バ場外におけるウマ娘たち   作:haku sen

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妹は見た

 

 きっかけは何時だったか。

 ……ああ、そうだ。まだ選抜レースすら走っていないのに鬱陶しいほどスカウトの声が掛かった時の日だ。

 少しだけ姉貴と話していれば一人のトレーナーに見つかり、ワラワラと集まって気が付けば取り囲まれる始末。

 

 それには、思わず舌打ちをしたものだ。

 先日の選抜レースで大差を着けてゴールした姉貴に集まっている、というのなら理解出来るが、口を開けば“怪物”“怪物”と……。

 

 そして、次いでにと言わんばかりに姉貴を誘ったというのも気に食わない。

 それを、姉貴はどう思ったかは知らない。だが、余り良い気分では無かったのは確かだ。

 その後、姉貴は丁寧にトレーナーたちのスカウトを断り、微笑みながら自分にトレーナーたちを押しつけた。

 

 ……いや、押しつけたというのは違う。

 誰も、姉貴を──ビワハヤヒデを追わなかった。

 

 ただ、一人を除いて。

 

 遠巻きで様子を伺っていた野次馬の中の一人が、姉貴の背を追っていくのが見えた。

 それが、何故か良く印象に残っている。

 

 その後、何があったかは知らない。だが、その一人が姉貴のトレーナーになったのは確かだった。

 

 それから、姉貴の名前を聞かない日が無いほど躍進していき、私もトレーナーを捕まえて日々精進している。

 あの日の約束も近いだろう、と思っていたある日のこと。

 

 その日は、何時にも増して学園が浮かれた雰囲気だったのを良く覚えている。

 何というか……こう、全体的に甘ったるい匂いというか。ともかく、胸焼けしそうな甘い雰囲気に嫌気が差して、珈琲でも飲もうとカフェテリアに行こうとした時だった。

 

 随分と人だかりが出来ている場所があった。

 食事……にしては、まだ時間が早すぎる。そもそも配膳の時間ですら無い。

 

 何事かと思っていれば、近くを通り過ぎる生徒たちの殆どが口を開いて「チョコ」という単語を口にしている。

 疑問、困惑、そして、集まってくる数々の断片的な情報。

 

 その情報を整理して考えて見れば、その人だかりが「チョコレート」を作るという目的で集まっているということに、断片的な情報から推測出来た。

 

 ──ああ、そうか。今日は『バレンタイン』か。

 

 なるほど、これならば朝から感じたあの甘ったるい雰囲気が理解出来た。

 花も恥じらう乙女たちばかりの花園であれば、こういった趣旨のイベントで浮かれ気分になるのも良く分かる。

 

 まあ、自分には関係の無い話しだろう。無縁も無縁。渡す相手もいない。

 強いていうならアイツ(トレーナー)──ではなく、姉貴ぐらいだろうか。

 

 最も、そんなものにかまけている暇があれば、練習に当てた方が遙かに有意義だ。

 日頃の感謝、というのならば口だけで足りる。わざわざ、チョコレートなど渡す必要もない。

 

 無視して移動しようとした瞬間。視界の端に止まった見覚えのあるボリューミーな白い髪。

 

 見て、正面を向いて、また見た。二度見した。

 

 あれ、あそこにいるの姉貴じゃないか、と。

 

 いや、そんな馬鹿な。姉貴が、あの姉貴があんな場所にいるはずがない。

 だって、あの姉貴だぞ? この“怪物”ナリタブライアンの姉たるビワハヤヒデだぞ?

