お嬢様ベーシストは幼馴染みの俺に夢中   作:小説家やっさん

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リクエスト第一弾、広町とオリ主の物語です。
広町にはあまり触れたことなかったので新鮮な気持ちで書きました。


お嬢様ベーシストは幼馴染みの俺に夢中

何気ないいつもの朝。俺、新島暁斗はいつものように二度寝をかましていた。

別に夜更かしして眠い訳じゃない。むしろいつも10時には寝てしまうほど健康には気遣う男だ。

じゃあ何故二度寝なんかしてるのかって?それはもちろん男なら一度は経験してみたいランキング第一位のこのシチュエーションが起きるからに決まってるだろう。

 

「お~い、あきくん起きて~遅刻するよ~」

 

彼女の名前は広町七深。俺の幼馴染みだ。

彼女の両親は芸術家で、彼女自身も両親の影響を受け、自分だけのアトリエを所有してる。

俺の家とは隣同士、お互いの両親は芸大時代の友達同士という関係だ。

 

「う~ん、七深~後5分寝かせてくれ~」

 

「あきくん、私に起こしてもらおうと思ってわざと二度寝してるの知ってるからね」

 

「マジで!?いつから!?」

七深のまさかの告白に俺は思わず飛び起きる。

 

「ふふふ~それは秘密~」

 

おいおい、マジかよまさか七深にこの演技のことがバレてたなんて.....

 

「そんなことしなくてもあきくんと一緒になれたら毎日してあげるのにな~」

 

「なんか言ったか?」

 

「ううんなんでも~じゃああきくん起きたし私そろそろ行くね~」

 

「おう、気を付けてな」

 

まだ朝の7時30分。彼女は毎日決まってこの時間に学校に向かう。

彼女が通うのは超がつくお嬢様学校、月ノ森女学園だ。

学校の話はあまり聞かないが、最近彼女はクラスメイトと一緒にバンドを始めたらしい。

まだ始めたてでベースにも慣れてないため早めに学校に行き音楽室で自主練してるらしい。

中学まではどこに行っても一緒というような関係だったが、お互いもう高校生だ。自分の時間というものがある。それはそれで寂しい気がするけどな。

 

「さてと....俺もそろそろ学校に行くかな...ってこれ七深の弁当入れだよな?あいつ忘れていったな...しゃーない届けに行くか俺の学校の途中だし。あ、怪しまれないために一応あいつに連絡しておくか」

 

七深からの指示で月ノ森についた俺は校門前で待つことにした。流石にお嬢様学校ということで変質者対策に屈強な警備員さんが校門をガードしていた。

もちろん、俺も七深を待つために校門前をうろちょろしてるところを見つけられ追い出されそうになったが、七深の関係者であることを伝えたら一度は疑われたものの、スマホのフォルダにあった夏にお互いの家で行った家族旅行の写真を見せると信じてくれたようで校門前で待たせてくれた。

 

「あきくんお待たせ~待った?」

 

「いや全然。というか気を付けろよな?」

 

「いや~ついうっかりしてたよ~今度お礼にこの間買った『怪奇!妖怪チョコエッグ』のシークレットのはんぺんカラーぬりかべあげるね~」

 

「うん、全然いらねぇ」

 

「あはは、だよね~あきくん昔から怖いもの苦手だもんね~」

 

「じゃ、用も済んだし俺は行くわ」

 

「うん、あきくんありがとね~」

 

お昼。月ノ森女学園にて。

 

「ねぇ七深ちゃん。朝校門で話してたのもしかして彼氏さん?」

 

七深のクラスメイトであり、彼女の所属するバンドモルフォニカのリーダー二葉つくしの爆弾発言に七深含め4人の場が凍る。

 

「つ、つ、つ、つーちゃん!?何言ってるの!?」

 

「うっそ七深彼氏いたの!?マジ!?」

 

「七深ちゃん....彼氏いたんだ....」

 

「私はそんな気がしていたけどね」

 

「み、みんな誤解だよ!あれは幼馴染みのあきくんだって!お弁当をあきくんのお家に忘れていってあきくんが届けに来てくれてただけだってば!」

 

「でも、その人と話してるときの七深ちゃんその人をじーっと見つめてていかにも恋する乙女って感じだったよ?」

 

「そうね。私も二葉さんより遠くから様子を見ていたけれどまさにそんな様子だったわね。」

 

「るいるいも見てたの!?もぉー!恥ずかしくて穴があったら入りたい気分だよー!」

 

「でも七深はそのあきくんって人のこと好きなんでしょ?もちろんLOVEのほうで」

 

「ま、まぁ....好きなのは好きだけど.....」

 

「なら善は急げだ七深!今度の土曜日デートに誘って告白しちゃいなよ!」

 

「そうだよ!七深ちゃん!誰かに取られる前に告白しちゃいなよ!」

「うぅ....皆がそういうなら....」

 

