《元》ヒーロー ヴィランに堕ちゆく   作:手足と羽が生えたにんじん

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初めまして
今回が正真正銘初投稿なので誤字脱字や読みづらいなどがありましたらご報告くれると嬉しいです。




ヒーロー『サーモメーター』

彼はヒーローだった。

 

本名を「冷水 暖暮(ひやみず だんぼ)

ヒーローとして活動してた時の名は『サーモメーター』 個性は『温度調節』

「手に触れた物の温度を調節することができる。」という個性

例えば水に触れれば氷にすることも出来れば水蒸気にすることも出来る個性

 

主な攻撃手段は空気を冷やして氷を生成する、サポートアイテムの着火剤を使用し炎を生成するといった轟焦凍に似た戦闘スタイルで。

 

救助活動では溺れてて体が冷えてる人を個性で暖めるといった、個性の影響上体感温度がにぶいことを利用した火事や水場での救助がメインとなっていた。

 

 

 

そんな彼が、ヒーローがヴィランになる。

ただそれだけの物語。

 

 

 

 

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俺はヒーローだった。

 

幼い頃からの夢 ヒーローになることを志し、雄英高校に入学。

その後、雄英高校を卒業し、No.2ヒーローの事務所で2年ほどはサイドキックとして活動し、20歳の頃にファンの人達や同僚達たちの援助のおかげもあって無事に独立し、自分の事務所を立ち上げることができた。

 

そして、独立を機に幼なじみと結婚。

21歳の時に第1子も産まれ、第二子となる子も妻のお腹にいる。

仕事も上手く行っており、本来なら順風満帆で幸せな日々を過ごしているはずだった。

 

 

俺の人生が変わったのは俺の歳が23の時。

 

 

この時の俺はとあるヴィランを追っていた。

奴は強盗を繰り返し続け、遂には重傷者まで出したヴィラン。

そんな奴を裏路地で発見し、もう少しで確保することが出来るまで追い詰めた状況だった。

 

 

その時、奴は最後のあがきなのか、もしくは逃走するためなのか突然大通りに向かって、爆破の個性を発動させようとしていた。

その瞬間、俺は奴を止めるために個性を使い氷の球を作り、投げつけた。

それはやつの頭にあたり、当たりどころが悪かったようで奴は倒れ込み、その後の救護活動も虚しく奴は死んでしまった。

 

 

いくら凶悪犯とはいえ、人を殺してしまった俺を民衆は糾弾した。

もちろん俺自身も民衆からの糾弾、しばらくのヒーロー活動停止処分は覚悟していたし受け入れるつもりだった。

しかし待っていたのは、想定よりも遥かに大きな批判の声。

 

謝罪会見では「殺す以外の方法はなかったのか」「ほんとうに殺すつもりはなかったのか」「ヒーローとしての自覚はあったのか」などを聞いてくる記者による糾弾。

テレビや新聞では連日事件について放送され、聞こえてくるのは常に評論家による糾弾。

事務所や自宅、俺の実家、妻の実家。 挙句の果てには雄英高校や世話になったNo.2ヒーローの事務所にまで押しかけてくるマスコミ共。

SNSでは「人殺すとかサイテー」「人殺しといてヒーロー続ける気? どういう神経してんの?」「失望しました、 サーモメーターと那珂ちゃんのファンやめます」などと大炎上し「ヒーロー『サーモメーター』は人をいたぶりたいからヒーローをしてた」とないことまで言われるようになってきた。

 

この状況を鑑みて事務所に所属してたサイドキック達は次々に辞めていった。

俺の母親はマスコミの押しかけやいたずら電話で病み、自宅で首を吊る。

ヒーロー委員会は自分たちに標的がむく前にヒーロー免許を取り消す。

殺人罪として捕らわれなかったのが少ない救いだった。

 

こんな状況でも俺の妻は俺を支え続けてくれた。

離婚しようって言った時も「大丈夫、あなたならきっともう一度立派なヒーローになれるわ」と慰めてくれた。

娘もよくわかってないのか「パパヒーローだもん! 大丈夫だよ!」と慰めてくれる。

この家を、この家族だけは守ると心に決めた。

 

