パン屋の娘とリベンジ少年   作:-つくし-

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バンドリの映画見に行きたいんですけど、田舎に住んでいて近くの映画館では上映されてません(´・ω・`)

第12話です!それではどうぞ!


第12話 少年、気づく

「ん……。(なんかパンの匂いと優しくて甘い香りがする……。頭にもこれは枕じゃないな。でも柔らかいものがある)」

 

 俺はそんなことを考えながら目を覚ました。その視線の先には山吹さんがいた。

 

「山吹さんっ!? ご、ごめんね!」

 

 俺は寝起きにも関わらず勢いよく飛び起きた。

 

「石田君おはよう。石田君、私に泣きじゃくったままそのまま寝ちゃったんだよ」

 

 苦笑いしながら山吹さんそう話した。ああそうか、俺はあのまま寝ちゃったのか、山吹さんの温もりに包まれながら。しかも俺が起きた時には膝枕をしていた。どおりで気持ちよかったわけだ。

 

 

「ごめん……。さっきは取り乱しちゃって。しかもそのまま寝ちゃって……」

 

 俺は体を90度曲げ山吹さんに謝罪をした。

 

「いや全然いいよ、石田君の寝顔可愛かったし、いいもの見れたな〜」

 

 山吹さんはにししと笑いながらそう言った。俺が寝たことに関しては満更でもなさそうだ。

 

「それは恥ずかしいな……。写真撮ったりしてないよね!?」

 

「流石にそこまではしないよ」

 

 よかった。山吹さんとでもあろう人がそんなことをするはずないよな……って、えぇ!? 山吹さんは俺の前に俺の寝顔の写真を見せてきた。いやバリバリとっとるやないかい!! 

 

「撮ってるじゃん! 山吹さん!! 消してよ〜!」

 

「それはちょっと出来ないかな〜」

 

 山吹さんはスマホを腕で隠し、消すつもりがないことをアピールしてきた。女の子から強引にスマホを奪うことをできない俺は消してもらうことを諦めざるおえなかった。

 

「みんなには送らないでね」

 

 それだけはやめて欲しかったので伝えておいた。

 

「それで石田君、実は大問題があって……。外を見ていただけるとわかるのですが……」

 

 山吹さんはそういうと外を指さした。その瞬間落雷が窓の外で一際激しく轟いた。しかもぶちまけるような勢いで雨が降っているし、俺の家がギシギシと音を立てるほどの激しい強風も吹いてた。俺は台風が来ているとすぐにわかった。

 

 俺はすぐさまテレビをつけニュースを見た。ビンゴだ。こっちの方は今まさに台風が来ているとのことだ。

 

「……困ったなぁ」

 

 この猛り狂う雨風の中、山吹さんのことを返すことはできない。台風が通り過ぎるのを待ていいだけの話だがここを通過するのは夜の遅い時間だそうだ。

 

「俺お母さんに連絡するからさ、山吹さん今日はうちに泊まりなよ」

 

「えぇ!? お泊まり!? いいの?」

 

 山吹さんは驚きを隠せない状態だった。

 

「こんな状況だもん、しょうがないよ。今日幸いにも両親は出掛けてていないし、明日は祝日だから」

 

 そう、こんな状況だからだ。やましいきもちなんて一切ない。俺は潔白だ。

 

「じゃあ遠慮なく泊まっていくよ」

 

 山吹さんはそういうとスマホを取り出しお母さんに確認をとった。

 

「もしもしお母さん、今台風すごくて家から出られないから石田君の家に泊まっていくことにしたんだけどいいかな……? えぇ!? ちょっと何言ってるの!? や、やめてよ〜」

 

 山吹さんにしては珍しく取り乱していて顔も酷く紅潮させていた。

 

「山吹さんどうかしたの? もしかして無理にでも帰ってこいって?」

 

「い、いや! お母さんは大丈夫だって、だから今日は泊まっていくよ」

 

 山吹さんのお母さんだ。そんなこと言うわけがないだろう。

 

 山吹さんの確認が終わったから次は俺の確認だ。俺はケータイを取り出しお母さんに電話をした。

 

「もしもしマm……お母さん、今こっちの方台風が酷いんだよね。それで今山吹さんが家にいて……この中帰させる訳にもいかないから山吹さんに泊まってもらってもいいかな?」

 

 山吹さんのことはたまにお母さんにも話している。パンを買いに行った時に会ったことがあるらしく良い子だね〜と言っていた。

 

『あら、山吹ちゃんが家にいるの? あんたヤラシイことしてるんじゃないでしょうね!』

 

「ちょっと何言ってんの!? そんなことするわけないでしょ! ただ今日は2人で遊んでて雲行きが怪しくなったから俺の家に来たんだ」

 

