突然だけど、私は前世の記憶を持っている。
…は、頭大丈夫?って思ってるそこの人!わかる!!めちゃくちゃわかる~。だよね~、私も同じ立場だったら絶対そう思う。そしてすぐさま病院進めるよ。
だけどね…驚くべき事に私には前世の記憶がばっちりあるんですよ…。
びっくりだよねえ…。
いやまぁでも、これだけ聞いたら「前世の記憶持ってるなんて超ラッキーじゃん!えー、羨ましー!」ってなるんじゃない?
でもね…それがそう簡単な事じゃないんだよなあ…。
なんとこの世界、前世で私が愛読していた「ようこそ実力至上主義の教室へ」訳して「よう実」の世界だったのである。
「ようこそ実力至上主義の教室へ」とは、
前世で私が大好きだった小説(ラノベ)であり、『高度育成高等学校』という政府が運営している高校が舞台で、訳ありで化け物じみた身体能力と学習能力を持ち合わせている主人公『綾小路清隆』がその学校に入り、過ごしていく学園物語。
…ざっとこんな感じかな?まぁでも、
この情報を聞いただけだと、「なんかチートっぽい奴が居るだけの学園物語じゃん!別に死んだりするような世界じゃないっぽいし楽しめばいんじゃないのー?」的な事を皆思うんじゃない?
ノンノン、現実はそんなに甘くないんだよな…。
忘れてはいけない。その小説の舞台となっている高度育成高等学校はただの学校では無いということを。
高度育成高等学校。それは、一言で言うと異常な学校だ。この学校は希望する進学先、就職先にほぼ100%応えるという全国屈指の名門校だが、当然その話には裏がある。
この学校は入学してきた生徒を予め調査しており、ランク付けされている。優秀な生徒ほどAクラスに、ダメな生徒ほどDクラスに配属されるんだ。
いやえぐすぎだろ。てゆうかまず第一に人をランク付けなんかしちゃだめでしょ。
…しかもこれさぁDクラスの生徒は裏で不良品って呼ばれるんだよねぇ…。
それに、それにだよ。しかも、先程言った希望する進学先、就職先に応えてくれるのは卒業時点でAクラスに居る生徒だけ。
わーお…完全なる詐欺ッ!しかもこの学校、国が運営してるんだよね……ヤバくない?
そして、さらに定期テストで赤点を取ると退学にさせられたり、特別試験だとかいう可笑しな試験にも強制的に参加させられるなどなど…。
やばいことずくめなのである。
……うわー、改めて考えてみると相当やばい。
ブラックじゃん?ブラックすぎだよね??
まぁ、兎に角そんな異常でヤバい学校が舞台になっている世界に私は転生してしまった。
(やばい…やばいよねぇ…人生詰んだわ。)
でも…ね、私もそんな馬鹿じゃないんだよ?馬鹿じゃないから一瞬だけ私もこう思ったんだよ。
「高度育成高等学校に入学しなければ良いんじゃない?」って!
そもそもこの物語は高度育成高等学校を舞台にしたもの。なら、その学校や登場するキャラクターにさえ関わらなければ特に何も問題ない。
……でもなぜか私は高度育成高等学校に入学することになってしまっている。
……馬鹿なのかって?言わないでッ!!仕方ないじゃん!!だってこれはホントに仕方ないんだよ!!
なんで高度育成高等学校を受験したか?気になるよね。まぁでもその事はほんっとにいたって簡単。
…この前世の記憶を思い出したのが、たった今…高度育成高等学校の入学式に向かう途中のバスの中で、だからだ。
ーーーーー私前世思い出すの遅すぎない!?!?
いや、うん。まず第一にこれが言いたい。言いたすぎる。
可笑しいよね??もう私15だよ??一体今まで私は何をしていた??
そして過去の私はなにやってくれてんだオイッ!
いやわかるよ?そりゃさ、昔の私はさ、前世を思い出してなかったから当然よう実のこと何も知らないわけじゃん?だから受験したとこが危険な学校だ、なんて事わかんないじゃん!仕方ないよ?仕方ないけどさぁ!でも気づけよ!!明らかに怪しそうな学校だよね!?いくら夢みたいな学校だからって受験するなよッ!!
はぁ、もーやだ…。
それにさ?今!!今思い出すのはないんじゃない?ないよね?
せめて!!高度育成高等学校の受験をする前に思い出せやッ!!!
あーあーあー、ちょっと取り乱した。ごめんごめん。
まぁ、そんなことで…ってそんな事じゃないんだけども!…はぁ、まぁ兎に角そんなこんなで前世を思い出すのが遅かった私はすでに色々やらかして受験しちゃってる訳です。
…もうやだ頭痛い…。しかもさっき思い出したから情報量多すぎて頭パンクする…。
…うーん、さっきまで高校生活楽しみだな~ヒャッフー!!イエーイ!みたいなハイテンションだったんだけどなぁ…あれれー?可笑しいなー、温度差ありすぎじゃね?今はもう完全なるお通夜モードなんだけど。
あんなやばい人達が集まる場所で私なんかが生き残れる訳ないじゃん…。
かんっぜんに詰んだ。
どうしよ。もういっそのこと入学せずに家に帰ろうかな?
…いや、でも他の高校受験してないし…中卒になっちゃうからそれはダメだ。私が死ぬ。
あ、でもどうせ入学しても途中で退学になるか…うわっ、じゃあどっち道中卒じゃん私!!!
え…私ヤバくない…?誰だよこんな学校に受験した奴!………嗚呼、私だわ。
もう…もう過去の出来事とか思い出したくないんだけど…。
私は死んだ目をしながら絶望に浸っていた。
しかし、現実とはまぁ、残酷なことでこの後更なる悲劇が待っている。
私は今大事なあることを忘れていた。この時の私は色んな事を思い出しすぎて頭がバグっていたのだろう。
そう、私はすでに、ある人物との関わりを持ってしまっているということを。この瞬間忘れていた。
あーもうやだ…死んだ…。
そんな事を内心思っている中、
ーーーー席に座っていた私の左肩を、バスに立っている誰かが叩いた。
絶望に浸ってる中私は、何だと思いながら重い頭をゆっくり持ち上げ視線を右上に上げた。
…ハハハッ
笑えなさすぎて逆に笑いが込み上げてくる。
あー、そうだったわ。そういえば私、此奴と幼馴染みじゃん。
マジか、だれか嘘だと言ってくれよ…。
「おい千尋、顔色悪いぞ。お前酔ったか?」
そこには、原作の登場人物の中で一番関わりを持ちたくなかった人物、龍園翔がそこにいた。
主人公設定
名前 雲井 千尋(くもい ちふゆ)
性別 女
容姿 髪の毛は茶色
髪の長さは胸にかかるぐらい
真っ赤な瞳をしている
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読んでくださりありがとうございました。次回もお楽しみに。