One-way Spiral Staircase 作:まりも@tks55kk
今夜は、イブキが復帰して初めての百竜夜行。本人は「温存し過ぎた元気を発散してくる」と勇み足で出掛けていったが、アヤメは大怪我を負った彼女の姿が頭から離れず、どう足掻いても眠れなかった。
仕方ないので寝るのは諦め、里の門上に座り込んでぼんやりと眼前に広がる森を眺めながら、防衛に向かった仲間達の帰りを待っている。
昼夜を問わず焚かれる飛竜避けの炎で、門の付近は明るい。しかし、少し視線を遠くに移せば、鬱蒼と繁る深更の森は、墨汁を塗りたくったような黒一色だ。昔はもう少し夜目が利いていたように思う。闘いから離れたまま暗闇の中で踞るアヤメを置き去りにして、刻々と過ぎて行く時間。
今回も人手が足りず、快復したばかりのイブキをはじめ、ヒノエやミノト、ヨモギまでもが武器を携えて出て行った。――なのに、自分は。不甲斐なさで無意識に握り絞めた拳が震えた。鈍った目を凝らして深い闇を見つめ続ける行為は、アヤメの自尊心を削り、自罰感情にも似たもどかしさで胸を締め付ける。
ふと何者かの気配を感じ、門の下方へ視線を向けると、炎に照らされた橋の袂に、黒い首飾りを提げた雌のガルクが一頭。いつの間にかやって来ていたレイメイが、じっとこちらを見上げていた。
「レイ? どうしたの」
「……」
返事をする代わりに、傍らに聳える松の木を利用して、アヤメが座る門の上へ器用に駆け上がってくる。この子がいれば翔蟲は要らないのでは、と思わせるほどの見事な跳躍で、スタンとアヤメの隣に降り立った。しばしの見つめ合いの後、アヤメは肩を竦めて苦笑する。
「……こっちの台詞だ、って?」
「……」
この寡黙なガルクの言葉も、日が経つにつれて少し分かるようになってきた。こういう質問後の沈黙は肯定の意味だ。「どうしたの」とわざわざ様子を見に来てくれたレイメイの頭を撫で、自分と並んで座った彼女の肩口に、とんと自分の頭を預ける。
「……ありがと」
レイメイは凭れかかってきたアヤメの横顔をチラリと横目で確認し、フン、といつも通り一つ鼻を鳴らすと、アヤメと同じように漆黒の森を眺め始めた。
普段はオトモガルクと言うより半野良猫のような暮らしを謳歌しているレイメイだが、アヤメが負の感情に飲み込まれそうになっている時には、いつもどこからともなく現れて、じっと側にいてくれる。ガルクは人の感情を匂いで嗅ぎ分けられるのだとイオリは言っていた。レイメイがその鋭い嗅覚を以て、里の風に混じる主の心の香りを常に気に懸けていることには、パートナーとなってからすぐに気付いた。
ハンターが自分の痕跡を消そうと試みる際、最も難儀するのは匂いの処理である。優れた嗅覚を持つモンスター相手に、自分の存在や移動経路を隠し通すのは非常に難しい。この子の鼻と優しさの前では、嘘が付けない。だからアヤメは早々に、彼女に嘘や虚勢の類いを使うことを一切諦めていた。
人間よりも高いレイメイの体温とふかふかの体毛に抱き止められて、ようやく少し眠気を覚えた。アヤメがうつらうつらと夢うつつを行き来する間に、空は少しずつ白み、黒に塗り潰されていた森は、徐々に輪郭を取り戻していく。
何度目かの目覚めは、アヤメの目が木々の枝を見分けられるようになった頃。ガルクに乗って一足先に駆け戻ってきた伝令役の里守が、悲鳴にも近い叫び声で早朝の静寂を破った。
「あぁ、アヤメさん!! ヒノエさんが、ヒノエさんが!!」
「!?」
ガルクの足音に気付き、門を飛び降りて彼を出迎えたアヤメに、裏返った声でヒノエの身に起きた異常を伝えようとする里守。その只事ではない様子と挙げられた名に、背筋が凍る。
「どうしたの!? 何があった!?」
こんな時に、無数の可能性を悪い方から順に並べ立てる自分の頭が憎い。焦りをぶつけるように里守の肩を掴み、しっかりしろと揺さ振る。ガルクから引きずり下ろされかけて里守はようやく我に返り、主語だけでなく述語も喋るようになった。
「ヒノエさんが……龍と共鳴しちまった!」
「……は?」
数限りない予想を一つ残らず全て裏切った聞き慣れない単語に、アヤメの口から間の抜けた声が漏れた。
「え、襲われたとかじゃなくて? どういう事? キョウメイ?」
「俺は見てないんだが、空を通り過ぎてったデカい龍と共鳴したらしいんだよ。身体は無事だけど……辛そうでな、見てられないよ」
「……?」
「ヒノエさんの共鳴が収まるのを待ってたから少し遅れてるけど、皆もすぐに戻るはずだ。片付けの手伝い、また頼むぜ」
