アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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遅くなりました、多分次も遅くなります。
申し訳ありません。


少し昔の話④

結婚式から数週間後、2人はそれぞれ忙しい日々を過ごしていた。

梨璃は、戦場にて一柳隊改めて、白井隊となり夢結が隊長という形で落ち着き、副隊長となり後方支援となった。

蒼伊は、今まで通りの戦場医師としてリリィ達の怪我を診療すると同時に、自身の専門分野であるリリィ支援のアイテム開発も行っている。

結婚指輪は、お互いのリリィの指輪を交換し、互いのチャームの使用が可能となる形となった。

また、それとは別に梨璃の指輪には蒼伊が開発した()()()()()()の機能が実装されており、相手からのマギの入っている攻撃をシールドが破壊されるまで防ぐことが出来る。シールドは、一定量のマギを流せば、回復・復活させることが出来る超優れ物である。

だが、戦況は決していいものではなかった。

むしろとても悪い状況であった。

今まで押していたが、ここに来てヒュージのケイブの数が今までの倍になってしまったのである。

だが、1つのケイブから出てくるヒュージの数はかなり少なくなったものの、大半が変異種と呼ばれるマギを使って攻撃してくるヒュージであった。

 

 

 

 

 

 

 

________________救護拠点

 

 

「まったく、今日もかなりの負傷者だな。」

「前線では戦闘が激化しているみたいですよ。」

「どこ情報だ?」

「いつも通り一葉司令官からです。」

「やっぱりか、流石元エレンスゲのリリィだな。」

「これでも、結構仲は良かった方ですよ。」

「そうなのか……」

「そうなのです。それよりも、どうなんですか、新婚生活」

看護師は目をキラキラさせながら問いかける。

「ふ、普通だよ。帰ってきた梨璃を膝枕しながら頭を撫でて癒されてる」

「癒してるのではなく?」

「ああ、梨璃はめちゃくちゃ甘えん坊なんだよ。まあ、そこがとても可愛いんだけど。」

「うわぁ〜、お惚気けご馳走様です。」

とても満足そうな顔をしている。

「話は変わるが、ここにいる看護師で戦えるリリィって何人いる?」

「私を含めて20人です。ああ、そう言えば()()()()()()()()使()()()んでしたね」

「ああ、男では珍しくリリィなんだよな。」

「かなり珍しいですよね。第1世代以来の男のリリィですもんね。」

「まあ、正直なところゲヘナに実験されてたから、チャームを握っていないから、今は起動出来るか分からないけどね。」

「そうなんですか……、失礼な事聞いてしまって申し訳ありません。」

「いや、大丈夫だよ。いつかは話すつもりだったし。」

「でも!それでも、思い出したくない記憶のはずですよね?」

「優しいんだな、定盛くんは……」

蒼伊は看護師の頭を撫でた。

サラサラの髪を優しく。

「なっ……、はわぁ……」

少し照れているようだ。

顔を真っ赤にしながら、でも、満更でもなさそうな表情をしている。

「……そんなんだから、勘違いする子が多いんです。」

「ん?何か言ったか?」

「もういいでしょ、そろそろ離してください!梨璃さんに言いますよ!」

「それは困るから、止めます。」

蒼伊は、定盛の頭から手を離した。

「あと、私を呼ぶ時は姫歌かヒメヒメっていつも言ってますよね?」

「わかった、わかったから落ち着いてよ、定盛くん。」

「だ〜か〜ら〜!」

その言葉を遮るように警報音がなる。

『エマージェーシー、エマージェーシー!只今、救護区域内でケイブの発生を確認。動けるリリィ、待機中のリリィは直ぐに戦闘態勢に入ってください。繰り返します…………』

その瞬間、定盛の目の色が変わった。

「先生、逃げてください。生き残って、救える命を救ってください。」

「ダメだ、僕も戦う。」

「いえ、先生は逃げるべきです!」

定盛は、強く言う。

「死亡フラグ回避してるんですよ、今。だからこそ、逃げるべきなんです!先生は生きて、梨璃さんと幸せな家庭を築いて、幸せになる権利と義務があるんです!だから、今は逃げてください……」

定盛の言葉は本気だった。そのせいで、喉を通りかけた言葉が、消え失せた。

「……わかった、でも、研究データは持って行かせてくれ。アレは絶対に必要なものだから!」

「分かりました、私はヒュージがここに来たら、倒します。」

「わかった。任せるよ、姫歌」

「了解しました、蒼伊先生!」

2人はそれぞれの役割を理解している。

姫歌は、ヒュージから蒼伊を守り、蒼伊はリリィのために研究中の武器を実用段階まで持っていく。

『各リリィに通達!今回のケイブから現れたヒュージは一体。だが、何かが……』

その瞬間、2人のインカムが通信を切断した。

いや、正確には()()()()()のだった。

「ヒュージが、通信施設を壊しやがった。通信は不可能だな……、姫歌!5分でいい、5分でいいから持たせてくれ!ヒュージ一体にこの研究を邪魔させてたまるか!あの子が、成長して、この武器を使えるようになるまで、生きているつもりだったが、仕方が無いか。」

蒼伊は、1本の鉄の塊らしき物に術式を書き入れていく。

そのスピードは、通常のスピードではありえない速度である。

ほぼ終わりに近づいた瞬間、壁を突き破り、ヒュージが診察室に入ってきた。

「ギュイィィィィィイン」

「コイツ、まさか変異種!?」

通常のヒュージと変異種の違いは、多いが、判別方法は戦うか、鳴き声を聞くしかない。

ただし、変異種は鳴き声を変えられる。

だから、被害に遭うリリィが多いのだ。

「だけど、私にとってはリハビリ相手にも……」

「よし、これで完了だ。姫歌、ここを脱出す……

姫歌、危ない!」

「え……」

姫歌が立っていた足元が崩れて、地下に落ちていった。

蒼伊は手を伸ばすが、届かない。

「姫歌ぁぁぁぁあ!」

そんな事も気にせず、ヒュージは蒼伊に襲いかかる。

振り下ろした斧状の腕が、蒼伊の首元に当たろうとした時、ヒュージの腕が、弾かれた。

「マギ……シールド、まさか!?」

「蒼伊くん!」

「梨璃!?」

インカムに俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。

「良かった、間に合ってよかった!今からそっちに……」

「いや、来るな!地下に姫歌が落ちた。そっちの救助を頼む。」

「でも!」

「梨璃っ!」

「はいっ!?」

「今回だけは、俺のお願いを聞いてくれよ。コイツだけは、今ここで狩らないとダメなんだよ。だから、姫歌を頼む」

「……わかった。でも、地下に降りたら、私のシールドは使えないよ。」

「大丈夫、僕だってチャームを使えるよ。任せておいてよ。2人が出てきたら、撤退する。」

「了解!お互い健闘を祈ります!」

蒼伊は、インカムを捨てた。

「待たせたな、本気でお前を狩る!電脳(サイコキネシス)

蒼伊は、術式を書き込んでいたチャームを引き寄せる。

「頼むぞ、()()()()

チャームが起動する。但し、通常のチャームとは違い銃部分が存在しない。

切断に特化しているチャームだ。

「ぐあっ!!マギの侵食が激しいな。戦闘の終わりまで身体、持ってくれよ!」

 

 

 

 

 

 

_____________少し昔の話④ [完]




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