マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが 外伝   作:ジューク

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どうも皆さん、ジュークです。
引き続きプリキュア世界の怪人王のストーリーをお楽しみください。
ではでは、どうぞ!


第2話 『戦う理由、厳しさの裏』

「………さぁ、かかってこいよプリキュア(・・・・・)。格の違いを見せてやろう」

 

 

 その一言に、プリキュアたちは警戒と驚きを露にした。

 

 

「えっ!?」

 

「なんでウチらのことを…!?」

 

「俺も訳アリでな。…ここで暴れるのもあれだ。特設のバトルフィールドに招待しよう…ッ!」

 

 

 耀真が地面に手を当てて力を入れると、空間がパラパラとどんでん返しのように幾つもの正方形に割れて回転し、あっという間に荒野へとその景色を変えた。

 

 

「ここなら周りの被害を一切気にせず戦える…俺としても住み始めたばかりの街を潰したくはないんでな。だが、先に言っておこう。今のお前たちじゃあ、俺には勝てん」

 

「………そんなの、やってみなくちゃわかんないでしょ!『プリキュア!マーチシュート』!」

 

 

 緑髪のプリキュア…キュアマーチが放ったボール状のエネルギーが耀真に迫るが…

 

 

「ほい」

 

 

 まるで羽虫を払うかのように左手で弾き飛ばされた。

 

 

「なっ!?」

 

「マーチの攻撃が、あんなにあっさりと…!!」

 

 

 驚愕に包まれるプリキュアたちに、耀真はゆっくりとその口を開いた。

 

 

「………幾つか聞きたいことがある、が…まずはこれだ。お前たちは理解しているのか?」

 

「お前たちがやっているのは…戦争だぞ?」

 

 

 …瞬間、プリキュアたちの時が止まった。

 

 

 その眼にあるのは、疑念、困惑、そして…ほんの一つまみの恐怖だった。

 

 

「…何言って」

 

「もう一度言ってやる。お前たちがやってるのは戦争だ。国と国が自分たちの為に戦いあう………これを人は戦争と呼ぶ。違うか?」

 

「……ッ私たちは」

 

「戦争なんかしていない、か?いいや違う。お前たちは戦争をしている国の片方のことしか知らない。だから自分たちは正義だと信じている。しかし、立場が変われば正義と悪なんざいくらでも変わるもんだ。お前たちの正義は、さっきの豆クソババアの方からすれば悪かもしれないんだぞ?」

 

「でも、バッドエンド王国は皆を悲しませて」

 

「もしそれが、自分たちが生きるために必要だったとしたら?まぁ、さっきも言ったがお前たちがやっているのは戦争だ。命が消えない戦争なんざこの世には無いんだよ。そして、その戦争の最前線にいるお前たちが死ぬ可能性だって当然ある。それは来年かもしれない。或いは一ヶ月後、或いは一週間後、或いは…明日かもしれない。それも死ぬのは一人だけじゃあないかもしれない…一人だけ?一気に二人?三人?四人?或いは………全滅?

 

「お前たちがそれを理解してるとは、俺は到底思えない。お前たちに覚悟はあるか?隣の仲間が死んでも、その屍を踏み越えて敵を倒す覚悟が…。それが戦争だ。決しておままごとやヒーローごっこの感覚で手を出していい問題じゃあない。戦うってのはそういうことだ」

 

 

 そう言うと、耀真はもう一つのエボルドライバーを取り出し、二本のボトル…ガトリングフルボトルとライダーエボルボトルを装填し、レバーを回した。

 

 

【機関砲!】

【RIDER- SYSTEM!!!】

 

【クリエーション!機関砲!】

【FINISH!!!!!】

 

【TEN!!】

【TWENTY!!】

【THIRTY!!】

【FORTY!!】

【FIFTY!!】

【SIXTY!!】

【SEVENTY!!】

【EIGHTY!!】

【NINETY!!】

【ONE-HUNDRED!!】

 

 

 エボルドライバーを異空間に放り捨て、顕現された銃…ホークガトリンガーのバレルを十回回すと、銃口にエネルギーが蓄積されていく。そして耀真は徐に一人のプリキュア…青髪のキュアビューティにホークガトリンガーを向けた。

 

 

「まずは一人」

 

