マッドでヤベーイやつにしか変身できないんだが 外伝 作:ジューク
というわけで飛行ニキ2話目いっちゃいましょ~。
日もすっかり暮れ、ツバサとゴールドのバトルもいよいよ大詰めとなっていた。いや、大詰めというよりこれはむしろ…
「…ッ!」
「ふむ…どいつも良い鍛え方してはいるんだが…やはり決定打が欠けてるな…なんというか………セオリー通り過ぎるんだよな…もう少しバトルに工夫、独創性を混ぜた方がいいな。セオリー通りってのは強い反面、対策もされやすいぞ」
…蹂躙だった。フワライドとのコンボで強化されたカイリューにゴールドのポケモンは次々に敗れ、現在はニョロトノがダウンしてしまっている。
「舐めやがって…!こんな時にお説教ってか!?その余裕、ぶっ壊してやるよ!バクたろう!」
「バクフウウゥ!!!」
戦闘不能になったニョロトノを戻してゴールドが最後に出したのは、ジョウト地方の御三家ポケモンの最終進化の一体、バクフーンだった。
「いくぞバクたろう!あの舐めた野郎に一泡吹かせてやれ!!」
「バクォアアァ!!!」
「………なるほど、気合い十分か………審判!」
バクフーンを見て何かを感じ取ったツバサは突然、審判に声を放った。
「この試合、悪いが少しルール変更を頼む!」
『!?』
ツバサの突然の要請に、審判どころか観客たちもざわめき始める。
「変更内容はいたって簡単。今から出す俺のポケモンとチャレンジャーのバクフーン、1対1でこの勝負の決着としたい!!」
「はァ!?」
「つまり、今まで俺はカイリューでチャレンジャーのポケモンをすべて戦闘不能にしたが、それをすべて無効とし、次に俺が出すポケモンが戦闘不能になった場合、俺の負けにしてくれ。……言っておくがチャレンジャー…いや、ゴールド君だったかな?誤解しないでくれ」
そう言ったツバサはゴールドに向き直り、言葉を続ける。
「お前を侮るわけじゃない。寧ろ逆さ」
「?」
「…ポケモンも人間も、成長するために最も重要なのは何かわかるか?強い能力?潤沢なアイテム?整った環境?優秀な親?………どれもあと一歩足りないんだ。じゃあ何が必要か…答えは一つ」
「危機感…!?」
「そうだ。危機感だ。人もポケモンも、自分が明確に『ヤバい』と感じた時に最も成長する。時折それは危機的状況における進化をも促す。俺は強さに貪欲なんだ。俺はお前とお前のバクフーンを見て『コイツらはヤバい』と直感した……だからこそ、俺は自らを危機に追い込む。お前も俺も、あと一体。正真正銘、これが最終決戦だ。どうする?乗るか反るか、お前が決めろ」
「………………」
ゴールドが見たツバサの目に、嘘の色はまったくなかった。つまりは本気。本気でツバサはこれを最後の勝負にしようとしているのがよく理解できた。
そうとわかったゴールドの答えは一つだった。
「…そうこなくっちゃな!!いくぞオウガ!!」
『ガアアアァアァァ!!!!』
ツバサの叫びに呼応するように、背後に控えていたオウガがバトルフィールドに降り立ち、雄叫びのような鳴き声を轟かした。
「いくぞバクたろう!!『かえんほうしゃ』!」
「バァクァァァ!!!」
「オウガ!!右斜め上52度に回避!!そのまま上昇!」
「ガッ!!」
「追撃しろバクたろう!地面に墜としてやれ!」
「クアアァァァ!!」
バクフーンはオウガの弱点である炎技のかえんほうしゃで撃ち落とそうとするが、ツバサの的確な指示でオウガはその巨体からは想像もできないほど軽やかに回避し続ける。時折オウガは『はがねのつばさ』で空中から何度か奇襲を仕掛け、バクフーンを翻弄する。バクフーンは七回ほどくらったが、一度返しのかえんほうしゃでカウンターを受け、オウガにもダメージは入っている。
ここで決める。
そう考えた二人の指示は同時だった。
「『ブラストバーン』!!」
「『ブレイブバード』+『アイアンヘッド』!!『特鋼大鳥』!!!」
『ガアアアアアアア!!!』
『バァクァアアアアア!!!!』
ゴールドは御三家ポケモンの最終進化形が覚える究極技を、ツバサは二つの技の合わせ技をそれぞれ指示する。
