第11話です!それではどうぞ!
~石田家~
俺と山吹さんはショッピングモールで糸井にあった後、俺の家に向かった。理由としては山吹さんに俺の大禪高校時代のこと、そしてなぜ花咲川へ来たのかを話すためだった。
「とりあえずここに座ってよ山吹さん、俺お茶かなんか持ってくるからさ」
ソファーに山吹さんを座らせた。
「それじゃあ話すね」
俺は重い口を開いた。
~明優回想~
俺は中学校までは北海道にいたんだ。そこでもバスケをしてたし全中でだっていい結果を残せた。それで俺の素質に目をつけてくれた大禪高校の監督が俺のことをスカウトしてくれたんだ。
それは素直に嬉しかった。自分の実力が全国に名を轟かせるような強豪校に認められたことに。その時は手放しで喜んだよ。
俺はスカウトがきてすぐ大禪高校への進学を決めたんだ。同級生のヤツらと別れるのは寂しかったけど、中学の頃果たせなかった全国優勝を成し遂げるために大禪高校への進学を決心したんだ。家族も一緒についてきてくれた。
大禪高校に来てからは環境がガラッと変わったんだ。周りには知らない人ばかり、右も左も分からない状態でいきなり田舎者が都会に出たんだ。最初はてんてこ舞いだったよ。
大禪高校バスケ部は俺が全中に行った時に見たことがある人たちもポツポツいたんだ。そう思うと少し気が楽になった。
俺を含め新入部員は30人程度いた気がする。それも中学校を代表する猛者ぞろいだった。俺の身長はその頃から180cm近くで、中学校でセンターをやろうと思えばできるようなしんちょうだったけど、高校ではどちらかというと低い方だった。
スタメンの座を1年生の頃から目指していた。大禪高校のシステムに上手くアジャストできる自信があったからだ。そのため周りよりも人一倍努力した。
その結果俺は入部して最初の練習試合にベンチ出場ながらも試合に出ることができた。
俺はこのチャンスを逃さず、監督にアピールし、見事インターハイ予選前にはスタメンに座を獲得した。1年生でスタメンっていうのはこの学校では珍しかったみたいだ。
スタメンになってからも努力を惜しまなかった。朝一番に来て練習し、練習後も人がいなくなるまでひたすら練習した。
風邪をひいてフラフラになっている時でも練習に参加した。その結果風邪は悪化、家に着いた瞬間おれは倒れてしまった。
次の日の練習を休まざるおえなかった。初めて練習を休んだのがこの日だ。一刻も早く風邪を治すべく、俺は一日中安静にしていた。
そして風邪が回復して学校へ通い始めた頃に事件は起こったんだ。
ロッカーを開けると夥しい数のエッチな本が入っていた。俺はそれに唖然としてしまい、空いた口が塞がらなかった。
翌日には大量の紙切れが入っていた。その中には『なんでお前なんかがスタメンなんだよ』や『早く死ね』などの罵詈雑言が書かれていた。
俺の困っている表情を見て、同級生が笑いを噛み殺していた。あいつらの目は異常に荒んでいた。
その瞬間俺はイタズラではないいじめだとわかった。
俺のシューズに画鋲が入れられていたり、二軍で燻っている雑魚どもが俺に聞こえるような声で露骨に
「なんで俺より下手なのにスタメンなんだよ」
と罵られたりした。
中学の頃のように近隣にいる人達が集まって形成される部活じゃない、だから俺はそんなことをしてくる奴らの意図がわからなかった。それで監督や両親にも相談するのを躊躇ってしまった。
そんな中俺に救いの手を差し伸べてくれたのはキャプテンだった。いじめられている俺をいつも庇ってくれたし前向きな言葉で常に俺のことを鼓舞してくれた。俺はキャプテンのことを心から尊敬していた。俺も苦しんでいる人に手をさしのべられる、そんな人になりたいって思ったんだ。
その分キャプテンの引退は俺の心の傷を大きく広げた。ウィンターカップまで一緒にできるって勝手に思っていたがキャプテンは進学するためにインターハイで引退することを決めていたとのことだ。キャプテンとできるだけ長くバスケをするために俺は奮闘、チームもインターハイ決勝までいった。結果は負けてしまい準優勝という形でキャプテンのバスケ生活は幕を下ろした。
最後俺が最後シュートを外していなければ優勝していた。その分責任感を感じてしまった。それでも最後キャプテンは
「気にするな。後輩にラストショットを託した俺ら先輩にも非がある。お前は最後までプレッシャーに耐え続けながらプレーしてくれた。ありがとう、俺らの忘れ物を次は必ず持って帰ってきてくれ」
最後の最後まで優しいキャプテンに俺は涙をこらえることが出来なかった。キャプテンの思いに答えるために俺はいじめになんか負けない、そう誓った。
だがキャプテンが変わってからガラッと変わってしまった。俺の唯一の頼みの綱がいなくなってしまった今、俺は不安と絶望しか無かった。
