「出てこないわね……」
「中、気になる。裏口から忍び込む?」
「やめなさい、まだ早いわ。トレーナーに気付かれたら面倒よ」
飛び込もうとするインディを制止しつつ、ザフティグが物陰から様子を伺う。
怪人が美容師に招かれてから三十分ほど経っていた。
「警察、まだ来ない」
「おかしいわね……ここは街の中心よ。警察署からも近いわ」
警察がまだ来ていない事に、二人は不審感を覚えていた。
既にザフティグが通報している。
三十分も遅れるはずが無いのだ。
「……ザフティグ、出てきた」
「トレーナー、だけ?二人は?」
「いない」
二人、そして見物人が見守る中で、美容室の扉が開く。
出てきたのは、怪人のみであった。
「ミスターヴェラス、お嬢は……?」
<ビリー君、お嬢さんは無事だ。立てこもり自体が彼女と店主のちょっとした悪戯だったよ>
「何……?ウチのお嬢ならやりかねないが……」
知能犯の主人ならやりかねない、と怪人に声をかけたビリーが納得し、見物人がそうだったのかと安堵する。
スマイス青年は評判も良く、このような事をする人物のはずが無い、というのが見物人の共通の認識であった。
彼の孤児院への奉仕が実を結んでいたのだ。
ところが、この説明に納得がいかない大男と小男の二人組がいた。
「ミスターヴェラス、それは本当なんですかね?」
<失礼、君は?>
「おっと、私どもはこういう者でして……」
小男が名刺を怪人に渡す。
怪人がそれに軽く目を通してから、口を開いた。
<ほう…フィクス氏の代理人か。噂はかねがね聞いているよ>
お前等の事は知っているぞ、と言外に悪し様に言われていることに気付いた小男が不快そうに鼻を鳴らし、大男が指を鳴らして威嚇する。
人間の威嚇など怪人には全く効かない。
この二人組は、80年代のサンデーサイレンスを発端とする競バマフィア一斉摘発により、大幅に衰退したニューヨークのイタリア系マフィアの一員である。
かつては東海岸の競バに根を張る大組織だったが、超気性難にトレーナーの身柄を脅迫材料にした八百長を持ち掛けたのが運の尽きであった。
その場で話を持ち掛けた組織のフィクサーと銃で武装したボディーガードを半殺しにした彼女は、フィクサーの頭を掴んで引きずりながら警察に出頭したのだ。
ついでにライバルにもその事を伝えた。
エリート競走バ一族の彼女の耳に入ったのが、マフィアにとっては致命傷であった。
トレーナーは自力で脱出した。
それくらいやれないと超気性難の担当など務まらないのである。
そういう経緯で、ニューヨークのマフィアは現在金持ちの小間使いや用心棒として糊口を凌いでいる身である。
更に近年は執事喫茶の運営や常習性の高いニンジンの闇取引で勢力を広げるウマ娘マフィアにも圧されつつある。
そしてこの二人組、今回は絶対連れてこいと言う指令が雇い主から出ていた。
彼らも必死である。
三食薄いオートミール生活は懲り懲りなのだ。
メンツとかつて栄華を誇ったマフィアの歴史では腹は膨れないのである。
「ミスターヴェラス、私どもはですねえ、フィクスさんからの依頼で、ここにいるはずのとある女の子の保護を仰せつかっているんですよ」
「その子は病気でなあ、早く病院に連れてかねえと大変な事になりやすぜ」
大仰に手振りを交えながら、見物人の同情を誘うように二人組はそう言ってのけた。
彼らも荒事に関してはプロであり、相手、つまり目の前の怪人との戦力差をしっかり把握している。
噂通りの超人ならウマ娘並に厄介な相手である。
愚かなヒトミミは超人に絶対に勝てないのだ。
更には見物人がおり、警察もいずれ到着する中で強硬手段には出れない。
雇い主の命令でここまで地上げ行為に恐喝紛いの契約の強要と危ない橋も渡っており、出直すと言う選択肢は取れなかった。
彼らは知らないが出直した時点で幼女と孤児院はバフェット家が後ろ盾になるという事実もあった。
要するに既に詰んでいる。哀れである。
そこで彼らは正攻法で攻める事にした。
