鍋の庭   作:かりん

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チートな企業がやってきた

 

「ついでにこれから向こうのお店を巡る予定なんですけど、一緒に来ます? 女子供ばかりだと不安だなって」

「是非! 今、メンバーを集めてきます! ゲームのデータ取りの為に武術家に来ていただいてるんです!」

 

 ということで、上司の坂田さん、武術家の田中さん、イラストレーターの柚木さんに来てもらうこととなった。

 

「ようこそ、人魚に祝福された港都市、マーメイドへ」

 

 ガルーが気取って礼をする。

 

「じゃあ、まずは市を見て回ろうぜ」

「ちょっと待ってください! あっち見て回りましょう! あっち!」

 

 イラストレーターさんが指差す先には、いくつも飛行蟲が漂っていた。

 飛行蟲かぁ……。

 

「大丈夫? ドラグス」

「大丈夫。むしろ卵を買っていきたい」

「見ていくだけだからね」

 

 そうして断りを入れて、飛行蟲を近くで見る。

 ふええ。やっぱ飛行船がわりに使われてるだけあって凄いな。迫力がある。

 騎竜とかはあるのだが、この世界では、内部に乗れる飛行蟲の方がメジャーなのである。

 蟲人がその力を結集して改造した、自然にはあり得ない内部に搭乗できる蟲。それが飛行蟲である。

 ただし、意思疎通に蟲人が必要なので、部品化されて売られている。

 世紀の大発明が自らの種族を破滅に追い込むとは、皮肉である。

 

「んー、手が出る金額でもないし、次に行きましょ」

 

 果物や魔具、服を色々と見て回る。

 坂田さん達は上着やライターを売っていくつか買っていた。

 夢中で見て回る、もう日暮れとなっていた。

 坂田さん達を無事届けると、もう日暮れとなっていた。

 お昼食いっぱぐれたな。

 お腹を壊すと嫌なので、ちょっと良い感じの店に入って銀貨を人数分だし、食事にする。

 楽しい食事が終わると、坂田さん達を返して帰宅した。

 

「予定は全然終わらなかったけど、これで買い物できるわね?」

 

 皆が頷いたのを確認し、私は声を張り上げた。

 

「じゃあ、予算発表ー!」

「「「「「「おおー!」」」」」

 

「まず、共通費! 主に食費ね。 一ヶ月10万円、金貨10枚、魔女金貨10枚! これで全てやりくりして下さい! 一ヶ月交代の当番制ね! 最初はウィズにお願いしようかな。困ったら相談して、後、買い物は武兎と行ってね。余ったら共通費貯金箱を作るから、そこに入れておいて」

「7人で金貨10枚は大分きついな」

「上手く向こうとこっちの食材をブレンドして、どうにかといった感じですね」

「共通研究費! 一ヶ月20万円、金貨20枚、魔女金貨20枚。料理や皆でやる魔法の研究とかね。これも余ったら以下略」

「個人研究費! 一ヶ月10万円、金貨10枚、魔女金貨10枚。ただし、使い道は必ず書類にすること!」

「お小遣い! 一ヶ月5万円、金貨5枚、魔女金貨5枚」

「支度金! 一人30万、金貨30枚、魔女金貨30枚!」

「おおおおおおー!」

「かなりもらえる」

「これは確かに三ヶ月で消える」

「ここまで権利! なお、支度金除き月経費は家賃含め280万、ただし魔女金貨は除く! 次、義務!」

 

 それに、皆が身構える。

 

「月、50万円の利益をあげて上納すること! ただし、最初の2ヶ月は免除とします」

「「「「「「ええー! 高!!」」」」」」

「でも、費用とか貯金していくことを考えると、トントンよ? ちなみに金貨はざっくり一万円換算とします。異世界組は、坂田さんが取材費と案内費で一人10万円払ってくれるって話だし、そこから始めたら?」

「本当にとんとん過ぎて税金対応できないんじゃないですか?」

「あ、そっか」

「目標は大きく、月100万にしましょう。日本の税金は高いと聞きますし、個人研究費は仕事の費用でしょう? 食住を出してもらうにしても、給料10万ならボーナスは欲しいです。僕だって携帯欲しい」

「ごもっともです」

 

 全くウィズはしっかりしている。

 

「助手さんもいるし、心配しないで仕事の引き継ぎ頑張ってください、魔女様」

「お、おう」

 

 それから、私は二週間、頑張って仕事の引き継ぎをした。会社の設立手続きも並行して二週間で終わった。

 ウィズのご飯美味いです。

 引き継ぎも無事終わり、有給を取れたので、拠点の引っ越し作業をする。翌日は昼までぐっすり昼まで眠った。その後はおめかしして取材の人を受け入れである。

 温室や教室を楽しそうにバシバシ写真を撮っていく。

 二週間は部屋を整えつつ休んじゃおうかな。支度金制度は私と助手にも有効。

 いつの間にやら、新品のパソコンと携帯、アイパッドがカウンターに並んでいるし。

 私も失ったパソコンを再度買おうかな。

 そう考えながら、取材の人に答えていく。

 

「アニメ化とゲーム化する? 私達を?」

「ええ、改変はさせてもらいますが。取材協力として名前を出します他、製品の宣伝もさせていただきます。それと、売上の一部を蟲人とその伝統芸能の保護に使いたいと思います。具体的には奴隷の買取と日本での保護、バグズパークの運営ですね」

「それは……とても意義ある活動だと思います。私達でよければお使いください。あ、でも私は大魔女らしくおばあちゃんにしてください」

「ありがとうございます! つきましては、チケットをください。できれば、時間指定ではなく、行き来できるタイプがいいです」

「わかりました」

「後、日本政府がウィズ君筆頭にお弟子さん達の処遇についてお話があるそうです」

「わかりました……」

「悪いようにはしないそうなので」

 

 取材の後、やってきた冴木さんという人に、活動の事前申請のお願いをされた。

 融通は効かせるけど、勝手に動くなということである。

 面倒だが、その代わりウィズ君の事を秘密裏にどうにかしてくれるらしい。

 具体的には、弟子みんな、私の養子になるとのこと。

 5人の子持ち……ええいやってやろうじゃない!

 後、税金はチケットで支払っても良いらしい。むしろチケットのみで受け入れるらしい。

 マジで!? チケットの金額換算が高いので、コスパ最強である。喜んで払います!!

 

 こうして、修行の前に修行をモデルにしたアニメが先行するという変な事態になったのだった。

 

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