呪い、呪われ   作:ベリアロク

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誤字報告の方いつもありがとうございます、そしてすみません。


第14話 不穏な気配

激しい戦闘が何度も繰り広げられた戦闘訓練から一夜明け、翌日の雄英高校1年A組ではホームルームが行われていた。

 

 

「昨日の戦闘訓練お疲れ。Vと記録の方は見させてもらった」

 

 

相澤は気だるそうにしつつも教卓に立ち話を進める。A組の面々にはもはや見慣れた光景だった。

 

 

「爆豪」

 

「!」

 

「お前もうガキみたいな真似するな。能力はあるんだから」

 

「……わかってる」

 

「で緑谷はまた腕ぶっ壊して一件落着か」

 

「うっ」

 

「個性の制御……いつまでも『出来ないから仕方ない』じゃ通させないからな」

 

 

 

昨日の戦闘訓練での爆豪と緑谷の衝突。その衝撃は建物を崩壊一歩手前にしたほどで崩壊に近づけた要因の一つ、というか元凶は緑谷の捨て身の一撃だった。

 

 

(緑谷君のあの一発、凄かったなぁ。五条先生でもアレは出来ないと思うし)

 

 

 

「俺は同じことを言うのが嫌いだ。それさえクリアできればやれることは多い、焦れよ緑谷」

 

「っはい!」

 

「あとは乙骨と常闇。核がある想定であのやり方はやり過ぎだ。お前らもっと冷静に立ち回れ、いいな」

 

「はっ、はい!」

 

「御意」

 

「さて、今日の本題だ。これから君たちにはあることをやってもらう」

 

 

(((まさか……抜き打ちテスト⁉))))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「学級委員長を決めてもらう」

 

 

「「「「学校っぽいやつキター-‼」」」」

 

身構えていた生徒らから安堵の叫びが上がる。身構えている原因は全て初日の個性把握テストに収束するわけだが乙骨らには知る由もなかった。

 

 

「委員長やりたいです俺!」

 

「ウチも!」

 

「リーダーでしょ? やるやるー‼」

 

「委員長は俺にやらせろ!」

 

「えー、爆豪すぐキレるからなぁ」

 

「キレんわ!」

 

 

生徒らが次々に挙手し委員長に立候補していく。そんな中最後列の4人は冷めた反応を示していた。

 

 

「……なんでこんなに人気なのかな? 僕の経験だと名乗り出るのは一人二人くらいの役職だと思うんだけど……」

 

「さぁな、知らねぇ」

 

「ヒーローってのは色々求められるからな。そういう素質を鍛えるにうってつけの役職なんじゃないか?」

 

「なるほど……」

 

 

 

「静粛にしたまえ!」

 

 

皆我こそはと声を上げ、ざわめく中筋の通った声が教室に響く。その声の主はメガネの下から真剣な表情を覗かせる飯田だった。

 

 

 

「多を牽引する重要な仕事だ。責任は重大、周りからの信頼あってこその聖務!」

 

「飯田ちゃん……」

 

「民主主義に則り真のリーダーを皆で決めると言うなら……これは投票で決めるべき議案だ!

 

「立候補の挙手がそびえ立ってるせいで説得力0よ飯田ちゃん」

 

 

矛盾した行動を突っ込まれ、飯田は軽く咳ばらいをしながら手を引っ込める。

 

 

「だが『やりたい者』がやれるものでもないのは事実だろう」

 

「けどよ、投票なんて言ったら皆自分に入れるぜ?」

 

「だからこそ複数票獲得した者こそが真にふさわしい人間とはならないだろうか⁉」

 

「う~ん……そう言われたらそうとも言える、か」

 

「どうでしょうか先生‼ 投票で委員長を選出するのは良い方法だと思うのですが!」

 

「時間内に決まれば何でもいいよ」

 

「わかりました! では!」

 

 

既に寝袋に入り考えることを放棄した相澤の了解を得て、飯田は投票の段取りを進める。やり方は机に顔を伏せ、委員長に相応しいと考える者の名が挙がった際に挙手するという至って古典的なものだった。

