《元》ヒーロー ヴィランに堕ちゆく 作:手足と羽が生えたにんじん
冷水 暖暮の由来というかなぜこの名前にしたのかって言いますと、
まずは個性が温度調整ということで、冷、暖、温などの文字を入れよう。
ということで苗字は日本の地名にしとけば大抵どうにかなる理論で、冷水という地名があるそうなので冷水に。
名前は暖暮というラーメン屋があるのでそのまま流用。
流用させてもらったのでラーメンを食べに行きましたが美味しかったです。
-轟焦凍side
雄英体育祭 控え室
「君の!! 力じゃないか!!!」
同じようなことを昔、暖兄さんに言われたことがある。
----4年前----
「初めまして! 僕はサーモメーター! 本名は冷水 暖暮! 君が焦凍くんかな?」
白髪で顔は少し整っていて、背は高く体はしっかり鍛えられている。
ヒーローのコスチュームを着ており、デザインは全身が赤と青をベースに腕には温度計のような物が、手首の辺りにリストバンドのようなものが巻いておりその中にはサポートアイテムの着火剤が入っていた。
「…」
「あれ? お父さんから聞いてなかったのかな… 今日は、僕が焦凍くんに稽古つけて欲しいって頼まれたんだけど…」
「…わかりました。 早く終わらせましょう。」
「うーん… とりあえずやる気になってはくれたのはいいことかな? 頑張ろうね! 焦凍くん!」
30分後
「さっきから気になってたんだけど、焦凍くんはなんで
「戦闘では
「ということは、焦凍くんはお父さんのこと嫌いかな?」
「大嫌いです。」
(焦凍くん、反抗期なのかな?)
焦凍は冷水の顔を見る。
「それとも…あなたもあいつと同じように、くだらないことはやめろと言いますか?」
「ん? いいや、 そんなことは言わないよ?」
「えっ…」
焦凍は驚いた。
あのクズも、あのクズが稽古のために連れてきたほかのヒーロー達も、
でもこのヒーローは自分のことを肯定した。 くだらないことだと切り捨てなかった。
「それは君自身の力だ。 君の体が自分に宿した個性ってやつだ。それは君が納得出来る方法で使うべきだと僕は思う。もちろん、犯罪とかはしちゃダメだけどね。」
「僕自身の…個性…?」
「そ、君自身の個性。 僕は納得せずにしぶしぶ力を使うのはよくないと思うからね! うん!」
焦凍は左手を見つめていた。
この人はほかの人たちとは違う。 信用出来るかもしれないと焦凍はそう思った。
「となると…稽古の方法を変えるかなぁ…」
「何をするんですか?」
「氷だけで戦うとなると、当たり前だけど炎系の個性相手にきつくなるよね?」
冷水はリストバンドの不備がないか確認する。
「うん、着火剤は問題ないね。 僕はこれからするのはまずは氷の方にだけ搾って基本的な扱い方ってのを教える。」
「でも僕と暖暮さんだと個性全然違いますよね?」
「そうだね! 君は君の体から直接氷を生成してるだろうけど、僕は空気を凍らして氷を生成してる。 本質はかなり違ってるけど氷自体はそこまで変わらない。 ということで基本的な氷の扱い方ってのを教える。 」
「はい」
先程までとは違い、焦凍はやる気に満ちている表情をしていた。
それほど冷水 暖暮という男が信用できると思ったのかもしれない。
「そして実戦は僕は炎だけで戦う。 僕は火を起こすためには着火剤が必要だから炎で戦うのは苦手だけどそれなりには扱えるよ。 ということでまずは僕を軽くいなせるようになれるようになろうね! 焦凍くん!」
「よろしくお願いします。」
「でも始める前に1つだけ言いたいことがある。」
幼い焦凍の頭を撫でながら呟く。
「ゆっくりでいい。 20年、30年経ってもいい。 そこでも納得できないなら使わなくてもいい。 だから、君の力と少しずつでもいいから向き合ってみてくれないかな?
