よろしくお願いします
転生したらお嬢様学校の生徒になっていた(大嘘)
俺の名前は新嶋暁斗。何処にでもいる普通の高校生だ。俺は今、とある事情で名門お嬢様学校月ノ森女学園にて幼馴染みであり、恋人の七深と共にいる。俺がここにいるのは理由があって話は数週間前に遡るのだが.....
「今日の授業はここまで。各自しっかり復習するように。後、新嶋、篠崎、2人は後で空いている時に職員室に来てくれ。」
担任の山崎先生の授業が終わるなり、俺は先生からそう告げられる。俺なんかしたかなぁ?
「大変だなー新嶋。あの山崎に呼ばれるなんて。」
クラスメイトAが山崎先生が出ていくなり俺にそう告げる。
「どういうことだよ。」
「山崎が人を呼ぶ時は大体校則違反をしたやつとか授業で使うものを運ばされるって噂らしいんだよ。今日は山崎の授業は他の学年とか含めてないはずだしお前なんか違反でもしたのか?」
「身に覚えがねーよ。ま、怒られるんなら怒られるで覚悟してくるわ。」
昼休み。山崎先生の所に行くため、ささっと昼を済ませ、俺は職員室に向かった。
「失礼しまーす。山崎先生、用って何でしょうか。」
「おぉ。来たか新嶋。実はお前にな2ヶ月間の交換留学の話が出ているんだ。」
先生から告げられたのは予想もしなかった意外なものだった。しかし交換留学とは?
「先生、それってつまりどっかの外国の学校に行ってこいと言う話ですか?」
「いや、留学とは言っても国内だ。うちでは毎年ある学校と2人づつ交換してそれぞれの学校生活を体験してもらおうというものがあってな。今年はうちのクラスから特に成績の優秀なお前と篠崎に行ってもらおうということになったんだ。」
「はぁ。で、その学校とは?」
「月ノ森女学園だ。」
「はい?」
「だから月ノ森女学園だ。」
「いやいや先生、冗談はよしてくださいよ。俺男ですよ?何で女子高なんかに」
「あの学校では幼稚園から高校までずっと女子だけの学校に通っていた生徒も多くてな。将来男と関わることも多いから男慣れという目的で行ってもらっているんだ。向こうもそういうことでこのイベントを提案している。」
「な、なるほど....分かりましたその話お受けします」
このことは七深には黙っておこう....そして会うことなくこのイベントを終わらせてしまおう。
それから2週間後。俺は交換留学1日目の朝を迎える。七深と会わないように七深よりも早くに月ノ森に向かい、2ヶ月お世話になる先生の元へ挨拶に行った。
「2ヶ月お世話になります。新嶋です。よろしくお願いします。」
「私は桜崎よ。女の子ばかりで大変だろうけど頑張ってね?」
「はい。よろしくお願いします。」
なんだ。お嬢様学校だから厳しそうな先生を予想してたけど案外普通そうだ。周りの先生も含めて。
ホームルームの時間。俺は今日から2ヶ月過ごす1年A組の前に立っていた。一緒に来た篠崎は2つ隣のクラスに配属されたらしい。
「はーい。みんなよく聞いてー今日から公立の高校に交換留学した聖さんの代わりに相手校からの子が一緒に勉強します。それじゃあ入ってきて。」
戸を開け、教室の中に入る俺。俺の姿を見るなりクラスはざわざわし始めていた。教卓の横に付き、顔をあげ、クラスを見渡すと予想もしていなかった人物がそこにいた。
そう。七深だ。俺の顔を見るなり明らかに驚愕の表情を七深は浮かべていた。
「えーと、新嶋暁斗です。男で申し訳ありません。何かとご迷惑をおかけすると思いますがよろしくお願いします。」
と俺は頭を下げる。
「じゃあ、席は広町さんの隣に用意してあるからそこを使って」
(ねぇ、なんであきくんがいるの?私聞いてないよ?)
(後で話すから待っててくれ)
ホームルールが終わるなり、俺の周りにはクラスの女子たちが集まり、質問責めにあっていた。
「なぜ男性ですのにうちの学校にいらしているの?」
「それは学校側が決めたことで俺からは何も...」
「お昼はわたくしたちと取りません?カフェテリアでおすすめのメニューがあるんですの」
「持ってきたお弁当があるから遠慮するよ...」
先生の言ったとおりだ。男に興味津々だこの人達。
俺が様々な質問に答えていると業を煮やしたのか七深が声を上げる。
「みんな~ちょっと新嶋君借りるね~」
というなり、七深は俺の腕を引っ張り廊下に出ていく。
階段の陰にやってきた俺と七深。開口一番に七深は俺に訊ねる。
「それじゃああきくん説明してもらおうか~」
顔はいつもののほほんとした様子だが、七深の言葉には明らかに怒気が含まれていた。
七深さん怒ってます?
「桜崎先生の言った通り交換留学で来たんだよ」
「ここ女子高だよ~?あきくん冗談はよした方がいいよ~?」
「別に他言無用とは言われてないから話すけどここのお偉いさんの考えで将来的に男性と関わる機会が多くなるから今の時期に男性慣れしておく意味で俺が選ばれたんだよ」
「ふーんなるほど~じゃああきくんはいる間ずっーとモテモテだね~」
「バカ野郎、ありゃ物珍しさで寄ってるだけだすぐに飽きるし第一俺はお前以外には微塵も興味はない!」
「信じていいんだね~?その言葉」
「もちろんだろ。ま、そういうことだから2ヶ月よろしくな七深?」
「えへへ任せて~」
こうして俺と七深の月ノ森での短くて濃い2ヶ月の物語が始まったのだった。
ではまた次回