芸能界の星になるRTA 作:推しを推す雄
どーもどーもこんにちは、オタクくんが推しの子に生まれ変わる人生逆転ゲーはっじまーるよー!
なお、今RTAではママのおπを配食するシーンとかお風呂シーンはスキップしてきます。淫夢要素を期待した方は、どうぞお帰りください。
本RTAの目的は『芸能界の星』という芸能界で頂点に立つことで獲得できるバッチを目指すことです。あとサブ目的で原作主人公も攻略(笑)したいなーなんて思ってもいます。攻略難易度ルナティックなんですけど、その代わりバカデカい
イケメンを彼氏に添えつつ芸能界のトップに君臨するって夢があっていいという私の自己満ですので、異論は認めます。
それでは【推しの子】のゲーム版をご存じない方もいらっしゃるでしょうし、ざっくりばっくり説明しましょうか。
えーとですね、本作はかなり運要素がデカいゲームとなっております。
見た目や名前こそ決められますが、それ以外はランダム形式で場合によっては劣悪過ぎる環境に生まれることもあるってことです(六敗)
しかもそういう設定に限ってお涙ちょうだいストーリーが展開するわけですからめっさ良心が痛みます。
これでどれだけのユーザーが落ちたものか……。
環境が良くても才能の有無でそもそも芸能界入り出来ずに一般ピーポーのまま老人になっていくパティーンもあるので、運ゲーというかクソゲー……げふんげふん。
ま、まあ必要最低条件として環境の良さと才能があれば大抵の場合芸能界では生き残れますね。
スタートダッシュで決まるんだよこれが。
ですので今回は『芸能界の星』を獲得するために最高の環境と最強の才能が必要なんです(願望)。
それでは早速キャラクリに入りましょうか。
たっぷり時間をかけて自分好みにカスタイマイズするのも醍醐味ですが、RTAなのでそんな暇はありません。もちろんランダムで容姿は決めていきます。まあ今作は『キミも芸能界に入ってみよう!』をコンセプトにしているのでランダムにしても美男美女になるんですけどね。
原作主人公のハートも掴む目的があるので、性別は女でいきたいのですが……今回は男でいかせてもらいます。BL?いいえ違います。RTA熟練者なら知っているでしょう、私達RTA走者には”RTAの女神”が付いていることを!狙うのはもちのロンで中性的な男の子、率直に申し上げると男の娘です。性別が男だと夜道に襲われにくい点もありますが、そこはまあ追々。
結論から言うと、男の娘というジャンルは特殊性癖とされていますが、私の持論では男に男の娘が嫌いなヤツなんていないと思うのです。男が女装したらそれはもう女だろ?証明完了、QED。
なので名前は『
さて、キャラメイクも終わったところですしゲームを始めていきましょうか。
はーいよーいスタート。
スタートと同時に早速画面が変わりました、ここは……どっかのスタジオですかね?ホモくん以外にも人がいるようです。見た感じ原作キャラはいませんね、もしいたら交友関係が既に構築されている可能性大なので良かったんですが……まあそこは気にしないでいきましょう。私の圧倒的コミュニケーション能力ですぐに友達になれるでしょうし。
「カット、撮影終了でーす」
おっと、丁度撮影が終わった頃だったみたいですね。ホモくんは俳優かモデルかな?ひとまずは一安心です。これでスタートが自宅だったりすると一般ピーポーの可能性大、そして仕事がない芸能人なんてこともありますしね。何かの撮影だったら別に気にすることはないです。
さて、この後テンプレ通りなら監督がやってきて幾つか質問をしてくるのですが……その質問によってホモくんの現状が大体分かります。ノリにノっているときもありますし、仕事がなくなってきてるときもあるので要注意です。
「星河くん、今日の収録お疲れさま」
お、来ましたね、『顔面至上主義者』こと鏑木勝也さんです。この人が出た場合ホモくんの顔面偏差値はかなりのものだということが分かります、女顔だといいなぁ(切望)それと、この人と交流があると後々便利に立ち回れるのでラッキーですね。ネタバレになるので言えませんが、原作主人公のハートをキャッチするための足掛かりになります。うーんイイゾォこの流れ。
