幼馴染で双子でヤンデレという概念   作:ぽぽろ

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緻密に構想を立てて長く話を書くのが私は得意ではないので、あと1、2話くらいで終わります。話の展開はノリと勢いです。
双子幼馴染系ヤンデレ増えないかな




次の日の休日、僕は自分の部屋で本を読みながらゴロゴロとしていた。

キッチンからは、包丁がまな板を叩く音が聞こえた。

休日は、葵も萌も僕の家で過ごす事が当たり前の日常となっている。いつもより少し遅い朝ごはんを食べて、お昼まで皆で遊んだりして。

すると、葵が猫が甘えるように僕の部屋に入ってきてスプーンを二つ重ねた様にくっついた。

 

そんな葵に僕は「どうしたの?」と尋ねた。

すると、すっと目を細めた。

 

「そう言えば、昨日帰るの遅かったけど、二人で何話してたの?」

「昨日?日菜さんと?」

「そう」

「別に大した事は話してないよ、ちょっと話が盛り上がってね」

「大した事がないかどうかは私が決めるのよ、話しなさい」

「前の数学のテストの出来具合とか先生への愚痴だったり。色々さ」

「それ以外には話していないのね」

 

僕を問い詰めるように彼女は言った。

何故急にこんな事を聞くのか僕にはわからなかったけれど、きっと年頃の女の子には色々あるのだろう。女心は秋の空という様に、そこは多分僕には一生分からない所だ。移ろいやすいものを掴むのは中々に難しい。

 

「私たちずっと三人一緒よね」

「これからの事は分からないけど、そうだといいね」

「それって、私たちと一緒にいたくないってこと?」

「そうとは言ってないよ、葵と萌は僕の身体の一部の様になっているからね」

「そう、身体の一部……」

「多分、葵と萌が僕に愛想を尽かしてどこか行ってしまうとか、これから大学が違くなるとかそういう事が起こらないと。まだこれからの事は分からないけれど」

 

小さい頃からずっと一緒にいたから、二人のイルカのキーホルダーみたいにきっと僕もその一部となっているのかもしれない。

もし二人と離れたら僕はなんて思うか分からないけれどきっと寂しくは感じるだろう。

 

「そんな事はきっとないわ。そうよね、ずっと私たち三人一緒よね」

 

そう言って彼女は嫣然と微笑んだ。

僕は扉を開けて自分の部屋を出ると、そこにはエプロン姿の萌が立っていた。

 

「姉さんと何話してたんですか?」

 

この双子だけなのか女の子全員なのか知らないけれど、人との会話を知りたいという本能的なものでもあるのだろうか。

 

「ただこれからも三人一緒だといいねって話してたんだよ」

 

僕がそう言うと、彼女は虫眼鏡で物を見るようにじっとどこかを見つめていた。

 

「えぇ、きっといつまでも三人一緒ですよ、今までずっと一緒だったんですから」

 

そう言って萌は僕の腕を優しく抱きしめた。

 

「えぇ、三人はずっと一緒ですよ」

 

§§§

 

昼食にオムライスとレタスのトマトのサラダを三人で食べていると僕の携帯の連絡アプリが鳴った。

スプーンを置いて僕は携帯を開いた。

 

「誰からですか?」

 

萌はレタスを検分して齧りながら言った。

 

「えっと、日菜さんだ、なんだろう」

 

そこには明日にでも一緒に出掛けないかという文面が映し出されていた。

 

「日菜ね、あんたになんの用なのかしらね」

「えっと明日一緒に買い物に行こうって書いてあるね、明日は……何も予定はないね」

 

僕の休日は大体本を読んだり、適当にぶらぶらと散歩をしたりそのくらいしかしない為用事が入る方が珍しい。

 

「行くんですか?」

 

じっと萌は僕の目を見つめながら尋ねてくる。

 

「用事はないし、行くよ、明日は」

 