「……う、うん……?」
一番重要そうな点のみ、何を言っているのかさっぱり分からない。話が通じないのはキョウメイを理解しない自分が悪いのか、それともこの里守氏のコミュニケーション能力に問題があるのか。大分動転しているようだから、もし後者だったとしても、彼を責めたところで何も解決しない気がする。身体が無事ならとりあえずはよい。謎の単語については後で誰かに改めて尋ねることにして、アヤメはひとまず彼を解放し、必要各所への報告に向かわせた。
彼の言葉通り、雀が鳴き始める頃には防衛組全員が里に帰還した。ヒノエはミノトに付き添われ、何とか自力で歩いてはいる。怪我などはなさそうだが、確かにかなり辛そうだ。身体的な疲労より、精神的なものが原因であるように見えた。
真っ直ぐ帰宅するとだけ言い残して竜人姉妹は去り、里の皆は「龍と共鳴しちゃうだなんて」「凶事の前兆に違いない」「ヒノエさん大丈夫だろうか」と心配したり不安がったりしている。レイメイはいつの間にかまたフラリとどこかへ行ってしまった。アヤメは微妙な孤独感と疎外感に包まれた。
――誰か教えて。キョウメイって何。
◇◇◇◇
「前にわたしもヒノエさんに聞いたことあるよ。なんか、相手の意識とかがバーッて心に入ってきて、一時的にその相手に成り代わられたみたいになるんだって」
防衛から引き揚げられた資材の片付けや負傷者の手当て等、いつもの手伝いを一通り終えたアヤメは、軽い怪我のみで無事に戻り、ゼンチの診察も済ませて朝食代わりのうさ団子を貪っているイブキに、誰にも聞けなかった疑問を投げかけていた。それに対する返答がこれである。即座に新たな疑問が湧いた。
「なんで?」
「……」
問われたイブキは目を真ん丸にしてアヤメを見つめたまま、口一杯に頬張ったうさ団子を噛み下してゴクリと飲み込むと、表情一つ変えずに言い放った。
「わたしにそんな難しい事が分かると思う?」
「ごめん」
聞く相手を間違えた。溜め息も出ない。自分が悪いのだ、何もかも。
しまいにはイブキも「言われてみたら確かに意味分かんない」と言い出したので、彼女も一緒に、何か知っていそうな者を探して声をかけてみることにした。
とは言え、ヒノエ本人はダウン中。フゲンやゴコク、ミノトはヒノエに付きっ切り。ウツシは今日も斥候で不在。ハモンはまだ防衛に関わる兵器の調整で忙しい。他に、少しでも年長で、里内の事情を理解している者は……
「俺達もよく分かってないんだよ。そもそも、本人達にも分からんのだと。それじゃあ誰にも分かるわけないよなぁ。はっはっは」
アヤメ達にとって一筋の希望だったセンナリはそう述べ、間延びした声でのんびりと笑った。
「仕組みは誰も知らないけど、何度も見てるうちに慣れた……としか言えないのよねぇ、あれは」
「そ、そう……慣れ……」
続くスズカリからも、求める情報は一切得られなかった。仲間が他者に意識を乗っ取られる(当面アヤメはそう理解した)という理解不能な異常事態に『慣れた』とは、この里の民は身体だけでなく心も鍛えられ方が違う。終わった。
すっかり慣れ切っていた人間の一人であるイブキが、頭の後ろで手を組んでニパッと笑った。
「やっぱ皆そんな感じよねー。よかったぁ。わたしだけじゃなかったんだ、何も考えてないの」
「その開き直り方はどうかと思うよ」
「だってしょうがなくない? 分かんないモンは分かんないんだから」
「まぁ……それはそうだけど」
アヤメとイブキの頭が悪いやり取りに笑いながら、スズカリが少し懐かしそうな顔をして、再び口を開く。竜人組や里長世代に比べればまだ若いが、彼女とセンナリも、アヤメやイブキの幼い時を知っている人物である。
「二人とも、子供の頃はよくヒノエさんとミノトさんを間違えてたでしょう?」
「ん? あー、そうだね……正直、どっちがどっちなのかあんまり気にもしてなかったかも。ちっちゃかったし」
「わたしも! 子供の頃はすっごい間違えてた!」
「うんうん。それは共鳴のせいでもあるのよ。ヒノエさんがミノトさんに共鳴してる間は、ざっくり言えばミノトさんが二人になってるようなものだからね。区別がつかないのも仕方ないわ」
「へぇ……アタシ達がチビの頃もそうだったってことは、相当昔からなんだ」
「ああ。昔は二人の見た目がもっと似てたから、共鳴中は大人もたまに間違えてたよ」
