転生特典が強すぎなのでひっそり生き…たかった…   作:恋狸

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エタらねぇぞ……!!
拙僧、書く暇が無い故に期間は空きますが許してくだされ


13話 日常

 なんか最近、センパイの様子がおかしい。

 焦燥に駆られたようにただ一心に修行を積む。

 

 元々努力家であることは知ってるけど、最近の修行に対する熱量は度を超えているような気がする。

 

 疲労は反転術式で治せるとかほざいてるし。

 精神的疲労は術式じゃ治せないでしょ。

 

「ねー、センパイ。なんでこんなクソ暑い日に修行してるんです?」

 

 夏休みのため授業は無い。

 とは言え、余程のことがないと実戦に駆り出されることがない私は、やることもないしクズどもとは話したくない。

 必然的にセンパイに絡むことになるけど、相も変わらずグラウンドでぶつぶつ呟きながら試行錯誤を繰り広げている。

 

「んあ? あー、家入ちゃんか。ちょっとなぁ……先輩としての立つ瀬を取り戻すためかなぁ」

 

「それってあいつらのことです?」

 

「まぁ、それもある。基本的に物騒だろ、この世界。サボって誰かを失って後悔するとか勘弁だからな」

 

 死亡フラグ乱立しすぎぃ、と苦笑しつつ語るセンパイの表情に悲壮感はそこまでない。どっちかと言うと失う痛みを知りたくないと目を背けている。そんな感じがする。

 家族を殺され呪術界に進む者は多い。だけど、センパイは孤児院育ちだし、呪霊という存在の悪辣さに怒れど何もかもを恨んでいるわけでもない。

 

 やっぱりチグハグだなー、この人。

 

 そんな感想を懐きながら、私は術式の試行で傷ついたセンパイを治す。

 

「……修行する時は私も呼んでくださいよ。反転術式も結構呪力喰らいますし、それくらいのサポートはしますから」 

 

 あの五条の目をしても底無しと言わせた呪力量を誇るセンパイ。だけど、無限なんてあり得ないし、現にセンパイはそこそこ消耗している。

 

 そのためのサポートは惜しまない。

 無理をしてセンパイが倒れるのは嫌だ。後悔をしたくない、と言えば案外私とセンパイは似たもの同士かも……なんちって。

 

「……サンキュ。そうだな。大体こういう修行モノって一人じゃ強くなれないしね。友情と青春で五条を置き去りにしますかぁ!」

 

「メタ発言しますねー、ウケる」

 

 センパイの瞳に力が宿った。

 回復しか能がない私とでもセンパイの役に立てる。

 柄でもないけど、私はそれが嬉しかった。

 

 

 

 

☆☆☆

 

 

 最近家入ちゃんの様子がおかしい気がする。

 

 いやー、気の所為だと思うんだけど、どうも距離が近い。というか、世話焼きになった。

 キャラじゃねぇと思いつつ、性格的には肝っ玉母さんでもやっていけるか、と納得した。

 その過保護っぷりには思わず姐御と呼びそうになった。

 

 包容力が無い代わりに世話焼きには磨きがかかっている。

 

 毎日夏休みにも関わらず弁当を用意してくれ、修行中に傷つけば即座に反転術式が飛んでくる。何も言わずにジッと見守ってくれることは、俺のモチベが上がる要因にもなっている。

 

 こんな慕ってくれる後輩にかっこ悪いとこは見せられないだろ!

 

 そんな精神で励む俺たちのもとにクソ野郎がやってきた。

 

 

「エ、マジで修行してんじゃん。へぇ〜、俺に追いつくために汗水垂らして頑張ってるね〜」

 

「黙れ烏の糞。同じ後輩でも雲泥の差だな、お前」

 

「はぁ〜? 誰が烏の糞だ!」

 

「お前のその髪色がアスファルトの上にベチャって落ちた烏の糞にそっくりなんだよ」

 

「素直に白って言えよ!」

 

 沸点が低い白髪チートがツッコミに回る様子は見てて面白い。

 それなりに話すようになった仲ではあるが、俺を馬鹿にしてくるのはずっと変わらない。夏油の方が全然マシ。力の差を理解して素直にアドバイスを求めてくることもあるし、生意気なところはあるが立派に後輩してる。

 変わらねぇのはこのアホだけ。

 

「……随分仲良くなってんじゃん」

 

 ボソッと呟いた家入ちゃんの言葉に目敏く反応した五条が、お気にのサングラスをクイッと上げて唇が弧を描く。

 

「あっれれぇ〜? 嫉妬してんのぉ〜? あー、ごめんね。硝子の大好きな先輩取っちゃってさぁ〜」

 

 気まずくなる冗談やめろよ。

 軽くキレた俺だが、それ以上に青筋をピキらせた家入ちゃんが中指を立てながら煽り返す。

 

「黙れよ烏の糞。未だに反転術式もできないくせに。センパイもできるのにね」

 

「いや、その煽りは大人気ないだろ……」

 

 一年後にはできるようになってるけど、さすがに今の五条にそれを煽るのは酷だろうよ……。

 

「は???? 今はできなくてもすぐに使えるし。第一そんなもんなくても俺って最強だからさァ?」

 

「センパイに負けてんじゃん。てか、最強サンが反転術式もできずにイキって良いのー? それって負け犬だよね、ウケる」

 

 やーいやーい、自称最強の負け犬さーん、とぷるぷる震える五条の周りを走りながら煽る家入ちゃん。俺に感化されたのか煽りスキルが高度になってる……。

 まー、今の五条は最強じゃないからな……。やる気を出させるのは良いことだ。

 

 星漿体事件までに反転極めればパパ黒にも勝てるし。

 ……死にかけないと掴めないだろうし、多分無理だけど。

 

「一ヶ月だ。……一ヶ月でものにしてやる」

 

 怒りを堪えながら五条はそんな言葉を吐いて踵を返した。

 

「めっずらし〜。あれだけやる気出したのセンパイが初じゃないですか?」

 

「いや、家入ちゃんの煽りが原因でしょ。思いの外自分にできないことを突きつけられんのはキツイんだぞ」

 

「まあ、良いんじゃないですか? あいつらが強くなったら必然的に死亡率減りますし」

 

「俺が追いつけなくなるんだけど????」

 

 なんのために修行をしてたんだよ、おい。

 しかし、家入ちゃんは悪戯な笑みで悪魔な発言をした。

 

「完全体五条を打ち負かしてこそ、修行の成果じゃないです……?」

 

「……家入ちゃん、マジで小悪魔」

 

 そんなことを耳元で囁かれたらやる気でないわけないじゃねぇの。

 

 

 

 

 

 

 

 

家入ちゃん好きだよね。ヒロインにしちゃって…良い?

  • 良いよ
  • ダメだよ
  • 別の人がいいな。歌姫ちゃんとか
  • ここは冥冥様!?
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