『あらあら〜お母さん山吹ちゃんと2人で遊ぶなんて聞いてないわよ。言ってくれればアドバイスでもなんでもしたのに……』

 

 しまった! お母さんにはこのことを言ってないのを忘れてた。過去のことを話した、とは言いにくかったから雲行きが怪しいというのを理由にした。

 

『もちろん泊まってもOKよ、でも避妊はちゃんとしなさいね?」

 

「は!? ちょっと待ってそんなことはしな……切れた……」

 

 お母さんのばかやろう。何を言っているのやら。流石に動揺を隠しきれず声をあげてしまった。

 

「……石田君大丈夫だった?」

 

 山吹さんが心配そうな顔で尋ねてきた。

 

「ああ、うん。大丈夫だって。あ、それじゃあ俺は風呂沸かしてくるから〜」

 

 俺はそういいスタコラサッサと風呂場へ行った。正直に言うとものすごい緊張している。今までお泊まりは疎かしかも女の子となれば緊張しないことなんてないだろう。しかも2人きりだ。大勢で泊まるなら何とかなるかもしれないが、2人きりだとなんの話をすればいいかわからないし不安だ。

 

 俺は今後の展開に憂鬱になりながらもリビングへと戻ってきた。

 

「山吹さん沸いたら最初に入っていいよ。俺はシャワーで済ませるから」

 

「え、そんないいよ。泊まらせてもらってる側だし石田君が遠慮なく入ってよ」

 

「俺実はシャワーの方が慣れてるんだ。山吹さんはお風呂入ってゆっくりしたいしょ? だから遠慮せずに入ってよ」

 

「う〜、わかったよ」

 

 譲り合いの末、結局は山吹さんが風呂に入るということにまとまった。

 

「もうこんな時間だし、夜ご飯作っちゃう?」

 

 時刻は午後6時を回っていた。そろそろお腹も減る頃である。

 

「そうだね。何作ろっか」

 

 俺は冷蔵庫を漁ってみた。えーと、人参、じゃがいも、玉ねぎ、肉ねぇ……これってお泊まり会定番のカレーを作れということかな。

 

「いい感じに具があるからカレーを作ろう、それでもいい?」

 

「さんせー」

 

 今思えば肉じゃがっていう選択肢もあったがそれはおいておこう。そんなわけで俺らはカレーを作ることにした。

 

 山吹さんが具材を切って俺が炒めたりした。普段親がこうして家を開けている時が多いから料理は人並みにできるようにしていた。こんな時に恥をかかなくて済むし料理系男子ってかっこよくない? 

 

 山吹さんの手際はとても良かった。等間隔にリズム良く具材を切っていく。その音がとても心地よかった。料理しながらリズムキープできるんじゃないだろうか。

 

 あとは煮込んでカレールーを入れて完成だ。あぁ、お腹が減ってきた、早く食べたい。

 

 山吹さんが丁寧に盛り付けそれを俺が運んで食事にありつける状態になった。

 

「「いただきます」」

 

 今日二回目の2人きりで食べる食事だ。昼は緊張したが今は安心感さえ覚えるようになった。

 

「美味しいね」

 

 山吹さんが満面の笑みでそういった。そんな笑顔されたらこっちまで笑顔になってしまう。

 

「友達と作るカレーは格別だね、やっぱり山吹さんは手際いいね〜、将来良いお嫁さんになれると思うよ」

 

「お嫁さん!? そ、そんな……」

 

 山吹さんは両手で顔を隠して恥ずかしそうにしていた。俺はそれを見て笑った。山吹さんと話していると笑顔が絶えない。俺はこの瞬間が最高に幸せだった。

 

 俺と山吹さんは2人で食器を洗い、その後はテレビを見てくつろいでいた。くつろいでいたって言っても、俺は興奮していたが。

 

「この選手すごいディフェンスが上手いんだ。俺の憧れだよ」

 

 俺と山吹さんはNBAの試合を見ていた今日の試合どうしても見たかったので山吹さんの了承をえて見ることに決めたのだ。

 

「すごいね〜NBAって、シュートがポンポンポンポン決まって、見ていて気持ちいいよ」

 

「でしょ! こんだけ決まったら気持ちいいだろうな〜」

 

 熱く語る俺を一切嫌な顔せず山吹さんは受け答えしてくれる。それでこっちもどんどんどん熱くなってしまう。

 

「やった〜勝った〜! 逆転勝利ナイスすぎる!! あのブザービーターはやばいでしょ!?」

 

 俺は興奮気味に山吹さんに話しかけた。それもそのはず最後のポゼッション、負けていたチームが完璧にデザインされたセットフェンスの中見事逆転スリーポイントを決めきったのだ。あれを見て興奮しないバスケファンはいないだろう。

 

「私はびっくりしたな〜。あの限られた時間の中で決めちゃうなんて」

 

