時空を超えた英雄   作:深紅の瞳

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 ベルにヘスティアが抱きついている所を、もしアルフィアが見たら、問答無用で幼女神に【福音】すると思います。
 神話では、ヘスティアはゼウスの姉なので、姉弟そろって魔法の餌食にされてるシーンを想像してしまう。


第2話 状況確認

「どうした?何かに驚いているように見えるが。……まぁ良い。私から一つ質問させろ。お前は何者だ?」

 

「……えっ?」

 

 僕が混乱していると、目の前の美女が聞いてきた。

 

「何者ってどういうことですか?僕も今の状況が全く理解出来ていなくて……」

 

「……嘘を言って誤魔化しているようには見えないな。私が知っていることを教えてやる。お前は突然この部屋に現れた」

 

「えっ?ど、どういうことなんですか?」

 

 彼女の言っている意味が分からないので僕は聞く。

 

「私は自分の妹が愛したこの部屋の上にある教会に来ていた。するといきなり地下から何かの気配を感じてな。すぐにこの部屋まで来てみると、魔法円(マジックサークル)が展開されていた。直後、そこからお前とそこにある装備が現れた」

 

 と、彼女は床に置かれた僕の装備一式を指差しながら告げる。

 

 そこで、思い出す。

 

 僕がヘルメス様にもらった魔導具によって発生した魔法円によって自身を包まれたことを。

 

「僕は本拠に居た筈……なのにここにいる……もしかして僕、転移したの?」

 

「転移?そんな魔法は私でも知らないな」

 

 僕の考察に目の前の女性も少し驚いている様子だ。

 ところで、さっきから気になっていることがある。

 

「……あの~、どうして瞼をずっと閉じているんですか?」

 

「気にするな。開けるのですら億劫なだけだ」

 

 「面倒なだけなの !?」と内心驚いていると、彼女は「しかし、」と言って瞳を開ける。

 

「懐かしいと感じることができるお前の髪を見るためならば、瞳を開けるのも悪くはないな。……ただ一つ、その紅い瞳だけは無性にくり抜きたくなる」

 

「ひえっ !?」

 

 いきなり不穏な空気を醸し出した彼女に僕は怯える。

 

「私の愛する妹を孕ませたあの男の瞳にそっくりなのが悪い」

 

「……」

 

 結構理不尽なことを言ってくる彼女を見て、このままだとヤバいと思い、僕は話を戻すことにした。

 

「あの、僕が転移してここに来たとしたらおかしいんですよ」

 

「何がだ?」

 

「数ヶ月前に、教会ごとこの部屋も【アポロン・ファミリア】に破壊されたんですよね」

 

「何!?」

 

「ヒッ!?」

 

 僕の発言に、目の前の彼女は額に青筋を走らせた上にヤバい魔力を立ち昇らせる。

 

「私の妹が愛した教会を破壊だと……いや、待て……なら何故今ここは無事なんだ?」

 

「そ、そうなんですよ!僕もそこが疑問なんです!ここが破壊された後も定期的に様子は見に来てたんですけど、改築なんてしてませんでしたし」

 

 これ以上怒らせると不味いので、彼女の疑問に便乗して今度は『教会の破壊』という内容から話をずらす。

 

「私はここを一度とて破壊されたとは思えない。8年前と何も変わっていないからな。しかし、お前は破壊されたと言う。何かがおかしい、いや、ずれていると言った方が正しいかもな……………………まさか!」

 

「な、何か分かったんですか?」

 

 彼女の表情からして何かに気付いた様子だったので、僕は聞いてみた。

 

「お前。今、ゼウスとヘラの眷族が『黒竜』に敗れて何年経つ?」

 

「えっと、15年ですけど」

 

「……やはりか」

 

 僕の答えにより、彼女は何か確信したようだ。

 

「ど、どういうことですか?」

 

「聞いて驚くなよ。ここは、いや、今はゼウスとヘラが『黒竜』に敗れて8年経った時代だ」

 

「……………………えっ」

 

 彼女か言った衝撃的な事実に僕は思考が停止した。

 

「しかし、15年ということはつまりお前は今から7年後の時代からやって来たということになるな」

 

「……は、はい」

 

 彼女の見解に、思考停止していた僕はなんとか頷く。

 

「こうなった原因に心当たりは?」

 

「多分、ヘルメス様かと」

 

 僕は彼女にここに飛ばされるまでの経緯を話す。

 

「あの神ならば確かに納得出来るな。遺跡調査などもしているから、大方そこでその魔導具を見つけたのだろう」

 

 と彼女は言う。

 こうして僕は、自分がヘルメス様によって7年前のオラリオに飛ばされたことを自覚した。

 

 




 アルフィアとアストレア・ファミリアのメンバーは、マジで死ぬべきではなかったと思います。
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