「!?」

 

「ビューティ、危ない!!」

 

「…いや、二人か」

 

「「ぁぁああぁあぁっ!!!」」

 

 橙髪のプリキュア…キュアサニーが庇うも、弾丸の雨は彼女たちを吹き飛ばした。

 

 

「あぁっ!?」

 

「ぐぅっ…」

 

 

 煙が晴れると、そこには変身が解除された二人が横たわっていた。死んではいないが、ダメージはかなり大きいようだ。更に耀真は追い討ちとばかりにホークガトリンガーを投げ捨て、腰のエボルドライバーのレバーを激しく回す。

 

【READY GO!!!!!】

 

 

「これで…四人だ。ふっ!」

 

 

 そう言って、耀真は空高くジャンプする。縦に回転しながら滞空する耀真の後ろに黒い穴のようにエネルギーが集中し、その体勢でグルグルと回転しながら耀真は黄髪のプリキュア…キュアピースに必殺技の『ブラックホールフィニッシュ』を叩き込もうとした。

 

「ピース!」

 

「ふぇぇっ!!?」

 

【BLACKHOLE FINISH!!!!!】

 

「あぁああああぁっ!!!?」

 

【CHAO…!!!】

 

 

 マーチがとっさにピースを庇うが、思ったよりもエネルギーの範囲が広かったために二人纏めて吹き飛ばされる結果となってしまった。

 

 

「きゃっ!」

 

「いっ…!?」

 

 

 そして地に伏した二人も元に戻り、残りは桃髪のプリキュア…キュアハッピーのみとなってしまった。

 

 

「そんな…」

 

「覚えておけ。これから先、生きていけば自分たちじゃどうにもならないことや思い通りにいかないこと…理不尽なんざいくらでもある。その度に人は『そんな』と絶望し、『次は乗り越えてやる』と新たな希望を生むことで強くなる。この世界は、希望だけとか絶望だけとかでできちゃいないんだ。希望も絶望も、両方あるからこの世界は唯一無二なんだよ。希望があるから絶望が現れ、絶望があるから希望は生まれる……もし、お前たちが俺に勝ちたいと思うなら、『己が戦う理由』を見つけてみろ。それによっては…或いは、な。CHAO」

 

 

 その言葉と共に耀真の姿は掻き消え、同時にハッピーたちは元の商店街の一角に帰っていた。

 

 

「………『戦う理由』…」

 

 

 ハッピー…星空みゆきの心の中で、その言葉が靄のように、何かのヒントのように残っていた。

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

 

 帰宅した耀真はフラフラとリビングに向かいソファーに座り込んだ。そして…

 

 

「(やっちまったああぁぁ!!)」

 

 

 両手で顔を覆いながら心の中でシャウトした。

 

 

「(マッジで何してんだ俺は!!?まだ戦争とかそういうのに疎いと言えど、JC相手に何をあんなカッコつけてイキり散らしてんだよ!!そりゃあ戦う理由とかは大事だよ!?命は大事にすべきだよ!?でもあれは違うだろどう考えてもおぉ!!しかも加減したとはいえブラックホールフォームとかどういう糞チョイスだよ!!俺もうイッチに「暴走し過ぎ」とか言えねえよもおぉぉぉ!)」

 

 

 普段夕食を摂る午後7時になるまでの数時間、耀真はひたすら悶絶を繰り返していた。

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「………はぁ…」

 

 

 土曜日、一週間の食糧の買い出しをしていた俺は未だに前回のことを気に病んでいた。

 

 

 だからこそ、前を歩くその人物たちに気づかなかったのだろう。

 

 

「「「「「「あ」」」」」」

 

 

 眼と眼が合う~瞬間に~

 

 

 じゃねぇよ馬鹿野郎。よりによってこのタイミングでコイツら(プリキュアたち)とバッタリとかふざけんなよ神様オイ。

 

 

「あ~っ!この前の!!」

 

 

 ハイバレました~。マジクソゲ~。

 

 

 取り敢えず全力ダッシュで逃げた。ご近所様たちめっちゃ変な奴を見る目だったな。まぁそうだろうよ。端から見れば痴漢されたJC軍団とその犯人、よくて大学生狩りだ。今時聞かねぇなそういうの。

 

 

