ーーーおじいさん、今日もお話、聞かせて?
ーーーおや、孫策様、いらしてたのですか。
そうですなぁ・・・では、いい機会ですし、こんな御話などは、どうでしょうか?
まだ先代、孫堅様が御存命だった頃のお話です。
名もない村で生まれたそれはそれは可愛らしい、しかし、赤目だったが故に鬼の子と言われ、森で生き、今尚、何処かで生きてらっしゃる・・・孫堅様と親子の契りを交わした、貴女の義理の弟にあたる方のお話です。
ーーー義理の弟 • • • そう、やっぱりそう言う存在
ーーーおや?やはり孫堅様から聞かされていたので?
ーーーいや、そう言う訳じゃないわ。
ただ、何となく、母様が私達に隠してる存在が居るって言うのは分かっていたわ。
そして、母様があの時に帰って来れてたら私達にその存在を紹介しようとしていたことも。
ーーーそれは・・・失礼しました。
しかし、そうなると孫堅様はいつかこうなることを見越して私どもに話して下さって居たのかもしれませんなぁ • • • 。
私どもには計り知れない御方でしたからなぁ。
ーーーそう、かもしれないわね。
母様は私以上に、孫家の血が強い人だったから • • • 。
ねぇ、聞かせてくれるかしら?その子の事について。
いつか会えたらその子と母様の事について話をするのもいいかもしれないわね。
ーーーえぇ、勿論ですとも。
私が知る事は少ないですが、知っている限りの事はお話致しましょう。
孫堅様が気に入られるような御方です、きっと孫策様も気に入られるでしょうね。
ですが、どこから話したものでしょうか・・・
そうですなぁ、まずはーーーー
その身は英雄足り得るか?
いや、この身は人間(バケモノ)だ。
その心は人間足り得るか?
あぁ、この心は化物(ニンゲン)だ。
何を以て化物とする?
英雄(ニンゲン)によって討滅(たいじ)されることを佳しとして。
それは、英雄譚。
あり得たかもしれない歴史、外史に於いても化け物と呼ばれた身であれど、主への忠義は変わらずに。
その身は化け物であれど彼の心は英雄、英傑。
人に拒絶され、蔑まれながらも、己を認めてくれた時の英雄の為に。
最後は英傑共に討滅されるけれども、だからこそ、やはり、この話は英雄譚なのだろう。
江東の虎、孫堅に気に入られ、小覇王、孫策の義姉弟となり、三国時代を駆け抜けた男。
《化け物》《赤目》と呼ばれた心優しき化け物(ニンゲン)性を陳、名を武、字を子烈、真名を兎々。
さぁ、その物語を、英雄譚を、始めようか。
続くかどうか未定。
反響があれば続くかも。
もしかしたらリハビリで別の短編書くかもしれない。
7/4 設定の矛盾を修正
✕義理の兄 ◯義理の弟
4/18 修正
✕義兄妹 ◯義姉弟