雇い主から連れて来いと言われている上に、ジャスティは持病持ちである。嘘は言っていないのだ。
怪人が中に入ったなら事情を聞いている可能性は高い。
怪人がここにそんな幼女はいない、と話したらそこに付け込めば良いし、いると言うならそのまま保護すればいいのだ。
<ああ、ジャスティファイの事かね?ベッドで寝ていたよ>
そして、怪人は事も無げに件の幼女がここにいる事を話した。
これに小男はほくそ笑んだ。面倒な遣り取りで警察の到着まで時間を稼がれる懸念が無くなったのである。
「ああ、本当ですか!?なら早くその子を連れて行かないと!入らせてもらいますよ」
<すまないがそれは不可能だ>
「……何ですって?」
怪人は、胸元のエクリプス教の十字架を握りしめて、言った。
<ジャスティファイの洗礼の準備中だ。私はその為にここに来たからな>
「は……?」
<祭司は私が務める。場所がここになったのは美容師の彼からの提供だ。病院は私が責任を持って連れて行こう>
エクリプス教は簡易な儀式で、一般信者でも教会に届け出れば洗礼を授ける事が可能な緩さが売りの宗教である。
聖別された水も水道水や井戸水、更にはコンビニで売っているミネラルウォーターでも代用が可能である。
「めんどくさいからそれでいいわ」と神は仰った、と聖書にも書かれている。
一説には女神エクリプスが三女神に対抗する信仰を得るためにこの方式になったとも言われている。
合理的な思考を好むアメリカで流行った理由もここにあった。
怪人の中身の実家もあちらでは珍しいエクリプス教の信徒である。
中身の父が、自慢げに家宝の折れた日本刀を聖遺物だと嬉しそうに語るのを中身は聞いている。中身は信じていない。
ちなみに中身の洗礼は家族からの池への投げっぱなしジャーマンであった。
「おお!ミスターヴェラスの洗礼が受けれるとは幸運な子だなあ」
「ミスターヴェラス、うちの子にも洗礼していただけないかしら」
エクリプス教の信仰厚いアメリカでは、洗礼の邪魔や横入りは御法度である。
流石のマフィアもここまでされては手が出せなかった。
怪人はここまで読んでいたのだ。
ジャスティへの追手が来ることも、警察の到着が遅いことも。
「あ、兄貴……」
大男が不安そうな顔で小男を見つめる。
警察も、来てもおかしくない程に時間は過ぎている。
もう、打つ手は残っていなかった。
「……帰るぞ!」
「ま、待ってくれよお兄貴!」
小男が踵を返し、肩を怒らせながらその場を去る。
大男は慌てて追い縋り、道の向こうに見えなくなった。
この様子にビリーが首を傾げる。
状況が目まぐるしく変化していたのは理解できたが、その裏まではさっぱり読めなかった。
「……何かが、あったようだが……?」
<ああ、君には説明を……>
「それは余がせつめいする!!」
この声に、怪人とビリーが目をそちらに向ける。
見た瞬間ビリーは口をあんぐりと開けた。
誰の声かはわかっていたが、その様が大きく変わっていた。
「お嬢、髪………」
「どうだ!にあうか?」
<よく似合っているよ。ファラ嬢>
「ありがとうミスターヴェラス!ビリーはどうだ!?」
「あ、ああ、似合ってはいるな」
声の主は、ビリーの主人であるファラであった。
髪型が、ツインテールからボブカットに変わっていたのだ。
これが彼女の腹案であった。美容師の要求通りにしたのである。
実際、ボブカットは彼女によく似合っていた。
ブルネットの髪がよく映える髪型である。
「はしりやすくてわるくないな、ボブカットも」
「ひあってるお、おへえひゃん」
「ジャスティ、口の中の物を飲み込んでから喋りなさい」
満足げな表情のファラに続き、差し入れを口いっぱいに頬張ったジャスティとスマイスも現れる。
ジャスティは病弱だが食欲は異常と言う程に旺盛であった。
孤児院のエンゲル係数は高い。
ファラがにやり、と笑みを浮かべスマイスに近寄る。
「びようしさん、これでびようしさんはジャスティをまもれて、けいさつにもいかなくてよくなった」
