オリ主ときりたんのくだらない二次小説   作:投獄首斬りたん

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注意事項
 ・手慰みの適当小説です。
 ・誤字脱字出ます。許せカツオ。
 ・不定期連載です。続くといいね。
 ・曖昧な設定は雰囲気で乗り切ります。仕方ないね。
 ・気が狂って急に宇宙戦争始まっても見逃してくれ。後生じゃ。
 ・曇らせたがるかもしれないですがメリバとかは無いです。もしオリ主が四肢全損してもハピエンにする。













1・いつもの朝

 科学技術が進歩した昨今。

 

 少子化や災害、戦争や疫病によって数を減らした人類は、その労働力を機械によって維持して、文明を繋いだ。

 

 その結果、生まれた先の人間の代替品、アンドロイド。

 

 アンドロイドは、世界に馴染み、その存在を忌避する団体はあれど(中には人も機械も居る)、人間の代替として、人間により近く、それでいてより人間が発展できるように、人と共存している。

 

 

 今の時代、アンドロイドには人権が与えられて、見た目も人に近くする義務がある。

 中身に関しては、科学的に作られた生体部品の割合が異なるので、ほぼ人間、みたいなアンドロイドも存在する。

 

 人の仕事を全て奪う事もなく、適材適所で活動したり、能力を下げて生活するアンドロイドの一部は、ただの人間には、もはや生身の人間と見分けることが難しいレベルになっていて、付き合ってた相手が実はアンドロイドだった、なんてこともある。

 

 ただ、アンドロイドは人間の代替、つまり、蓄積したデータから、環境に適応した遺伝子の組み換えをして、至って普通の人間のように生殖が可能になり、そうして発展していくことが既に世に馴染んだ世界であるため、相手がアンドロイドだったとしても大きな問題になることは少ないが。

 

 

 

 

 

 今の時代、アンドロイドによる遺伝子の環境適正化誘導により、人間の見た目もかなり美形が多い。

 ただ美形ではなく、肉体の組織も丈夫になっているが。

 

 美形なのを楽しんでいるのか、今や昔に流行ったキャラクターを模して生活する、なんでブームが訪れているのがここ数年の事。

 

 人々が夢中になった仮想現実での娯楽から、現実世界での娯楽にシフトしつつあるともいえる。

 意外と、人の歴史は何度か廃れて栄えてを繰り返すものだなと思う。

 

 

 

 だから、俺には見分けがつかない。

 

 俺の隣でケラケラ笑いながら、大昔のアニメで笑っているこの幼馴染が、人なのか、アンドロイドなのか。

 

 流れるような綺麗な黒髪に、頭から生えるように着いた2枚の幅広の包丁の刃のアクセサリ。

 笑いすぎで潤んている、儚げで気だるげな目つき。

 鈴を転がすような、愛くるしい声。

 

 全幅の信頼を置くように、俺の肩に寄りかかる黒髪の美少女は、まさに創作のキャラクター。

 

 東北きりたんにしか見えなかった。

 

 

 「ん?なんですかジロジロ見て。……ははーん?中学生になって美少女に磨きがかかってきた私にとうとう惚れちゃいました?いやー!モテる女ってつら───へぶっ!?ぷえっっ!?」

 

 

 何かアホな事を言い出した幼馴染の鼻をつまんで、そのまま引っ張ってやると、愉快な音が出る。

 ぁいたたた……なんて言いながら、一層涙目で鼻を押さえる彼女を見ながらため息をつく。

 

 引っ込み思案だった幼馴染に構い倒して、甘やかして居たら、ちょっと面倒くさい感じになってしまったのは、何故なのだろうか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 明確に自我を取り戻したのは、3歳の頃だった。

 

 短い手足に、低い視線。

 見知らぬ部屋に、見知らぬ大人。

 

 それが、自分の身体で、自分の親だと気付くのには、苦労はしなかった。

 俺の記憶はある意味地続きで、3歳になるまで前世を忘れていただけに過ぎない。

 

 

 どんな料理も作れるマシン、人が運転しない車もどき、身体を洗うのもポッドに入れば20秒で終わる。

 義務教育は仮想空間で、幼い頃から効率よく行われていくし、人々の労働も長くておそらく5時間、しかも親があまり外に出て働いている姿を見たことが無い。

 

 印象に残ったのがそれくらいで、今パッと浮かんでこないが、細かい所ではもっと俺が生きていた時代より高度な技術になっている。

 高度で、穏やかになっている。

 

 

 

 輪廻転生。

 察しが悪いと言われた俺でも、今の状況がどういう状況なのか、理解出来た。

 

 理解出来たと言っても、それを活かせたとは到底言えない。

 今居るのは慣れ親しんだ日本と、体感さほど変わりなく、目を輝かせた最新技術も、もう慣れてしまった。

 

 前世より丈夫で頭の出来が良い身体だけど、知識は前時代のもので、俺そのものは前世の記憶があるだけの、一般人の枠を出ることが無い。

 

 結局、もう10年以上、何の目標も夢も無く、だらだらと生きてしまった気がする。

 

 少しだけ、子供混ざって遊ぶことで色々考えて、教師にでもなるかと考えたことがあるが、この効率化社会で、今更俺が子供に何を教えるのか?という疑問にぶちあたって諦めた。

 

 

 家を出て、隣の家の玄関扉前に立つ。

 

 

 『ご用件をどうぞ。』

 

 「きりちゃんの迎えに来ました。」

 

 『お繋ぎしま───『あっもしもしサクくん?開けるから入っていいよー。』』

 

 「あっ、はい。」

 

 

 自動応答音声のから切り替わり聴こえて来た、ほんわかとして落ち着く声に従って、昭和の香り漂う見た目の家に入っていく。

 