センナリ曰く、共鳴しているとあまりに皆が二人を取り違えるので、髪飾りで区別できるようにしてもらったのだと言う。年月と共に性格の差が大きくなり、それに伴って顔つきにも違いが出てきたため、今では目印が無くとも見分けは付くようになったが、当時の名残で、今も二人の髪飾りは違うままなのだそう。
アヤメの記憶に於いても、ヒノエは今も昔も全く変わらぬ柔和な印象だが、ミノトは昔と比べると随分堅い雰囲気になった。あの人も昔はもう少し笑っていたような気がするのに、と思うことはよくある。あまり区別が付いていなかったのだから、知ったような口は聞けないのだが。
結局、自分と周囲の慣れを再確認しただけで特に何も分からなかったイブキが、腕を組んで首を傾げる。
「ミノトさんと共鳴してるのは何度も見たことあるけど、竜人族でかつ双子だからだろうって勝手に思い込んでたのよね。ミノトさん以外とってのは初めて見た」
「そうだなぁ。俺も初耳だ」
「ゴコク様も驚いていらっしゃったようだから、おそらく本当に初めてなんだと思うよ」
「それだけ、その龍が持つ力? が……強い? ってこと……?」
「……さぁ……」
ただでさえ理屈で説明できない共鳴という現象、しかも前例がないのでは分析のしようもない。その場にいる全員がそれぞれに首を捻って唸るも、得られる物は何もなかった。
◇◇◇◇
ヒノエと共鳴したという龍がどのような物だったのかもイブキに尋ねたが、空を飛ぶ巨大な青い龍で、遠目にちらりと見えたかと思ったらすぐに雲の中へ消えてしまったと言うのみ、詳細は一切不明。共鳴したヒノエが具体的にどうなったのかについても、要約すると「倒れた」「辛そう」「『対よ、対よ』と呟いていた」の三つで終わり。最後の一点が極めて重要な情報であることは間違いないだろうが、強烈な共鳴に疲弊し切っていたヒノエには、突如自身の身に押し寄せたモンスターの感情を細かく説明する余裕などなかったのだそうで、共鳴の現場から帰還までずっと彼女の側にいたイブキにも『 対』の細かい意味は分からないらしい。
進展のない会話を繰り返し、徹夜明けのイブキの昼寝に付き合い、そうこうしているうちに何も分からないまま夕暮れになってしまった。
手持ち無沙汰なのでヒノエの見舞いにでも行ってみようかという話になり、手土産のうさ団子を調達しに茶屋へ赴く。そこで二人が目撃したのは、前代未聞のハイスピードで杵を振るう、キナコとシラタマの超絶技巧だった。
「ミノトさんから特別に無限うさ団子の許可が出たらしいのニャ!」
「無限となればヒノエさんは無限に食べるから無限に作るのニャ!」
どうして今日はそんなに速いのかと尋ねたところ、口調まで早口でそのように返ってきた。ミノトが最大限にヒノエを甘やかした結果なのであろう『無限うさ団子』という語句の圧。茶屋の面々が過労に散るのではないかという現実味のある不安が、アヤメの胸を過る。何ならシラタマはもう半分死にかけているので、不安が的中しないことを祈るしかない。
「無限……無限かぁ……」
イブキが何かまた余計な事を企んでいる。今回は勘で面白そうだと踏んでいたら、当たりだった。
「……ん、一日八十から九十本に一万ゼニー」
「じゃアタシは百本の大台突破に十万ゼニー」
「マジ!? 速攻乗ってきてすごい張るね!? アヤメさん頭大丈夫!?」
「大丈夫。ヒノエさんはやれる」
「コラーッそこの二人ィー! うさ団子賭博は止めなさーい!」
里の風紀を乱す会話に興じていたら、集会所の中から特大折箱を抱えて現れたヨモギに、二人揃って叱られてしまった。昔「お前は絶対に賭け事で破滅するタイプ」と誰かに言われたことがあるので、止めてもらえてよかったのかもしれないが、勝てる自信はあったのに、ちょっと残念だ。
半月と少し前、イブキ不在の百竜夜行から戻った時は、ヨモギもあちこちにかすり傷を負ってそれなりに痛々しかったが、今回は傷を増やすことなく乗り切れたらしい。前回の傷もすっかり目立たなくなっている。彼女はハンターではないはずなのに、ちょっとした傷の治りの早さはハンター並みだ。流石に大怪我を負えばそうはいかないだろうが、大変な努力と苦労を積み重ねて超人的な治癒力を獲得してきたつもりの側としては、些か不公平な気がする。食べている物が良いのだろうか。うさ団子か。それとも若さの成せる業か。
「おおーっ。周囲への鋭い目配り、大荷物をものともしないパワー。さすがはヨモギ先生! いよっ、カムラの最強里守!」
「えっへっへ、そうでしょそうでしょ。もう次の防衛の準備もバッチリだよ! イオリくんが行けない分まで頑張らないとねっ」
