。自分フィールドに「勇者トークン」(天使族・地・星4・攻/守2000)1体を特殊召喚する。さらにデッキから「運命の旅路」1枚選んで自分の魔法&罠ゾーンに表側表示で置く事ができる。
「試験会場で使ったデッキでは無いようだが?」
「こっちが本来の私デッキですから」
あの日、使ったデッキは本来の私デッキデッキはなく、夢に出て来た彼のデッキである。
「そうか……」
カイザーは少し残念そうにしていた。
どうやら、カイザーはあのデッキで勝負して欲しかったようだ。
「続けます。私のフィールドに《勇者トークン》を特殊召喚し、デッキから永続魔法《運命の旅路》を配置します」
《運命の旅路》
永続魔法
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分メインフェイズに発動できる。デッキから「勇者トークン」のトークン名が記されたモンスター1体を手札に加え、その後手札を1枚選んで墓地へ送る。
②:モンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動できる。デッキから「勇者トークン」のトークン名が記された装備魔法カード1枚選び、手札に加えるか、自分フィールドの「勇者トークン」1体に装備する。
③:1ターンに1度だけ、装備カードを装備している自分のモンスターは戦闘では破壊されない。
「《運命の旅路》の①効果発動。デッキから《流離のグリフォンライダー》を手札に加え、《騎竜ドラコバック》を墓地に送ります。そして墓地に送られた、《騎竜ドラコバック》の③効果発動」
《騎竜ドラコバック》
装備魔法
自分フィールドのモンスターにのみ装備可能。このカード名の②③の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:「騎竜ドラコバック」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
②:このカードが効果モンスター以外のモンスターに装備されている場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そこカードを持ち主の手札に戻す。
③:このカードが墓地へ送られた場合、自分フィールドの「勇者トークン」1体を対象として発動できる。その自分のモンスターにこのカードを装備する。
「その効果で、墓地のこのカードを《勇者トークン》に装備。さらに《流離のグリフォンライダー》の①効果発動」
《流離のグリフォンライダー》
効果モンスター
星7/風属性/鳥獣族/攻2000/守2800
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。①:自分フィールドに、モンスターが存在しない場合、または「勇者トークン」が存在する場合、自分・相手のメインフェイズに発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。
②:自分フィールドに「勇者トークン」が存在し、魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを持ち主のデッキに戻し、その発動を無効にし破壊する。
「自身を特殊召喚し、《運命の旅路》の②効果発動。デッキから《光の聖剣ダンネル》を《勇者トークン》に装備」
《光の聖剣ダンネル》
装備魔法
自分フィールドのモンスターにのみ装備可能。このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:「光の聖剣ダンネル」は自分フィールドに1枚しか表側表示で存在できない。
②:装備モンスターの攻撃力は、自分フィールドの「勇者トークン」のトークン名が記されたモンスターの種類×500アップする。
③:このカードが墓地へ送られた場合、自分フィールドの「勇者トークン」1体を対象として発動できる。その自分のモンスターにこのカードを装備する。
「《ダンネル》の効果により、《勇者トークン》の名が記されたモンスターは2種類により、《勇者トークン》の攻撃力を1000ポイントアップ」
《勇者トークン》
攻撃力2000→3000
「カードを1枚伏せ、ターン終了」
綾波 零
LP:4000
手札:3枚
「俺のターンドロー。俺は《サイバー・ドラゴン》の①の効果で自身を特殊召喚」
《サイバー・ドラゴン》
効果モンスター
星5/光属性/機械族/攻2100/守1600
①:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
「さらに、魔法カード《エヴォリューション・バースト》を発動」
《エヴォリューション・バースト》
通常魔法
自分フィールド上に「サイバー・ドラゴン」が存在する場合に発動できる。相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。このカードを発動するターン、「サイバー・ドラゴン」は攻撃できない。
「《勇者トークン》を破壊する」
「《グリフォンライダー》の②効果発動。自身をデッキに戻し、《エヴォリューション・バースト》の発動を無効にし破壊する」
