FGO DLC仮面ライダーWエンジョイプレイ 作:ヘンリーロック
巨人が彼女を捕らえると胸の檻に放り込み、仰向けに倒れ込んでいった。
『サーヴァント反応消失………ってことは、勝った!僕達が勝ったんだ!』
「……………」
『あれ?ここら辺で所長の怒りが来ると思ったけど、どうしたんだい?』
「口を慎みなさいロマニ、ただ私は疲れただけよ。」
『なにもしていないのに?』
「うるっさいわね!言われなくても解ってるわよ!」
遠くから所長の怒鳴り声が聴こえる、恐らくロマニが変な事を言ったのだろう。
そう考えていると、上半身裸になったキャスターが俺に近付いてくる、彼の方も激戦だったようだ。
「五月蝿いのなんの、さっきまで戦いがあったのが嘘みてぇだぜ。」
「キャスター援護してくれてありがとう、助かったよ。」
「へっ、あれは俺の宝具が悟られないように立ち回ってくれたお陰でなんとかなったようなもんだ。」
「だが、少し遅かったらこの大馬鹿者の命は無かった。」
確かに、彼があのタイミングでやって来てくれなかったら俺は死んでいただろうから、助かったのは事実だ。って、
「なんで生きてやがるてめぇ!」
「む?」
話に混ざるのが自然過ぎて、セイバーが生きているのに気が付かなかった。
「ちょっと!ロマニ!?アイツ生きてるじゃないの!?」
『あれ?確かに消失を確認した筈なのに………あれぇ?』
「あれ?じゃないわよ!とにかく護!トドメを刺しなさい!」
「……………イヤ、そんな事をしなくても彼女は限界さ。」
「そこのアーチャーの言う通りだ、私は貴様らに危害をくわえる気は無い。ただ貴様に渡す物があるだけだ。」
そう言うと彼女は身に纏っている鎧を消すと紺色のドレスが姿を表し、その一部をちぎり俺に手渡してきた。
「必ず私を呼べ、良いな?」
「…………分かった。」
俺が承諾すると、安堵するような憂うような笑みを浮かべながら今度こそ光となって消失した。
「ったくらしくねぇ面しやがっ……てオイオイ!消えんの俺もかよ!もうちょい話させ、あ、ちょまっ……坊主!それと小僧!次召喚する時はラン……………。」
慌てながらキャスターは消えていったが………結局彼は何を言いたかったのだろう。ラン………ランナー?
そんな事を考えていると、どこからか拍手の音が聞こえる。
「いやはや……まさか君達がここまでやるとはね。私の計画の想定外にして、寛容さの許容外だ。特に……堀本護。あの時君を仕留める事が出来なかったのが悔やまれるよ。」
「──────レフ……ライノール?」
「ん?私がどうしたのかな?堀本護」
そこには緑色の服装でシルクハットを被った男レフ・ライノールの姿があった。
『レフ──!? レフ教授だって!? 彼がそこにいるのか!?』
「うん? その声はロマニ君かな? 君も生き残ってしまったのか。すぐに管制室に来てほしいと言ったのに、私の指示を聞かなかったんだね。まったく──」
そう言うと、レフのにこやかな笑みを薄気味悪い笑みへと変わる。その笑みはどこか残虐性を感じさせる。
「どいつもこいつも統制が取れないクズどもで吐き気が止まらないな!何故貴様らは定められた運命から逸れたがるんだい?」
「───ッ!マスター……下がってください。あれは私達が知っているレフ教授ではありません!」
「マスター……あれは人間ではありません。あれは人間の皮を被った異形です。」
俺がアイツを警戒しているとオルトリンデやビリーが俺の近くにやって来た。立香のほうはマシュが護ってくれているので安心してアイツに集中することが出来る。
そんな事を考えていると所長がレフの方にゆっくりと近付いていく。
「レフ……あぁレフ、レフ生きてるのね!良かった、あなたがいなくなって、私どうやってカルデアを守ればいいのか分からなかったわ!」
「ん?やあオルガ。元気そうでなによりだ。君も大変だったようだね。」
嫌な予感がした俺は彼女を引き止める。
「ちょっ!護、離しなさい!」
「…所長ダメ………アイツに近付いちゃダメだ………!」
「何を言ってるの!?レフはそんな人じゃ無いわよ!」
「ク、クフフ、フハハハハハ!!」
不意に、レフが笑いだす。同時に俺は彼女を抱き締める。オルトリンデはいつでも俺を護れるように、ビリーは宝具を使う機会を伺いながらレフを観察する。
