呪い、呪われ   作:ベリアロク

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感想何件かいただいているのに返信できず申し訳ない。ちらっと見た時にネタバレらしきものが見えたため感想欄が開けていない状態です。作者は単行本勢なので早くとも次巻が発売されるまでは感想が返信できないかもしれませんがご了承ください。また今後は本誌ネタバレの方は避けていただけると幸いです。


第10話 カウントダウン

 

「待ってたぜ皆! かっこいいじゃあないか!」

 

 

日光が照らす市街地『グラウンドβ』に立つ生徒らを見てオールマイトは腕を突きだしグッと親指を立てる。生徒らは全身を鉄鎧で覆ったものから肌を大きく見せるものまで多種多様な装いを身に纏い、太陽という名のスポットライトに照らされた姿はまさに『ヒーローの卵』と形容するに値するものだった。

 

 

 

「まさに十人十色! 憧れのコスチュームを着た感想はどうかな?」

 

「メッチャ感激っス! いよいよだなって改めて思うぜ!」

 

「俺のはただの柔道着だし……あんま実感わかないかな」

 

「すじこ!」

 

「えっと……褒めてくれてるのかな?」

 

「似合ってるってさ」

 

「あはは……ありがとね」

 

「ウチのは憧れのイメージに普段着のイメージを加えたみたいな感じだけど中々いい感じ! 麗日はその、かなり攻めてるね……」

 

「いや~サイズミスってパツンパツンになってしまいました……サイズ変更とか出来るかなぁ」

 

 

各々が思い描いていた装いを身に付ける中麗日だけは恥じらいを見せる。麗日の纏うコスチュームは宇宙服のようなデザインであるが体格を隠す宇宙服とは対照的に体のラインが露わになっていた。

 

 

「それならば後日サポート科の方に顔を出すと良い。装備改良ならともかくサイズ変更程度なら入学してすぐの今でも問題無いだろう」

 

「融通が利かないようでしたら私にお任せを。家の者がサポート出来ると思いますから」

 

「そうそう! 俺に頼ってもいいぜ? この俺がその麗らかボディを……」

 

「黙ってろカス」

 

「ヒンッ⁉」

 

「下手な真似してみろ……あとは、わかるよな?」

 

 

麗日を見て鼻息を荒くする峰田を真希が文字通り足蹴にする。レンズ越しに見える彼女の凍てつく眼光に晒された峰田は下手に反抗すれば死ぬ、そう確信し地に伏せガタガタと身体を震わせるだけで動こうとしなかった。

 

 

「はいはいストップ! 足をどけなさい禪院少女!」

 

「そうだぞ真希。峰田が可哀そうじゃん。キモイのわかるけど」

 

「わーってるよ。――ただコイツの目が気に入らなかったんでな」

 

「ひぃぃ……おっかねぇよ」

 

「峰田少年もだぞ。君たちはヒーローの卵であることに加え高校生だ、言動には気をつけるように」

 

「お、おっす……」

 

「まったく……仲良くするんだぞ。して乙骨少年はどうした? 教室では禪院少女たちと居たと思うんだが」

 

「憂太ならすぐ来るから気にしないでくれ。トイレにでも行ってるんだろうさ」

 

「しゃけしゃけ」

 

「そういうことだ。時間が勿体ねぇから話を進めてくれオールマイト」

 

「むぅ……確かに時間が勿体ないな。よし! では今回の戦闘訓練の説明を始めよう!」

 

 

オールマイトはどこからか端末を取り出し、宙に一枚の画像を映し出す。

そこには4階建ての小型ビルの断面図が表示されていた。

 

 

「今回の訓練は対人戦闘訓練!敵退治は主に屋外で行われるが凶悪な敵に関しては屋内の方が現れることが多い。これは統計で出ている確かな情報だ」

 

「真に小賢しい敵は屋内(やみ)に潜む……ということですわね」

 

「その通りだ八百万少女!これから君たちにはヒーローと敵の2チームに分かれ2対2の屋内戦を行ってもらう!」

 

 

オールマイトは生徒らに告げると手元の端末を操作し、映し出す画像を更新する。

先ほどは訓練の地形の紹介だったが今度のものは文章がつらつらと並べられていた。

内容を要約すると以下のとおりである。

 

 

・状況設定は『敵』がアジトに『核』を隠しており『ヒーロー』がそれを対処しようとしている

 

・ヒーロー側の勝利条件は制限時間内に『敵』の確保か敵が屋内に隠している『核』を回収。

 