「………引っ越そうかな…」

 

 

 引っ越しして一週間でそんなことを考える程度には萎えてきていた俺でしたとさ。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

 

「…くぁ~」

 

 

 あれから二ヶ月程が過ぎた。耀真も以前の自分の黒歴史を完全に忘れ去っていたタイミングだ。

 

 

「………ん?これは…」

 

 

 空が不自然に黒くなったことにすぐさまピンと来た耀真はムッと眉を潜めた。

 

 

「チッ、来い!『ライドクロッサー』!!」

 

 

 通りの向こうから自走してきた、二台のバイクが合体したようなビークル…ライドクロッサーに飛び乗り、ヘルメットを被ってバイザーを下ろした耀真はギアを上げて空が曇り始めた場所の下…ちょうど父の日記念の父子ファッションショーが開催されている会場へと向かった。

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「(…あれか)」

 

 

 こっそり顔を覗かせた先では、狐のぬいぐるみのようなピエロ顔の怪物が暴れていた。そしてそれと戦っているプリキュアたちの姿、更に以前の豆クソババアことマジョリーナと同格とおぼしきやけにヘビメタなファッションの狼男がいた。

 

 

「(……狼男か…たしか、え~っと、ウルフルズ…いや違うな………あ、ウルフルンだっけ。狼ならブレンで行きたいけど………いや、ここはあれか)」

 

 

 ナックルダスターのようなパーツが付いた銃…ブレイクガンナーを出した耀真は、狙いをウルフルンに定め、躊躇なく引鉄を引いた。

 

 

 

⚪⚫⚪⚫⚪⚫⚪⚫

 

 

「ギャアアアッ!!!??」

 

 

 狼男…ウルフルンは突如として横から飛んできたエネルギー弾に撃たれ、地面に転げ倒れた。

 

 

「ぐ…いったいなん………!?」

 

 

 憎々しげに道路の向こうを見ると、左右にバイクが取り付けられたようなビークル…ライドクロッサーが走ってきた。そしてドリフトするように回転して止まると、乗っていた男…耀真はスタイリッシュに降り、ヘルメットを外してライドクロッサーにかけ、ナックルダスターのような銃…ブレイクガンナーを右手に持ってウルフルンの方を向いた。ウルフルンは最初は目を見開いたが、やがて納得したように不敵な笑みを浮かべて耀真と向き合った。

 

 

「ほう…お前がマジョリーナが言ってた人間か。なるほど、また俺たちを邪魔しに来たのか?」

 

「俺はただ平穏に過ごせりゃそれで良いが、あの豆クソババアはそれを邪魔した。だから蹴った。お前も、俺の平和を邪魔すんなら…」

 

 

 ガチャリとブレイクガンナーを構えると、耀真は徐に銃口を掌底で押し込む。そして、その手をブレイクガンナーから離すと同時に言い放った。

 

「殺す」

 

【BREAK UP】

 

 

 耀真がブレイクガンナーから左手を離すと、一対のタイヤがグルグルと立体的に動き、耀真と横一直線状になる場所で停止した。直後、タイヤが細かいパーツに分離し、耀真を包む円柱状のエリアが展開され、ブレイクガンナーを持つ手を右に振り払うような合図と同時に紫の稲妻を放ちながら、耀真はバイクのエンジンのような禍々しいマスクと紫の外骨格のようなアーマーを纏った戦士…かつてプロトドライブとして人々を守ったが、最強級のロイミュードであるハートによってロイミュードの番人と化した機械戦士…『魔進チェイサー』へとその姿を変えた。ウルフルンは放たれる禍々しさに嫌な汗を額から流して問う。

 

 

「な、なんなんだ…テメェは………」

 

「俺は暗宮耀真。この街の番人。同時に………」

 

「…死神だ」




さてさて、いかがでしたか?
前回のストーリーが「JCにイキってる性悪な大人」って言われたので、思いきってそれをネタにしました。
次回、他のスレ民のストーリーを投稿するか、怪人王ニキの話を続けるか、アンケート取りますのでお願いいたします。
では、また次回で。

次のストーリーはどうしたいですか?

  • 引き続き怪人王ニキで!
  • たまには他のスレ民の話見たいわ
  • どっちゃでもええわ。それより夜食
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