でも守れなかった。

事件から2ヶ月たった頃、事件後も変わらず世話を焼いてくれる恩師会い、病院に入院している恩師の妻にも挨拶しに行った後の帰り道。

家に戻り、リビングを開けた先にあったのは荒らされ散らかった部屋、そして妻と娘だったものだった。

みるからに性的暴行の後と見られる白濁液が2人の至る所にかけられており、奥には妻のお腹にいるはずの、俺の息子になるはずだった子供が床に転がっている。

否定したかった。 俺の家族であるはずがないと。 少しの希望すら、たった一つの支えすら失ったのを否定したかった。

しかし誰がどう言おうが俺の妻と、娘と、生まれてすらない息子でしか無い。

 

現実を受けいれた頃には犯人は捕まってた。

俺が昔捕まえたヴィランらしい。

俺を恨んでやった犯行だと。

事務所がある時は家を守っていたサイドキックも巡回中のヒーローもいない時を狙ったと。

既に投獄されていて終わったことだ、辛いだろうが生きてればいい事あるはずだと、警察は言ってた。

 

いっそのこと全てを失った結果として酒とかに溺れていた方が幸せだったかもしれない。

そしたら俺がそっちにいくことはなかったな。

 

全てを恨みながら家族の後を追う方がよかったかもしれない。

まあ死ねない理由ができちゃったから今から後追いはすることはできないな。

 

家族を失ったあと、よく考え事をした。

 

何故家族を守れなかったのか。

家に誰もいなかったから、だからといって俺が常に家に入れるわけもない。

だから事務所のサイドキック達が交代で俺の自宅にいた。

 

なら何故サイドキック達はいなかったのか。

別にあいつらを責めてるわけじゃない。

俺は責めることも出来ない、あいつらにも自分の人生があったから。

ならなんでサイドキックたちがやめるという状況を作ったのか。

それは俺を人を殺したからだ。

 

なら何故俺は人を殺した。

それはほかの人たちを守ろうとしたからだ。

あのヴィランが関係ない人たちすら巻き込こもうとして、殺そうとしたからだ。

だからそれを止めようとした。

もちろんできるだけ死なないようにはした。

止めようとした結果が殺してしまったという事だっただけさ。

 

その結果がこれだ。

俺が守ろうとした人達からの非難。

SNSでは好き勝手言って、俺の母親にはいたずら電話を繰り返し、俺の家には落書きはするわ、妻の方の実家にまで迷惑をかける。

俺が命をかけて守ってたものは誰も俺も守ろうとしない。

それどころか面白がって俺の大切な人達を好き勝手荒らしては遊ぶ。

 

俺がヒーローを志した理由はなんだ?

それはみんなを守るヒーローに憧れたから。

しかし俺が守ってたものはどんなやつらだった?

俺がほんとに守るべき人たちより優先して守ってたのはなんだ?

こんなやつらを守ろうとしてたのか?

この守る価値がない奴らを。

 

 

俺はヒーローたちに声を大にして言う。

君たちが守ろうとしてるものは、守る価値が無いものだと。

守られるのが当たり前になってる、他人で弄んでは他人の人生をぐちゃぐちゃにしてくやつらだと。

 

 

そして人々を絶望させる。

当たり前を壊された奴らの顔を。

君たちが好き勝手言えるのは、君たちが好き勝手言ってる人たちのおかげだと。

 

 

俺は元ヒーローとして、ヴィランになる。

ヒーローの敵としてでは無く、大衆の敵として。

 

 

 

ヴィランとしての『サーモメーター』として。

 




読んでいただきありがとうございました!

今回のは2話から原作合流するためにかなり詰め込んでしまいました。

まえがきでも書きましたが誤字脱字、読みづらいから行間もう少し開けた方がいい、ここの文章おかしくない? などがありましたらぜひご報告お願いします!
次回は原作の少し経った辺りからスタートします!

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