・敵側の勝利条件は制限時間まで『核』を守り切るか『ヒーロー』の確保。

 

 

しばらく時間を取り、皆が見終えたと判断したオールマイトは手元の端末を操作し映像を停止し端末を懐へとしまい生徒の方へと向き直す。

 

 

「見終わったかな? では皆気になるコンビ及び対戦相手の決め方だが……これだ!」

 

「これって……くじ引き?」

 

「適当に決めてしまうのですか⁉ もっと能力や関係などデータを参考に決めていくべきでは……」

 

「プロは急造チームアップとかするんだろ? 街中見てても同じ事務所の奴らで固まって対処出来てる時の方が少なく感じるけどな俺」

 

「パンダ君の意見に僕も賛成だよ。そういったことを見据えてのくじ引きなんじゃないかな?」

 

「成程二人の言うことも一理あるな……失礼いたしました!!」

 

「いいよ!! 早くやろ!!」

 

 

オールマイトに言われるがまま皆くじを引いていく。一般的な学校のクラスならともかく20人しかいないA組においてくじ引きに大した時間がかかることもなく最終尾に並んでいたパンダがくじを引きこの場に居る者は皆くじを引き終えた。

 

そう、この場に居る者は。

 

 

 

「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

 

 

 

グラウンドβと校舎をつなぐ通路から叫び声と共に乙骨が飛び出す。服装は変わらずの白い呪術科仕様の制服。ただその背には竹刀袋のようなものがあった。

 

 

「遅ぇぞ乙骨。何してたんだよ」

 

「ごめん……」

 

「まぁ間に合って何よりだ! さ、乙骨少年もくじを引いてくれ」

 

 

乙骨は頷くとオールマイトに差し出されたボックスに手を入れる。中にあるボールは一つだけ。それを掴み取り出してみるとそこに描かれていたアルファベットは『F』だった。

 

 

 

「最初の対戦カードは……コレ!

 

 

オールマイトは二つのボックスから一つずつボールを取り出す。取り出した内の片方には『F』、もう片方には『H』と描かれていた。

 

 

『Fコンビ』がヒーロー‼ 対する『Hコンビ』が敵だ‼ Fコンビは乙骨少年と禪院少女、Hコンビは常闇少年と蛙吹少女だ!」

 

 

「禪院……ってことは」

 

「げっ」

 

 

乙骨が視線を向けたことでコンビ相手がわかったのか真希は滅茶苦茶に嫌そうな声をあげる。面と向かって言われたその声を聞いて内心乙骨は傷つく。一方でJコンビの二人が「がんばろう」なんて言ってるやりとりが開幕拒絶反応を示された今の乙骨には羨ましかった。

 

 

「敵チームは先に入ってセッティングを! 5分後にはヒーローチームが潜入スタートだ! 他の皆はモニターで観察するぞ」

 

「頑張れよ真希、憂太」

 

「めんたいこ!」

 

 

乙骨ら4人を除いた生徒らは皆オールマイトの指示でモニタールームへ動いていく。他の生徒が皆移動したことを確認したオールマイトはその最後尾に着く前に乙骨らの方を振り返った。

 

 

「常闇少年と蛙吹少女は敵の思考をよく学ぶように! そして双方に言えることだが今回の訓練はほぼ実戦! 怪我を恐れずに思いっきりな!」

 

「御意」

 

「わかったわ」

 

「はいよ。ま、コイツが怪我をするかは怪しいとこだがな」

 

「……」

 

 

真希の言葉に乙骨は深く俯く。そんな様子を見てかオールマイトは言葉を付け加えた。

 

 

「最後にもう一つだけ……度が過ぎれば中断する。危険だと思ったなら撤退も手の内ということも頭の片隅に入れておいてくれ」

 

「「「「はい!」」」」

 

 

それは訓練自体の安全確保のためなのか、それとも乙骨自身の安全のために告げられたことなのか。真意を告げぬままオールマイトはその場を後にする。オールマイトの告げた言葉の真意を乙骨は理解することもなくただ時間が過ぎ訓練が始まらんとしていた。

 

 






前書きの捕捉ですが恐らく何か重要な要素が欠けてしまうことを危惧して感想を書いていただいたことと思います。その要素がどのようなものなのか確認は出来ていませんがこの小説をそのネタバレが影響を与える部分まで書くつもりはありません。反応が貰えずエタるかもしれませんしどうか心配なさらないでください。

USJ編の話構成(途中まで)

  • 1話1エリア分(今回の形式)
  • 1話2エリア分(例:乙骨+緑谷パート)
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