それからのいじめはあまりにも酷いものだった。ラフプレーは日常茶飯時、監督の見えないところで暴行を加えられたりもした。俺が文句無しに大人しくしているのをいいことに、いじめはエスカレートしていった。
そのいじめの中心にいたのが糸井だ。やつは俺がいなければスタメンになれるような男だった。その分俺は嫉妬されいじめの対象になってしまった。糸井は人から好かれるのが上手く、上級生も日頃仲良くしてくれた友達も、新キャプテンをも巻き込んで一緒になって面白がり、笑いあっていた。
日に日に増えていく痣、痛々しい傷、そんなもの親に心配されないなんてことがなかった。だけど俺は問題を起こしたくなかったから。最近ボディーコンタクトに力をいれてるんだよねと苦しい言い訳でその場を乗り切っていた。
そんなある日、プレー中に事件は起きた。俺は糸井とリバウンドでせっていた。俺の着地と同時に糸井は俺に足を絡めてきた。あの時は死んだかと思うような激痛が走り、俺は倒れ込んだ。糸井からは微かな笑い声が聞こえた。
俺はその時あいつはわざとやったということに確信を持てた。プレー中なら不慮の事故だしバレないだろうとでも思ったのだろう。
俺はその後自力で保健室までいき、容態を伝えたあとで気絶してしまった。診断結果は右膝前十字靭帯の断裂。全治まで10ヶ月くらいかかる大怪我をおってしまった。
俺は終わったと思った。怪我っていうのもあるしアイツらとプレーするのはもう無理だと思った。バスケできる1番大事なのは信頼関係だと心に留めてやってきた。5人が5人、自分勝手なプレーをしたらそれはただの球技大会である。それはバスケットの名を借りた単なる遊びだ。
俺へのいじめで一致団結するような部活、こっちから願い下げだった。
そして俺は学校を中退。それは大問題となり、学校側は俺を引き留めようとしたがそんな簡単にあいつらを許すことは出来なかった。
お母さんにこっぴどく怒られてしまった。中退したことに対してでは無くなんで相談しなかったのかって。お母さんの目に涙が溜まっていた。俺はその時無念の涙が溢れ出てきた。
もうバスケットが嫌いになった。でもやられっぱなしではいられなかった。プレーで見返してやりたかった。
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「そして俺はこの学校に来たんだ。あいつらに復讐するためにやられっぱなしは嫌だ。俺は絶対に負けたくない、負けたままで終わりたくない。だから、この道を選んだんだ」
山吹さんは唖然としていた。ぽっかり空いた口が塞がっていなかった。
「ここ学校に来てから毎日が楽しくて…。学校に毎日でも行きたいって思って、いつでもそばにいてくれる夢生と心穏、いつも笑いかけてくれるポピパのみんな、俺にはそれがかけがえのないもので…」
何故か涙が出てきた。
そして俺は温もりを感じた。一瞬俺はなんのことだからわからなかったが、山吹さんが俺に抱きついていることはすぐにわかった。
「石田君…、辛かったね。私も人の痛みに気づけない人…許せないよ。
だから私達を頼ってよ!!いつでも協力する!裏切るなんてことは絶対にしない!絶対に見返してやろうよ!」
山吹さんの言葉一つ一つに熱が籠っていた。こんな良い人に巡り会えたことが何よりも嬉しかった。
「今は…泣いていいよ。我慢しないで」
俺はこの言葉を引き金に今まで溜まっていたものが全て出てきた。
「…!山吹さんっ!、、、、俺、、、あの時はほんとうに辛くて、、!死のうかと思って、、、!うっ、、、でも俺みんなに逢えて!、、、よかった、、、」
「よしよし」
山吹さんは赤ん坊のように泣きじゃくる俺のことを優しい手つきで撫でてくれた。それが心地よくて、暖かくて、涙が止まらなかった。
~沙綾side~
彼は泣き疲れたのか私の腕の中ですやすやと眠っていた。彼の過去の話を聞いた後、支えずにはいられなかった。もう彼にはあんな思い二度として欲しくない。
抱きついてしまった時は緊張したが隠すことが出来た。彼の寝顔はとても可愛かった。でも体つきは立派な男の子なんだなって。鍛え上げられた体、筋肉でゴツゴツとしている腕、彼は細身だから筋肉質には見えないがスポーツマンなのだからだろうか、体はガッチリとしていた。
彼の話を思い出すだけで辛くなってくる。私だったらこんなにも耐えれないだろう。彼はすごい、1人でこんなに抱えて。でもこれはからはその重みを私も一緒に背負っていけたら、とそう思った。
沙綾ちゃんってお姉ちゃん特有の暖かさがありそうですよね。面倒見の良さに引かれちゃいます!(*♡_♡)
それではまた次回!
新たな作品でヒロインにするなら?
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Poppin’Partyの誰か
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