「……ああ、君とミスターヴェラスには感謝しかないよ」
「それに、おんながかみをささげたのだ。これはもう、びようしさんは余にかりがあるな?」
「……そうだね……わかったよ。恩は、返さないとな……」
薄々と、スマイスはファラの要求に予測がついている。
ヤッタと会うのはまだ怖いが、そもそも自分も未練はあるのだ。
良い機会ではあった。
「復帰するよ。ヤッタに何て言おう………」
<会いたくなったら言いたまえ。私が連絡しよう>
「助かるよ。心の準備だけはしたいな…」
スマイスは、競バの世界に戻る覚悟を決めた。
これに反応したのは彼に懐いている食いしん坊である。
「おひいひゃんホレーハーひほほるの!?ビャスティほもへいはくひへ!!」
「ジャスティ、飲み込んでから言いなさい」
この二人を眺め、うんうんとファラが何度も頷く。
かつての天才トレーナーと有力そうなウマ娘を同時に獲得し、更には善行まで為せた。
自己採点は満点である。
そこに、ファラの母、バフェット夫人が合流した。
「電話でボビーから聞いたわ。ジャスティちゃんはその子?」
「おお!ははよ!いだい!?」
夫から事情を聞いたバフェット夫人はすかさずお転婆な愛娘に拳骨を落とした。
お説教である。
「最初から!言いなさい!あと!まだ問題はあるでしょ!!」
「ええ~、なにがあるのだ?」
「まずちゃんと悪い人は懲らしめないとだめでしょ!それと髪!縁起が悪いわ!」
バフェット夫人はお手本のようなアメリカの貴婦人である。
要するに超肉食の武闘派ウマ娘なのだ。その彼女から見て二点の不満点があった。
まず一点、あの二人組を締めずに帰した事。
そしてもう一点が娘の縁起の悪い髪型であった。
「かみは、もんだいないぞ」
「……言ってみなさい」
「余は、ジンクスやえんぎなどはねのけてみせよう」
真剣な表情でファラが母に誓うように語る。
ファラは生まれついての天才競走バである。
その彼女は、胸に秘めた夢があった。
「験担ぎなどくだらぬ。余はこの髪型で三冠ウマ娘になって見せよう」
「──この、アメリカンファラオの名にかけて」
米国クラシック三冠──ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスの三つからなる、5月から6月にかけて開催される3歳限定G1競走である。
その開催時期の短さとハードなレース内容から、アメリカでこの三つを獲り三冠ウマ娘となるのは世界で最も難しいウマ娘の栄冠の一つとされている。
それを、ファラ、いやアメリカンファラオは獲って見せると誓ったのだ。
これに母は感激した。親バカである。
「よく言ったわファラ!ビリーあなたも何か言いなさい!」
「自分もですか?まあ、そうだな……がんばれお嬢」
「なんだそのいいかたは!もうちょっときのきいたことをいうのだ!」
適当な使用人の返事にぷんすことファラが怒る。
このファラのかっこいい誓いにジャスティは感銘を受けていた。
なお口には追加で差し入れが入っている。
「びゃあビャスピもはる!はんかんふまふふめ!!!」
「ジャスティ、口に食べ物を放り込みながら喋るのはやめなさい」
ファラとは正反対な、締まらない誓いであった。
このやり取りを横目に見ながら、怪人はとある方角を注視していた。
怪人は以前、尾行を受けた経験がある。
その経緯から背後には常に気を配っていた。
その気配が無くなっているのである。
<どうやら、行ったようだな>
「ん?そういえばミスターヴェラス、たよりになるふたりはどこにいるのだ?」
<追っていったらしい。これで何の憂いも無いな>
*****
「クソ!あのヒーロー気取りが!!」
「兄貴ぃ、どうすんだよお?フィクスさんにクビにされたら……」
「まだだ!こうなったら強行手段だ!組に戻って頭数揃えれば……」
ジャスティの保護に失敗した二人組は、車で組への帰路についていた。