 

 

「よし、皆顔を上げ結果を確認しよう!」

 

 

特に騒動などが起こる余地もなく、黒板に描かれた結果を一同目にする。ほとんどの者が一票のみを得ている中複数票得ている者の名が黒板にはあった。

 

 

 

「僕に3票ー-ッ⁉」

 

「なんでデクに! 誰が……!」

 

「まーお前に入れるよかわかるけどな」

 

 

一人は緑谷。

 

 

「八百万2票じゃん」

 

「3票得れなかったのは悔しいですが……一体どなたが入れてくださったのでしょう」

 

「そりゃあオイラが」

 

「100%嘘だろ」

 

 

一人は八百万。そして

 

 

「……嘘だろ」

 

「凄い! 真希さん3票入ってるよ!」

 

「……チッ、こういうの柄じゃねェんだよ。乙骨はともかく……お前らわかってて入れただろ」

 

「お、おかかー」

 

「何のことカナー……。ホラ俺は自分に投票したから1票になってるだろ?」

 

「パンダに入ってる一票は私のだ。面倒だからお前に入れたが……語るに落ちたな」

 

「あー……俺パンダ、人間の言葉わからない」

 

「チッ……」

 

 

禪院真希。この3人が複数票得た者たちだった。また複数票得た者がいるということは0票だった者がいるということでもある。その一人である飯田は盛り上がる教室で一人肩を震わせていた。

 

 

「0票……わかってはいた! 流石聖職といったところか……!」

 

「やりたがってたのに他の奴に入れたのか。お人好しだな飯田は」

 

「でもその人が良いと思って入れたんだよね。自己よりもクラスを思って入れた飯田君は凄いよ」

 

「乙骨君……」

 

「めんたいこ!」

 

「何を言っているのかわかりかねるが……励ましとして受け取っておこう。狗巻君もありがとうな」

 

 

涙をそっと拭う飯田の背後からまた一人乙骨らの方へと一人歩いてくる。その人物は緑谷だった。

 

 

「あ、あの禪院さん」

 

「私を名字で呼ぶな。そんで何か用か?」

 

「僕もぜん……真希さんも票数が同じだからまだ完全には決まってなくて、決選投票で決めようかと思ってるんだけどそれでも大丈夫?」

 

「いや、ンな面倒なことしなくていい。緑谷に委員長は任せる」

 

「……え? いいの?」

 

 

真希の言葉に緑谷は驚きの表情を浮かべる。これだけ人気の役職だ、飯田の言うように『やりたい者がやれる役職』でない以上反応は当然だった。だが真希にはその役職をやる意味も理由もなかった。

 

 

「元々そういうの合わないし嫌いなんだよ。何なら辞退させて欲しいンだが」

 

「本当にいいのかい真希くん? ヒーローになるためにはとても良い経験となる筈だが……」

 

「生憎とそういう経験はあんま求めて無いんでね。次に票数が多かった奴にでも任せりゃいい……どうだ先生?」

 

「決まれば何でも良いって言ったろ。好きにしな」

 

「よし、じゃあ私は辞退な。残念だったなお前ら、私は委員長とかにゃならねェよ」

 

 

真希は振り返り乙骨らに言う。申し訳なささの欠片も真希の言葉はなかったが乙骨らの想いは変わらなかった。

 

 

「僕はただ投票しただけだから。真希さんが決めたことなら文句は無いよ」

 

「そうだな」

 

「しゃけしゃけ」

 

「……そうかよ」

 

 

乙骨らの反応に真希は少し驚いたような顔をすると窓の方へと顔を背ける。不思議と真希が放つピリピリとした空気はその時だけ少し和らいだような気が乙骨にはした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝のホームルームから時は経ち昼食の時間を迎える。雄英高校の誇る学食に緑谷麗日飯田の3人に乙骨ら呪術科組が混ざる形で机を囲み各々食事を取っていた。

 

 

 

