トムとフラン   作:AC新作はよ

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ちょっと短いけど閑話挟ませてほしいやで。
わかる人にはモロバレな二人が出るやで。
悪い人の名前思いっきり間違えてたやで。
直したやで。


閑話 鉄火場での、邂逅

「三番の子、交渉の申し込みを頼む。何?ブッキングした?抽選か……」

「抽選負けた!?三連敗かあ…チーフに怒られるなぁ」

「ケン、五番の子の気性はどうデスカ?」

「いや~キツいでしょ」

「さっきからそればっかデスネ…」

 

キーンランドレース場、トレーナー席は今、多数のトレーナーが集まり満席となっている。

ここは現在、世界各国から集まった競走バチームの鉄火場と化していた。

参加希望を出した各チーム毎に二席ずつ割り振られ、派遣されたトレーナー達が目を付けたアマチュア競走バへの交渉の申し込みを受付前に待機しているサブトレに電話で連絡し、ブッキングした際はその場で素早く抽選が行われ、後日に行われる契約交渉の権利を争うのである。

 

なおチームに参加していない個人トレーナーの席は存在しない。彼らが次走に間に合わせる為に観客席から受付へ毎回全力ダッシュで移動するのが、シンデレラクレーミングの半ば恒例行事となっていた。零細トレーナーは本人の脚力も重要なのだ。

 

「くふっ…交渉権は取れたわ。そちらはどう?ビリー君?」

「クソっ、抽選で負けた……ミス・ジェシカ、自分の顔を見てから確認するのはやめてくれないか」

 

そのトレーナー席の前列中央、偶然隣同士となったチーム・クールモアとチーム・ウィンスターの誇る若手トレーナー二人が明暗を分けていた。

もやしは西海岸の神童と呼ばれる若手トレーナーにマウントが取れて完全に気持ちよくなっていた。

もやしは何かに目覚めている。

その姉を隣の席から妹が困惑した目で見つめる。

 

「姉上、何かおかしいぞ…」

 

もやしは最大限、自分の目覚めた何かを抑え込んでいるがそれでも姉を母のように慕う妹、エクスにわからないはずがない。

大好きな姉、ジェシカの見たこともない姿であった。

 

「ビリー!まけっぱなしじゃないか!どうにかするのだ!!」

「……負けてはいない。抽選は自分は介入できないから仕方ないだろう、お嬢」

「さっきまけたっていってたのだ!このまけずぎらい!」

「……それは言葉の綾だ。ほらお嬢、ニンジンサンドを食べさせてやろう」

「おっ!きがきくな!あーん…もぐもぐ」

 

そしてその幼き王者の隣、ビリー少年の主人であるファラが不甲斐ない従者に憤るも、明らかな誤魔化しの餌付けを受けてご機嫌になる。

ファラをよく知るこの従者は、こうやって主人を手玉に取るのが得意であった。

 

「さて、次で午前の部は終わりか。お嬢、これを見たら一度奥様達と合流して昼食にしよう」

「ああ!余はおなかぺこぺこなのだ!」

「エクス、私達もお昼にしましょうね」

「うむ!どうせなら一緒に食べないか?折角知り合ったのだしな」

 

幼き王者が名案を思い付いたと、隣の二人に声をかける。

本来はスカウトの目的上、他チームのトレーナーと馴れ合うべきではないともやしは考えている。

しかし妹と知り合ったばかりのバフェット家の令嬢は波長が合うのか、お互いお近付きになりたそうな雰囲気があった。

 

「……そうね、そちらが問題なければどうかしら?」

「そうだな、そちらのご令嬢にうちのお嬢は興味津々のようだ。ご相伴に預かるとしよう」

「ほんとかビリー!はやくいこう!」

 

この返答に大喜びでファラが立ち上がり、ビリーを引っ張って催促する。

人間のビリーは無理矢理引き起こされた。神童だろうがウマ娘の幼女に力では絶対に敵わないのだ。

 

「引っ張るなお嬢!本当は旦那様の席だったが、昼からも来れないようだからな。そちらのご令嬢と親交を深めればお嬢も退屈しないだろう」

「あら?うちのトレーナーも来れないみたいだから丁度よかったわね……何してるのかしら、彼は…」

「ミスターモアとは自分も是非話してみたかったが…残念だな」

 

