ダンジョンに鬼神がいるのは間違っているだろうか。 作:田中ゲリラ
それでは第12話どうぞ。
「まずは初めましてですね。」
「私、閻魔大王第一補佐官の鬼灯と申します。」
そう自己紹介をする鬼灯にまだ警戒する
その警戒を解こうとしたのか後ろにいた芥子が陽気な声で話をする。
「大丈夫ですよ。この人はそんなに怖い人じゃありませんよ。」
「この人たちよりは信頼できますから。」
そういいながらペシペシと倒れている冒険者を叩く芥子。
敵でないことが分かったのか一体の
「あ、ありがとな。オレっちたちを助けてくれて。」
「そういえばまだ名前言ってなかったな。俺の名はリド。
「初めまして。」
そう言いながら握手をする二人。
するとリドは鬼灯がなぜ自分たちを前に冷静になっているのか疑問に思い質問していく。
「なあ、なぜオレっちたちを見て驚かないんだ?」
「それは、まあ馴れですかね。」
「馴れ?」
「おい待てリド!」
そう話していると1体の
「グロス…」
「こいつは怪しすぎる!信用してはならん!」
「だがこの人はオレっちたちを助けてくれたんだぞ。」
「だからと言って、今会った奴なんかを信用してなるか!」
言い争っている二人組。
それを見ていた鬼灯はどうしようかと悩んでいるとシロが、
「ねえねえ鬼灯様!このおっさん変なの持ってるよ!」
そう言いながら丸いものを咥えてきた。
「これは、目玉?ですか。」
鬼灯はついた涎を拭きながら確認する。
それを懐にしまい、改めてモンスターの方へ向く。
グロスは興奮した状態で鬼灯に問い詰める。
「貴様に問う!なぜ我々を助けた!まさか貴様も我々を襲ってきた奴らの仲間ではないだろうな!」
「いえ、特に理由はありません。」
そう問い詰めるが鬼灯は淡々とした態度で答える。
「そうですね。助けた理由はありませんが、あなた方に会いに来た理由でしたらありますね。」
それを聞いたモンスターたちは驚きながらも警戒を始める。
「その、会いに来た理由てのは一体何なんだ?」
「そうですね、それよりもっ!」
そう言いながら鬼灯は金棒を後ろの方へ投げ、
ドガッ
という音と「フガッ」という声と一緒にローブで姿を隠した人物が現れる。
「ふぇ、フェルズ!」
「お知り合いですか?」
思いもしない人物に驚いたリドであったが、鬼灯に何者か聞かれ答えていく。
「こいつの名はフェルズ。よく俺たちの手助けてをしてくれるんだ。」
そう聞き鬼灯はフェルズの所へ歩いていく。
「初めましてフェルズさん。私、閻魔大王第一補佐官の鬼灯と申します。」
そう挨拶する鬼灯。だが内心は穏やかではなく、
「ていうかあなたずっと私達の跡をつけていましたよね。どういうつもりですか?」
鬼灯はフェルズの首を掴み、持ち上げる。
「ま、待ってくれ、別に貴様らに敵意があってやったわけじゃない!だから下ろしてくれ!」
「た、頼む鬼灯っちこいつを下ろしてくれ!こいつは悪い奴じゃない!」
「はあ。」
それを聞いた鬼灯はため息を吐きながもフェルズを下ろす。
「しかし何故私達をつけたんですか?」
フェルズは息を整えながらも今回のことについて説明していく。
「それはウラノスに頼まれたからだ。」
「ウラノス様?」
「実はウラノスから地獄から怪しいやつらがきたから監視して欲しいと言われたんだ。」
「怪しい?」
それを聞いた鬼灯は金棒を肩にかけながらフェルズに近づく。
「私の一体どこをどう見たら怪しいんですかね?」
眉間に皺を寄せながら近づいてくる鬼灯。
それにビビったのかフェルズはなんとか抑えようと弁解しようとする。
「べ、別に疑っているわけではない!ただ知らないやつがいたから調査してくれって意味だ!」
それを聞いた鬼灯は渋々金棒を下ろす。
鬼灯は新しい人物が現れたのでまた説明を始めた。
「まず、私達がここに来た理由はあなた方を地獄へ紹介するためです。」
「「「!?」」」
鬼灯の言葉に驚くフェルズとモンスターたち。
その言葉にいち早く反応したのは
「貴様!やはり我が同胞達を辱めるために来たのか!」
