時系列的には18巻辺りの内容ですが、「こんな展開もアリだな」と僕が思ったことを文章化しただけです。
是非楽しんでいって下さい。
ベルは【ヘスティア・ファミリア】の本拠の自室にいた。
いま僕は装備の確認をしている。主な装備は、武器は『ヘスティア・ナイフ』『白幻』そして『
なぜ、装備の点検をしているのかというと、【フレイヤ・ファミリア】との戦争遊戯を三日後に控えているからだ。
今日まで僕は【ロキ・ファミリア】の幹部の皆さんに鍛えてもらった。
訓練は、僕が【フレイヤ・ファミリア】で受けた洗礼をそのまま彼らにもしてもらい、その際の治療はアミッドさんがした。
Lv.6複数人による波状攻撃。皮肉にもその理不尽さに慣れていたとはいえ、フレイヤ・ファミリアから解放された日にLv.5にランクアップした僕でもキツかった。それでも諦めずにやり遂げた。
またLv.5になった時に、神様にスキル『憧憬一途』の存在を教えてもらった。その時は驚きもしたし、同時に嬉しくもなった。自分のアイズさんへの想いがスキルになって発現していたからだ。
その事もあって、今まで以上に『憧憬一途』の効果が向上し、戦争遊戯前に僕の能力値はこうなった。
ベル・クラネル
Lv.5
力:SSS1256
耐久:SSS1364
器用:SSS1201
敏捷:SSS1324
魔力:SSS1279
幸運:E
耐異常:F
逃走:H
超克:I
《魔法》
【ファイアボルト】
・速攻魔法
【ケラウノス】
・付与魔法
・雷属性
《スキル》
【憧憬一途】
・早熟する
・懸想が続く限り効果持続
・懸想の丈により効果向上
【英雄願望】
・能動的行動に対するチャージ実行権
【闘牛本能】
・猛牛系との戦闘時における、全能力の超高補正
【逆境超克】
・戦闘続行時、発展アビリティ『治力』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『精癒』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『魔導』の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ『魔防』の一時発現。
・補正効果はLvに依存。
このように全て能力値が1000を優に越えている。
また、魔法も発現した。というよりも、強制的に発現させたと言った方が正しいだろう。
魔導書を使ったからだ。これはフェルズさんにもらった物を使った。僕がフレイヤ・ファミリアに捕えられていた時に何もしてやれなかった御詫びらしい。断ろうと思ったが、今はとにかく力が欲しかったから、遠慮せずに使わせてもらった。
発現した魔法は付与魔法だ。なんと効果はアイズさんの魔法を越える物らしい。
確かに使うと全能力値がすごい上がって、僕もビックリしたほどだ。
これは切り札だから、使い所を間違えないようにする。
絶対に勝ってみせる。シルさんの『本当』を教えてもらうためにも。
そう想いを新たにしていると、ヘルメス様が部屋にやって来た。何でも話があるらしい。
───────数十分後。
ヘルメス様から教えてもらった。僕の出生のことを。
僕を育ててくれた祖父は、名をゼウス。かつての世界最強のファミリアの主神だそうだ。
そして僕の父親は祖父の眷族で、母親は同じくかつて世界最強だったヘラ・ファミリアの眷族らしい。
そこまでは驚きはしたけど、まだ良かった。
お爺ちゃんはやけに英雄譚に詳しくて、まるで自分が見てきたものを語るように僕に英雄譚を読んでいたからだ。むしろ、納得できた。いや、僕に死んだふりをして、オラリオに行かせたことは納得出来てないけど。
でもそれ以降の話を僕は認めたくなかった。
7年前にゼウスとヘラの眷族が一人ずつオラリオに降臨し、大殺戮を行ったこと。
ヘラの眷族は僕の母親の双子の姉、つまり肉親だということ。
オラリオに試練を与えたのは、僕が戦わなくてもすむように、というのも理由の一つらしい。
特に唯一の肉親を失ったという事実が僕に衝撃を与えた。
ヘルメス様がなぜこの話を今したのかというと、ゼウスとヘラの千年の壁を一人で乗り越えた【猛者】と戦うのならば、ゼウスとヘラの眷族の間に生まれた僕にもこの事実を伝えなければならないと思ったから、だそうだ。後、オッタルさんと僕で一騎討ちをして、『真の最強』にどちらがなるのかを見たいとも言っていた。
今頃知ったこの重大な事実にどう向き合えば良いのか、僕には分からない。
とここで、手に持っている時計のような魔導具をふと目にする。
これは先ほどヘルメス様が僕に手渡した物だ。何なんだろう、これ?ヘルメス様は詳しく教えてくれなかったけど。
しばらくこの魔導具を眺めていると、突然この魔導具が光り、そして砕けた。そして、光る無数の小さな粒子が僕の足元に散らばり、僕を中心に約半径1.5Mの魔法円が形成された。僕が驚いている間に、魔法円はその範囲内にいる僕と僕の装備一式をその場から消した。
まどろみに抱かれていた。
澄みきった風のような香りと、温かなお日様のような温もり。
肌を通じて感じる全ての気配が穏やかだった。
眠い。
ずっとこの居心地に抱かれていたい。
(……?)