 

 今、最も勢いに乗っていると言っても過言では無い、あのビワハヤヒデが『バレンタイン』というのに浮かれて、「チョコレート」を作る集団に混じっている。

 

 いやいや、何かの気のせいだ。

 確かに姉貴ならば、お世話になっているトレーナーにチョコレートの一つや二つ、渡すことは理解出来る。

 何なら、昔は自分だって姉貴から貰っていた。

 

 だからこそ、分かる。チョコレートを渡すだろう、と。

 日頃の感謝として渡すだろう、と。

 

 だが、手作りのチョコは──違うだろう。

 

 そう言ったことに疎いと自覚しているが、手作りは、その……なんだ、そういうこと(・・・・・・)になってしまうのではないだろうか。

 

 いや、別に……うん、姉貴には姉貴の事情がある。自分がどうこういうのは違うか。

 見なかったことにして、ナリタブライアンはそっとカフェテリアから出た。

 

 

 

 午後。学園指定のジャージに着替えて軽くストレッチをしていた時のこと。

 何気なしに周囲を見たとき、嫌でも目に付く我らが姉貴のボリューミーな髪が視界に映った。

 

 故に、自然と引き寄せられて見ていたら──思わず身体が硬直してしまった。

 

 何だ、アレは。

 

 姉貴がバインダーを手に持ったトレーナーを前に、酷く動揺している。

 尻尾を激しく振り、耳も小刻みに動いて、何やら、こう──そう、モジモジしているのだ。

 開いた口が塞がらないとはこのことか。

 

 そして、意を決したようにポケットから素朴(・・)ながらも綺麗にラッピングされた小袋を恥ずかしそうにトレーナーへと渡していた。

 対して、渡された姉貴のトレーナーは圧に押されてか、遠慮がちに小袋を──十中八九チョコレートだと思われる──受け取った。

 

 もう一度、言おう。何だ、アレは。

 

 あんな姉貴見たことが無い。何時も凜々しく、そしてちょっとお節介がウザい、あの姉貴が何時にも増してしおらしく……。

 

「──ブライアン。悪い、遅れた。ちょっと、書類を提出してて……って、どうした?」

 

「おい、チョコ……レートを人にあげる時、普通はどうなるんだ?」

 

「……すまない、質問に意味が分からないんだが?」

 

 今さらながら、随分ととんちんかんな質問をしたことに気が付いた。

 どうやら、私は思っていた以上に動揺していたらしい。

 見たこと無い姉貴の姿を見て、思わず思考が止まってしまったのだろう。

 

 だが、どうも嫌な気はしない。

 

 不思議と嫌な気も、悪い気もしないのだ。不思議な感覚だ。初めて感じる。

 

「……ふっ、気にするな。私に義兄貴が出来るのも近いという話しだ」

 

「…………ブライアン、今日はトレーニングを軽めにしとこう。それか、少し仮眠を取った方がいい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 姉貴との約束。まだまだ、続く約束の日。

 互いにしのぎを削り、足を踏み合わせ、共にあのターフを走り抜ける日々。

 

 まだだ。まだ私たちは走れる。

 まだまだ、戦っていられる。

 

 背中を任せ、足を任せ、いつでも支えてくれる存在がいる限り、私たちは戦えるだろう。

 

 充実した日々。闘志を燃やせる日々。隣にいる存在によって心身共に寛げる日々。

 

 ああ、最高だ。これほど、満足している日々は無い。

 不満は無い。不満は無いとも。

 

 ──ただ、一つ思うことがある。

 

「──見ていてイラつく恋愛映画やドラマ、漫画などもそうだが……全部、叩き壊したくなる衝動に陥ったことは無いか?」

 

「いきなり、どうした?」

 

 唐突に物騒なことを言い出した相方に思わずトレーナーはそう口を開いた。

 

「何故、手を繋がない。何故、キスを躊躇う。何故、押し倒さない。ああ、もどかしい。好きなら好きだとハッキリすればいい。そこで、躊躇う理由が無いだろう?」

 

「……そのもどかしさが醍醐味なんじゃないか?」

 

「ああ、そうだな。そうだろう。だが、見ていて不快すら感じる場合はその醍醐味なんてものは無いだろう。最高潮まで盛り上がったというのに、期待を無碍にされては興ざめどころでは無い」

 

「……なるほど? じゃあ、ブライアンはどうなるのがお望みなんだ?」

 

「早急に攻めるべきだ。攻めて攻めて、最初で落とす。手を下招いては埒があかない。獲物は新鮮なうちに頂くべきだ」

 

