ダンジョンに鬼神がいるのは間違っているだろうか。   作:田中ゲリラ

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 今回は少しオリジナルの設定が含まれます。
 それでは第10話どうぞ。


ヘルメス死す

 

 ―ダンジョン出口付近―

 

 ダンジョン、そこは世界中の若者たちが夢を見て、危険と隣り合わせな毎日を送っている。

 そこに不釣り合いな明るい声が聞こえた。

 

 「ベル君見てみて、やっと出口が見えたよ!」

 「あ、待ってください、神様!」

 

 無事に迷宮(ダンジョン)から生還できたうれしさからか、はしゃぐ処女神(ヘスティア)とそれを抑えるベル。

 他の皆も無事に生還できた喜びからか、温かい表情でその様子で見守っていた。

 

 「ヘスティア様、あまりベル様に迷惑かけないでください!」

 「なんだいサポーター君、僕とベル君は今喜びのひと時を味わっているんだ。だから邪魔しないでくれ。」

 「なんですってー!」

 「ちょっとリリ!神様もやめてください!」

 

 なんとか抑えようとするが止まらない二人組。

 それを見ていたヘルメスは

 

 「まあまあいいじゃないかベル君!たくさんの女の子が一人の男を取り合うなんて、ハーレムの特権だぞ。」

 「ヘ、ヘルメス様ぁ!?」

 

 そうベルをからかうが、ハーレムと聞き、頬を赤らめる。

 ダンジョンの出口の前で騒ぐ人たちを見て万能者(アスフィ)

 

 「もうあなたたち落ち着いてください!特にヘルメス様とヘスティア様。あなたたち神は、ダンジョンに入ることが禁止事項なんですから!」

 

 バレないように注意する。

 その警告にヘスティアは「ご、ごめんよアスフィ君。」と謝るが、ヘルメスは気にしていないのかヘラヘラして

 

 「別にいいだろ、アスフィ。なんせ死ぬかもしれなかった問題(トラブル)がたくさんあったけど無事ベル君達のおかげで難なく乗り越えられたじゃないか。」

 

 そう高らかに叫ぶがアスフィは納得してないのか小さい声で

 

 「もとはと言えばほとんどヘルメス様が原因じゃないですか。

 「まあいいじゃないか。それに面白いものが見れただろう。

 

 そう納得させようとするが不満なのかヘルメスを睨みつけるアスフィ。

 それを気にも留めず出口へ向かうヘルメスだが、

 

 ドゴッ

 

 という音と同時に壁にめり込んだ。

 

 「そぉーですよぉーヘルメス様ぁー。騒がしぃとぉー周りに迷惑じゃぁないですかぁ。」

 

 急な音とヘルメスの現状に驚く一同。

 その言葉と同時に現れた人物に警戒したのか武器を構える。

 

 「ああ自己紹介がまだでしたね。」

 「初めまして、私冥王ハデス様の第一補佐官、ソヴァローと申します。」

 

 ペコリと礼をしながら自分の自己紹介をするソヴァロー。

 耳に入ってないのか、まだ武器を構え続ける冒険者たち。

 

 「冥王?」

 「まさか貴様、闇組織(イヴィルス)か!?」

 

 唯一レベルが高いアスフィと疾風(リュー)はそれぞれ驚きの表情を表す。

 特にリューは因縁深い相手を思い出し睨みつける。

 

 「安心してください。私はあなたが思うような人ではありません。」

 「むしろ、あなたたちの味方ですよ。」

 「あなた、何を言って「それより縄や紐はありませんか?このバカを逃がしたくないので。」

 

 しかし、ヘルメスは一瞬の隙をついて逃げ出す。

 

 「な!?おい待tドゴンッ

 

 さらに大きな騒音とともにめり込むヘルメス。

 そこには金棒を持った鬼灯が鬼の形相で佇んでいた。

 

 「鬼灯様!申し訳ございません。お怪我はありませんか?」

 「ご心配なく。それにこれが例の…」

 「はい、こいつが例のヘルメス(バカ)です。」

 

 なんとかヘルメスを縛り上げる二人。それを見ていたアスフィは

 

 「あ、あなたたち何してるの?」

 「何ってこいつを天界に連れていくだけですけど。」

 「「「な!?」」」

 

 ソヴァローの発言にまた驚く一同。それに納得できないのかアスフィは

 

 「待ちなさい!あなたたちはいったい何者か説明しなさい!」

 

 そう叫ぶが気にしていないのか黙って縛り続ける二人組。

 そして縛り終わったのか馬車に乗せるソヴァローたち。

 

 「では私はこれで。こいつ送り終わったらまた来ますね。」

 「お気をつけて。」

 「待ちなさい!」

 

 天界に連れて行こうとするソヴァローに掴まるアスフィ。

 

 「何か用ですか。用がないなら早く降りてください。危ないですよ。」

 「あなたいきなり何なんですか!急にやってきてヘルメス様を天界へ連れていく?私達にも分かりやすく説明しなさい!」

 「わかりましたから、馬車を揺らさないでください。馬たちがこわがってます。」

 

 ガタンゴトンと揺らしながら訴えるアスフィに根負けしたのか仕方なく説明するソヴァロー。

 

 「まず質問ですがこいつ(ヘルメス)が何の神かあなたは知っていますか?」

 「いえ、旅が趣味としか聞いてません。」 

 「そうですか。」

 

 アスフィの回答にため息を吐くソヴァロー。

 

 「たしかにこいつは旅人を守護する神でもあります。」

 「しかし、こいつは死者を案内する神でもあるんですよ。」

 「な!?そんな話一度も聞いてません!」

 

 突然の言葉に驚きながらも説明を聞いていく。

 

 「確かにデメテル様のように下界へ降りても自分の司る神性に合わせて農業等をやる所があります。」

 

 そう言いながらヘルメスを踏みつけるソヴァロー。

 

 「けどほとんどの神は自分の仕事を放棄して暇だからという意味不明なこと言って下界に降りる神が多いんですよ!」

 

 ドゴォ

 

 「こいつのようにな!」と言いながらヘルメスに蹴りを入れる。

 

 「今天界は人手不足になっています。それに、こいつみたいに死者を迎える神の代わりは多くありません。」

 「ですから、どんな理由があろうと連れていきます。」

 

 そういうとまた馬車に乗り、ヘルメスを連れて行こうとする。

 

 「ま、待って!もしヘルメス様を天界へ連れてったら私達の恩恵はどうなるの!?」

 「それなら心配ありません。ヘスティア様!確かアテナ様からの書類届いている筈ですが確認していますか?」

 

 その言葉を聞いたヘスティアは「あ、やべ。」という顔になるが誤魔化しながらもOKサインを出す。

 それを確認したソヴァローは

 

 「じゃあ詳しい事はヘスティア様に聞いてください。おそらく届いている書類に詳しいことがありますので。」

 「もし分からない事や聞きたいことがあったらこの道具を使ってください。」

 

 そう言いながら道具を渡すソヴァロー。

 

 「では私はこれで。鬼灯様、もしよろしければ必要なもの等持ってきますがどうしますか?」

 「いえ、私は特に。ハデス様によろしく伝えておいてください。」

 

 そういうとソヴァローは馬車に乗り去っていった。

 

 冒険者たちは緊張が解けたのか、そこにへたり込む。

 

 しかし彼らは気付かなかった。今起きたことはこれから起きる悲劇の序章に過ぎないことを。




 この小説のオリジナル設定を説明していきます。
 オリュンポスの十二神の主神は実際はゼウスですが、いなくなった神の代わりにいまはアテナが主神となっております。
 あとオリ主はキレると中川状態になります。
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