イブキのおだて上手もおそらく教官譲りだろう。自分も一週間くらいウツシに弟子入りしようかなどと考えつつ、アヤメは賭博のお咎めから見事に話題を逸らしたイブキの話術に、心の中で喝采を送った。
「うんうん! ヨモギちゃんがいてくれたら百人力だわ。頼りにしてるよ」
「いぇい! お任せあれぃ!」
「……」
そこに関してはただのおべんちゃらではなさそうだと思った。ヨモギの活躍ぶりに里守達が発奮し、凄まじい闘気をもってハンターの手を借りずに大物を撃退したというとんでもない話を、小耳に挟んだことがあるからだ。普段の明るく屈託のない姿からは想像もつかないが、重火器の類いを持つと彼女は雰囲気が変わるらしい。想像がつかなさすぎて逆に恐ろしいので、いっそそれだけは見に行こうかと思わないでもない。
◇◇◇◇
「どーもー! カムラガールズハンターズでーっす! 特盛うさ団子セットお持ちしましたぁー!」
「そんな訳の分かんないコンビ組んだ覚えないんだけど」
「今思い付いた! 良くない?」
「……はぁ……調子狂うわホント……」
調子は狂いに狂いまくりつつも、なんだかんだで仲良く連れ立って、目的地に到着した。
アヤメ達の住居とはたたら場を挟んだ反対側、森に近い立地に位置する、ヒノエとミノトの住まい。既に日がほとんど落ちていることもあり、木々の影に覆われたこの一帯は大分暗いが、アヤメもイブキもそれぞれ子供の頃にはよく遊びに来ていたので、勝手知ったる我が家のようなものである。玄関からヒノエがいるであろう奥座敷の方へ向かって声をかけると、すぐに返事があった。
「うふふ。どうぞ、お入りくださいなー」
「!」
「ヒノエさんだ。正気に戻ってるみたい!」
安堵に顔を見合わせつつ、ヨモギから預かった大量の折箱を二人で担いで、声の主の許へ向かう。
広々とした奥の間では、寝間着姿で布団から半身を起こしたヒノエを、ミノト・ゼンチ・フゲン・ゴコクが囲んでいた。その錚々たる顔触れと各人の深刻な表情からも、今回ヒノエの身に起きた共鳴が、当人だけでなく里全体にとっての一大事であることが見て取れる。しかし――
「まぁ、なんてこと……!? 自室にいながらうさ団子の山に囲まれることができるなんて……嬉しい……夢のようです……!」
「ガッハッハ! これはまた凄まじい量だな! ここで茶屋ができるのではないか、ヒノエよ?」
「いいえ里長、茶屋を開くわけには参りません。私が全ていただきますので」
「……あの……何本お持ちいただいたのでしょうか……」
「ヨモギちゃんが『六十本あれば朝までは持つでしょ』ってさ。足りる? ヒノエさん」
「ええ、なんとか」
「なんとか!? 朝までにこれ全部食い尽くす気でゲコか!?」
「あははは! まだ予備あるって言ってたから、足りなかったらまた持ってきてあげるね!」
「……ね、姉様……確かに、お好きなだけ召し上がってくださいとは申しましたが……その……」
「なぁに、ミノト?」
「何か問題があるのかというようなお顔をなさらないでください」
アヤメ達が運び込んだ狂気的な量のうさ団子は、張り詰めた場の空気を存分に和ませ、ヒノエの目をキラキラと輝かせた。頑張って担いできた甲斐もあったというものである。ミノトだけは大きな溜め息をついてますます疲れの色を濃くしているが、防衛から戻った時の切迫した様子に比べれば、幾分か表情が穏やかにはなったので良しとしよう。
「今ちょうど眠り薬を入れたところだから、またすぐ寝ると思うニャよ。ヒノエに聞きたい事があったら、起きとるうちに聞いとくニャ」
イブキと並んで空いた場所に腰を下ろしながら、ゼンチにそう言われてふとヒノエの顔を見ると、アヤメと目が合った彼女は、少し困ったように微笑んで頷いた。続いて、彼女の枕元に置かれた複数の使用済み薬包紙や飲みかけの水、殆ど中身のなくなった大きめの水差し等が目に入る。帰宅して以降、何度も薬で眠らされているようだ。何故そんな事をする必要があるのだろうか。
「……そうなのです。お二人がここへ来てくださるのも久しぶりなのに……ごめんなさいね。あの龍との共鳴が強くなると、ご迷惑をおかけしてしまうものですから……」
「ご迷惑は別に構わんのニャが、お前さんの心身への負担が大き過ぎるからニャ~」
「構わんことはないでゲコよ。寝といてもらうしか術がないのはヒノエにも申し訳ないけども、あれをミノト一人で抑えるのは無理でゲコ」
「うむ。初めからイブキとアヤメを呼んでおくべきであったかも知れませんな」