「《サイバー・ドラゴン・コア》を召喚」
《サイバー・ドラゴン・コア》
効果モンスター
星2/光属性/機械族/攻400/守1500
このカード名の②③の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
①:このカードのカード名は、フィールド・墓地に存在する限り「サイバー・ドラゴン」として扱う。
②:このカードが召喚に成功した場合に発動する。
デッキから「サイバー」魔法・罠カードまたは「サイバネティック」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
③:相手フィールドにのみモンスターが存在する場合、墓地のこのカードを除外して発動できる。
デッキから「サイバー・ドラゴン」モンスター1体を特殊召喚する。
「②の効果発動。デッキから《サイバネティック・オーバーフロー》を手札に加える。さらに、魔法カード《融合》を発動」
融合
通常魔法
①:自分の手札・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。
「それは勘弁して下さい。罠カード《サンダー・ディスチャージ》を発動」
《サンダー・ディスチャージ》
通常罠
このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。
①:自分フィールドに「勇者トークン」が存在する場合、「勇者トークン」のトークン名が記された装備カードを装備した自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力以下の攻撃力を持つ相手フィールドのモンスターを全て破壊する。その後、自分の手札・墓地から「勇者トークン」のトークン名が記された装備魔法カード1枚を選んで自分フィールドの装備可能なモンスター1体に装備できる。
グリフォンライダーがいない事で、現在の《勇者トークン》の攻撃力は2500になっている。
丸藤先輩の融合で出て来るのは間違いなく、攻撃力2800のサイバー・ツイン・ドラゴンだ。
なら、それを阻止するなら今しか無い!
「速攻魔法《サイクロン》を発動」
「! しまった」
「《ダンネル》を破壊」
《ダンネル》を破壊された事により、《勇者トークン》の攻撃力が2000に戻り、チェーン処理で《サンダー・ディスチャージ》の効果処理に入るが……
「俺の場には、攻撃力2000以下は《サイバー・ドラゴン・コア》のみ」
まんまと、丸藤先輩の誘いに乗ってしまった。
《勇者トークン》の攻撃力を下げ、《サイバー・ドラゴン》を破壊圏外へと持っていったのだ。
「《融合》の処理で、手札の《サイバー・ドラゴン》と場の《サイバー・ドラゴン》で融合」
当然のごとく、手札にも《サイバー・ドラゴン》があり、融合召喚も許してしまった。
「《サイバー・ツイン・ドラゴン》を融合召喚」
《サイバー・ツイン・ドラゴン》
融合・効果モンスター
星8/光属性/機械族/攻2800/守2100
「サイバー・ドラゴン」+「サイバー・ドラゴン」
このカードの融合召喚は上記のカードでしか行えない。
①:このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃できる。
「バトル。《サイバー・ツイン・ドラゴン》で攻撃! エヴォリューション・ツイン・バースト!!」
「くっ! 《運命の旅路》により、《勇者トークン》は装備魔法を装備している事で、1度だけ戦闘では破壊されない!」
綾波 零
LP:4000→3200
「《サイバー・ツイン・ドラゴン》は1度バトルフェイズ中2回攻撃が可能。エヴォリューション・ツイン・バースト!」
「きゃッ!!」
綾波 零
LP:3200→2400
「俺はカードを1枚伏せ、ターン終了」
丸藤 亮
LP:4000
手札:0
「私のターン…ドロー」
引いたカードを見るがもう勝ち目が無かった。
丸藤先輩の伏せカードは、《サイバネティック・オーバーフロー》であり、逆転の手が無いのだ。
《サイバネティック・オーバーフロー》
通常罠
このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①:自分の手札・墓地及び自分フィールドの表側表示モンスターの中から、「サイバー・ドラゴン」を任意の数だけ選んで除外する(同じレベルは1体まで)。その後、除外した数だけ相手フィールドのカードを選んで破壊する。
②:フィールドのこのカードが効果で破壊された場合に発動できる。デッキから「サイバー」魔法・罠カードまたは「サイバネティック」魔法・罠カード1枚を手札に加える。
「ターン…エンド」
「そうか……。俺のターンドロー。《サイバー・ツイン・ドラゴン》の攻撃。エヴォリューション・ツイン・バースト!!」
綾波 零
LP:2400→-400
S→❶→❷
全く歯が立たなかった。
「君には期待していたのだが、残念だ」
この敗北は、今までに味わった事ない程の敗北だった。
丸藤先輩は、そう言い残して、その場を立ち去る。
私は只々、泣く事しか出来なかった。