大失態を犯し、怪人に恥をかかされた。
このままではマフィアとして引き下がれない。メンツで腹は膨れないが大事な商売道具なのだ。
「ガキさらうだけの楽な仕事のはずが、何であんなのが出てくるんだ!クソックソッ……」
現在は信号で停車中である。
そして、怒りで周囲を見れていない小男と、元々勘が鈍い大男は気付いていなかった。
自分達が、尾行されている事を。
隣の車線の、ウマ娘が二人乗りしているサイドカー付き大型二輪がずっとついてきている事を。
「聞いちゃった~!」
「うん、聞いた。悪い奴」
バイクを運転していた、大柄でグラマラスなブロンドの髪のウマ娘が運転席側のドアを横から蹴破り、二人組を死なない程度に助手席側のドアとサンドイッチにする。
「ぐぶえええ!!?何しやがる!!?」
「いでででで!兄貴いでえ!!」
そしてもう一人、サイドカーに乗っていた褐色のウマ娘がトマホークを取り出して二人の前に突き立てた。
そして二人ともヘルメットを外す。ヘルメットの中身は、怪人を尾行していたザフティグと、インディの二人であった。
「ひいいい!!?」
「うわあああ気性難!!?気性難ナンデ!!?」
二人組はすかさず腰を抜かして失禁した。
アメリカヒトミミの風土病、
「子供をさらう奴、足を切って荒野に晒す。ワタシの一族の罰」
「あなた達の顔は覚えたし、こっちの顔も覚えたわよね?ちなみに言うと、この子は本当にやるわよ~?」
この言葉に更に二人組は失禁した。
衰退したマフィアは人員不足の為、そういう処刑はやらなくなって久しい。
蛮族ガチ勢には遠く及ばないのだ。
「手出したらどうなるか、わかったわね?」
「は、はい……」
「助けて……」
二人組は完全に心が折れていた。
気性難の恐ろしさは先代から語り継がれているのである。
絶対に手を出すな、とは今も掟として残っている。
これを見てインディは斧を収めた。
心が折れたヒトミミの顔は見慣れているのだ。
「ザフティグ、たぶんもう大丈夫」
「…そ?じゃあ行きましょう」
そのままザフティグとインディはその場を離れた。
マフィアの救助はする気はない。
それに、二人ともそれよりも話したい事があった。
あの怪人の話である。
「トレーナー……ここまで読んで、あの恰好を選んだって事よね?」
「そうだとワタシ思う。じゃないと牧師、不自然」
「そうよねえ……何て、冷静で的確な判断力なの……」
胡散臭いが、その行動は善人そのもの。
そして、優れた判断力と頭脳の持ち主。
トレーナーとしても優秀なのは知っている。
「いい男よねえ。あれで顔がよかったらなあ。覆面じゃちょっとね」
ザフティグは面食いである。
怪人が良い男とは認めつつも、覆面では食指が動かなかった。
チームにいる穀潰しは顔は良いが頼りにならない。理想が高い女であった。
「……ザフティグ、あれ、ワタシの獲物」
「……インディ?」
そしてインディは、歓喜していた。
彼女の一族は、アメリカの原始ウマ娘の血が濃い。
つまり、超肉食系で、一族の風習で強い男を好む傾向が強く、そして──
「ミツケタ、ワタシの、獲物」
その強い男を、狩って伴侶とするのが一人前の証であった──
*****
時は戻り、現在──
「えーとな……11月に姉貴のウインターカップと、ちょっと仕事が入って……で、えーと、あの、ですね、今の担当の来年の初戦が、一月三日のハルズホープで…そうなると流石に離れられないっつうか…」
智哉は必死に、フランへ言い訳をしていた。
今年帰れない理由を説明しているのである。
フランは無言である。
智哉は何故か強烈な圧を電話越しに感じていた。
こりゃ目光ってるだろうな、と震え上がっている。
去年のように合宿で英国に連れて行く、という手段もあるにはあるが、担当の事を考えるなら地元で調整するのがベストな選択である。
もう担当の抱える問題は解決しているのだ。
『……トム?よく聞こえなかったわ。もう一度言って頂戴』
ようやくフランは口を開いた。