「レ、レフ?どうしたの?」
「ふぅ……ふふ、失礼。いやなに、ただあまりの道化っぷりに思わず笑っただけさ、魔術を扱えないが故に見逃してやった無能の藤丸立香、その身に宿した英霊の力を引き出すことが出来ない欠陥品のマシュ・キリエライト、ついでに私の命令を無視して管制室に来なかったサボり魔のロマニ・アーキマン、そして魔術とは異なる力で戦う堀本護……全く想定外が多過ぎて頭痛がしてくるよ。しかし最も想定外なのは………」
そう言うとレフは所長に視線をやる。
その目は人間に向ける目ではなく、まるで虫けらを見つめるような目付きだ。
「
「え?……は?」
レフが言った言葉に、所長は、いや立香やマシュそして俺もその言葉の意味を理解できずに呆けていた。
「なんだ?まさか死んだことで考えることを放棄したのか?まぁどちらにせよ不愉快に変わりはないがな。」
「レフ……所長が死んでるってのは、どういう意味だ……!」
「どうもなにもその言葉通りだが?まさか説明もしないと分からないとは、だが今の私は気分が良いのでね。特別に貴様らに教えてやろう。」
彼は俺達に目を向けながら話を続ける。
「実はねオルガ。管制室に仕組まれていた爆弾、あれ君の足元に設置していたんだ。」
「どういうこと……?じゃあ、あの爆発は……レフの仕業なの?なら今ここにいる私は?だって、だって私はここにちゃんといるじゃない!」
レフの言葉に信じたくない、彼女は必死に反論する。
しかし、レフはそんな所長に残酷な現実を叩き付ける。
「生前君は、レイシフト適性がなかった。だがどういうわけかトリスメギストスは、爆発に巻き込まれて残留思念となった君をこの土地に転移させた。わかるかなオルガ?君は死んだことではじめて、あれほど切望していたレイシフト適性を手に入れたんだよ。」
「そんなの…嘘…嘘に決まってるわ…。」
それを聞いた所長は目から光を失い、ブツブツと言い始める。やがて光を失った目からはとめどなく涙を流し始めた。
「所長………大丈夫です、大丈夫…大丈夫だから……!今はいっぱい泣いてください。」
俺には何が正しくて、何をすれば良いのか分からなかったけど、今はこれが最善だと思った。
「下等なサルの見世物など見るに堪えんな、仕方ない貴様達に更なる絶望をくれてやる。」
奴は追い討ちを掛けるようにそう告げると不意に手をかざした。すると背後の孔が空き、そこから真っ赤に染まったカルデアスが出てきた。
「あれ……は、まさかカルデアス?なんでカルデアスがあんなに真っ赤なのよ!?」
「信じたくないだろうが事実だ。ご覧の通りカルデアスにはお前たち人類の生存を示す青色は一片もない。あるのは只燃え盛る赤色だけ。未来が観測できなくなったことを、お前たちは”未来が消失した”などとほざいていたが実際は違う。」
真っ赤になったカルデアスを呆然と見る所長に、奴は嘲笑うかのような声で話す。
「未来は消失した?否!”焼却”されたのだ!分かるか?つまるところこれは人類史による人類の否定だ。貴様らは進化の行き止まりで衰退するのでも、ましてや異種族との交戦の末に絶滅するのでもない!」
奴は激しい口調のまま言葉を続ける。
「自らの無意味さに!自らの無能さに!我らが王の寵愛を失ったが故に!何の価値もない紙屑のように跡形もなく燃え尽きるのだ!」
そう言った直後、所長の身体が宙に浮く。
「え?身体が引っ張られてる……?」
「───ッ!所長!」
「とはいえ、これでも私は血も涙もない悪魔ではない。だからせめてもの慈悲だ。”君の宝物”で死なせてあげるよ。まぁもっとも、カルデアスは君のものではないんだがね。」
奴はカルデアで見た、作り物めいた笑みを所長に向ける。
それを見た所長はこれから起きる事を想像して顔色を青くする。
「私の宝物って、や……やめて、レフお願い。だってカルデアスよ?高密度の情報体よ?次元が異なる領域なのよ?」
「あぁそうだね。
オルガマリーの懇願を無視し、狂ったような笑みを浮かべてレフは死刑を宣告した。
「いや…いやいやいやいやぁぁぁ!助けて!誰か助けてぇぇ!」
彼女の悲鳴が遠くから聴こえるように小さい。
いつ?どのタイミングで助ければリスクが無くて済む?