 確かに俺も最初はびっくりした。あの短い時間の中で決めきることに。ただコートにたってみてわかったのは1秒1秒の重みがとんでもないことだ。たかが5秒がものすごく長く感じることだってある。プレッシャーがかかる場面っていうのはそれだけ緊張するということだ。

 

「山吹さんそろそろお風呂入る?」

 

「そうするかな、あ! 着替えって……どうすれば……?」

 

「忘れてた! えーっと……とりあえずズボンはお母さんの貸すね。上は俺のTシャツ後で置いとくからそれを着てもらう感じでいい?」

 

「うん、わかった」

 

 そういって山吹さんは風呂場へと姿を消した。

 

 そして俺は山吹さんがお風呂へ入ったのを確認した後そっと服を置いた。

 

 

「いや〜さっぱりしたよ〜」

 

 山吹さんはどうやら上がったみたいだ。

 

「石田君……その、似合ってる、かな?」

 

「……!! う、うん似合ってるよ」

 

 思わず胸が高鳴ってしまった。サイズの合っていない俺のTシャツを着ている山吹さんは見えた。しかも自分の気になっている人が自分のTシャツを着ていることに少しばかりドキッとしてしまう。破壊力が半端じゃない。

 

「じゃあ俺もシャワー入ってくるから! ごゆっくり!」

 

 俺は足早に風呂場へと逃げた。

 

 ~風呂~

 

 風呂場は少しばかり山吹さんの匂いが充満していた。山吹さんの甘くて優しい匂い、抱きついた時にわかったが俺はその匂いがとても好みだった。

 

 ~リビング~

 

 このままでは変態になってしまうと思った俺は急いで風呂から出た。

 時刻は11時を過ぎていた。

 

「石田君おかえり〜」

 

「ただいま戻って参りました」

 

「ちょっとなんでそんな言い方なの」

 

 そうそろそろ深夜テンションに入る頃だ。俺も変なテンションになりつつある。山吹さんも些細なことで笑ってしまうようだ。

 

「ふぁぁ〜……、今日はもう寝ようか」

 

「うん、そうだね」

 

 そう言って俺らは部屋へ行った。

 

 ~部屋~

 

「俺は床で寝るから山吹さんはベットで寝ていいよ」

 

「ええ!! 石田君がベットで寝ていいよ! お風呂譲ってもらったし」

 

「いいのいいの、女の子のことは床では寝させてあげれないよ」

 

「そ、それじゃあさ……2人で一緒に寝ない?」

 

「……え?」

 

 思わず素っ頓狂な声をあげてしまった。山吹さんは今上目遣いで俺に訴えかけてきてる。前はそれが可愛らしく見えたが今はこの状況のせいか、とても色っぽく見えた。

 

「い、いいよ……」

 

 俺と山吹さんは背中合わせでベットに入った

 

 流石に恥ずかしい、いつもは広いベットも2人だと狭く感じる。早く寝てしまおうか、そんなことを思っていたら

 

「あのね石田君、その今日は買い物の時助けてくれてありがとう。あの時すごく怖かったんだ。それで過去のことも話してくれて……。私には辛すぎて途中から聞いていられなかったけど……。石田君は強いよ、絶対にリベンジできる、負けて欲しくないな。私も応援するしいつでも助けになるから、辛くなったら私を頼ってね」

 

 と山吹さんは優しい声で俺に言った。

 

「山吹さんありがとう。俺山吹さんの期待に答えられるように頑張るから。そしてリベンジを果たせるように頑張るから。俺この学校に来て、山吹さん見たいな優しい人に会えて幸せだよ」

 

 俺はそう話した。

 

「ふふ、そんなこと言われると照れちゃうな……///」

 

 今までみたいに友達の関係でもいいと思った。だけど俺は山吹さんともっと親密な関係を築きたいと思った。山吹さんのことにもっと触れたい、山吹さんともっと一緒にいたい、山吹さんと楽しくで笑い合いたいそんな感情が湧き上がってきた。

 

 山吹さんといると安心する。あの胸の高鳴りは緊張なんかじゃなくて『好き』なんだって、そう過去の話をした時に、彼女の腕の中に包まれた時に気づいた。

 

「山吹さん、俺……」

 

 心臓が高鳴る。柄にもないことを言おうとしてるんだ、しょうがない。

 

「俺、山吹さんの事が好……」

 

「すうすう……」

 

 どうやら山吹さんは寝てしまったようだ。今思うとなんだか恥ずかしくなってくる。もう寝てしまおう。

 

 でもいつかは面と向かってこの想いを伝えられるように、そう思って瞼を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 




自分も女の子とお泊まり会してみたかったな〜

それではまた次回!

新たな作品でヒロインにするなら?

  • Poppin’Partyの誰か
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