僕は二人にそう言って、またスプーンを手に取った。

 

###

 

次の日、僕は日菜さんと待ち合わせて、水族館に行った。その後はデパートのゲームセンターで一緒にクレーンゲームをしたりあまり周りのことはわからないけれど、きっと年相応のデートと言える事をした。

 

その後は二人で近くにあった喫茶店に入った。

僕はアイスコーヒーとサンドイッチ、日菜さんはアイスティーとナポリタンを頼んだ。

 

「今日は楽しかったですね」

 

僕はそう言うと日菜さんはにっこりと微笑んだ。

 

「それなら良かった。折角誘ったのに楽しんでくれなかったら大変申し訳ないし」

 

そうやって今日の振り返りをしながら、注文したものを食べた。

 

「それでなんで今日誘ったのかだけれど」

 

カランと日菜さんのグラスの氷がスタートを告げるホイッスルの様に鳴った。

 

「実はハルくんにずっと隠してたことがあって、それを昨日言おうと思ったんだけど中々勇気が出なくて」

 

一旦、話を区切るように、日菜さんはアイスティーを一口飲んだ。

僕も何が何だか分からなかったが、釣られるように僕もアイスコーヒーを飲んだ。

 

「あの、えっと」

 

僕は口を挟まずに店内に流れている誰のか分からないクラシック音楽と共にただ日菜さんが話すのを待っていた。

すると、日菜さんは決心をしたように「はぁ」と深く息を吐いた。

 

「私はハルくんが好き、一年生の時からずっと」

 

まっすぐ純情な目で僕を見据えながら彼女は頬を赤らめた。

僕もすこし頬が赤くなった。人前で赤くなったのはかなり久しぶりの事だった。

 

「なるほど」

 

僕は一度冷静になるためにまたアイスコーヒーを飲んだ。舌で広がる苦みが僕を戻してくれる。

その間日菜さんは、自分の身を守るようにぎゅっと自分の手を握りしめていた。

 

「一つ聞きたいんだけど、いいかな」

 

日菜さんが小さくうなずいたのを確認して僕は言葉を続けた。

 

「きっと日菜さんは、僕が魅力的であると錯覚しているだけなんだよ」

 

僕はこう言うと、彼女は背中に冷や水を浴びたように目を見開いた。

 

これは僕はとても不思議に思ったのだけれど、魅力的な人と一緒にいると、僕までもが魅力的と錯覚する様で。

ずっと僕の近くにいた二人は充分顔は過ぎるほど整っていたし、姉は多少性格は難あれど、それを補って余りあるものがあった。

妹は誰にでも優しく、親切で気が利いた。

そんな二人といつものように一緒にいるものだから、幻覚に彼女は目を眩ませられている様に僕は見えた。高価な額縁に入れられている素人の絵が上手く見えてしまう様に。しかも僕たちの年齢は恋に恋する年。そういうのは長くは続かずすぐに僕は喪失するだろう。

対して好きじゃなかったとして、別れても喪失は喪失で僕の身体に浅く、それでも確実に傷をつける事になる。

だから勝手に期待されて、失望される。そういうのを僕は好まない。

 

「そんなことはないよ、私は等身大のハル君を見ているもの」

「等身大の僕?」

 

確かに一年生から一緒だし、出会ってからの年月は短いけれど好きか嫌いかで聞かれたら、好きと答えるくらい好ましくは思っていた。

 

「ごめん、変なこと聞いて」

「ううん、それも一種のハルくんだし」

 

彼女はそういって優しく微笑んだ。

 

「ありがとう、それで返事だけど……僕でよければ」

「本当に!!?やった!」

 

僕は嬉しそうに笑う彼女を見ていた。

 

「これからよろしくね」

 

そして、僕はアイスコーヒーに手を伸ばすと、パキッと氷が割れる音がした。




最後ダラダラと書きすぎたかなと少し反省。
このままハッピーエンドでいいんじゃないか?

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