ペットボトルを差し出してくるので、笑顔で受け取ってあげましょう。ケッ、ミネラルウォーターかよ。茶だろ茶、日本人なら茶だよ!(ブチギレ)
「最近どう?仕事ばっかで疲れてるんじゃない?」
むむ、これはかなり売れっ子なパターンですね。
嬉しい誤算ですが、ここで油断してはいけません。身体の調子を尋ねてくるということは、他の人から見ても顔色が悪いということです。うーん、たまたま疲れてるだけか病弱スキル持ちか……後で確認しないとですね。
鏑木さんを心配させるわけにはいきませんから、大丈夫ですと返します。
「それならいいけど……やっぱり一人暮らしはキツいんじゃない?今十六歳でしょ、まだ子供なんだから休んでも良いと思うんだけどなぁ」
一人暮らしですか、これはマイナスポイントです。家族がいれば料理などの面でケアしてくれるので期待してたんですが、しょがないでしょう。ホモくんには寂しくコンビニ弁当を食べてもらうことにしましょうか。
そして十六歳という情報も手に入れました。高一か高二ってところですかね、スタートが原作前なのは知っているので原作主人公とは一つ違いですかね……もうちょっと明確に言ってくれれば理解しやすかったんですが。
融通が利かない鏑木さんに殺意を抱きつつもさっさと会話を進めます。
「声優に役者、主演級ではないけど数本ドラマにも出てる。これ以上頑張って身体壊したら僕の方が困るからね」
結構良い線行ってるじゃないですか。これはラッキーですね、それに声優ってのも良き良きです。声優は売れないときは本当に売れませんが、一度バズるとかなり売れますからね。希望的観測ですがホモくんも売れてる方だと見て良いんじゃないでしょうか。それに、声優にはコアなファンが多くいるって聞きますし世間的な知名度もそこそこあるかもしれませんね。
あと、主演級じゃないといっても学生の身でドラマに数本出てるのって凄い方ですよ。『十秒で泣ける天才子役』の有馬かなも中学校時代は仕事がなかったって言ってましたし、これ私が手を出さなくても勝手に『芸能界の星』を取るんじゃ……ホモくんの能力値を見るのが楽しみですね。
「ウチの稼ぎ頭なんだから、気をつけてくれよな」
そう言って鏑木さんは去って行きました。
それと同時に[ドットTV!]所属 星河紅葉 などなど、ホモくんに関しての情報が表示されます。俗に言うステータスですね。ここでホモくん自体の性能を知ることが出来ます。才能が皆無でしたら即リセ案件なので注意しましょう。
所属している〔ドットTV!〕はテレビに強い局なのでメディア展開にはもってこいですね。知名度を上げやすい局です。ですがY○uTubeなどの動画配信サイトに弱い面もあるのでまずまずといったところでしょうか。
つづいてステータスについてですが、今作では体力、知力、演技力、歌唱力、コミュ力、幸運値が記される仕様になっております。評価は全部でA~Fまであり、AがトップレベルでCが中堅、Eが普通でGが絶望的といった風にアルファベット順に分けられています。隠れレベルとしてSなんてのもありますが今作には関係ないでしょう。よっぽど尖った育て方じゃないとそうはなりませんよ。
大事なのはここからデス。今作には“イベント”という催し物がありまして、それを攻略することによってポイントが貰える使用になっております。なってるんですが……悲しいことにポイントを自由に割り振ることはできません。そのイベントをどうやって攻略したかによって自動的に割り振られてしまうのです。
著作権に引っかかるので口頭でですが、例えるなら『この問題は頭を使わないといけない』に『え、頭を使えばいいの?っしゃー!オラァ―!ドギャーン!』みたいな。こういう場合、体力にポイントが割り振られることになります。分かりましたかね?ステが偏ってると選択できる行動も少なくなるので要注意が必要です。
ですので初期値が満遍なく均等に揃えられていたら良きなんですけど……。
はたしてホモくんのステータスは――――――――――
体力:G、知力:F、演技力:A、歌唱力:B、コミュ力:F、幸運値:C。
尖ってますねぇ……親御さんがどんな育て方をしたのか気になります。
知力、演技力、歌唱力、幸運値、コミュ力はまあいいでしょう。まだまだ挽回できる数字ですからね。ですが……体力くんさぁ……キミどうしたの?