屈みこみ、小指を突き出す冷水。
「約束、してくれるかな?」
この時の俺は…指をとるとこが出来なかった。
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雄英高校 決勝戦
「なんでここに立っとんだクソが!!!」
俺だって暖兄さんのようなヒーローになりたかった。
緑谷と戦ってから。
自分がどうしたいのか、自分が正しいのかわかんなくなってんだ。
暖兄さんはこういう時、どうするのだろうか…
爆豪が俺を倒すために突っ込んでくる。
「負けるな頑張れ!!!!!」
緑谷…
『ヒーローってのは! どんなに高い壁でも!壊して進んでいくもんさ! 焦凍くん!』
暖兄さん…
そうだ。 俺は勝つんだ。
目の前の爆豪に。
怯える母の顔、ムカつくクズの顔が脳裏に浮かんでくる。
無意識のうちに
すると今度は暖兄さんが語りかけてきた。
『君の個性と少しずつでもいいから向き合ってみてくれないかな?
そうだ…俺には…暖兄さんがいる。
先頭では
あの人ならきっと今の俺を笑わずに一緒に悩んでくれる。
今は何も心配はいらない。
俺は気がつけば炎を全力で出していた。
«またもや大爆発が起きちまったぜ!! 2人とも五体満足で生きているのかァ!!»
«不吉なこと言ってんじゃねぇよ»
«そろそろ煙が晴れてくるぜ。立っているのは轟か!それとも爆豪か!»
煙が晴れてくると場内に建っていたのは、轟だけだった。
爆豪は場外に吹き飛ばされていた。
「爆豪くん! 場外! よって…轟くんの勝ち!」
審判の先生はさらに続ける。
「以上で全ての競技が終了! 今年度雄英体育祭1年優勝は! A組! 轟焦凍!」
「よくやった! 焦凍ォ! それでこそ俺の息子よ!!」
«なんかエンデヴァーさんすっごい嬉しそう»
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「よくぞ 優勝した! それでこそ俺の息子だ!」
焦凍が関係者用連絡通路に入るとそこにはNo.2ヒーロー エンデヴァーがいた。
「俺はあんたの息子として優勝したわけじゃない。」
「暖兄さんの弟子として優勝した。」
「お前! まだそんな理屈を…」
「俺があの時、
目を見開き何も言い返してこないエンデヴァーの横をすり抜け、焦凍は控え室へと向かうのであった。
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-冷水 暖暮視点
とある精神病院。
冷水は『轟様』と書かれている病室の前に立ち、ドアを開ける。
「こんにちは、お久しぶりです。」
冷水は軽く頭を下げ、病室の中へと入ってゆく。
そこには焦凍くんの母親、冷さんがベットに座っていた。
「あら、冷水くん。 お久しぶりね。 3ヶ月ぶりかしら?」
「はい。 申し訳ありません。 最近お見舞いに来れず…」
「いいのよ。 冷水くんも忙しいだろうし…それに最近は焦凍が毎週お見舞いに来るようになって。」
「焦凍くんがですか。」
「そうなのよ。 今日から林間合宿ということで昨日もお見舞いに来て…」
久々のお見舞いということで、世間話だけでもかなりの時間が経っていく。
「冷さん、申し訳ありません。 明日はやることがあるため早めに帰ります。」
「冷水くん、今日はありがとうね。」
「いえ、あとこれからは遠くに行くためお見舞いに来れないかもしれません。」
「そうなの… 悲しくなるわね。」
冷水がドアを開ける。
すると冷さんが話しかけてくる。
「もし遠く行った時に焦凍と会ったら、あの子の事よろしくね。」
「…………はい。」
そそくさと病室を出て、早歩きで歩いてく冷水。
(約束、守れないかもしんないな…)
そんなことを考えてると電話が鳴る。
画面を見るとそこには荼毘と書かれていた。
「なんだ? 荼毘。 あぁわかってるよ。 明日集合だろ? じゃあ切るぞ。」
電話を切る男の目には覚悟が見えた。
今回も読んでいただきありがとうございます!
今作の焦凍くんに関しては冷水くんが稽古つけたということで氷の方が大幅強化されています。
炎は覚悟決まる前にヒーローやめさせられたからね仕方ないね。
本当は緑谷視点も書こうと思ったのですが書くなら合宿の後がいいと思いましたので今回不採用。
代わりに冷水くん視点が採用されました。 え? 前回までのも冷水くん視点やろって? こまけぇこたぁいいんだよ!
神野事件まではどんどん更新していきたいと思います!