負担が大きい、抑えられない、自分達を呼んでおくべきだった――どれを取っても只事ではなさそうだ。『共鳴が強くなった』時の事を思い出しているのであろうミノトの顔が、みるみる沈んでいく。一人の女性に対処するのにハンターが二人も欲しかったというのは尋常ならざる話であるから、致し方ないのかもしれない。
「砦ではヒノエさん、共鳴したらすぐに倒れちゃってたじゃない。今は違うの?」
イブキが眉間に皺を寄せながら尋ねると、ミノトがピクリと肩を震わせ、ヒノエは少し申し訳なさそうに肩を竦めた。彼女達に代わり、再び厳しい表情に戻ったフゲンとゴコクが説明を引き受ける。
「あの龍の影響が強くなっておるようでな。共鳴を起こす度に、反応は大きく、意識を奪われる時間は長くなってきた。時によってはかなり激しく暴れることもある故、目が離せなかったのだ」
「あ、暴れる!? ヒノエさんが……!?」
アヤメは耳を疑い、フゲンとヒノエの顔を交互に見比べた。この状況で嘘をつくはずなどないとは分かってはいても、常に温厚で淑やかなヒノエと「暴れる」という単語が全く結び付かず、頭が混乱してしまう。
「暴れとるのはあくまでもあの龍。ヒノエはあれの激情に心身を振り回されとるだけでゲコ。今、ギルドとウツシがあの龍の居場所を捜索中だが……共鳴の強さと物理的な距離は比例しておるとワシは睨んどる。奴が、この里へ接近しつつあるということだ」
ゴコクの語尾から「ゲコ」がほとんど消え去っている。こうなるのは、彼が余裕を失うほどに状況が悪い時だけだ。イブキもそれに気付いたようで、ゴクリと生唾を飲む音がこちらまで聞こえた。イブキはヒノエの共鳴や『あの龍』そのものを直接目撃しているためか、アヤメ以上に緊張感を持って彼らの話を聞いているようだった。
「……私自身は共鳴すると意識を失ってしまうので、その最中の事は全く覚えていないのですが……酷く荒れるというのは、間違いないようです」
言いながらヒノエはおもむろに片方の袖を捲り上げ、露になった腕を前に差し出した。ミノトが眉を顰めてサッと目を背ける。逆に彼女の腕へ視線を集めたアヤメとイブキは、同時に目を見開いて息を飲み、言葉を失った。
彼女の細く白い手首には、繰り返し強く圧迫されたことを意味する、幾重もの内出血の跡がくっきりと残っていた。大きさとこれまでの皆の話、そして何よりも本人の苦しげな表情からして、おそらくこの痣を作ったのはフゲンだろう。彼が里の人間を意図的に傷付けるなど、平時ならば天地が裏返るよりも有り得ない事。ここまでしなければ止まらなかったのだ。
「それなりに鍛えてるにも関わらず、ミノトは何回かスッ飛ばされたニャ。そんな力で何度も暴れて抑えてを繰り返していてはヒノエの身体も周りも持たんから、対処法が見つかるまではなるべく寝かせておこうというわけニャ」
「……確かに、そうするしかなさそうだね、これは……」
「どこかへ縛っておいてくださいとお願いしたのですけれど、どなたからも賛成していただけなくて……」
「当たり前だ。罪人でもない里の家族を無下に拘束するなど、この俺が絶対に許さん」
「仮にフゲンが許可したとしてもワシが反対するでゲコ。あの様子ではおぬし、縛ってる縄どころか腕まで引きちぎりかねんよ。それに、ヒノエのそんな姿を見たら、ミノトまでぶっ倒れてしまうでゲコ」
先程から黙りこくったまま肩を震わせているミノトの様子を見れば、彼らの言葉にも納得せざるを得なかった。心から敬愛する姉が自らの意志を失って荒れ狂う姿を何度も目の当たりにしながら、ミノトがまだ冷静を保っているのは、姉を案ずる想いの強さ故なのであろうが、既にそれも限界に近そうだ。
「……ふぅ……お二人にも……お話しておかなければ、いけませんよね……」
徐々にヒノエの声が途切れ始めた。目はうとうとと虚ろになり、瞼も重そうだ。ゼンチの眠り薬が効いてきたらしい。ついさっきまで元気だったのに、相当強い薬でなければこんな早さでは回らない。ぐらつく上体をミノトに支えられて睡魔と闘いながら、ヒノエは絞り出すように続ける。
「意識を完全に失う直前には必ず……身が引き裂かれそうなほどの、孤独感や焦燥……苛立ちなどを……感じます……」
「孤独感……焦燥……?」
「ええ……『対』、則ち『番』を求める……とても強い……生物としての、本能です」
「対……つがい……」
アヤメ達がその言葉の意味を考える間もなくカクリとヒノエは力尽き、すぐにフゲンが鋭く一言発した。
「……警戒しろ」
ビリ、と、一同に電撃のような緊張が走る。