 

放課後、スマホを確認すると七深からLI〇Eが入っていた。内容はこうだ。

 

『ねぇ、あきくん今度の土曜日、お出掛けしない?』

 

七深から誘われるのは大体趣味の食玩集めのはしごに付き合わさせることが多い。

今回もそうなんだろう。取り敢えず俺は了解とだけ返事しておいた。

 

「あ....あきくんから返事来てる...えへへ楽しみだなぁ....」

 

 

土曜日。待ち合わせ場所に着くとすでに七深が着いていた。どうやら待たせてしまったらしい。

 

「すまん、待ったか?」

 

「ううん。私もついさっき来たところだよ~」

 

七深の服装はいつもと違っていた。いつもは遠出をするわけでもないためパーカーだったり、ワンピースだったりシンプルな格好をすることが多いのだが、今日はまるでデートにでも行くような格好をしていた。

 

「珍しいな。お前がそんな女の子らしい格好をしているなんて」

 

「そ、そうかな?いつもと変わらないよ?」

 

「いーや、違うね。お前出掛ける時の私服はそんな可愛くなかったもん」

 

「もう!あきくんのバカ!早く目的地行くよ!」

 

「お、おう.....」

 

やっぱ、七深いつもと違う?

 

やって来たのは市内のショッピングモール。服屋や雑貨屋などが多く出店し、七深と毎回食玩探しを行う時もよく来ている場所だ。

 

「ねぇ、あきくん。あそこの服屋見に行ってもいいかな?」

 

「あぁ。別にいいけど。」

 

「えへへ~あきくんにかわいいの買って貰おうかな~?」

 

「それだけは勘弁してくれ。」

 

七深が服を選んでいる姿はまさに「普通」の女の子そのものだった。七深は両親の影響もあってか他人とは感性や考え方が少し違う部分がある。俺にとっては他人とは違う七深らしさがあっていいと思うのだが、全員がそう思うとは限らない。七深の母親から聞いた話なので詳しくは知らないが中学の頃、とあることがキッカケで周りの人間のような「普通」を求めるようになったらしい。

 

「....ぇ、....ねぇ、あきくん?聞いてる~?」

 

「え?何?」

 

「こっちの花柄とこっちのパステルカラーのやつどっちがいいかな~?」

 

「そうだな~俺としては花の方が七深には似合ってると思うぞ」

 

「なるほど~あきくんが言うならこれにしよ~」

 

その後も靴屋や七深御用達の様々な食玩が取り揃っている玩具店など巡り、すっかり夕方となってしまった。

最後は七深のお願いで併設されている観覧車に乗ることになった。

 

「うわ~町がこんなにちっちゃ~い。ねぇあきくんも見てみなよ~」

 

「あぁ。それより七深。聞きたいことがある。」

 

「ん~?何~?」

 

「お前今日一日中ソワソワしてただろ。なんか言いたいことがあるなら言えよ。相談とかなら聞くからさ」

 

「あはは~バレてたか~」

 

「隠してたところでバレちゃうよね。じゃあ率直に言うね。私、あきくんが好き。」

 

「.....え?」

 

「私、昔からみんなと違うから浮いてたでしょ~?でも、あきくんだけはずっーと変わらずに私一緒にいてくれていつからかあきくんのこと好きになっちゃってたんだ。でも、私『普通』じゃないからあきくんにいつか嫌われるんじゃないかと思ってずっと言えなかった.....」

 

「なんだ。そんなことで言えなかったのか。」

 

「え?」

 

 

「十何年もお前と一緒にいるんだ。お前の良さに嫌だと思ったことは1度もねーよ。」

 

「ほんと?」

 

 

「それにこのままずっとお前と一緒にいるのも悪くないしな。」

 

「俺もお前のことが好きだ。七深。」

 

「よかった.....私、あきくんに嫌われてなかったんだね....」

 

「お、おい!泣くなって!」

 

「だって嬉しくって」

 

こうして俺と七深は恋人同士となった。後日、七深の両親に付き合うことを話に行くと「暁斗くんなら信用できる」と交際を了承してくれた。

 

 

それから数日後。

 

「あきく~んおはよ~」

 

いつものように七深が起こしにやって来た。

 

「お前...毎日起こしに来なくてもいいだろ」

 

「え~恋人を起こすのって普通なことじゃな~い?」

 

「お前....漫画に影響受けすぎだろ...」

 

「はいこれ今日のお弁当~じゃあ頑張ってね~」

 

「お前もバンド頑張れよ」

 

「もちろんだよ~」

 

 

俺の彼女は幼馴染みで「普通」を求める変わった女の子。でも今は俺に夢中なようだ。

 

 




いかがでしたでしょうか。
単発ものとしてのリクエストのこの作品書いてるうちに続きを書きたいという衝動にかられました。
作品の評価によっては続きを書いてみたいと思います。
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