オーマジオウの俺が別作品でサイキョーオリ主する話。 作:気まぐれな富士山
ジュラテンペスト連邦王国、首都リムルの大通り。
その一角に看板を構える謎の店『万事屋らいだあ』。
「暇だなぁ⋯⋯⋯⋯こういう所に主人公補正かかってないんだなぁ⋯⋯⋯⋯」
店主の神凪は、暇を持て余していた。
もっとも、貼り紙を町中に嫌がらせのごとく貼りまくったのは一週間前。
なので、もちろん誰も依頼に来ない。
「猫探しでもなんでもやろうかなぁって思っていたのにさぁ⋯⋯⋯⋯何も無いよ。なんでさ。」
初回無料って書いたのに、誰も来ないのか。
そう思った矢先。
バゴォン!バキッ、バラバラ⋯⋯⋯⋯
「失礼するのだ!ここが何とか屋だとかいう所か!?」
「いや万事屋だし⋯⋯⋯⋯ってはぁ!?」
いきなりドアを粉砕して入ってきたのは、魔王の1人にして、最後の竜人、ミリム・ナーヴァだったのだ。
「ここの店主がハチャメチャに強いとリムルに聞いたのだ!早速遊ぶのだ!」
「あー、そういう⋯⋯⋯⋯あの野郎ォ!」
今度あったらぶん殴ってやる。
「えーと、一応仕事なんで、契約書とここにサインをお願いします。」
「え?なんかノリが悪いのだ⋯⋯⋯⋯」
「これでいいのだ?」
「⋯⋯はいOK。これで契約完了ね。それじゃ⋯⋯⋯⋯」
椅子から立ち上がり、パーカーを着る。
「ここじゃあなんだし、場所変えましょうか。」
「わかったのだ!やっと遊べるのだ!」
店を後にする。
もっとも、本気でやりあえば街がほぼ間違いなく全壊するので、その辺の広々とした草原に移動する。
「というか、なんでそんなに勝負を仕掛けたいんだ?こう言っちゃあなんだが、お前ってこの世界でも最強クラスじゃなかったか?」
「もちろんなのだ!私は最強、それに変わりはないのだ。でも、それだとやっぱりつまらないのだ!強そうなやつの自信を片っ端からぶっ壊すのは楽しいのだ!」
「なるほど単細胞だったか⋯⋯⋯⋯」
「ともかく、やるなら全力で来いなのだ!私は手加減してやるから、光栄に思うのだ!」
「へぇ⋯⋯⋯⋯?ま、やれるところまでやりますかね。」
相手は最強クラス。
リムルですら勝てるかどうか怪しい。
ならば、こちらも出し惜しみは出来ないだろう。
「なら見せてやるぜ⋯⋯。昭和『最強』の力をよ!」
「おう!見せてみるのだ!」
『最強』をテーマに作られたこの作品。
電流超人として改造を受けた正義の戦士。
その名は⋯⋯⋯⋯!
「変身⋯⋯⋯⋯ストロンガァァァッ!!!」
バチッ!バチッ!バチバチッ!
「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ!悪を倒せと俺を呼ぶ!仮面ライダーストロンガーッ!!」
「うぉぉ!カッコイイのだ〜!」
「ゆくぞ!トウッ!」
高く飛び上がり、上空からの一撃を入れる。
「電光チョォップ!」
「むんっ!」
チョップを十字で止められる。
「くぅー!ビリビリするのだ!お前、やっぱり面白いのだ!」
「そりゃどうも!タァッ!」
着地し、ミリムと距離を置く。
「やっぱりリムルの言っていたことは間違ってなかったのだ!お前と遊ぶのは楽しいのだ!」
「そうかい。それなら、よかったけどよ!」
再び間を詰め、右ストレートを放つ。
バシィッ!