「入眠時は意識が混濁する。かの龍にとってはそれが、ヒノエの精神を侵食する好機であるらしい」
「!」
完全にミノトへ身体を委ね、寝かされようとしていたヒノエの指先が、小さくピクリと動いた。
「俺では加減ができず、どうしてもヒノエを傷付けてしまう。……頼めるか、オマエ達」
「……やってみます」
アヤメとイブキは片膝を立て、全神経を集中して、来る未知の脅威に備える。
「……ううっ……」
眠りに落ちたはずのヒノエが、ミノトの腕の中で小さく身動ぎをして、苦しげに呻く。
『……対よ』
「――来た」
ヒノエの口から漏れた彼女の物とは思えぬ低く重々しい囁き、突如その場を支配する禍々しいオーラ、異変の始まりを告げたイブキの呟き。全てが同時だった。
「!!」
弾かれたように各々が腰を上げ、ヒノエの身体の手近な所に飛び付いた。ミノトとイブキはヒノエが暴れ出す前に上半身を抑えることに成功したが、咄嗟に布団の上から両足に一人で組み付いたアヤメは、布団ごと弾き飛ばされて背後の床の間に突っ込んだ。
「ッたぁ!?」
「アヤメ!!」
何が起きたのか分からなかった。柱で頭を強打して眼前に星が飛んだが、フゲンの呼ぶ声ですぐさま我に返り、中空を蹴るヒノエの脚を無我夢中で再び捕まえにかかる。ヒノエがハンター同等に弓を使いこなすだけの力を持っていることはアヤメも承知しているが、それを十分過ぎるほどに考慮した上での想定をも、現実は遥かに上回っていた。
触れるもの全てを拒絶し、排除しようとするかの如く、出鱈目に猛り狂うヒノエの身体。彼女に体格も膂力も勝るはずのアヤメが全体重をかけてしがみ付いても、身体ごと振り回されて全く制御できない。
「ミノトさん下!!」
「そっちお願い!!」
「はい!!」
三人それぞれの的確な判断は瞬時に一致。上半身を一番力のあるイブキが引き受け、下半身を二人掛かりで左右に手分けして、ようやくヒノエの全身がバタつくことはなくなった。しかし――
「んぎっ……ヒノエさん……ごめん、ねぇぇ……ッ!!」
イブキはこめかみに青筋を浮かべ、噛み砕きそうなほどに歯を食い縛って、ヒノエの胴と上腕を丸ごと抱き竦め、渾身の力で締め上げている。ヒノエの身体に負荷をかけぬよう気遣うなどといった余裕は微塵も見受けられない。そんな手心を加えれば、先程宙を舞ったアヤメの二の舞になるのが目に見えている。
「薬が効けばオチるニャ! それまで頑張るニャ!」
「いつ効く!?」
「すぐ! すぐニャ!!」
「ぐぅ……!!」
「フゲン! おぬしまで入ったらヒノエが潰れてしまう!! 耐えろ!!」
「姉様! ヒノエ姉様!!」
振り切られかけたイブキの肘に突き飛ばされた枕元の水差しが、ガシャンと倒れて割れた。
飛び出そうとするフゲンを引き留めるゴコク、その背後に隠れて喚くゼンチ、豹変してしまった姉に縋りながら、錯乱したように泣き叫ぶミノト。イブキが暴れ倒した夜をも超えようかという修羅場だ。
「ぐっ……う、んっ……!? な、何か……何か言ってる……!?」
息つく暇も与えられず酸素不足に陥りかけているアヤメ達に、ヒノエの虚ろな声が訴えかけ続ける。
『対は……何処……対よ……対よ……何処に居るや……対は……何処……』
自我を失ったヒノエ――その内にいる龍が壊れたようにひたすら繰り返す『対』を求める声は、力み過ぎてキンキンと鳴り始めた耳を素通りし、濁流のように脳へ直接流れ込んでくる。
灼けるような激情、切望から来る激しい怒り、嵐の如く吹き荒れる圧倒的な龍の力。頭がおかしくなりそうだ。
◇◇◇◇
しばしの後、ようやくヒノエは眠りに落ち、龍の支配から解放された。
「――ッだあぁぁー!!」
単独で上半身拘束の任を全うしたイブキが、奇声を上げながら大の字で畳の上にひっくり返った。額にびっしりと汗を浮かべ、限界ギリギリまで酷使した手は小刻みに震えている。そんな彼女に向かって、フゲンが恭しく頭を下げた。
「さすがは我らが里の若き英雄、よくぞ抑え切ってくれた。礼を言う……!」
「えへへ、どうも……でも……コレ何回もやるのは、英雄でもちょっとキツいですぅ……」
へたばるイブキの傍らで、もう一人の功労者であるアヤメは悶絶して倒れ臥し、歯の根が鳴るほどの痛みに呻吟している。ヒノエが薬に陥落する直前には気力だけで縋り付いていたようなもので、限界などとっくに超えていた。
「古傷が痛んどるニャね。氷持ってくるから待っとれニャ」
「アヤメさーん……生きてる……?」
「……いちおう……」