「結局委員長はデク君、副委員長は八百万さんになったね~。大丈夫そうデク君?」

 

「だ、だだだだ大丈ぶぶぶ!」

 

「すっげー動揺だな緑谷。今から緊張してたら疲れちゃうぞ」

 

「そうだけどいざ委員長やるとなると不安だよ……僕に務まるかな」

 

「しゃけしゃけ」

 

「ツトマル」

 

「大丈夫さ。緑谷君のここぞという時の胆力や判断力は多を牽引するに値する。だから僕は君に投票したんだ」

 

「でも飯田君も委員長やりたかったんじゃない? メガネだし!」

 

「私は辞退したけどな」

 

 

吐き捨てるように真希がつぶやくと麗日はハッとしたような顔になる。緑谷の『あー』という顔を見るに麗日は結構な天然らしいことが乙骨らにも感じられた。

 

 

「『やりたい』と『相応しい』かは別の話、僕は僕の正しい判断をしたまでだ。真希君もああは言っていたが同じような思いがあったのではないか?」

 

「いや私は……」

 

 

そんなんじゃない。そう真希が否定しようとしたその時だった。

 

 

ウウゥゥゥゥゥゥゥ~

 

 

他愛もない会話で溢れていた校舎内に突如大音量のサイレンが響き渡る。それは耳に届かせる音というよりも身体で感じさせる振動のような警報だった。

 

 

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外へと避難してください』

「セキュリティ3? セキュリティ3とはなんでしょうか!」

 

「校舎内に誰か侵入してきたってことだよ! 3年間でこんなの初めてだ! 君らも早く避難を‼」

 

 

そう言って飯田の問いに答えた生徒も食堂の外へ逃げようと駆け出していく。周囲でも大勢の生徒が我先にと移動を始めていた。

 

 

「とにかくメッチャヤバイってことだよね⁉ 私たちも早く逃げなきゃ!」

 

「まぁそうした方が良いんだろうが……こりゃマズイな」

 

 

食堂にはヒーロー科をはじめとする大勢の生徒が居り、今回のような警報は初めてだと言う。速やかな避難を促された生徒らは当然出口へと駆けこむわけだが人数が人数だ。出口辺りで詰まるのは目に見えていた。

 

 

「ああ、このままではパニックに――――うわぁ⁉

 

「飯田君⁉ ってわァ⁉

 

 

乙骨らは皆濁流のように流れる人の勢いに押し流される。飯田らが想定していたように我先に逃げようとする生徒らの恐怖と焦りから食堂はパニックに陥っていた。

 

 

「いたっ⁉ 急に何⁉」

 

「皆この状況で取る行動は同じってこった。もうちょい頭ひねればいいのにこれだから人間は……」

 

「余裕そうだねパンダ君⁉ 今にも僕押しつぶされそうなんだけど⁉」

 

「モヤシだからだよ! もっと鍛えとけ!」

 

「おかか!」

 

「迅速過ぎてパニックに……ってしまったァー!」

 

「デク君ー!!」

 

「緑谷くー-ー-ん!!」

 

 

次から次へと人の流れに飲み込まれていく。例えるなら流れるプールの勢いを何千倍にもしたかのような、満員電車の苦しさを何倍にもしたかのような圧力と勢いを生徒たち自身が生み出し苦しんでいた。

 

 

「一体何が……侵入したって言うんだ!」

 

 

勢いを増す人の流れに窓ガラスに打ち付けられた飯田は外に目を向ける。そこにいたのは大勢でありながら武装などせず、カメラとマイクを多数携える者たち。とどのつまりただの『報道陣』だった。

 

 

「何かと思えばただのマスコミ! 皆さん落ち着い痛ァ⁉

 

 

「痛てェ⁉」

「ちょっと待て誰か倒れたぞ⁉」

「押すなって! 危ねーんだよ!」

 

 

飯田の言葉は届くことなく、より状況は悪化していく。この場が安全であることを誰も知らず・気づかず、パニックはより深刻なものになっていた。

 

 

「飯田! 無事か!」

 

「パンダ君! 狗巻君は!」

 

「途中ではぐれた。この程度で大事になるようほど軟じゃないから大丈夫だと思うが……どうする?」

 

「……」

 

(この場で大丈夫なことを知っているのは僕だけ、狗巻君の力には頼れない。こんな時緑谷君なら……兄なら……!)

