アサルトリリィ Thousand Flower   作:汐風波沙

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遅くなりました、よろしくお願いします!


少し昔の話⑥

「はあ、はあ、はあ、はあ……」

蒼伊はマギを使い切り、既に限界を迎えていたが、最後の一撃で変異種型ヒュージを倒した。

「終わったー!」

その場に蒼伊は倒れ込んだ。

三年振りにチャームを起動し、大規模の攻撃を行使したのだ。

ヒュージは真っ二つに切り裂かれており、傷口にはマギを吸うことが出来なくなる封印術式を書き込まれている、これでこのヒュージは確実に動けなくなる。

蒼伊の必勝パターンである。

「まさか、サブチャームである電脳も正常に動作してくれて、本当に助かった。」

蒼伊は空を眺める。

曇っていた空はいつの間にか雲の隙間から光がさしていた。

「綺麗だ、まるで神が降臨したような景色だ。」

その瞬間、ケイブが雲の上で発生した。

救護拠点の全警戒システムは停止中、つまり、今ケイブが開いても誰も気付くことが出来ないのである。

「これは!?そうか、システムでも検知できないヤツもいるんだな。」

蒼伊は空を見上げ少し笑みをこぼした。

「蒼伊!」

姫歌を連れて地上に上がってきた梨璃が蒼伊に近く。

「梨璃、早くここから離れろ。もうすぐアルトラ級が空から落ちてくる。」

「なら、蒼伊も一緒に……」

「見ての通り俺はマギ切れで動けない。だから、姫歌と一緒に逃げろ。お前ら2人が避難拠点まで逃げる時間は稼いでやる。」

蒼伊はもう一度チャームを握る。

「私も残る。」

「ダメだ、梨璃!」

「私は貴方の(パートナー)なの!だから、生きる時も死ぬ時も一緒じゃないと……」

「ごめん、梨璃……」

蒼伊は、梨璃の鳩尾を殴る。

「姫歌、まだ動けるか?」

「まあ、人1人抱えて走るくらいは出来ます。」

「じゃあ、梨璃を頼む。あと、梨璃が目覚めたらこれを渡してくれ」

蒼伊は姫歌に手紙を渡す。

「これは?」

「まあ、俺から梨璃に送れる最後のプレゼントかな。」

「そう、ですか……」

姫歌は少し悲しそうな顔をしていた。

「そんな顔するな、姫歌。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ。」

「そんな、可愛いだなんて……」

「まあ、梨璃の次の次の次くらいにな」

「そのセリフがなければ感動的だったのに!」

「ごめんごめん。でも、調子取り戻したみたいだな。」

「うん、必ず生き残りなさいよ。」

「まあ、残り数パーセントの奇跡にかけるとするよ。」

「じゃあ、私たちは行くわ。」

「おう、道中お気をつけて!」

「ありがとう。」

そういうと気絶した梨璃を抱えて姫歌は走り出した。

 

 

 

 

その後、アルトラ級ヒュージが空から飛来し、救護拠点だった場所は大きなクレーターとなった。

その後、調査のために派遣されたリリィはクレーターの中心部に1本のチャームが刺さっているのを発見した。

そして、双葉蒼伊の行方を知るものも1人としていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これが、私の知っている全てです。」

梨璃は、理事長代行にそう告げる。

「そのチャームは今、誰が使用しているんだ?」

そして、理事長代行は質問する。

「それは……」

「美夢ちゃんの使っているチャームでしょ?」

百由は、理事長室をノックもせずに開いた。

「盗み聞きとはいい趣味ではないな、百由くん。」

「そこに関しては申し訳ないと思っているわ。ごめんなさいね、梨璃ちゃん。いえ、双葉梨璃さん。」

「いえ、百由様は昔からそういうところありましたから、大丈夫です。」

「本当に私ってヤバイ女だったのね。」

「なに、今更気にする必要はなかろう。そのイカレ具合は死んでも治らんだろうから。」

「理事長代行も言いますね、中々……」

「まあ、そんな冗談が言い合えるほどこの世界の私達も仲が良かったという事でしょ。」

「じゃな。ところで、何故美夢くんのチャームに使われていると考えたのか、教えて貰えるか?」

「それは最も簡単なことです。実際に私が彼女のチャームに触れているからです。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

_____________少し昔の話[完]




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