そっと、髪を撫でられた。額に触れた細い指がくすぐったい。
優しい指使いだった。安心する。
閉じている瞼をおずおずと開けた。
「……おかあさん?」
顔も知らない、会ったこともない人の名前を唇で転がす。
瞳にぼんやりと映る輪郭の動きが、ぴたりと止まった。
「……おかあさん、か。普通なら知らない子供にそんなことを言われれば、手刀を繰り出す衝動にかられるだろうが、お前に言われると悪くない気分になる。どうしてだろうな。お前が私の妹を彷彿とさせる髪をしているからなのか?」
「……え?」
その人は透き通った声で僕にそう聞いてきた。
霞む目を見開く。
次第にハッキリとしてくる線の形。
最初に像を結んだのは灰色の髪で、次は綺麗に整った顔立ち。
最後は左右色の違う、いわゆるオッドアイ。
「……」
「……起きたようだな」
目は覚めた。
しかし、僕は、僕を見下ろしているこの人の顔にただ見入っていた。オラリオに来て美女美少女に慣れてきた僕だか、この人はオラリオで出会ってきた美女達よりも一際綺麗な人だった。
そしてもう一つ、頭の後ろが柔らかい。温かい。
何をされているのかは分かった。憧憬に何度もされてきた僕だからこそ断言出来る。
『膝枕』だ。
女の人の指が、また僕の髪をすいた。
触れられた瞼が、熱い。
「……」
のろのろと上半身を起こした。
頭の後ろから遠のく温もりがすごくもったいない気がしたけど、起きる。
一度彼女が視界から消える。代わりに僕の目に映ったのは、懐かしい部屋だった。
ここはまだ僕が駆け出しの冒険者だった頃、神様と一緒に暮らしていた廃教会の地下にある部屋だ。
そして、僕が寝ていたのはベッドの上。つまり、ベッドの上で僕の横にいる彼女に膝枕されていたということになる。
そこまで考えて僕は思い出す。
確か、ここはアポロン・ファミリアに潰されたはずだ。
しかし、この部屋でそんなことが起きたとは思えない。まるでそんな事実は今まで無かったと思えるくらいに。
立て直したとも考えられない。今の本拠に住むようになってからも時々この廃教会は訪れていたからだ。
(どういうことだ?)
「どうした?何かに驚いているように見えるが。……まぁ良い。私から一つ質問させろ。お前は何者だ?」
僕が混乱していると、目の前の美女がそう聞いてきた。
原作の17巻までの内容をもとにしてるので、ステイタスはほとんど弄ってません。魔法とスキルを一つ増やして能力値を引き上げたくらいです。新しい発展アビリティは『超克』。数々の不条理を乗り越えてきたベルにお似合いの言葉かなと思ってこれにしました。スキルはどこかの猪人さんのものに似てますが、ベルと彼は境遇が似てるのでそれでいいでしょ。