完全にご機嫌ななめの声色であった。
「えっと、帰れないんです。ごめん…」
智哉は自然と敬語を使った。
普段の練習の賜物ではなく自然に出ていた。
それほどに今のフランからの電話越しの圧は強烈であった。
『夏、どうして帰ってこなかったの?担当さん、お怪我でお休みしてたわ』
痛い所をモロに突かれて智哉の顔が歪む。
ダンに夢中になっていた時期である。
実際、一度帰るかと姉とも話していたが、ダンを放っておけなくなった智哉は断念した。
「えっとな、色々あったんだ。さ、サブトレーナーの手伝いもしてたしな!」
ダンのせいにはできない智哉は言葉を濁した。
流石にここで名前を出したらフランの心象が悪すぎる上に、姉からも物言いが入る。
『…そうなのね。それとトム、担当さんの事だけど』
「な、なんすか…」
フランはもう一つ、我慢ならない事があった。
今の智哉の担当への対応に物申したくてたまらない事があるのだ。
『あの、止めるの、やめて頂戴』
「えっ?いや、ああしないと止まれねえんだよ、あいつ」
『絶対ダメ。もうやめて頂戴』
智哉が担当を弁護するも、フランは絶対拒否の意向を示した。
そこは譲れなかった。
『練習して。絶対ダメ』
「お、おう…やってみる…」
結局智哉が折れた。
九歳児とは思えぬ、有無を言わさぬ圧があった。
ここでフランは我慢の限界を超えた。ブチ切れである。
『……ううううぅぅぅ!!!もおおおおおお!!!!!』
「フラン……?」
『トムのおばか!とうへんぼく!すかぽんたん!おばか!!』
ブチ切れたが、余り怒ったことが無いフランは悪口の語彙が余りにも少なかった。
少なすぎておばかは二回言っている。
「あっちゃ~、怒ってるわね……」
姉は既に弟から距離を置いている。
自分に飛び火する可能性を考慮しての行動である。
久居留家は母以外全員、保身に関しては長けているのだ。
「ごめんって、どうにかしたいんだけどな……」
『どうにかしてちょうだい!おばか!!』
フランは収まる気配が無い。ガチギレである。
『トムは携帯電話会社と同じね!新規契約の人には優しくて既存の人はそのまま!!!』
「それはひどくねえか!!どこでそんな言葉覚えてくるんだよ!!?」
『サリーからこう言うといいってきいたわ!おばか!!ウマむすめたらし!!!』
「フランやめろ!!!サリーさん何教えてんだよ!!」
流石の物言いに智哉も抗議を発した。
メイドの入れ知恵が酷すぎた。どこぞの契約で揉める競走バのような物言いであった。
智哉は悲しくなった。あの良い子だったフランが毒されている。
『もうしらない!勝手にしてちょうだい!わたしも勝手にするわ!!』
「ちょっフラン!あっ……」
フランは怒りのまま電話を切ってしまった。
智哉は申し訳なさで居た堪れなくなった。
去年も余り時間は作れなかった上で、今年はちゃんと帰るよと言っていたのだ。
このクズは約束を破ったのである。
電話が終わった事を確認した姉が、そんな智哉に近付いた。
「怒ってたわね~、ちゃんと埋め合わせはすんのよ?」
「わかってるよ。でもなあ……」
「何よ?」
「三年前は、あんな良い子だったのにな、フラン。なんでああなっちまったんだ………」
姉はマジかこいつ、という目で弟を眺めた。
原因がわかっていなかったのである。
「お前のせいじゃああああああ!!!!!!」
1.5部終わったらキャラ紹介必要ですか?アメリカの後にもう一本あるからまだ終わらんけど…
-
いる
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いらない
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まだ二部行かないんすか…こいつクソっスね
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キャラ紹介やりたいならレース上等っすよ