すごく強い魔術師がホグワーツにやってくるので、『ハリーポッター』は賢者の石で完結します。   作:味なしコンフレーク

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最終回です。
最後まで読んで下さってありがとうございました。


最終章『すごく強い魔術師がホグワーツにやってくるので『ハリーポッター』は賢者の石で完結しました。』

 「本日は晴天。絶好のスポーツ日和だな」

「クィディッチかぁ・・・思い出すなぁ。幼い頃、両親にワールドカップの試合に連れて行ってもらった・・・豊橋天狗 対 ゴロドク・ガーゴイルズ戦だ」

「それなら俺も見た。勝利こそ出来なかったけど、良い試合だった」

「でも、俺、あの試合でギャン泣きしたんだよ」

「そりゃまたどうして?」

「豊橋天狗チームが試合が終わった後に『なまはげ』みたいな格好で踊りながら、自分達の箒を焼き払っていたのが怖くて・・・」

「・・・」

ヴォルデモートとの戦いが終わった数日後。ホグワーツではクィディッチ・シーズンが到来した。箒を使う魔法界の球技『クィディッチ』の寮対抗試合は、ホグワーツのビッグイベントの一つである。

今日一番の目玉はなんといっても、『1年生は箒の持ち込みもクィディッチチームへの参加も禁止されている』という規則がありながら、特例としてクィディッチの花形ポジション『シーカー』となったハリーだろう。

「お」

「あ、晴海ちゃん」

スタジアムの入り口には晴海が一人ポツンと立っていた。

「・・・俺、席取っておくぜ、辰水」

レスリーが気を利かせてくれて先にスタジアムに向かったあと、晴海はチラッとこっちを見た。

「・・・ありがとう」

「礼を言われるようなことはしていない。俺の帰国命令も撤回してくれたし」

「だって貴方が来てくれなかったら、私、今頃死んでいた」と晴海「自分の実力を過大評価していたのよ。全く・・・魔力切れだなんて、一級が聞いて呆れるわ」

「・・・聞いたよ。準一級に降格したって」

「・・・不思議な気分よ。敵討ちは自分でできなかったし、復讐したかった相手は満足げに死んでいくし・・・一言で言うなら悔しいって感じ?」

「・・・」

「でも、いつまでもくよくよしていられないわ」と晴海「これからは復讐以外のことを考えて生きていかなきゃ」

「落ち込んでいないようで安心したよ」

 

『さて、クアッフルはたちまちグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソンが取りました!』

 

その時、スタジアムから実況放送が聞こえてきた。

「試合が始まったようだ・・・行こうぜ」

「・・・えぇ」

 

 

その後、ハリーはシーカーとして立派に活躍し、グリフィンドールチームを勝利に導いた。

ドンチャン騒ぎを背に、辰水は一人、寮を後にした。

「こんにちは、梟子先生。実家から一足早いクリスマスプレゼントが届いたので先生と飲もうかと思って」

梟子先生に焼酎瓶を差し出すと、梟子先生は苦笑い。

「今の私がお酒を飲んだら果たして未成年飲酒になるのでしょうか・・・?」

「細かいことは気にしなくて良いと思う。俺はまだ17だから1杯だけで我慢するけど」

「一杯でもダメです」

「じゃあ、乾杯だけ」

部屋に入れてもらい、用意されたグラス二つに焼酎を注いだ。

「グリフィンドールに乾杯」

「乾杯」

グラスをカチンと鳴らし、梟子先生はグイッと飲んだ。

「美味しい・・・」

「結構高いやつをくれって言ったからな」

「あまりご両親を困らせてはいけませんよ」

「分かっているよ、梟子先生。貴方の言うことは聞いておいた方が得するってよーく理解したから」

「・・・感謝します、辰水」

「ん?いきなりどうした?」

「貴方のおかげで、英国魔法界に真の平和が訪れました。巨悪は去り、残党もいずれ闇祓いによって捕まるでしょう・・・」

「う〜ん、それはどうかなぁ?」

「え?」

「俺はあくまで悪人の一人を叩いただけに過ぎない。でも、それが真の平和に繋がるかというと・・・ちょっと違うかなーって思う。善人が悪人になることだってあるし、そもそも対立しているだけで、本当のところは『正義』と『正義』のぶつかり合いかもしれないし。考え出したらキリがないけど、なんにせよ、今ある平和は仮初めに過ぎない。それが現実だ」

「・・・そうですね」

「まぁ、ヴォルデモートを野放しにしていたら誰かが死んでいたかもしれなかったから・・・まぁ、ちょっとは役に立てたかな」

「ちょっとってレベルじゃないと思うのですが・・・」

「寧ろありがとうは俺のセリフだよ。ありがとう、梟子先生。晴海とも仲直りできたし、俺を信頼してくれたから、任務も達成できた」

「・・・それって」

「クリスマス休暇で、俺は日本に帰ろうと思う。ユースタスだって最後はホグワーツで過ごしたいだろうし・・・英雄の凱旋ってやつ?」

「!・・・そう、ですか。寂しくなりますね」

「はい。俺も寂しいです。だから文通(メール)しましょう」

「メー、メール!?・・・で、でも、わたし、貴方が使う機械は持ってないわよ?」

「大丈夫です。それも親に頼んで買ってもらいました」

「あ、あなたねぇ・・・」

「大丈夫です!こっちはちゃんとあとでお金を親に返しますから・・・母親には彼女なんじゃないかって疑われちゃいましたけどね」

「か、かのっ!?///」

「まぁ、そこら辺は『追々』ということで、受け取ってください」

辰水はモバイルフォンが入った箱を差し出した。

「(オイオイって日本語かしら?)・・・私、体は峰狛梟子(まじゅつし)だけど、中身は生粋の魔女(ミネルバ・マグゴナガル)よ?マグルの機械なんか渡されても・・・」

「大丈夫。帰るまでにちゃんとやり方教えるから。俺、女の子の友達とか梟子先生がはじめてなんだよ!お願い、このとうり!!」

「・・・もう、しょうがないですね」

 

 

 




–––25年後・・・。
スマホをタップしながら、嬉しそうに顔を綻ばせる女性。
「ただいまー」
そこへ小学校を終えた娘が帰ってきた。
「お帰りなさい、流歌。ちゃんと手洗いうがいは忘れずに。良いですね?」
「はーい・・・お父さんが帰ってくるの?」
「あら・・・どうして分かったの?」
「分かるよー。お母さんが苦手なLANEをしながら笑顔になる相手は一人しかいないもの」
「・・・そうかもしれないわね」
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