はたらく転生者! ~転生先が少しおかしい!?~   作:雄大

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第1話 転生者、出会う

俺がはたらく魔王さま!の世界に転生してから5ヶ月はたった。

俺はあの魔王が働いていたマグロナルド幡ヶ谷駅前店にて絶賛バイト中である。

俺は別世界の人間だ。だからいきなり人生を十九歳から始めて戸籍とか大丈夫なのか? と思ったが、あの女神の仕業なのか、というかそうなのだろうが、保険証やら戸籍やら最低限の家具やらDVDレンタルトツヤの会員カードまでとこの世界で生きていくた為に必要な物が充分に揃っていた。

しかしあのクソ女神、肝心なことを忘れていやがった。 金がないのである。だからバイトするしかなかった。

そしてバイトするならばどうせなら原作で魔王が働いていた

マグロナルドにしようと思ったのだ。

 

「うし! ポテト揚がった!」

 

俺はポテトを揚げていると、

 

「おい、京君」

 

と洗礼されたような綺麗な声が俺を呼んだ。

見るとそこには我らが店長木崎真弓さんがいた。

いやーこうしてみると本当美人だわ。

あ、ちなみに京君は職場でのあだ名ね。

 

「どうしましたか、店長?」

 

「木崎さんと呼びなさい、木崎さんと」

 

「え、ああはい。すいません木崎さん」

 

「ふふ、まあいいんだけどね。なんか君を呼ぶお客様がいるのだが」

 

「俺を?」

 

いったい誰だろうか? 俺と親しい人はこの世界に転生してから悲しいことにこのマグロナルドの店員達以外にいない。他に知り合いがいるとすれば謎の大家ぐらいだ。

レジカウンターにいくと、そこには女性がいた。

女性の顔は帽子を深く被っていてよく見えない。

怪しさがもう半端ないが、お客様は神様だ。無論あの女神より格上の。

丁寧に対応をする。

 

「遅くなり申し訳ございません。どのようなご用件でしょうか?」

 

俺が得意の営業スマイルをすると女性はニヤリと口角をつり上げる。

 

「こちらの世界での生活にはもう慣れたようですね」

 

「え!?」

 

ちょっ、何この人中二病? と普通ならばそう思うだうが俺にはこの女性が本気で言っているということがわかる。

なんせ俺は転生者だ。

 

「アンタもしかしてあの女神の関係者?」

 

「ええ、まあそんなところです。それよりも時期的にソロソロですよ」

 

「なにがっすか?」

 

「原作介入です。明日には魔王ちゃん(・ ・ ・ ・ ・ )が来ますよ。あ、あとシェイクください」

 

まじか…… ついにあの魔王が魔界から来るのか……

俺は女性にシェイクを渡し少し考える。

魔王とそれと部下の芦屋をどうするか。やはりせっかく二次元の世界に来たわけだし、チート能力も持ったし原作介入しなきゃもったいないか。

ん? そういやあの女、魔王の事をちゃんづけで呼んでたような……?

 

「こら、京君、何ボケッとしてる」

 

「イデッ」

 

俺は後頭部に木崎さんのチョップを喰らった。

地味にいてぇ……。

 

 

★魔王side

 

う~、酷い目にあったわ…… 勇者…… いや、あの(あま)絶対に許さないわ!

 

「魔王様、お待ちください!」

クヤクショでコセキを作り上げイライラしながらも歩く私を追いかける部下がいた。

部下の名前はアルシエル。私…… じゃなくて我が部下悪魔大元帥の一人だ。

その強靭な肉体にはどんな攻撃をも受け止め、我も本気を出さなければ傷を与えることができないだろう。

しかし今やその男は……

 

「うわっ! い、痛い!」

 

何もない道を転び顔面から地面に打ち付けられたアルシエルは苦痛を味わいしゃがみこむ。

 

「はあ…… どうしてこんなことに……」

 

我は自身の体が写った水溜まりを見てため息をつく。

綺麗で細く弱々しい手と足、真っ白でシミ一つない顔、長い黒髪、愛らしいバッチリとした目…… てっ、なんか自画自賛してるみたいになっちゃったけど…… 我はこの姿を嬉しいなどと思ってはいない。(胸もなんか小さいし)

かつて我は誰もが恐れる屈強な姿をした魔界の王だった

(胸もデカいし)。

それがあの勇者に負け、この別の世界に逃げ込んだせいで、我の体はこの可愛らしい…… じゃない。この弱々しい人間になってしまった。

アルシエルも同様だ。

このまま人間として生きていく? いや、そんなのは認めない。

我はこの世界で、先程作った偽りの名、真奥佐奈江を使い密かに魔力を手に入れ我はエンテ・イスラどころかこの世界も手に入れてやる!

 

「うわ! 魔王様大変です! ワタクシの鼻から鮮血が!」

 

鼻血を出すという初体験をしたアルシエルこと芦屋四朗を見て我は不安な気持ちになった。

 

 

★京助side

 

「本当によろしいのですか?」

 

不動産屋のおっさんが驚いた顔で俺に聞いてくる。

「ええ、良いですよその外人さんを俺の部屋に住まわせても」

 

俺は不動産屋に行き自称外国人である魔王達が住むための部屋を探していないのかを聞きに行っていた。

そしたら案の定、魔王は不動産屋の別の社員と共に物件を探しているらしい。

というわけで俺はその外人達(笑)をタダで住まわせてやると言ったのだ。まあ、家賃は俺が払うが。

しかし見知らぬ外人の為にタダでさえ狭い部屋を更に狭くする行為をしている俺に不動産屋のおっさんは奇異を見る目でいる。

が、特に断る理由もないので不動産屋のおっさんは他の社員に連絡をつけた。

 

「じゃあ行って来ますよ」

 

俺は不動産屋のおっさんに会釈し、魔王達のもとに向かった。

もう今すぐにあの魔王に会いたい俺は特典で得た身体能力をフルで使い超高速で走った。

五分もしない内に我が家の前についた。

我が家のすぐ近くでは変な格好をした二人組と不動産屋の人がいた。

よし、いたな~。あの長身が芦屋だな? てことはもう一人が魔…… おぅ!?

俺に気づいたのか芦屋ではない方が振り向く、すると俺と目があった。

そいつは確かに原作で読んだ通りの格好をした人物が立っていたが、何かが違った。

なんか妙に長い髪に愛らしい顔立ちに貧相ではあるが少しだけ見える胸の膨らみ、って、どっから見ても女やん! どいうこと!? 間違えた!?

 

「あの……」

 

俺があまりの驚きに面食らっていると魔王? が話しかけてきた。

 

「な、なんすかぁ?」

 

うわ、ビックリしすぎて裏声になっちゃったよ。

「この家の方ですか?」

 

「は、はい」

 

魔王? は何やらモジモジとし、少し迷った様子を見せながらも言った。

 

「この家に住んでもよろしいのでしょうか……」

 

大変な目にあったのかほんのり涙目の上目使いで俺に聞いてくる。

勿論……

 

「良いですよ! むしろ住んでください!」

 

可愛いは…… 正義!




神埼京助の設定

京助の父親は生まれる前に事故で死んでしまい母子家庭で育った。京助の父親は外人だったらしく、その遺伝から髪は金髪で顔立ちも中々のイケメン。結構モテている。(本人は鈍感なので気づいてはいない)
はたらく魔王さま! は友達に薦められるまで知らなかった。
原作知識は三巻を読み終えた後に死んでしまったので三巻分の知識しかない。
この世界に来てからはマグロナルドで働き店長木崎から仕事のできぶりから信頼されバイトから正社員になるという異例のスピード出世を果たした。


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