「それは、もう恋愛ではなくて狩りじゃないか……ほら、出来たぞ」

 

 呆れた口調をしながらトレーナーはブライアンの前にある物を置いた。

 それは、ホットプレートに乗った肉厚のステーキ。じゅうじゅうと肉汁が焼ける音がして、空腹を刺激する匂いが鼻腔を擽る。

 

「──いただきます」

 

 ナイフとフォークを巧みに駆使して、横に添えられたニンジン以外の野菜を退かしながら肉を綺麗に切り分ける。

 そして、一口サイズ程度に切り分けたらフォークを突き刺し、肉汁が零れない内に口の中へと放り込む。

 

 口に入れたその瞬間、口内に広がる肉本来の味わい。

 

 そこに、調味料である塩、黒胡椒、ニンニクなどアクセントが加わり、肉が更に味わい深いものへ変化する。

 

 味を楽しみ、肉の弾力を感じ、ゆっくりと身体の奥に導いてやれば、腹部に感じる熱。

 肉が自身の一部になるのを思いながら、ふうと一息。

 

「つまり──さっさとくっつけ、って話しだ」

 

 ブライアンは対面に座って小難しい本を読む、自身の相方にそう告げた。

 

「ああ、そういう……なら、遊びに誘ってみたらどうだ? 最近、レースばかりでまともに会話してないだろう。少し探りをいれるつもりで休日に誘ってみるといい」

 

 トレーナーは本に目を通しながら、返答を口にした。明確な主語がなくとも、内容を理解したトレーナーは的確なアドバイスをする。

 

 まあ、ブライアンが饒舌になるときは、何時だってビワハヤヒデのことだと決まっている。

 

「なるほど……だが、直接聞くのは流石に憚れる。()でも……いや、妹だからこそ話し辛くなるだろう」

 

「まあ……流石に姉のどうこうを聞くのは野暮になる、か。まあ、その辺りはどうこうなるんじゃないか?」

 

 パタン、本を閉じてブライアンを見るトレーナー。その視線に気が付いて、ブライアンも食べる手を止めて向き直った。

 

「普通で良いだろう。適当に世間話でもすればいいさ。恐らく、ビワハヤヒデ(あっち)からボロが出る」

 

「……何故、分かる?」

 

 ブライアンの視線が何故か鋭くなった。

 だが、トレーナーをその視線を受けて苦笑いをしつつも答える。

 

「いや、普通にあっちのトレーナーに聞いた。お互い、こうも接点が濃いと横の繋がりも深くなるもんさ」

 

「……そういうものか」

 

 納得してもらえたようだ。

 それに、ほっとしながらトレーナーは思う。

 

『だって、君の姉なんだからきっと同じだよ』

 

 ──なんて、口が裂けても言えそうに無い。

 

「ごちそうさまでした」

 

「いや、野菜が残ってるぞ」

 

「……ごちそうさまでした」

 

「それ言えば食わなくて良いなんて思ってないだろうな? ちゃんと食べやすいように味付けしてるから」

 

「ん……本当に食べないとダメか?」

 

「ダメ」

 

「……分かった。分かったからそんな目で見るな」

 

 

 

 

 そんなかんだで、久しぶりターフの中では無く、普通に姉妹として休日に誘った、この日。

 

「姉貴」

 

「あっ、ブライア──なぜ、ジャージ!?」

 

「トレーニング帰りだからな」

 

 それに対して、ビワハヤヒデはちゃんとおめかしていた。何処か、気合いの入った服装に思わず笑いそうになる。

 

「それじゃあ、行くか」

 

「は? ま、待てブライアン!」

 

 なにやら、騒いでいる姉を置きざりにしながらブライアンは歩き出した。

 

 

「──どう思う、姉貴?」

 

「え、あ、うん……似合ってるんじゃないか? だが、それ男物だぞ……?」

 

 

「──うん、これは……美味いな。今度、アイツに作らせるか」

 

「……なあ、ブライアン。その、言いづらいんだが、何でもかんでも彼に作らせるのは止めてあげた方がいいと思うぞ。彼が過労死してしまいかねん」

 