 

 

目苦しい人の流れに耐えながら飯田は必死に考えを巡らせる。尊敬する二人ならどう行動するのかと。

 

けれどあと一つ足らない。この状況を打開するにはあと一歩足らない。そんな時

 

 

 

「飯田くー-ん‼ パンダくー-ん‼」

 

 

 

人の濁流に流されながらも叫びをあげる麗日の姿が飯田の目に映る。その瞬間飯田の頭の中で足らなかった最後のピースがカチリとハマった音がした。

 

 

「パンダ君! 僕を麗日君のところまで投げれるか⁉」

 

「! ああ、問題無い! 無事の方は保証できないがな!」

 

「十分だ!」

 

 

パンダは頷くと飯田をひょいと持ち上げ投擲体勢に入る。ボールを投げるそれと同じ体勢で人を投げ飛ばすにはとてもじゃない体勢ではない。けれど飯田には不思議と不安はなかった。

 

 

「麗日ァー-!!!」

「麗日君!!!」

 

「へ⁉」

 

「行くぞォォォォ!!!」

 

「うおおおおおおおおおおおお!」

 

 

麗日がこちらを見たことを確認すると同時にパンダは飯田の身体を文字通り放り投げる。綺麗に放物線を描く飯田は真っすぐ麗日の方へと飛んでいく。

 

 

「えええええええ⁉ ちょ、ちょっとぉ⁉」

 

「俺を浮かせろ!! 麗日君‼」

 

 

飯田の言葉を理解してか、はたまた防衛本能故か麗日は直撃せんとした飯田の身体をはたき、飯田の身体は浮力を得る。

 

 

「失礼!!」

 

(目指すは皆の視線が集中する場所!!)

 

 

誰かの肩を土台にし浮力を得た飯田は宙へと浮き上がると個性を最大出力で放つ。ふくらはぎに備わったマフラーが火を吹き飯田の身体を暴れまわしながらも目的の場所までジェットエンジンの如く押し進めていった。

 

 

「ヌオオッ⁉」

 

 

凄まじい勢いで進んでいく身体を方向だけは何とか制御しつつ、生徒らの真上を一直線。壁に衝突した時の衝撃など二の次に、自己より他を救う為皆の注目を集める出口へと進んでいく。

 

 

「このまま……ッ!」

 

 

だがそんな彼の意に反して方向が大きくブレる。このままでは目的はおろか人間ボーリングを起こしかねない。必死に飯田は軌道を変えようとするも無重力の個性だ、飯田の意思で軌道を変えようはなかった。

 

 

「クソッ!」

 

「飯田君!!」

 

 

このまま人に直撃すると思われたその時、目の前の人ごみの中から自分を呼ぶ声を耳にする。歪む視界では誰か認識できないがその声は聞き慣れた、紛れもないものだった。

 

 

「乙骨君⁉」

 

「うおおおおおッ!」

 

 

乙骨はボーリングのように直撃せんとした飯田を受け止めると同時に再び宙へと放り投げる。飯田の意図を汲んでの行動かは定かではないが飯田の身体は生徒らが最も注目を集めるであろう出口の非常灯付近へと打ち付けられた。

 

 

(短く! 端的に! それでいて大胆に!)