 勝手知ったるなんとやら、という訳では無いが、何度も来ている家なので、キシキシと音がなる廊下を進んで、リビングに入る。

 

 リビングからはかなり新しめ(前世基準)の洋風キッチンが見え、そこで料理をしている人に、挨拶をする。

 

 

 「じゅんこさん、おはようございます。」

 「はーい、おはよう。朝ごはん食べていくでしょ?もうすぐ出来るからきりちゃん起こしてきてくれる?」

 「わかりました。」

 

 

 ほぼ黒に見える、深い緑色の髪を揺らし、少しだけ顔を向けて挨拶を返してくれた女性のエプロンをつけた後ろ姿に、絵になるな、などと思いながら、入ってきた扉をそのまま出て、二階へ向かう。

 

 二階に上がって、角を曲がろうと歩くと、何か柔らかい壁にぶつかってしまう。

 

 

 「ちゅわっ!?」

 「ぐえぇ!」

 

 

 ぶつかった反動で後ろに跳ね返されそうだったのだが、頭を掴まれて、抱き込まれる。

 落ち着く、白檀のような香りと、暖かな柔らかさに包まれるが、想定される事態から、何に包まれるのかに気付いて、急いで離れる。

 

 

 「あわ、と、ごめんなさいイタコさん!」

 「いいえ~、私こそ不注意でしたわ。怪我はない?あっ、きりちゃんを起こしに来てくれたんですの?」

 

 

 中学上がりたての今の年齢では、まだあまり身長が高いわけではないので、体勢が崩れた時には鎖骨当たりに顔が行く上、抱き込まれては、ちょうどそういう場所に飛び込んでしまう。

 

 朝からあまり慣れない経験をぶつけられて、少し顔が熱くなるのを感じながら、見送られて目的の部屋に着く。

 

 

 コンコンコン、とノックをするが、返事はない。

 これはいつものことなので、扉を開けてしまう。

 

 部屋に入ると、薄暗かったので部屋の明かりをつける。

 

 

 暖房が効いて温かい部屋は、白を基調として、淡い緑と水色のカーテンやら、人気ゲームのキャラクターのぬいぐるみやらが飾られている他、今基準ではレトロゲーに入るようなゲームのコントローラが床に無造作に置かれていたり、飲みかけのペットボトル飲料や、食べ終わったお菓子の袋が2個3個落ちていた。

 

 

 コントローラなんかは、昔にスーファミの互換機のを踏み壊して泣いていたのに、懲りない奴だ、と思いながら充電ドックに戻して、ゴミ類も回収する。

 

 

 ベッドの上に眠る部屋の主を見ると、白と桃色の縞々のパジャマで、大きなきりたんぽの抱き枕の、斜めカットされた先端の部分を咥えながら寝ているのが見える。

 

 寝ている途中で暑くなったのか、足元に布団が追いやられている……、一応冬なんだけどな。

 

 抱き枕は、小学生になる前くらいに、2本セットのものを見て気に入ったらしく、俺と一本ずつで買ってもらったものなので、かなり古いものだが、まるで新品そのものの綺麗さのそれを見ると、現代の技術のすばらしさを感じる。

 

 勿論、俺の部屋にもあるが、普通の枕として使用されているので、俺のは真ん中あたりが潰れてへこんでいる。

 

 抱きりたんぽで唇が上に押し上げられて少し変顔になっているが、それはそれで可愛らしいというものだが、よだれでべとべとになるのではないかと、いつも思う。

 

 前に聞いた時は、ちゃんと毎日洗ってるから大丈夫ですとは言っていたが、洗っていても気になるものじゃないんだろうか。

 

 

 寝ている頬に、空いた右手の指先を押し付けてやると、指先が冷たかったのか、呻きながら嫌そうにして抱きりたんぽに顔をうずめる。

 

 抱きりたんぽを抱きしめながらうずめるものだから、へし折れていく抱きりたんぽと一緒に、だんだん丸まっていく。

 

 

 朝に弱いこいつを起こしに来るのは、俺の一つの楽しみでもあった。

 

 それでも、そろそろお互い良い歳なので、やめるべきだろうなとも思う。

 俺がこいつを娘か妹のように思っていても、こいつからすれば同年代の男の子に過ぎない。

 

 いつまでも幼馴染の男に毎朝起こされるというのも、本人の教育のためにも、外聞的にも、よくないと思うので、中学生活が落ちついてきたらやめよう。

 可愛い盛りの思春期だ、中学生活でこいつに好きなヤツでも出来た時に枷になるしな。

 

 

 頬やら首やらを、冷えた手でぺちぺち触って遊んでいると、イライラしたのか、手が掴まれて、引き込まれてしまった。

 可愛いなーと思った矢先、ついでとばかりに中指を強めに噛まれたので、つい押し込んでしまう。

 

 

 「いてっ」

 「おぶっ!?…………………んん???」

 

 

 流石に目が覚めたのか、不機嫌そうに眉根を寄せながら目が開く。

 

 身体を起こすものの、部屋の明るさに慣れないのか、しょぼしょぼと、何度も目を瞬かせた後、俺に気付いて見上げてくる。

 

 

 「…………冷え切ったきりたんぽに襲われる夢を見ました。」

 「おはよう、良い夢見れて良かったね。」

 

 

 笑顔で明るくかけた言葉の返事は、抱きりたんぽのスイングで返された。

 よだれで冷えた先端が顔にぶち当たって冷たかった。












 ボで始まりボで終わるタイトルのアニメをきりたんは見ています。


 追記:主人公がああ言った割に、普通に手作業で料理してるっぽい描写ありますが、それは敢えてそうしている人も居るという事に過ぎないのでセーフです。現代でも、いかに冷凍食品が美味く安くなっても、手作りの料理店は無くならない。そういうことです。

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