ホモくんも体力:Gでよく芸能界入ろうと思いましたね。走ったらすぐに息切れするレベルですよこれ。まさかの貧弱体質ちかよコンチクショウ……いやまあこんなに順調な芸能人生を歩んでいるんだからどこかしらで落としはあると思ってましたけど、ここまでとは……どうする?リセるか?
……続行しましょう(虚無)。大丈夫、私の鍛え上げられた技術があればホモくんを肉体改造させることなんて容易い事サ。それにもうリセは嫌だ……こんな恵まれた環境にいるのにリセとか人生舐めてるよな……うん……。
ってなわけでホモくんのステと所属も確認できたので、撮影現場を後にしましょう。
向かうのは我が領地、一人暮らしハウスへイクゾー!(デッデッデデデデ!カーン)
はい、自宅に着きました。十五階建てのコンビニ付き高級マンションです。富の再分配とは?高校一年生(さっき確認した)が一人暮らししていい家じゃないですね。
ここまでくれば周囲の目を気にすることもありません、マスクとサングラスを外して外の空気を堪能します。うーんエンジンくさい。流石はジャポンの首都だぜ、空気濃度が田舎とは段違いです。
あ、トイレの鏡で確認しましたがホモくんは期待通り男の娘でした。目の隈もすごかったけど、病んでる男の娘みたいでおじさんはしゅき(イケヴォヴォ)
さて、ホモくんには家の中へ入ってもらって、その疲れた身体を料理と睡眠で回復してもらいましょう。不思議なことにこの世界は食事と睡眠を摂るだけで体力が全開になるんですね。なんて便利な世界なんだろう。
ガチャリ、と鍵を開けて家の中にホモくんが侵入します。ホモくんの家なんで問題はないですが、初見の家だとちょっと緊張しちゃうんですよね、私が。
……ん?ホモくん以外いないはずなのに靴がもう一セットありますね。女性用の靴ですからホモくんの物じゃないです。これは誰のだ……?
いや、もしかしたらホモくんが女装の趣味を持っているなんてこともありますからね。しまい忘れていた、なんてことかもしれません。ていうかそうとしか考えられません。だってコミュ力:Fの子ですよ?女性を家に上げるなんてそんなことするわけが――――――――――
「あら、遅かったじゃない。ご飯作っといたから冷める前に早く食べるわよ」
ありまかな が あらわれた
おまEsuBus¢£%#&□△◆■!?!?
星河紅葉。
今や天才の名を思うがままにするその少年は、有馬かなにとってはただの友人に過ぎなかった。
今日も星河の家で彼の帰りを待ち、疲れて帰ってきた彼を出迎える。
悔しい、という感情がないわけではない。
同じ役者として負けたくない気持ちはあるし、全く追いつかないことへの焦燥も確かにあった。
だが、それは自分が不甲斐ないだけであると判断し星河に面と向かって伝えていないだけなのだ。
「あら、遅かったじゃない。ご飯作っといたから冷める前に早く食べるわよ」
いつも通り目の下に隈を浮かばせて帰ってきた星河に、早く食べるようにと促す。それに星河は「先に食べてて良かったのに」と言いながらも急いで手洗いやら着替えやらを済ませていた。
このやり取りを見ると彼氏彼女の関係に思えるが、彼らの関係はもっとフラットとしたものだ。恋人未満友人以上、これが彼らの関係を表すのにもっとも適した言葉だろう。
「いただきます」
「いただき」
最後まで言い終わらずに夕食に手を出す星河。そのせっかちさに若干不満に思うが、決して声に出すようなことはしない。これもいつも通りだからだ。
だが、流石にく釘を刺さなければと遠回しに注意する。
「星河、アンタ少しは仕事減らしたら?学業も生活も追い付かなくなるわよ」
「んー?……ボクも、そうは思うんだけど。仕事を頼まれたら断れなくって」