「大丈夫だ、姉貴。私はアイツを信頼している」

 

「その信頼は違うんじゃないかっ!?」

 

 

 

「──ふむ、なかなか面白いレースだったな。特に9レースの娘。今後も伸びれば……どう思う、姉貴? ……姉貴?」

 

「……か?」

 

「おい……」

 

「今のところ何も、相談事ひとつされていないんだが……!」

 

「はあ?」

 

 この姉は一体なにを言っているんだろうか。

 首を傾げながら聞いてみれば、どうやら唐突すぎて何か私が思い悩んでいるんじゃないかと思っていたらしい。

 だが、蓋を開けてみれば実に姉妹らしい? ただの休日を一緒に過ごしただけ。

 

 思い過ごし、心配し過ぎ、考え過ぎ、何とも頭でっかちな姉貴らしい。

 

「逆に姉貴は何かあってほしかったのか?」

 

「い、いや。何かあってほしかったとかではないが、その……肩透かしを食らった気分でな」

 

「ふむ、そうか……」

 

 なるほど、確かにトレーナー(アイツ)の言っていた通りだ。実にちょうどいい。

 

「わかった。では──」

 

 

 

 

「──というわけだ。頼む、トレーナー君。台所を貸して欲しい」

 

「なんで!?」

 

 場所が変わって、ブライアンは姉の……ビワハヤヒデのトレーナーの部屋へ来ていた。

 自身のトレーナーの部屋と間取りなどは一緒だが、雰囲気や家具の配置など、やはり人によっては随分と違うらしい。

 

 だが、大量に書物が積み重なっているのを見ると、どのトレーナーも勉強熱心なのは同じのようだ。それも、多種多様な分野に手を伸ばしているのがよく分かる。

 

「──ありがとう! では数時間ほど使わせていただくよ!」

 

「えっ!?」

 

 部屋を見ている間にどうやら話しは付いたらしい。うきうきと小走りで材料を引っ提げながら台所へ向かう姉貴を見て、少し昔を思い出した。

 それとは別に、困惑している姉貴のトレーナーに申し訳なさが込みわけてくる。

 

「……面倒な姉貴ですまんな」

 

「あ、いや、まあ……良いんだけどさ」

 

 急なことに困惑しているだけで、彼自身は別に不満など無いらしい。

 ……コイツも、アイツも、トレーナーという存在は随分と甘いヤツが多いようだ。

 

「えっと、ナリタブライアンは……そんにカレーが食べたかったのか?」

 

「……違う」

 

 検討違い、というわけでも無いが、別にここまでして食べたかったわけじゃない。これは、完全に姉貴の暴走である。

 

「別に、今日は久しぶりにゆっくりと話すだけでも充分だったんだがな。どうも姉貴が勘違いしてな」

 

 これに至った経緯を話すと、姉貴のトレーナーは苦笑いを浮かべながら「なるほど」と納得した。

 

「仲が良いんだな」

 

「まあ……な」

 

「──ブライアン、玉ねぎの量はいつも通り4玉入れたぞー。しっかり溶かして煮込むから大丈夫だよなー?」

 

「ああ、それでいい」

 

 台所からの声に返せば、鼻歌でも歌い出しそうなぐらいウキウキした姉貴がお玉で鍋の中身をかき混ぜていた。

 

「……聞きたいことがある。そこに座ってくれ」

 

「え、あ、ああ……随分と寛いでいるようで何より」

 

 ふかふかのマットが引かれたリビングにそのまま座れば、テーブルを挟んで姉貴のトレーナーも座った。

 

「……と、言ってもここ三年間の話しとかになるがな」

 

「ああ、それなら幾らでも」

 

「じゃあ、まず最初だ。あの時、なぜ姉貴を追いかけた? 私をスカウトするために来たんじゃないのか?」

 

「あの時は──」

 

 カレーが出来るまでの数時間。姉貴の三年間という軌跡を最も近くで支えた彼の話を聞いた。

 時には熱く。時には悲しげに。笑いあり、涙あり……まるで一つの長編ドラマにも思えてくる濃厚な三年間。

 

