同時刻──アスコットポニースクール、第一練習場
「わははははは!!!!やはりAクラスはうぞうむぞうしかおらんなあ!!!!我に挑めるどきょうもないか!!!!!!」
「さっすがエクス~、次の選抜戦はBクラスで決まりだわ~」
「そうであろう!!!そうであろう!!!我はさいきょうであるからな!!!!」
軽薄そうな教師に褒められ高笑いを上げる、エクスと呼ばれた幼いウマ娘。
背中まで伸ばした鹿毛の長髪に前髪には小ぶりな白い流星。
幼い身で既に圧倒的強者の如き威風を備えた幼女は、有頂天に達していた。
統括機構ポニースクールでは、月に3度、クラス対抗戦を行っている。
そしてその総合成績で上回ったクラスの成績上位者は、ポニースクール、クラブ合同選抜戦──通称ポニーステークスに出場できるのだ。
ポニースクール創設から続く栄えある大会であり、外部の観客、統括機構トレセン学院生徒会、そして未来の名ウマ娘の発掘に来るトレーナー達へ自らを売り込むための競走バの卵達の大レースである。
「なにしろ、我はすでになまえをさんめがみよりいただいておるからな!!!Aクラスのうぞうむぞうとはわけがちがうわ!!!!」
「いや~エクスがいれば先生の査定も上がるわ~、エクス様々だわ~」
「そうであろう!!!!そうであろう!!!!!!」
さらに高笑いを上げる幼女。
6歳にして三女神より命名を受け、普通のエリートとは一線を画した才能の持ち主である。
それほどに命名の差は大きい。才能の総量が圧倒的に違うのだ。
「うう…はやいよお…」
「まけちゃった…」
圧倒的な実力差の前に、落ち込むAクラスの生徒達。
少し前に起きた悲しい事件のせいもあって、士気も無く項垂れている。
「フランちゃんがいれば…」
思わず、いなくなったあの子の事を思い返す、一人のAクラスの生徒。
「あっ!だめ!」
その呟きを、エクスは聞き逃さなかった。
「…なに?なにものだそいつは?」
「あ~気にしなくていいよエクス~、ちょっと速かったみたいだけどさ~、いじめられていなくなった子だから」
「なんだと?我よりはやいのか?」
「いやそれはないわ~、逃げ足だけは速いかもね~」
「…きにいらんな」
最強の自分に勝てるかも、と希望を抱きながら追い出したAクラスの有象無象。逃げたその脆弱なウマ娘。全てが幼い王者の癇に障った。
「よし!!きめたぞ!!!のこりすべてのたいこうせん!!我がぜんぶでてやろう!!!!」
「おっマジで?助かるわエクス~」
幼き王者は完全に調子に乗っていた。
そして気に入らない奴らを懲らしめてやろうと思い、Aクラスの有象無象を指差し、こう言った。
「おい、Aクラスども」
「…なに?」
「きさまらのしょうねが、きにくわん。せんばつせんになど、ぜったいでれんようにしてやる」
「…」
この最強のウマ娘には、自分達では勝てない。Aクラスの生徒達は自分達が選抜戦に出れない未来を幻視して、涙を流す。
「ところで、そのにげたなんじゃくものの、なまえはなんだ?」
そんな軟弱者の名前など覚えなくてもいいかもしれない。
だが、自分に少しでも勝てるかも、と思われる奴がいる事実が気に入らない。
そいつと邂逅する時が来たら叩きのめしてやろう。
我ながら名案だ。幼き王者はそう思った。
「え~なんだっけかな。フランク?たしかそんなん」
「フランク!?なんだそれはおとこのなまえではないか!!わははは!」
「それよりもさ~、エプソムとの交流戦も考えといてよエクス~、確かそこのナス?なんとかって子が結構やるのよ~」
「ナス!!そいつはやさいだな!!おとことやさいか!!!りょうほうたたきのめしてやろう!!我のまえにたてればな!!!」
自分は最強であり、神に選ばれし、世代の頂点のウマ娘だ。
そう、自惚れていた。
エクスちゃんめっちゃ書きやすくてすき
チョイ役なんで書かなかったけどこのBクラスの先生は口悪いし性格ドブだけど査定第一で実務面ぐう有能です。
Aの元先生はその逆。
フランはBに入ってたら友達もできたし先生とも上手くやれてました。