「クッ!」
「だから、一発いいのをくれてやるのだ!」
片手で拳を受け止められ、左からミリムの一撃が入る。
爆発のような衝撃と共に、神凪の体は左方に吹っ飛ばされる。
「ワーッハッハ!今のはちょーっとだけ力を入れてやったのだ!」
「んにゃろう⋯⋯!トウッ!」
すぐさま跳ね起き、体制を整える。
「これならどうだ!」
手を擦り合わせ、電子エネルギーを充電していく。
「食らえ!エレクトロンファイヤーッ!」
「ッ!」
地を走る電流を全身に受けるミリム。
「ぬおぉぉビリビリするのだぁ⋯⋯⋯⋯!この私にここまでのダメージを与えるとは、大抵の魔王なら今ので気絶していたぞ!」
「流石の魔王様でも俺の電流は効くだろう!この電流は触れた悪を焼き尽くす!遊びで俺に勝てると思うな!」
「やっぱりマブダチのいうことは正しかったのだ!お前は多分、リムルと同じくらい強いのだ!」
「フッ、ワクワクしてきたか?」
「もちろんなのだ〜!だから、これをお前にやるのだ!」
ミリムはかめはめ波の如く手にエネルギーを集中させる。
「だったら、こっちも一撃!キメさせてもらうぜ!」
神凪も天高く飛び上がり、ライダーキックの体制に入る。
「
「ストロンガー電キィック!!」
ミリムの放った光弾がひとつに縮小し、仮面ライダーストロンガーの必殺キック、ストロンガー電キックと衝突する。
「おりゃぁぁ!」
「ターーッ!!」
雷が落ちたかのような爆音と電流が周囲に疾走る。
爆心地には、まるで隕石が落ちたかのようなクレーターが出来上がっており、中心には変身を解除した神凪の姿が。
「おぉー!あれを食らっても生きていたのか!」
「流石に自分の技で死なねぇっての。どうだい?満足出来たか?」
「うむ!満足したぞ!お前、名はなんという!」
「神凪 迅だ。ジンでいいぞ。」
「私は魔王ミリム・ナーヴァ!ただ1人のドラゴノイドにして、破壊者の名を冠する魔王だぞ!」
「よろしく。ミリム。」
「よろしくなのだ!ジン!お前も今日からマブダチなのだ!」
しっかりと手を握り、ミリムと握手を交わす。
「それじゃ契約も終わったし、帰ろうぜ。お前はたしか国賓扱いだったから、一緒に美味い飯でも食いに行こうや!」
「いいなぁそれ!よーし、リムルの家に行くのだ!」
「おーい!大丈夫かー?」
爆音を聞きつけたのか、いつの間にかリムルがいた。
「あっ!リムルー!」
「よっ、ミリム。と、ジンか。ミリムの相手して、大丈夫だったか?」
「余裕のよっちゃんだぜ。それに、今回は仕事だしな。初回無料キャンペーンのお客様第一号がコイツってわけ。」
「お客様なのだ!」
「なのだ!じゃねぇよ。まぁ、街の近くで暴れられなかっただけ良しとするか。」
「リムル、私はお腹が空いたのだ。」
「俺も腹減った〜。ミリム、リムルん家で飯食おうぜ。」
「待てお前ら、2人でタダ飯しようとすんな。あとミリムはともかくお前はいい大人なんだから自分の飯くらい自分の金で食え!」
「いーじゃんかよ!そうだミリム!リムルの家まで競走だ!」
「楽しそうだな!よーし行くぞー!」
「待て待て!なんか被害が出たりしないか!?」
「大丈夫だって!ほら、行くぞ⋯⋯!」
『トライアル!』
トライアルガイアメモリを差し込み、変身する時の音でスタートする。
「振り切るぜ!」ビュンッ!
「負けないのだーッ!」ドンッ!
「はぁ⋯⋯⋯⋯アイツら、あとで食うだけ食って寝て帰るぞ。」
「よいではないですか主。ミリム様に暴れられるよりマシです。」
「ランガもそう思うか?そりゃあ俺だって、ちょっとは思ったけどよ⋯⋯⋯⋯なんだか、中坊の時の帰り道みたいだな。」
「厨房⋯⋯?何か作っていたのですか?」
「あぁいや、こっちの話だよ。さ、行くぞランガ。」
「はい!ワォーン!」
マブダチ、という言葉が、どこか中学の頃の友達を思い起こす。
生まれた場所も、生きている時間も違う3人。
しかし、そこには信頼と友情の芽が、確かに生え始めていたのだ。
その気持ちに、懐かしさと少しのむず痒さを覚えながらも、たまにはこういうのもアリか、と感じるリムルなのであった。