「私は………私はまだ何もしてない!それに――――生まれてからずっと!誰にも一度も!ただの一度も認めてもらえなかったのに!こんな終わりなんていやぁぁぁ!こんなところで死にたくないぃぃぃ!!」
「フハハハハハ!!!良い泣き声だ!オルガ、この特異点の終末に相応しい……………………ア?」
不意にレフの頭が仰け反る、良く見るとレフの額から血が吹き出ていた。そしてレフの身体はカルデアスへと消えていった。
「ゴメン、マスター。僕の判断で撃たせて貰ったよ。」
「イヤ、むしろ助かったよ。ビリー」
ルナ!
そう言うと俺はあの時男から貰ったドライバーを腰に付け、もう片方のドライバーに
「え?イヤ、ライダーに任せれば良いんじゃ?」
それは今さっき思い付いたけど、気にしない!
ドライバーは所長の腰に張り付き、そして所長の身体はメモリごと俺のドライバーに転送され、そのメモリを奥に刺し込んだ後に、
スカル!
俺の
「…………変身」
ルナ!
身体がより強靭な物へと変貌する、
右半身は黄色くしなやかに動けるようになり、左半身は薄く紫がかかった黒色で砕くことが容易ではない身体になる。左手の甲には
首元にはボロボロになったマフラーがついており、胸には肋骨に似た物がついている
『────う~ん?あ、あれ?私………カルデアスに吸い込まれそうになってそれで……………?』
「おはようございます、今貴方は生きてます。」
『………………おかしいわね、護の声は聴こえるのに姿が見えないわ……それに左半身が動か………………え?』
そう言って彼女は左半身を見たとたん、呆気にとられた声が聴こえてきた。
『スゥー───ちょっと!今の状況を簡単に説明しなさい護!?』
「え、まさかの名指し!?」
『腰に付いてるメモリに見覚えのある物だからよ!』
「分かった、後でちゃんと説明しますから、暴れないデ!あ、ヤベッ」
所長を落ち着かせようと奮闘していると、身体が倒れてしまった。
というかビリー笑ってないで助けて!
「ゴメンちょっと無理。ツボに入っちゃって……アハハ!」
「────ハァ、マスター立てますか?」
「うん。ありがとうオルトリンデ。」
「オーイ!護!そっちは大丈夫かー!」
「あの先輩、あれは本当に護さんなのでしょうか?」
少し遠くから立香達の呼び声が聴こえてくる。
「あっ、そうだ聖杯。えっとオルトリンデ、あそこにある聖杯を回収出来る?」
「聖杯回収は可能です。直ちに実行しますか?」
「頼んだ。」
オルトリンデに聖杯を回収してもらって、俺達は何回も転んだりしつつもゆっくりと立香達に近付いていく。
「なぁ護………だよな?」
「誰も何も、俺は堀本護さ。」
『う~んでも、さっき確かにマリーの声が君から聴こえたような……………うん!あれは多分幻聴な筈だ!しかしあの恐~いお説教が無くなるのはちょっと寂しいなぁ……』
『誰の何が恐いってロマニ?』
『ヒェッ───イヤナンデモナイデス。』
「聖杯を回収してきました。」
そんなコントを繰り広げていると、オルトリンデが聖杯を持ってきてくれた。
『あっ!マシュそれを盾の収納スペースに。』
「アッ、はい。」
マシュが聖杯を収納すると、地震が起きる。
「おっ─地震だ。」
「結構揺れるな。」
『なんで二人ともそんなに落ち着いていられるのよ!』
「日本は地震多いから。」
『イヤ、ただの地震じゃないからね!核でもある聖杯が回収されたから起きる特異点の崩壊だから!』
『ロマニ!そんな話は後でしなさい!というかレイシフトの準備は進んでるの!?』
『あぁもうすぐ準備が終わる。………………………よし準備完了!今から君達を此方に連れ戻す!』
ロマニがそう言うと、全員の身体が霊子へと変換されていく。
徐々に体が霊子へと変換されていく最中、立香が話し掛けてきた。
「なぁ護。俺今回は何も出来なかった、だから俺は強くなる。お前が背中を預けれる位まで強くなってやる。だからカルデアに帰ったら戦い方を教えてくれ。」
「─────分かった。」
そして俺達はカルデアに帰還した。
夜間モードだと黄色系統が見えづらいので、”疾走のアクセル”(これって曲名書くだけでも著作権でアウト?)を流しながら失踪します。
ちなみに変身ポーズのイメージはエクストリームフォームになる時の変身ポーズです。