 

 

「皆さん! 大丈ー---夫!!!」

 

非常灯の上で非常口マークを等身大の人間が取る。これ以上の大胆で端的、かつ注目を集める行動はなかった。

 

 

「え」

 

「へ?」

 

「敵の侵入ではありません! 単なるマスコミです! パニックになる必要もありません! ここは雄英、最高峰の人間に相応しい行動を取りましょう!!」

 

考えを巡らし友人の力を借りて伝えられた飯田の言葉は不安と焦りが生み出したパニックを消し去り、その場にいた者たちは落ち着きを取り戻す。それから数分としない内にマスコミを追い返した教員らもその場に到着し雄英は普段の日常を取り戻し、少々騒がしかった昼休みは終わりを告げたのだった。

 

 

 

 

 

その後授業は何の弊害を受けることなく進み、帰りのホームルームの時間を迎えた。今朝のホームルームで学級委員長に選出された緑谷と真希の辞退で副委員長となった八百万が相澤と入れ替わるように教壇へと立った。

 

 

「さ、委員長始めて」

 

「でっ、では他の委員決めを取り行っていきます! ……でもその前に一つだけいいですか?」

 

 

浮ついた声で身体を震わせながらも意を決した緑谷は口を開く。

 

 

「委員長はやっぱり飯田君が良いと……思います!」

 

「緑谷君……」

 

「あんな風にかっこよく人をまとめられるんだ。僕は飯田君がやるのが『正しい』と思うよ」

 

「俺も賛成だ。棘っつうカードが無い状態であの行動が出来るんだからな」

 

「しゃけしゃけ」

 

「僕も賛成だよ。あの場は飯田君だからこそ止められたんだ。緑谷君も正しいと思うけど飯田君も『正しい』と僕は思うし」

 

「皆……よし!」

 

 

 

「委員長の指名ならば仕方あるまい! 1年A組の学級委員長、この飯田天哉が務めさせてもらおう!」

「「「「おお!!」」」」

 

 

 

……やっぱり飯田君も凄いな

 

新たな学級委員長の誕生にクラスが盛り上がる中、動じることなくピシッと立った背筋を見て乙骨はそう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

所変わって薄暗いバーに話は移る。カウンターの裏には年代物のワインがずらりと並び、内装やテーブルなどからどことなく古めかしく西洋らしさを感じさせていた。

 

アンティークな雰囲気が漂うその店に今異質な存在が2つ。

一つはそんな店の雰囲気をぶち壊すかのような『SOUND ONLY』とだけ映し出す薄型テレビ。

もう一つはバーなどとは疎遠である仏道を歩む者が着る服『袈裟』を纏った男がそのバーに座していた。

 

 

 

『雄英バリアー崩壊!! 敵襲来か⁉』……ね。御宅の子やんちゃが過ぎない? もう少し教育しといた方が良いと思うんだけど」

 

『躾だけが教育じゃあないからね。それに陽動として君の役に立っただろう?』

 

「五条悟が雄英にいない以上陽動は必要ないさ。これでも学生の頃は有望だ何だと言われてたからね」

 

 

そう言って袈裟の男は複数枚束ねられた書類を懐から取り出す。その書類は雄英高校が厳重に保管しているであろう一年の計画がきめ細かに記されたカリキュラムだった。

 

 

「それより例の件本当にやる気か? 学生はまだしもかの英雄を殺すっていうのは僕の理想に遠のくからあまりやりたくはないんだけど」

 

『何、君にも大いに利のあることさ。奴がいる以上君が望む世界は創れないんだから。それにお互いの目的の為に協力する……それが僕らの関係だろう?』

 

「……はぁ、仕方ないか」

 

 

袈裟の男はため息を吐くとバーカウンターにカリキュラムを置く。男用に出されたグラスを空にすると立ち上がり、バーカウンターと異質なテレビを背にした。

 

 

「悪いけど直接手を下すようなことはしない。こちらとしてはかの英雄とぶつかるとしてもまだ先にしたいからね」

 

『問題無い。今回は教え子の教育兼僕個人の楽しみの為にやるようなものだから安心して見ていると良いよ……夏油傑

 

 

薄暗いバーの中、誰も知らぬこの瞬間『SOUND ONLY』の壁の向こうで不気味な笑みが浮かんでいた。

 

 







USJ編の話構成(途中まで)

  • 1話1エリア分(今回の形式)
  • 1話2エリア分(例:乙骨+緑谷パート)
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