ここはトレーナー席である。

本来、ファラとエクスは観客席から観戦する予定だったが、ファラの父ボビーは何やら用事ができたとスカウトをビリーに任せ、ジェシカのエスコートを行う予定だったライエンは急用があると、どこかに行ってしまった。

そうして空いた席にビリーから離れたくないファラと、姉が近くに置いておきたいエクスが座ることになった。

 

「エクスよ!余のいもうとをあとでしょうかいするのだ!」

「是非会おうではないか!」

 

ファラが去年から正式に義妹となった、とある食いしん坊を紹介する事をエクスに約束する。

このすぐ後にその異常な食欲にドン引きする事となる。

そんな中、トレーナー席の後列の方から大笑する男の声が響いた。

 

「ガハハハ!五番の交渉権はワシのものだ!」

「さすがフィクスさん!いや~私もあやかりたいものですな」

「フィクスさんのスポンサー契約が受けられるとは運が良い子ですね!あの五番は!!」

 

「五番、取られマシタね…ケンが動かないから…」

「いや~キツいでしょ」

「仕事する気ありマスカ?ケン?」

 

大声で周りに抽選の勝利をアピールするように笑うスキンヘッドの大男と、それを賞賛する二人の太鼓持ち。

東海岸に本拠を構える、黒い噂が付きまとう大富豪のトレーナーである。

更にその向こう側では何やら日本人らしき童顔の青年と黒髪のフランス系の美少年が揉めていた。もやしとビリーの位置からではよく聞こえないが、気性難センサーの青年が仕事をしないのが原因であった。

この笑う大男に対し、もやしは眉を顰めた。

 

「……わざわざ抽選勝ちを吹聴するなんて、下品な男ね」

 

さっき同じ事やってただろとビリーはツッコミたくなったが堪えた。それよりもここに例の大富豪、以前自分の主人や怪人が関わった事件の黒幕が来ている事が懸念となっている。

 

(まさか、来るとはな……疑惑があるからこそ、か。長年黒い噂止まりで追求されなかった男だ。見てくれよりも頭は切れる)

 

この大富豪は現在、FBIの捜査と競バ委員会の追求を近日受けるのではないかと噂されている。

ビリーの主人であるボビー氏、そして他の名門チームのオーナー達が連名で、あの怪人の事件をきっかけにかの男に重大な競バ法違反があると訴えたのだ。

その為に大男は普段はスカウトを子飼いのトレーナーに任せていたが、自らここに来て自分はクリーンだとアピールしている。

あのように大笑しているのも演技だろう、とビリーは考えた。

 

(ここには旦那様やミス・ダーウィンが来られている。それにミスターヴェラスもいる。自分の出る幕は無いな)

 

神童とは言えビリーはまだ未成年のトレーナーである。何かあろうと自分の出る幕は無いし大人に任せておけば良いと思っている。それよりも重要なのは大事なお嬢のお守りである。

 

「最終レースは…特に見るべきものもないな。行こう、お嬢。本番は午後の第一レースだ」

「ああ!たのしみだな!」

 

この言葉にもやしがすぐさま反応した。

もやしはスカウトに当たり事前に有力なウマ娘の情報を集めてはいるが、遠い英国では子供の部の原石の情報収集は困難を極めていた。

たまたま神童と隣の席になった際に声をかけたのはもやしからである。ある程度仲良くしておけば何か情報が得られるという打算の行動であった。

 

「あら?そのレースに何かあるのかしら?」

「……見ればわかるし競合は確実だ。教えておこう」

 

 

 

「午後の第一レースには、三人の天才が出走する」

 

「一人はダーレーの天才、ドリームアヘッド」

 

「もう一人はチームバロールの暴れウマ娘、アニマルキングダム」

 

「そして最後は、チームに所属していない。野良レース荒らしの──」

1.5部終わったらキャラ紹介必要ですか?アメリカの後にもう一本あるからまだ終わらんけど…

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  • いらない
  • まだ二部行かないんすか…こいつクソっスね
  • キャラ紹介やりたいならレース上等っすよ
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