「アヤメ! おいアヤメ、大丈夫でゲコか!?」
「ぅ……だ……大丈夫……です……」
「その身体であの力を御するのは大変な労苦であっただろう。無理をさせてしまったな……済まぬ」
「いっ、いえ……しばらく休めば……落ち着きますから……ッ」
「……わたしも、こんなに辛い思いさせたんだ……? ごめんね、アヤメさん」
「それはもう、いいって……」
ゼンチ以外の面々が、怪我の後遺症に苦しむアヤメの姿を目の当たりにするのは初めてだ。改めて彼女が抱える故障の深刻さを知り、それぞれが狼狽して胸を痛めた。
そんな中、皆の輪から一人外れて憔悴しきった様子で座り込み、室内の光景を呆然と見つめているミノト。もはやその目には何も映っていない。こちらもアヤメとは違った意味で、もう限界だった。
「ミノト。……ご苦労であったな」
「……はい」
「……」
かろうじて声をかけたフゲンの顔を見はすれど、まるで生気のない表情と声。生気は元々そんなにないが、今はもはや、虚無だ。フゲンは溜め息をついて、労うようにミノトの肩を叩いた。
「ここはオマエの家だから、追い出すような形になるのは不本意だが……外で少し風にでも当たってこい。それから、睡眠を取れ。昨夜の防衛前から一睡もしておらんだろう。このままではオマエまで倒れてしまうぞ」
「ですが……里長」
ヒノエの側にいたいがあまり、至極真っ当な里長の命にまで食い下がろうとするミノト。アヤメ用の氷や包帯を携えて戻ったゼンチ、そしてゴコクがフゲンに加勢する。
「今回の薬なら数時間は起きんから、席を外しても大丈夫ニャよ。というか、ここにいても気を揉むだけでやる事ないニャ」
「ミノト、酷い顔しとるでゲコ。ワシらも一旦引き揚げる。ちょっと気分転換でもして、ゆっくり休むでゲコ」
「ワシはずっと付いとるから、ヒノエが起きたらミノトも呼んでやるし、イブキとアヤメもおるから何とかなるニャ」
「!?」
「へぇッ!?」
そうだそうだ、おやすみなさいミノトさん、と心の中でフゲン達を応援していた疲労困憊のガールズハンターズは、突然自分達にお鉢が回ってきたので目を剥いて仰天した。
「わたしはともかくアヤメさんは無理じゃない!? わたしも一人じゃさすがに無理じゃない!?」
「いや……そりゃ必要ならやる……やるけど……ゼンチ先生がちょっと鬼には見える……」
「大丈夫ニャ。次の手もちゃんと考えてあるから、今みたいなことにはもうさせんニャよ。……多分ニャ」
カムラ随一の名医であるゼンチが、今のアヤメやイブキの満身創痍ぶりを理解していないはずはないし、特に、まだ畳に転がってされるがままに冷却されているアヤメにまで『アレ』の対処をもう一度やれと言うのも考えにくい。本当に何か策があるのだろう。そういった点については、アヤメもイブキも彼に全幅の信頼を置いている。「多分」は少々不安だが、前代未聞の事態である以上、それは仕方あるまい。
「……まぁ、そういうことなら……アタシとイブキは、先生が必要だと判断した時には必ず付いてるようにするよ。いいよね、イブキ?」
「勿論。だからミノトさん、休んできて。ルームサービスくんがうちのお風呂沸かしてくれてると思うから、散歩がてら行って空いてたら好きに使ってくれていいしさ」
「……ミノト。里の皆はこの通り、オマエのことも家族として身を案じておるのだぞ。遠慮なく頼れ」
フゲンの言葉が最後の一押しになり、ようやくミノトはゆっくりと首を縦に振った。一同がホッと胸を撫で下ろす。
「……ありがとうございます……では、少し里の中を歩いて……お風呂も、お借りしますね。申し訳ありません」
「謝んない謝んない! わたしもこないだ散々お世話になったし、おあいこ!」
ニッと笑ってイブキが親指を立てると、ミノトは弱々しく頭を下げ、フラつきながら立ち上がって部屋を出ていった。
平時の彼女は普通に朝起きて夜に寝ているはずなので、ボロボロの精神状態のままでもう丸一日以上寝ていないことになる。湯船で気絶でもするのではないかと心配になったが、今の彼女には一人の時間も必要だろう。アヤメとイブキは話し合い、少し時を置いてからミノトの様子を見に行くことにした。
「さて……ではフゲン、あとはゼンチ達に任せるでゲコよ。おぬしも少し休まねば。次の百竜夜行がいつ来てもおかしくないのだから」
「……うむ。頼んだ、ゼンチ」
「はいニャー。あ、アヤメとイブキ。お前さん達も落ち着いたら帰っていいニャよ。用が出来たらフクズクを飛ばすから、居場所だけ教えといてくれたら」