そして、バクフーンの口から放たれた極温の熱線と合わせ技に回転を加え、さながら巨大な弾丸のようにバクフーンに突撃するオウガが激突し、会場に光と煙が満ちた。
光と煙が晴れたフィールドに立っていたのは…
「ここが『パルデア地方』か…テンションアガってきたな、オウガ!」
『ガア』
ゴールドとの激戦から三日後、ツバサはオウガと共に空港の入口に立っていた。ご丁寧に、ツバサはサングラスを掛け、アロハ柄の着物(おそらくはバカンス風)という訳のわからない服装をしている。
結論を言うと、三日前のバトルはツバサの勝利で幕を閉じた。ゴールドは悔しそうにはしていたが、どこか清々したような顔で「また修行し直す」と言って去っていった。
そのため、ツバサもまた別の地方へ行くかとパンフレットを漁っていると、パルデア地方という聞いたこともない土地が目に止まったので、即決で来たのである。
「さて。これがパルデアへの、第一…」
そう言って、ツバサが目にしたのは…
制服を着た中年男性だった。
「…ヘイロトム。ジュンサーさんに連絡して?」
「なぁるほどねぇ…」
ツバサは改めてパンフレットの中の1ページ…グレープアカデミーに関するページを見ていた。
どうやら、このパルデア地方はテーブルシティにある巨大な学園、グレープアカデミーが地方のメインシンボルだそうで、入学に年齢制限が無いため、中年や壮年の者でも入学できるそうだ。
失礼かもしれないが、たしかにそれを知らない人間からすれば制服を着て学校で如何わしいことをしようとする不審者にしか見えないだろう。
「文化の差って凄いよな、オウガ」
『ガ?』
道中で買ったサンドイッチ…ツバサからすれば、普通サンドイッチは食パンを使うものであって、フランスパンを使うものではないと思う物を鵜呑みにするかのように食べているオウガは、若干首を傾げながらツバサに反応する。
現在、ツバサたちはとある道路を散歩しながらポケモン探しをしていた。
と、その時。
「………ん?」
何やら前方から土煙が上がっている。どうやら、何かが走ってきているようで、ドドドドと地響きのような音も聞こえてきた。そして…
『『『ヌチャアアアアア!!!』』』
「…は?」
巨大なハンマーを持つ小さなポケモンが飛び出してきた。そのままポケモンは、手にした巨大なハンマーをツバサたちに…より正確には、オウガに振るう。
「うおっ!?」
『ガ!?』
『『『ヌチャン!ヌチャン!ヌチャァン!』』』
そのまま、ポケモンたちはツバサとオウガを逃がすまいと取り囲み、臨戦態勢に入る。
さて、ここで思い出して欲しい。
ツバサは転生者であり、ポケモンの言葉や心を読むことができる。
つまり、ポケモンたちの声はツバサにはこう聞こえていた。
『『『ソザイ!ソザイ!ソザイィィィ!!』』』
「…………はい?」
ポケモンたちが狂ったように、『ソザイ!』と叫んでいるのである。
「ロトム。コイツら何だ?」
ツバサの質問にスマホロトムは素早く答えた。
『デカヌチャン。ハンマーポケモン。フェアリー・鋼タイプ。知能が高く、とても豪快。百キロを超えるハンマーで岩を殴り飛ばして、アーマーガアを撃ち落とし、ハンマーを補強する素材にする。デカヌチャンが生息しているため、パルデア地方ではアーマーガアタクシーは運行できない』
「血迷ったかゲームフリーク」
淡々と述べられた、スマホロトムの説明に、ツバサはドン引きしていた。
「何その蛮族。つまりは俺のオウガをハンマーの素材にする、と…舐められたもんだ。オウガ」
『ガァ?(どした?)』
「やっておしまい」
『ガアアアアア!!!(シャオラアアアア!)』
ツバサの指示に、オウガもまた蛮族よろしく単騎でデカヌチャンの群れに突撃していった。
つまるところ、ツバサのオウガはただのアーマーガアではないということである。
ツバサの態度は舐めプというより、ただただ強さや成長に貪欲なだけです。つまり、よく漫画とかで
「強くなるためならなんだってやる」
とか
「俺は…どうしても強くならなきゃいけないんだ!」
とか言うタイプってことです。
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