 それを語る彼は心底楽しそうに語っていた。それが、何よりも信頼に足るものになる。

 

 あれは結局手作りだった、とか。

 あの時のハヤヒデは本当に可愛かった、とか。

 髪を褒めたら逆鱗に触れた、とか。

 

 自身も見ていたやり取りの顛末が分かると、随分と面白くなる。そして、自分の知らない姉貴の新たな一面に驚きもする。

 

 だが、それ以上──何時から惚気話しになったのだろうか。

 

 本人はそういうつもりが無いのだろうが、語れば語るほど口の中にありもしない砂糖の甘さを感じた。

 トレーナーの間で、担当の話しをし始めたら朝になっても止まらない、と聞いたことがあったが、これを見ると正にその通りだと思った。あと、メンドくさいのも。

 

 だが、これはちょうどいい。この横に姉貴を添えて聞いて見たい。というか、反応を見たい。

 ちょっとした末っ子特有の悪戯心が露わになる。

 

「それで、ハヤヒデが──」

 

「──ありがとう、トレーナー君。カレーも無事に完成させられたよ! では、私たちは失礼させてもらう」

 

 満足気に。やりきった感満載の姉はつやつやとした表情を見せながら言う。

 それに、思わずといった具合で口を開いた。

 

「……ここで食っていけばいいじゃないか」

 

 何故、わざわざ失礼する必要がある? そのままここで食べれば全て楽だろうに。

 そういえば、姉貴はきょとんとした表情を見せた。

 

「えっ、ブライアン? お前……人見知りじゃ……」

 

「この歳でするか。それに姉貴のトレーナーだろ? 別に良い」

 

 何時の話しをしているのだろうか。確かに人付き合いはそこまで得意では無いが、別に対応出来ないわけでもない。

 それに、姉貴のトレーナーはもう他人とは言えないだろう。

 

「姉貴が頼りがいのあるトレーナーと言っていたんだ。それに、まだ話しの途中だしな。今度は姉貴の解説を隣に置いて聞いてみたい」

 

 そう言えば、姉貴のトレーナーは朗らかに笑った。

 

「ははっ、そうか。ならお言葉に甘えて、ご相伴にあずかろうかな」

 

「なっ、トレーナー君!?」

 

「なんだ、姉貴。ダメなのか?」

 

「い、いや、ブライアンが良いんならいいんだ。……というか、一体、何の話しをしていたんだ?」

 

「ふっ、姉貴のことだ……まあ、なんだ。これからも長い付き合いになるかもしれんな。よろしく頼む」

 

 義兄貴、と最後に付け加えなかったのは話しが進みそうにないからだ。初っぱなから突っ込み過ぎても肝心の姉貴が保たなかったら意味が無い。

 

「えーっと……よろしく?」

 

 イマイチ意味を理解出来ていな姉貴のトレーナーは曖昧なまま返事を返した。

 

「ちょ、ま、待てトレーナー君!? 言葉としては正しいが、なんだか色々と違う気がするぞ!? それから、君にこれからもよろしくと言うべきは、私の方だと思うんだが!?」

 

「ほう、姉貴にしては随分と思い切った言葉だな。だが、まだ引退してくれるなよ」

 

「なっ……! ちがっ!? あ、いや、そうではなくて……っ!? ~~~~っ、ブライアンッ!!」

 

 ああ、本当に姉貴はいいトレーナーに出会えたのだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──ということがあった。だから、カレーを作ってくれ」

 

「……ん? なんでそうなる? カレー?」

 

「早くしてくれ、腹が減った」

 

「いや、まあ……良いけどさ。ああ、そうだ。なら、教えてくれ。そのビワハヤヒデのカレー」

 

「詳しくは知らん。というかそっちのカレーじゃない。私は──」

 

 ──お前が作ったカレーが食べたい。

 

 

 




また、何か思いついたら他の子たちも書いてみたいな、と思ってたり。

※作品のタイトル名を変えました。
旧名「ナリタブライアンは見た」
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