「分かった。イブキ、どうしよっか」
「わたしの家にいたらいいんじゃない? アヤメさんちよりは快適だと思うし」
「一言多いんだよアンタは。愛想もクソもない部屋で悪かったね」
「ハハハ。やはりアヤメの住居もきちんと用意せねばならんな」
「あっいえそういうアレでは」
早くも普段の調子を取り戻しつつある若者達の逞しい様子に頬を綻ばせていたフゲンだったが、ひとしきり笑うとその笑顔を潜め、二人に向かって再び険しい面持ちを見せた。
「ゴコク殿も仰せの通り、次の百竜夜行はそう日を置かずに起きるだろう。これはまだ推測の域を出ぬ話だが、おそらく……俺達が見たあの龍こそが、長きに亘りこの里を脅かしてきた、百竜夜行の元凶だ」
「!」
二人のハンターの瞳が、驚きと衝撃に見開かれる。
「群れたモンスター達の挙動が、まるであの龍に追い立てられているかのようだったという情報があってな。共鳴したヒノエの様子を見るに、奴自身は『対』を求めて移動しているだけで、他のモンスターを攻撃する意図はないようだが」
「強大な力を持った古龍の活動を恐れ、周辺のモンスターが縄張りを捨てて逃げ出すというのは、まあそれなりに聞く話でゲコ。ウツシ達は青い龍の捜索と同時に、この仮説の裏も取りに行っとるんでゲコよ」
「……もし、それが本当なら……」
誰とも目を合わせずじっと自分の足下を見つめ、切迫した表情でイブキが口を開いた。アヤメは、彼女のこんな顔をどこかで見たことがある。
「……百竜夜行のモンスター達は、カムラの里を襲いに来てるんじゃなくて……ただ、あの龍から逃げてるだけ……ってこと?」
「そういうことだ。俺達の見立てが正しければ、な」
「……」
すぐに思い出した。これは、イブキがアヤメの大剣を初めて手に取り、零れた刃の向こうに見えない何かを必死で探していた、あの時の目と同じだ。
「……何か思うところがあるようだの、イブキ」
そんなイブキの様子に、ゴコクが元々細い目を更に細めた。イブキを孫のように想って育ててきたという彼は、彼女の特殊な感性をも理解しているのだろう。その優しい眼差しと口調は間違いなく、手探りで何かを探そうとし始めたイブキを温かく見守るものだった。
「うん……頭こんがらがってきた」
「ホッホッホ。気の済むまで悩むがよいよ。迷いを抱えたまま戦場に出ては危ないからね」
「ありがとう、ゴコク様……アヤメさん、ちょっと付き合ってくんない?」
「え? いいけど」
「よっしゃ。ミノトさんが上がってたら一緒にお風呂入ろ。じゃあ里長、ゴコク様、そういうことで! ゼンチ先生また後でね!」
またしても勝手に決めて勝手に飛び出していった。いつも通りだが未だに慣れない。
「は!? いやアレに二人は絶対無理……あー、もう。すみません、失礼します」
アヤメも慌ててイブキを追い、眠るヒノエと老人達だけが残された部屋は、一気に静寂に包まれた。
「……やれやれ。やはり彼奴は、一筋縄ではいきませんな」
黙ってイブキ達を見送ったフゲンは、腕組みをしたまま一息ついて苦笑した。
ゴコク同様、イブキがこの世に生を受けた時から彼女を見守り続けてきたフゲンにも、イブキの心に生まれた蟠りは本人以上に分かっている。人とは違う視点を持つが故の危うさも十分に理解した上で、それでも彼らは、イブキを里の宝として愛しているのだった。
「どんな答えを出してくるでゲコかねぇ。楽しみでもあり、心配でもあり……いつまで経っても、色んな意味で目の離せん子でゲコ」
「如何にも。されど、あの子がこの災禍の中に何を見ようとも、それはあの子の心次第。我らは只、里を守り抜く腹を決めておくのみ」
「うむ。……それはそうと、イブキがアヤメにあれほど懐くとは、ちょっと意外だったでゲコな。いや、アヤメの方がよく面倒を見とると言う方が正しいんでゲコか、あれは?」
「他人と馴れ合うのを嫌うアヤメの性分は、幼子の頃からさして変わっておらぬようですが……何せ、この里を出てからあの子が見てきた世界は、ともすれば我々にも想像の及ばぬもの。それ故に、あのイブキとも何か通ずるところがあるのやもしれません」
「ホッホッホ。二人とも人生まだまだこれから、良き友と出会えば心は如何様にも変わるでゲコ。若さというのは眩しいモンでゲコな、フゲン!」
「左様ですな」
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ヒノエさんを壊したかった
【NPC全登場チャレンジ:残り7人】