「その言葉一か月前にも聞いたわ……」
はあ、と有馬は食事中にも関わらずデカデカと溜息をする。
何度彼に仕事を断れと言っただろうか。その度に曖昧な笑いで誤魔化されて有耶無耶にされてしまっていたが、これ以上続いては彼の身体が持たない。
そんなこと、誰よりも自分が理解しているだろうに。なおさら他人である有馬かなが口出しをするのが躊躇われるのだ。しかし、そこは誰かが言わなければならない、と友人として有馬は苦言を漏らす。
「声優としてアニメ三本、役者で五本、モデルじゃ二本だっけ?あと、レギュラー番組が一個か。仕事としては少なすぎるぐらいだけど、学生として多すぎるわ」
「でも、ボクがやってるアニメも二本はもう少しで終わるし、ドラマも終章が始まってるのもある。番組の方はレギュラーをこれ以上増やすつもりはないよ」
「アンタが無事なら私はいいのよ。だけどアンタ、ボロボロじゃない。健康管理も仕事の内、ドラマとアニメはしょうがないとしてモデルと番組の方は降ろさせてもらいなさい。アンタなら少しは融通が利くでしょ」
ウ、と星河は分かりやすく言い返せないことを表現する。
「先生の方からも苦情が来てるわ。芸能科とはいえ学生の本業は勉学。碌に授業にも出ないで、そのうえ課題さえも出してないらしいじゃない」
「おっしゃるとおりです……」
「なら!」
「けど」
そこで、熱くなってきた有馬の口を星河が指で止める。
それでシュー……と頭に上っていた熱が冷めるようにすぐ冷静さを取り戻した有馬は、「……熱くなってた、ごめん」と謝った。いいよいいよと笑顔で返す星河だったが、わざとらしく咳払いをした後、神妙な雰囲気を纏い改まって言った。
「ボクを求めてくれて、本当に嬉しいんだ。だからのその気持ちに応えたくなっちゃって、ついつい無理しちゃう。そういうの、かなになら分かると思う」
そう言われては、有馬は何も言い返せない。
星河の言いたいことも理解できるし、期待に応えるというのは芸能人として当然のことだったからだ。
とはいえ、だ。ここで全部を認めてしまっては本当に星河が倒れてしまうのは火を見るよりも明らかだった。
なので最低条件として『課題を提出できるくらいには余裕を持つこと』と決めて、その場は流されることになった。
若干気まずい空気になった場を気にしてか、有馬はリモコンを操作してテレビを点ける。
「そういや、アンタが出た番組って今やってるっけ?」
「んー?たぶんやってる……と思う。でも番宣目的だからボクあんまりカメラに写ってないと思う」
「ふーん……あ、これじゃない」
テレビの画面には、テロップを構えた星河がちょうど司会者の質問を受けているところだった。
『この時期は身体温まるおでんが人気ですからね。ちなみに星河くんは好きなおでんの具とかはあるんですかね?』
『はい!ボクはですね――――――――“腰巾着”が好きですね!』
『こしwwwwwいやそれを言うなら餅巾着ねwwwwww』
『えっそうでしたっけ?ボクの父、羽田大学卒なんですけど家じゃいっつも腰巾着って言ってましたよ』
『はねwwww早稲田だってwwwww……義務教育が心配だなぁ』
「……アンタこういう場所だと猫被るわよね。私以外、碌に友達いないくせに」
「あはは……演技の一環だと思ってるからね。それに間違えてたのは本当だし……」
「課題、私手伝おうか?」
「よろしくおねがいします」
迷わず頭を下げる星河に、有馬はため息と共に呟いた。
“演劇バカ”と。
はぁ……六巻が気になって枕を涎と涙で濡らす毎日ですよ。
というわけで六巻探しに失踪します。
・星河紅葉
ホモくんだけどホモじゃないです。
目の下の隈すごいけど本番は特殊メイクで隠してる模様、現代技術しゅごい