その言葉と同時に目つきが鋭くなるモンスター達。
中には威嚇するものや牙を向けるもの達もいる。
鬼灯はそのに様子に落ち着いた口調で話していく。
「別にそういう意味ではないですよ。」
「ただ、皆さん地獄で働くことに興味はありませんか?」
「働く?だと…」
その言葉にまた驚くモンスター達。
「『働く』って地上の人間たちが毎日やっているあのことか?」
「そうですね。毎日ってわけではないですけどね。」
「いや毎日か?」そう悩んでいる鬼灯にリドはなぜ自分たちが働くのかについて尋ねる。
「つまり、あんたらはオレっちらを地獄で働かせるために来たってことでいいのか?」
「無理矢理ではありませんよ。」
「ただ、あなたたちが働いてみたいのでしたら我々獄卒による説明会を実施致しますので是非参加してみてください。」
そう言いながら鬼灯は
渡された資料を見る
「そういえばこの人たちは誰かわかりますか?」
「ああ、おそらくだが
「こいつらの後始末は我々に任せてくれ。」
「ありがとうございます。」
フェルズの言葉を聞き立ち去ろうとする鬼灯。すると、
「ま、待ってくれ。もしその地獄で働いたらさ、オレっちらも地上に過ごせることができるのか?」
「おいリド!」
「待ってくれグロス!なあ鬼灯っち答えてくれ。俺たちは地上で暮らすことが夢がなんだ!」
そう大きな声で話すリド。他のモンスター達も気になっていたのか頷いていく。
「そうですね、何とも言えませんが『できる』とは言い切れませんね。」
「!?やっぱりそうなのか。」
そう聞いたリドはやはりと思い落胆する。
すると鬼灯は
「今地獄は人手不足の状態なので仕事以外の理由で下界にはあまり行けない状態です。」
「もし下界へ行くとするなら上司と一緒に視察する体で行くくらいですね。」
そう説明する。
それを聞いたモンスター達は面を食らった表情になる。
「い、行けるのか、オレっちらでも地上に。」
「そうですね。地獄の人手不足が解消されれば問題ありません。」
「本当か!」
そう言い喜び始めるモンスター達。
しかし、不安を持つモンスター達もやはりいて、
「お前ら落ち着け!こいつの言葉に惑わされるな!」
「おい貴様!」
そう言い鬼灯に指を差すグロス。
「貴様は本当に今言ったことを実現できるのか!まさか体のいい事だけを言って我々を奴隷のようにこき使うつもりではないだろうな。」
「そんなつもりはありません。」
「人手不足だからと言って無賃労働させたりサービス残業はありません。」
「ザン、ギョウ?」
「詳しいことはさっき言ったように説明会がありますのでそれに参加してください。」
「では私はこれで。」と言い立ち去る鬼灯。
鬼灯たちを見送ったリドたちは鬼灯の言葉に悩み始めるモンスターたち。
すると一体の
「リド、もしあなたが悩んでいるのでしたら行ってみたらどうでしょうか?」
「レイ。」
レイは優しい声色と表情でリドに話しかける。
「あなたが悩んでいる理由は私達が原因ですよね。」
「な!?」
「あなたは長い間私達のために頑張ってくれました。困っていた同胞がいたら助け、私たちがピンチの時も助けてくれました。」
「だからあなたはリーダーである自分から鬼灯様の言葉に乗ってはいけないと思ったのでしょう。」
「けどここにいる同胞の中にあなたを責める者はいませんよ。」
そう聞くと周りを見回すリド。
その中には責めるような目で見る者はいなかった。
「みんな、ありがおお゛。」
そう言い目に涙を浮かべるリド。
「だがそう簡単に信用していいのか。もし罠だったらどうするつもりだ。」
「もし罠でしたら、我々が力を合わせて対処すればいいだけの話です。」
グロスの疑問に問題と言わんばかりのレイ。
どうやらモンスターの間に答えが決まりそうなときにフェルズは
「ああウラノス、もしかしたらモンスターと人間たちの共存は近いかもしれないぞ。」
ないはずの瞳から涙が流れるのを感じた。
鬼灯様が優しい?
大丈夫次回はいつもの鬼灯様だから。